たいじょうほうしん
帯状疱疹
水ぼうそうを起こすウイルスの感染が原因。身体の一部に、帯のように痛みのある赤いぶつぶつができる
22人の医師がチェック 188回の改訂 最終更新: 2019.07.26

帯状疱疹がうつる期間はかさぶたになるまで:赤ちゃん、妊婦は特に注意!

帯状疱疹の原因のウイルスは近寄っただけでうつることがあります。目安として水ぶくれが完全にかさぶたになるまでは対策が必要です。帯状疱疹の感染に特に注意するべき人と、予防接種などの予防法を説明します。

1. 帯状疱疹はうつるのか?

帯状疱疹の原因のウイルスはうつります。ただし、ウイルスがうつってもいきなり帯状疱疹の症状が出ることはありません。また、健康な大人にうつることはめったにありません。

帯状疱疹のウイルスがうつるとどうなる?

帯状疱疹のウイルスは水ぼうそうを起こします。帯状疱疹の原因は水痘帯状疱疹ウイルス(すいとう・たいじょうほうしんウイルス)といって、水ぼうそう水痘水疱瘡)の原因と同じウイルスです。水ぼうそう予防接種を打っていない人、水ぼうそうかかったことがない人、特に子供には注意が必要です。

水ぼうそうに1回でもかかると、水痘帯状疱疹ウイルスは身体に住み着いてしまい、何十年も経って体力が落ちたときなどに帯状疱疹を起こすようになります。

水痘帯状疱疹ウイルスが脳卒中巨細胞性動脈炎にも関係しているのではないかとする説もあります。

参照文献:J Infect Dis. 2015 Jul 15BMC Infect Dis. 2015 Oct 31

帯状疱疹の原因と治療は?

身体の中に潜んでいる水痘帯状疱疹ウイルスが帯状疱疹の原因です。ひとたび水ぼうそうにかかるとほとんどの場合でウイルスが体内に住み着いています。

住み着いているウイルスが帯状疱疹を現しやすいのは次のような場合です。

  • 高齢
  • 極端な疲労やストレス
  • HIVによる感染
  • ステロイド内服薬の長期使用中
  • がん状態(身体にがんがある)

治療にはウイルスの増殖を抑える薬がありますが、市販薬は効きません。水ぶくれが出て48時間以内に薬を使い始めることで、早く治せます。

多くの場合は入院の必要がなく、アシクロビル(商品名ゾビラックスなど)、バラシクロビル(商品名バルトレックスなど)などの飲み薬を7日から10日飲むことで治ります。比較的値段の高い薬ですが、ジェネリック医薬品が使える場合もあります。

帯状疱疹のウイルスはどんなウイルス?

水痘帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルス科に分類されます。ヘルペスという名前がついていますが、口唇ヘルペス性器ヘルペスを起こす単純ヘルペスウイルスとは別です。

水痘帯状疱疹ウイルスの特徴のひとつが、非常に感染力が強いことです。水ぼうそうが子供の間でうつるときは、空気感染と言って、近づいただけでうつることがあります。しかし、健康な大人にうつることはほとんどありません。

帯状疱疹がうつる確率は?

近くの人に帯状疱疹が出たら、うつる確率について次のことが言えます。

  • 水疱が狭い範囲で出現し、割れていない場合にはほとんどうつらない
  • 水ぼうそうか帯状疱疹にかかったことがある人にはほとんどうつらない
  • 水ぼうそう予防接種を2回打った人にはほとんどうつらない
  • 健康な大人にはほとんどうつらない
  • まだワクチンを打っていない乳幼児にはうつる危険性がある
  • HIVに感染している人やステロイド内服薬を長期使用している人にはうつる確率が高い

水痘帯状疱疹ウイルスは感染力が非常に強く、水ぼうそうにかかった人の家族が抗体を持っていなければ90%近い確率でうつると言われています。

2. 帯状疱疹がうつる期間はいつまで?

