たんどうがん
胆道がん
胆道に発生する悪性腫瘍(胆管がん、胆のうがん、乳頭部がん)の総称
6人の医師がチェック 167回の改訂 最終更新: 2022.10.17

十二指腸乳頭部がんとは?症状・検査・ステージ・治療についての解説

十二指腸乳頭部は胆管が十二指腸につながる場所です。十二指腸乳頭部がんは胆道がんの一つに分類されます。治療の方法も胆道がんに準じて選択されます。

1. 十二指腸乳頭部とは?十二指腸乳頭部は胆道の出口

胆道の正常解剖のイラスト

胆道(たんどう)は胆汁(たんじゅう)の流れる道です。胆汁は肝臓で作られ胆道を通って十二指腸に流れ込みます。肝臓から十二指腸までの胆道は次のように分けられます。

  • 肝内胆管
  • 肝外胆管
    • 肝門部領域:上部胆管
    • 遠位胆管
      • 中部胆管
      • 下部胆管
    • 十二指腸乳頭部
  • 胆嚢(たんのう)

十二指腸乳頭部は胆管が十二指腸につながる場所です。十二指腸乳頭部がんは「腸」という名前がついていますが腸ではなく胆管からできるがんです。

胆道は胆汁が流れる管のことですが、川に例えられることがあります。肝内胆管は川を作る小さな流れです。小さな流れがいくつかが合わさって川をつくります。

川の上流は肝門部と呼ばれる場所です。肝門部領域は肝門部胆管と上部胆管言われることもあります。上部胆管は肝門部から胆のう管が合流するまでの部分を指します。

胆のうは胆汁が濃縮される場所です。胆石ができることでも知られています。

胆のう管が合流してから十二指腸までの部分を遠位胆管といいます。遠位胆管はさらに細かく中部胆管と下部胆管に分けることがあります。中部胆管は胆のう管の合流した場所から膵臓の上縁までを指します。下部胆管は膵臓の上縁から十二指腸乳頭部の手前までを指します。

2. 十二指腸乳頭部がんの症状は?

十二指腸乳頭部がんは黄疸(おうだん)の症状をきっかけにして発見されることが多いです。十二指腸乳頭部は胆管と十二指腸のつなぎめです。十二指腸乳頭部にがんができると胆汁の流れが妨げられます。胆汁の流れが妨げられると黄疸などの症状が出ます。黄疸は皮膚や眼球結膜(白目の部分)が黄色くなるなどの症状です。他にも十二指腸乳頭部がんで出ることがある症状があります。

  • 黄疸
  • 発熱
  • 腹痛
  • 全身倦怠感
  • 体重減少
  • 食思不振
  • 背部痛

胆汁の流れが滞ると胆管炎などが起きて腹痛や発熱の原因にもなります。

背部痛は膵炎(すいえん)や膵臓がんなどでも見られる症状です。十二指腸乳頭部は膵管の出口でもあります。乳頭部がんができると膵液の流れも滞ります。膵液の流れが滞ると膵管内の圧力が上昇して膵臓に炎症が起きて発熱、腹痛、背部痛などの症状の原因になります。

十二指腸乳頭部がんは黄疸などの症状をきっかけに発見されることが多いですが無症状で見つかることもあります。無症状で見つかった場合には生存率が高いという報告もあります。無症状の時は内視鏡検査や腹部の超音波検査などで発見されることが多いです。

参照:胆道癌診療ガイドライン2013年版. J Gastrointest Surg. 2010;14:379-387. Br J Surg. 2000;87:110-115. Ann Surg Oncol. 2010;17:991-97. J Clin Gastroenterol. 2006;40:162-166. World J Surg. 2005;29:519-523

3. 十二指腸乳頭部がんの生存率は?

十二指腸乳頭部がんの生存率はステージIVがステージIVaとIVbに分けられて集計されています。このステージは今のステージの決め方の一つ前の決め方で定められたものなので参考程度にしてください。

  5年生存率
ステージI 82.9%
ステージII 66.8%
ステージIII 49.9%
ステージIVa 33.9%
ステージIVb -

参照:J Hepatobiliary Pancreat Surg.2009:16;1-7

この生存率は手術をした人々の最終的なステージの生存率です。最終的なステージは手術の前と異なることがあります。また手術をしなかった場合の生存率については知ることができない点には注意が必要です。

4. 十二指腸乳頭部がんの検査は?

