2017.04.05 | ニュース

喘息治療に飲み薬「LTRA」追加で発作の出る人が半減

文献の調査から
from The Cochrane database of systematic reviews
喘息治療に飲み薬「LTRA」追加で発作の出る人が半減の写真
(C) avirid - Fotolia.com

喘息の治療には、吸入ステロイド薬のほか、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の飲み薬も使われています。LTRAを治療に追加したときの効果として、これまでの研究から報告されている内容が調査されました。

喘息の治療に優先して使われる薬が吸入ステロイド薬です。吸入ステロイド薬の効果はよく確かめられています。しかし、人によって吸入ステロイド薬だけでは足りない場合や、副作用が出る場合もあります。

ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は主に吸入ステロイド薬を補う治療として使われます。日本ではプランルカスト(商品名オノン®など)、モンテルカスト(商品名キプレス®、シングレア®など)が使え、いずれも飲み薬です。
喘息患者を対象として、吸入ステロイド薬の治療中にロイコトリエン拮抗薬を追加したときの効果について、これまでに行われた研究結果が調査され、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告されました。

 

吸入ステロイド薬の量を変えないでLTRAを追加したとき、LTRAを追加しなかった場合に比べて次の改善が見られました。

吸入ステロイドに追加する補助治療として使われたとき、ロイコトリエン拮抗薬は経口ステロイドが必要な増悪の起こった参加者数を半減させた(リスク比0.50、95%信頼区間0.29-0.86、815人の参加者、4件の研究、中等度の質)。

これは6週間から16週間における有益な帰結を増やすためのNNTBとして22(95%信頼区間16-75)に相当した。

LTRAを追加したグループでは、研究期間に発作が起こってステロイド内服薬が必要になった人の数が0.50倍になりました。換算すると、6週間から16週間の間で、LTRAを追加した人22人あたり1人で同程度の発作を防げると見積もられました。

副作用の可能性がある症状などが発生した数について、LTRAを追加したグループと追加しなかったグループの間で統計的な違いは見られませんでした。

 

LTRAを追加するとともに吸入ステロイド薬の量を増やしたときについては、LTRAを追加せず吸入ステロイド薬の量だけを増やしたときと比べて、改善効果が見られませんでした。

LTRAを追加して吸入ステロイド薬の量を減らしたときについては、LTRAを追加せず吸入ステロイド薬の量を減らしたときに比べて改善効果が見られず、副作用の可能性があることはLTRAを追加したほうが多くなっていました。

 

ロイコトリエン拮抗薬について知られている研究結果のまとめを紹介しました。

ロイコトリエン拮抗薬は、現在の喘息治療の中で重要な役割があり、広く使われています。効果を示すデータがまとめられていることで、実際に行われている治療の根拠を確かめることができ、ほかの治療と比較するためにも参照することができます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Addition of anti-leukotriene agents to inhaled corticosteroids for adults and adolescents with persistent asthma.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Mar 16. [Epub ahead of print]

[PMID: 28301050]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事