帯状疱疹のウイルスがうつる可能性のある期間は、明確には分かっていません。皮膚の症状が完全にかさぶたになるまでがひとつの目安になります。

帯状疱疹の症状は期間とともに変化する

帯状疱疹の初期症状は痛み・かゆみです。最初の数日ほどは目に見える変化がないことが多く、慣れた医師でも痛み・かゆみといった症状だけから帯状疱疹と判断するのは難しいです。

次いで赤み紅斑)が、さらに続けて水ぶくれ(水疱)が出ます。水ぶくれは1週間ほどで自然に潰れ、さらに1週間ほどで写真のようなかさぶたになります。

かさぶたは時間とともにきれいに消えますが、人によっては多少の跡が残ります。また、かさぶたが消えてからも痛みが続くことがあります。

帯状疱疹による皮膚の変化が治まってから数か月以上も痛みが残る帯状疱疹後神経痛という後遺症が一部の人に起こります。帯状疱疹後神経痛が出ているときには、ほかの人にうつる恐れはありません。

詳しくは「帯状疱疹の画像:初期症状のかゆみ、赤み、水ぶくれとかさぶた」で説明しています。

3. 帯状疱疹に潜伏期間はある?

水痘帯状疱疹ウイルスが、初めて感染した人に水ぼうそうを起こすまで潜伏期間10日から21日です。しかし、帯状疱疹はもともと身体に潜んでいる水痘帯状疱疹ウイルスが起こす病気であるため、潜伏期間という概念ははっきりしません。

一度でも水ぼうそうや帯状疱疹にかかったことのある人には、身体の中に水痘帯状疱疹ウイルスが住み着いています。水ぼうそうを経験したけれども帯状疱疹になっていない人からウイルスがうつる恐れはありません

一方で、水ぼうそうを経験した人は誰もが帯状疱疹になる可能性があります

4. 帯状疱疹は赤ちゃんにうつる?

帯状疱疹の症状が出ているときは、赤ちゃんにウイルスをうつす可能性があります。赤ちゃんが水痘帯状疱疹ウイルスに感染すると水ぼうそうになります

赤ちゃんにうつさないように帯状疱疹の症状が出ている人との接触を控えることと、1歳になったら水ぼうそうの予防接種を2回打つことが予防になります。

まだワクチンを打てない0歳の乳児にうつる可能性もあるので、帯状疱疹が出た人は赤ちゃんには近づかないようにしてください。授乳中の女性に帯状疱疹が出たら授乳はストップしたほうが無難です。

帯状疱疹がうつらない子はいる?

幼児で次のどちらかに当てはまる子は、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫ができているので、ほとんどうつることがありません。

水ぼうそうに一度かかるとウイルスに対する抗体ができる一方で、ウイルスが身体に住み着きます。すると将来帯状疱疹が出る可能性があります。赤ちゃんや幼児のうちに帯状疱疹が出ることもまれにはあります。

免疫をつけるためにかかったほうがいい?

水ぼうそうにはどうせかかるので早いうちにかかっておいたほうがいい」と言う人がいますが、間違いです

2014年10月からワクチンの定期接種が始まった結果、水ぼうそうにかかる人は激減しています。国立感染症研究所のサイトで報告数のグラフが見られます。2015年には過去10年間で最も少なく、2016年は2015年と同程度かさらに少ないことがわかります。

現在は水ぼうそうにも帯状疱疹にも一生かからずに過ごすことが、ある程度期待できます。免疫が弱る高齢になってからは再接種もできます。

水ぼうそうにかかったすべての人に、帯状疱疹の可能性があります。ですが、水ぼうそうに一度もかからなければ、帯状疱疹になることもありません。帯状疱疹になる可能性を考えても、水ぼうそうかからないに越したことはありません。1歳になったら2回の定期接種は忘れずに打ってください。

5. 妊婦が帯状疱疹にかかったら?

妊婦が妊娠中に水ぼうそうにかかった場合、お腹の赤ちゃんに先天性水痘症候群(せんてんせいすいとうしょうこうぐん)や新生児水痘(しんせいじすいとう)という危険な状態を起こす恐れがあります。

妊婦の身近な人が帯状疱疹にかかったときは、妊婦に近づかせないでください

これから妊娠しようと考えている女性は、妊娠する前に水ぼうそうの予防接種を打ってください

もともと水ぼうそうにかかったことのある女性で、妊娠中に帯状疱疹の症状が出たときはお腹の赤ちゃんにうつる可能性は高くはありません

詳しくは「帯状疱疹は子供にうつる?妊娠中に気を付けることは?」で説明しています。

6. 帯状疱疹になったら仕事は休むべき?

