ソビラックス、バルトレックス、カチリなど・・・水痘(水疱瘡、みずぼうそう)に使う薬剤について解説
この記事のポイント
2.水痘に使う抗ウイルス薬(ソビラックス、バルトレックスなど)について
3.塗り薬「カチリ」について
水痘(みずぼうそう)はヘルペスウイルスの一つである水痘帯状疱疹ウイルスによって発症する感染症です。多くの場合、幼少期に感染しますが成人になってから感染する場合もあります。ここでは水痘(みずぼうそう)の治療薬について解説します。
◆ 水痘(みずぼうそう)とは?
水痘(みずぼうそう)は
幼少期の水痘は症状が軽度であることも多く、その場合は水ぶくれに対して塗り薬、痒みに対して痒み止め、発熱に対しては解熱薬といったように
◆ 水痘に使う抗ウイルス薬について
水痘治療に使う主な抗ウイルス薬としてはアシクロビル(主な商品名:ゾビラックス® )、バラシクロビル塩酸塩(主な商品名:バルトレックス® )があります。(なお、水痘帯状疱疹ウイルスなどへの抗ウイルス薬としては、ファムシクロビル(主な商品名:ファムビル®)やアメナメビル(商品名:アメナリーフ® )もあります。2020年9月時点で、ファムシクロビルは主に単純疱疹と帯状疱疹の治療薬として、アメナメビルは主に帯状疱疹の治療薬として使われています)
ウイルスが増殖するためには遺伝情報などを含むDNAの複製が必要となります。DNAを複製する過程で必要な
アシクロビル製剤には錠剤や散剤などがありますが、水痘に限ってみれば対象は小児であることが多いこともあり散剤(製剤例:ゾビラックス®顆粒40% など)がよく使われます。水痘治療でアシクロビルを使う場合「通常、小児には体重1kg当たりアシクロビルとして1回20mg、1日4回服用」させます。ここでややネックになるのが「1日4回」という服用回数かもしれません。アシクロビル製剤は基本的に食事の有無に関わらず服用可能であり、水痘感染時に食欲低下がおこった場合でも食事の有無における服用への影響はさほどありません。しかし「1日4回」の服用というのはなかなか難儀かもしれませんし、もしも散剤が苦手な場合などでは更に困難になる可能性もあります。
水痘自体が人から人へ感染する疾患ということもあり、感染拡大を防ぐ観点などからも抗ウイルス薬は指示された回数・処方された日数を適切に服用することが重要になってきます。そこでアシクロビルを元に薬剤の吸収などを改善させた薬剤がバラシクロビル塩酸塩になります。
バラシクロビル塩酸塩は服用後に速やかに
アシクロビル製剤にも散剤に甘みを加えたりすることによって飲みやすくする工夫を施した薬(製剤例:アシクロビルDS80%「NK」(旧販売名:アストリック®ドライシロップ80%)など)などもあり、一長一短がありますが、服用回数が少なくて済むことは「適切な服用」という点を考えるとメリットとなります。(アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩共に、水痘治療以外の目的で使用する場合や
アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩は共に比較的安全性が高い薬剤とされていますが、注意すべき副作用として吐き気・下痢・腹痛などの消化器症状や発疹などの過敏症、腎障害や
◆ 塗り薬「カチリ」に関して
水痘に使う薬剤は抗ウイルス薬の他、痒みがある場合は抗
「カチリ」の正式名称はフェノール・
ここでは主に水痘(みずぼうそう)の治療薬について紹介してきました。水痘帯状疱疹ウイルスに一度感染すると水痘が治ってもウイルス自体は神経(神経節)に潜伏し続けます。過労やストレスなどで
水痘治療において抗ウイルス薬の使用開始時期については発病初期に近いほど効果が期待でき
*2016年4月6日に配信された記事を2020年9月28日に更新しました。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。