十二指腸乳頭部がんではいくつかの検査を用いて診断の確定やステージの把握をします。

胆道がんのステージを決めるための検査の順序

超音波検査

超音波検査(エコー検査)は超音波を利用してお腹の中などを画像にして観察できます。お腹にプローブという機械を当てて体の中を観察します。放射線を使用しません。

超音波検査では、十二指腸乳頭部で胆道が閉塞している時に、閉塞した箇所の上流で拡張した胆道を観察できることがあります。超音波検査のみで診断を確定することはなく他の検査と組み合わせます。

超音波検査は繰り返して検査ができ、その場で画像が見られるので手術後にも使うことがあります。診療の様々な場面で登場します。

CT検査

CT検査はレントゲンX線)を使った画像検査です。十二指腸乳頭部がんでは拡張した胆管や胆のうを確認できることがあります。CT検査の中でも造影剤を使ったダイナミックCT検査という方法が大事です。ダイナミックCT検査では腫瘍の特徴をつかむことができたり、十二指腸乳頭部がんと血管の位置関係の把握などに役立ちます。

造影剤は腎臓の機能が低下している場合などでは使用できないことがあります。その場合には他の検査の所見などを組み合わせて診断します。

MRI検査(MRCP)

MRI検査は、磁気を利用する画像検査です。放射線を使うことはありません。体の中にペースメーカーなどの金属製品が植え込まれている人ではMRI検査を使えない場合があります。

MRI検査の中でも胆管の流れを映し出すMRCPが十二指腸乳頭部がんの診断には有用です。十二指腸乳頭部にがんができて胆管の流れの妨げになると胆管が拡張するなどの様子が確認できることがあります。

上部消化管内視鏡検査

胃カメラ」は上部内視鏡検査の一つです。上部内視鏡検査では十二指腸乳頭部を観察することができます。十二指腸乳頭部がんが疑われる場合には上部消化管内視鏡検査を行います。がんが疑われるものがあるときにはがんと疑われる部分を取り出して顕微鏡でみる病理検査をします。

EUS:Endoscopic ultrasonography(超音波内視鏡)

EUSは内視鏡の先端に超音波検査のプローブを取りつけたものを使う検査です。

EUSでは十二指腸乳頭部がんの広がりや周囲の臓器へ入り込んでいる様子などが観察できます。

EUSは、内視鏡検査の要領で体の中から超音波検査を行います。お腹から見るぶんより鮮明にがんの特徴を観察することができます。

EUSは口から内視鏡を挿入して先端のプローブを操作します。EUSで用いる内視鏡は通常の内視鏡より太いので、挿入するときなどにやや違和感が強いかもしれません。

ERCP:Endoscopic retrograde cholangiopancreatography(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)

ERCPは内視鏡とレントゲン(X線)を使った検査です。

胆管や膵管に造影剤を注入して形などを観察します。胆管や膵管の形はMRCPでも確認できますがERCPには内視鏡を使う利点があります。つまり、ERCPでは胆汁などを内視鏡を使って体の外に取り出すことができます。胆汁にがん細胞が交ざっているかを確認することができます。

ERCPでは内視鏡を使って造影剤を胆管に入れることで画像を撮影します。MRCPでも胆道の形を確認することができるので体に負担のかかるERCPをする機会は減っています。ERCPが有利になるのは重い黄疸の症状が現れて黄疸を軽減するために減黄術(ENBD)などが必要な場合です。減黄術はいくつか方法があり、「胆道がんの症状は?皮膚が黄色くなる黄疸とは?」で解説しています。

病理検査

病理検査は病変の一部などを直接顕微鏡で観察してがんがあるかどうかを判断します。直接体の一部をみるので信頼性はかなり高いです。胆道がんでの病理検査は主に2つの方法があります。

1つは内視鏡を利用して組織を取り出す方法です。ERC(内視鏡的胆道造影)などで胆管の造影などをするときには胆汁を体の外に取り出すことができます。胆汁の中にもがんの細胞が含まれるていることがあり、悪性と判断することができます。もう1つは体の外から病変に針を刺して組織を取り出す方法です。