帯状疱疹で水ぶくれが出ている期間は、周りの人にウイルスをうつす可能性があります。水ぶくれが完全にかさぶたになるまでを目安に、できるだけ仕事は休み、人と接触を避けてください。会社と同じように学校も休むべきです。

水ぶくれが出てからすべてかさぶたになるまでは2週間ほどです。

2週間も休むのはかなりの負担になるかもしれませんが、上司や同僚によく説明して理解してもらってください。

水痘帯状疱疹ウイルスは場合によって空気感染します。つまり、近づいただけでうつることがあります。たとえ仕事で会う人が元気な大人ばかりでも、通勤中や少し買い物に出たときなど、感染しやすい人に近づいてしまうことは十分考えられます。

もし高齢者や0歳の赤ちゃんに接触することがあれば、うつしてしまうかもしれません。医療・介護関係の仕事、保育関係の仕事であれば特にその危険性は大きいでしょう。

うつる危険性だけでなく、帯状疱疹の症状がひどいときは痛みや水ぶくれで仕事どころではなくなります。こうした状況で休むのは仕方ないことです。

7. 帯状疱疹になったら温泉・プールもだめ?

帯状疱疹で水ぶくれが出ているときは、家族と一緒に入浴するとウイルスをうつしてしまう恐れがあります。温泉などは避け、お風呂ではお湯に浸かるのはやめてシャワーにしておくのがいいでしょう。

気を付けるべき場合は、家族に次のような感染しやすい人がいるときです。

元気な大人にうつすことはほとんどありません。

プールでもうつす恐れがあります。多くの人が入るプールには、感染しやすい人がいる可能性もかなり考えられます。帯状疱疹がきれいに治るまではプールはやめておいたほうが安全です。

そのほか生活上の注意について「帯状疱疹の治療期間はアシクロビル7-10日、生活上の注意とともに」で説明しています。

8. 洗濯物やスリッパでうつる?

洗濯物を同じ洗濯機に入れたことで感染する可能性は低いです。あまり神経質になる必要はありません。

ただ理屈としては、帯状疱疹の症状が出ている人の触ったものにはウイルスが存在しえます。念のためには洗濯物やタオル、スリッパなどは別々にする方が良いと思われます。

特に、水ぶくれが潰れていて衣服が濡れるような場合は、濡れた場所に触らないほうがいいでしょう。ですが、洗濯機に入れてしまえば、洗濯物を取り出すときや次の洗濯のときにうつることはほとんどないと考えられます。

9. 帯状疱疹は高齢者にうつる?

高齢者は、帯状疱疹のウイルスがうつるだけでなく、もともと自分で持っていたウイルスによって帯状疱疹が起こる場合も多い年齢です。帯状疱疹にかかる人の7割前後が50歳以上です。

50歳以上の人は水ぼうそうワクチンの再接種を受けることができるので、ぜひワクチン接種を受けてください。

帯状疱疹の症状が出ている人から周りにうつさないための対策について以下で説明します。

10. 帯状疱疹の感染を予防する方法

帯状疱疹のウイルスの感染を予防するには、接触感染と空気感染にそれぞれ対策が必要です。感染経路に応じて気をつけるべきことを説明します。

帯状疱疹の感染経路は接触感染と空気感染

水痘帯状疱疹ウイルスの感染の仕方は主に接触感染です。場合によっては空気感染も起こります。

空気感染は飛沫核感染(ひまつかくかんせん)とも言います。感染源が空気中をただよってほかの人の体内に入り、うつります。感染源の大きさは5μm(マイクロメートル、1μmは1mmの1000分の1)未満で、空気中を1m以上は容易に移動できます。水疱瘡、広範囲の帯状疱疹の他にも、結核はしか麻疹)、は空気感染します。

接触感染とは感染している人やその周囲に触れてうつることです。性交渉はもちろん、キスや手で触る程度でも接触感染します。帯状疱疹の予防策としては、次のことを心がけるようにしてください。

帯状疱疹の接触感染を予防する方法

  • 触れたからといって必ずうつるわけではないが、リスクを下げる意味で出来るだけ接触は最小限にする。
  • 手洗いとうがいを行う。

帯状疱疹の空気感染を予防する方法

  • 数m程度であれば、ウイルスは飛んでくることができるので注意が必要。
  • ​症状が出ている人にはマスクを付けて接する。

帯状疱疹の感染予防にN95マスクは必要?

N95マスクといわれる精密なマスクが主に医療機関で使われていますが、特殊なマスクですので、帯状疱疹を予防したいとしても一般家庭で使用するにはあまり適していません

N95マスクとは密着性が高く、マスク自体もガーゼの構造が細かいため、微粒子をほとんど通さないマスクのことです。N95マスクは非常に性能が高いですが、空気を吸いづらいので長時間装着していると息苦しくなります。使い方にも慣れる必要があります。

11. 帯状疱疹にかかった人は何に気を付ける?

帯状疱疹の症状が出たら、病院で薬をもらい、安静にして、周りにうつさないための注意をしてください。

  • 手洗いうがいを行う。
  • 極力人と接触しない
  • マスクをつけて、咳エチケットを守る(咳やくしゃみのときには鼻と口を覆うなど)。

水ぶくれが潰れたとき、広い範囲に水ぶくれが出たときはうつりやすい

水ぶくれが潰れて湿っている場合や、潰れていなくても水ぶくれが広い範囲に出現している場合は、ウイルスが飛び散っている可能性があるので、空気感染対策をとる方が良いとされます。

12. 身近な人が帯状疱疹にかかったら何に気を付ける?

帯状疱疹にかかった人の家族や、かかった人を介護する人などは、ウイルスをもらわないように気を付けてください。

接触感染と空気感染を防ぐ

  • 感染者の体液や粘膜に直接触れない。
  • 感染者の体に接触した後は必ず手洗いを行う。
  • 水ぶくれのない皮膚や感染者の周囲の物にもウイルスは存在しうるので、感染者のいる部屋に入ったら必ず手洗いをする。
  • 感染者に接触する場合はマスクを必ず着用する。
  • ​感染者と風呂/トイレを別々にする必要性はないが、使用後は必ず手洗いを行う。

50歳以上の人はワクチンを打つ

50歳以上の人は水ぼうそうワクチンの再接種を受けることができます。

免疫が弱っている人は特に注意

次に当てはまる人は、免疫が弱っている可能性があり、特に注意が必要です。

  • 高齢
  • 極端な疲労ストレスがある
  • ステロイド長期内服中
  • がんHIV感染症がある

免疫が弱っている人は、感染するリスクが高いので、帯状疱疹の症状が出ている人にはできるだけ接触しないようにする必要があります。

13. 帯状疱疹に予防接種(ワクチン)は効く?

帯状疱疹はワクチンで予防できます。帯状疱疹の原因は水ぼうそうと同じ水痘帯状疱疹ウイルスです。水ぼうそうの予防接種が帯状疱疹の予防にもなります。

平成26年からは1歳以上3歳未満のすべての子供を対象にワクチンを2回接種する定期接種が行われています。1歳になったら忘れずに1回目のワクチンを打ってください。1回目と2回目の間は3か月以上の間隔を空けるように決められています。

平成26年以前に幼少期を過ごしている人はワクチンを打っていないかもしれません。

特にワクチンを打ったことがない人で、過去に水ぼうそうに感染したことがない場合は、ワクチンが非常に有効になります。当てはまれば積極的にワクチン接種を考えてみてください。このサイトでは水ぼうそうの予防接種を受けられる病院・クリニックを検索できます。

※検索結果は常に最新かつ正確とは限りませんので、確実な情報が必要な方は各医療機関にお問い合わせください。

かかって抗体を作っても帯状疱疹は防げない

帯状疱疹の予防にはワクチンが有効ですが、水ぼうそうにかかったことがあれば抗体があるから帯状疱疹にならないのかというと、残念ながら違います。

水ぼうそうに一度かかると、症状が治まってからもウイルスは体の中に残っています。このウイルスが再び活動して症状を現すのが帯状疱疹です。水ぼうそうにかかったことがある人は、むしろ帯状疱疹が発症する可能性があり、痛みやかゆみの症状が出たときに素早く気付いて治療を始めることが大切です。また、帯状疱疹にかからないためにも、免疫を落とさないように、日頃から体調管理に努めることも重要になります。

水ぼうそうワクチンによる副作用は?