病理検査は胆道がんの診断には絶対必要な検査ではありません。病理検査はいずれの方法を選んだとしても体への負担がつきものです。このために画像所見で胆道がんと明らかな場合には病理検査をせずに診断することも多いです。

腫瘍マーカー

十二指腸がん(胆道がん)の腫瘍マーカーにはCA19-9とCEAが使われます。腫瘍マーカーは信頼性の高い検査ではありません。腫瘍マーカーが高値であっても十二指腸がんではないこともあれば、十二指腸がんでも腫瘍マーカーが増加しないこともあります。また後述するように他のがんや他の病気でも上昇することがあります。

【CA19−9】

基準値:37 IU/ml以下

CA19-9は胆道がんの腫瘍マーカーとして知られています。CA19-9は膵臓がん胃がん肺がんなどでも上昇することがあります。CA19-9はがん細胞だけから出される物質ではありません。がん以外の病気でも上昇します。膵炎、慢性胃炎、腎嚢胞(じんのうほう)などの良性の病気でもCA19-9が上昇することが知られています。

【CEA】

基準値:5.0ng/ml以下

CEAは胆道がんの腫瘍マーカーとしても使われます。他のがんでは大腸がん胃がん肺がんなどでもCEAが上昇することがあります。CEAはがん細胞だけから出される物質ではありません。がん以外の病気でも上昇します。がん以外の病気では肝炎、肺炎糖尿病などの良性の病気でもCEAが上昇することが知られています。喫煙するだけでもCEAが上昇します。

5. 十二指腸乳頭部がんのステージはどう決める?

十二指腸乳頭部がんのステージはステージIからステージIVに大きく分けられます。さらにステージIはステージIAとIBに、ステージIIはIIAとIIBに分かれます。ステージはT因子(胆道でのがんの状態)、N因子(リンパ節転移の有無)、M因子(遠隔転移の有無)の3つの組み合わせから決められます。以下が対応した表になります。

  T因子 N因子 M因子
ステージ 0 Tis N0 M0
ステージ IA T1 N0 M0
ステージ IB T2 N0 M0
ステージ IIA T3 N0 M0
ステージ IIB T1、T2、T3 N1 M0
ステージ III T4 Any N M0
ステージ IV Any T Any N M1

参照:胆道癌取扱規約 第6版

T因子

TはTumor(腫瘍)の頭文字です。乳頭部がんの状態を示しています。乳頭部がんのT因子は乳頭部がんの周りの臓器に対する浸潤(しんじゅん)の程度で決まります。浸潤とはがん細胞が隣り合った組織の中に入り込みながら広がっていくことです。乳頭部がんはCT検査やMRI検査などによる画像検査などが重要です。

  • TX:腫瘍評価不能
  • T0:腫瘍が明らかではない
  • Tis:carcinoma in situ
  • T1a:乳頭部粘膜内にとどまる
  • T1b:Oddi筋に達する
  • T2:十二指腸浸潤
  • T3a:5mm以内の膵実質浸潤
  • T3b:5mmを超えた膵実質浸潤
  • T4:膵を超える浸潤あるいは周囲臓器浸潤

N因子

Nはリンパ節(lymph node)を指すNodeの頭文字です。N因子はリンパ節転移の程度を評価したものです。乳頭部近くのリンパ節を領域リンパ節といいます。ここでのリンパ節転移は領域リンパ節への転移をさします。領域リンパ節以外のリンパ節転移は遠隔転移に入ります。

  • NX:評価不能
  • N0:領域リンパ節転移なし
  • N1:領域リンパ節あり

リンパ節転移とは?

がんは時間とともに徐々に大きくなり、リンパ管の壁を破壊し侵入していきます。リンパ管は全身で網の目のようなつながり(リンパ網)を作っています。

リンパ網にはところどころにリンパ節という関所があります。リンパ管に侵入したがん細胞はリンパ節で一時的にせき止められます。がん細胞がリンパ節に定着して増殖している状態がリンパ節転移です。

M因子

MはMetastasis(転移)の頭文字です。遠隔転移を評価します。乳頭部から離れた臓器に乳頭部がんが転移することを遠隔転移と言います。領域リンパ節転移は遠隔転移とはいいません。臨床現場において「転移」という言葉は、遠隔転移を指して領域リンパ節は除くという意味で使われている場合があります。

  • M0:遠隔転移なし
  • M1:遠隔転移あり

6. 十二指腸乳頭部がんの治療は?