ワクチンも万能ではありません。副反応といわれる症状(副作用)が出ることがあります。水ぼうそうのワクチンで出ることがある副反応は、発疹蕁麻疹じんましん紅斑(赤み)かゆみ発熱などです。

これらの症状のほとんどは接種してから数時間程度までに出ます。接種してから 1-3 週間くらい経ったのちに、発熱や水ぼうそうのような皮疹がみられることがありますが、たいていの場合は数日中に症状はなくなります。

非常にまれですが、アナフィラキシー様症状と言われる、口やのどの奥のむくみが起こり息苦しくなることがあります。

息苦しさが出た場合は、命にかかわる状態になる危険性がありますので、必ず病院あるいはクリニックににかかってください。

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」における副作用の詳細情報

水ぼうそうのワウチンはなぜ2回打つ?

平成26年10月1日から水ぼうそうのワクチンは定期接種になっています。対象者は満1歳から3歳未満の子供で、満1歳・満2歳の2年の間に2回接種することとされています。

1回の接種で重症の水ぼうそうをほとんど予防でき、2度打つことで免疫がさらに高まり(ブースター効果)、軽症の水ぼうそうも予防できるようになります。

2回の接種はきちんと受けて、受けた日を記録しておいてください。

水ぼうそうのワクチンの次は4週間開ける

水ぼうそうのワクチンは「生ワクチン」と呼ばれる種類のものです。生ワクチンを打ったあとは次の(水ぼうそう以外の)ワクチンを打つまで4週間開けることと決められています。

また、水ぼうそうのワクチンの1回目と2回目の間隔は3か月以上開けることと決められています。

未来のワクチンは変わるかもしれない

帯状疱疹の予防として、生ワクチンとは違うタイプの「サブユニットワクチン」というワクチンも研究されています。将来実用化される可能性があります。サブユニットワクチンというのは、病原体そのものではなく、病原体が持っている一部の物質だけを取り出してワクチンとしたものです。百日咳などの予防接種にサブユニットワクチンが使われています。

参照文献:N Engl J Med. 2015 Apr 28N Engl J Med. 2016 Sep 15

昔打ったワクチンをなぜまた打つ?

水ぼうそうワクチンは、50歳以上の人なら再接種を受けられます。再接種は、時とともに減衰した抗体を再度作らせるのが狙いです。

インフルエンザワクチンを打ったのにインフルエンザにかかった」という経験はあるでしょうか。同じように、水ぼうそうのワクチン接種をしても、水ぼうそうや帯状疱疹になることがあります。この現象のことを、ワクチンフェイラーと言います。

ワクチンフェイラーは2種類のパターンに分類して考えられています。

  1. ワクチンを打ったのに抗体が作られない(一次ワクチンフェイラー)
  2. ワクチンを打って抗体が作られたのだが、時間とともに抗体が減ってしまう(二次ワクチンフェイラー)

帯状疱疹を発症する人が50歳以上の人に多いことは、抗体が減ってしまうことが原因と考えられます。つまり、予防接種やウイルスに感染したことで十分な抗体ができても、時とともに抗体が減衰してしまうのです。

高齢者を対象にした研究で、水ぼうそうのワクチンの接種後の帯状疱疹が半分ほどに減ったという結果が出ています。

参照文献:Cochrane Database Syst Rev. 2016 Mar 3

ワクチンは自分だけのためではない!

実は、抗体を持っておくことのメリットは病気にかかりにくいことだけではありません。

「集団免疫」と言って、特に免疫の弱い人の周囲の人が免疫を持つことで、免疫の弱い人を守ってあげることができます。

図のように免疫の弱い人の周囲に感染者がいる場合は、免疫の弱い人は容易に感染を起こしてしまいます。

しかし、抗体を持った人が周囲を囲うと、免疫が低くても感染にかかりにくくなります。つまり、ワクチンは自分がかからないためだけではなく、人にうつさないためにも意味があるのです。

自分のためにそして社会のためにワクチンを打つようにしてください。