胆道がんの治療の選びかた

十二指腸乳頭部がんは黄疸などの症状をきっかけにして見つかることがほとんどです。黄疸はがんによって胆汁の流れが滞ることで起きます。黄疸は皮膚などが黄色くなるなどの症状がみられます。黄疸の状態を改善する治療を減黄術といいます。減黄術には内視鏡を使う方法や体の外から針を刺す方法があります。黄疸の症状がないときには減黄術は必要ではありません。

  • 減黄術
    • 内視鏡を利用する方法
      • ENBD(Endoscopic nasobiliary drainage:内視鏡的経鼻胆道ドレナージ
      • ステント療法(Endoscopic biliary stenting:EBS)
    • 体の外から管を入れる方法
      • PTBD(percutaneous transhepatic biliary drainage:経皮経肝胆道ドレナージ)
  • 根治を目的とした手術
    • 膵頭十二指腸切除術
  • 抗がん剤治療
  • 放射線治療

十二指腸乳頭部がんの根治を狙う治療は手術です。根治とはすべてのがんを体から取り除くことです。

転移があったりがんの広がりが大きくて手術で取り除くことが難しい場合などには抗がん剤で治療されます。

放射線治療は転移した部位に痛みなどの症状がある場合に使われることがあります。

7. 減黄術(げんおうじゅつ)とは?

減黄術は黄疸を改善する治療のことです。黄疸は血液中のビリルビンという物質が増えることで起きます。ビリルビンの増加は胆汁の流れが悪くなることなどを原因としています。

黄疸にも種類がある?

十二指腸乳頭部がんを原因とする黄疸は胆汁が流れなくなる閉塞性黄疸(へいそくせいおうだん)です。黄疸にはいくつか種類があります。閉塞性黄疸は胆汁の流れが滞ることを原因としています。他の黄疸には肝細胞性黄疸、溶血性黄疸、体質性黄疸があります。ここでは十二指腸乳頭部がんと関係する閉塞性黄疸について説明します。

胆汁の流れは?

胆汁は肝臓で作られ肝臓の中の胆管(肝内胆管)を流れていきます。いくつかの肝内胆管が合流して肝臓の外へ出ていきます。肝臓の外の胆管を肝外胆管といいます。

肝外胆管は胆のうにつながる胆のう管と合流して総胆管(そうたんかん)になります。総胆管は膵臓(すいぞう)と十二指腸がつながるファーター乳頭(Vater乳頭)で膵管と合流します。ファーター乳頭は十二指腸とつながっており胆汁が十二指腸に流れていきます。

黄疸の治療は?

滞っている胆汁を体の外に出すことで黄疸は改善します。黄疸を改善させる治療はいくつかあり、まとめて減黄術(げんおうじゅつ)ということもあります。減黄術により皮膚の掻痒感(そうようかん;かゆみ)、倦怠感(けんたいかん)、食思不振などの黄疸が原因と考えられる症状の改善が期待されます。

閉塞性黄疸に対する減黄術とは?

閉塞性黄疸に対する減黄術は大きく分けて2種類があります。

  • 内視鏡を利用する方法
    • ENBD(Endoscopic nasobiliary drainage:内視鏡的経鼻胆道ドレナージ)
    • ステント療法(Endoscopic biliary stenting:EBS)
  • 体の外から管を入れる方法
    • PTBD(percutaneous transhepatic biliary drainage:経皮経肝胆道ドレナージ)

それぞれの方法については「胆道がんの症状は?皮膚が黄色くなる黄疸とは?」で解説しています。

8. 十二指腸乳頭部がんの手術とは?

図:膵頭十二指腸切除術。

十二指腸乳頭部がんの手術では十二指腸乳頭部にできたがんとともに膵臓の一部を切除します。手術の方法を膵頭十二指腸切除術といいます。

膵頭十二指腸切除術は、英語でpancreaticoduodenectomyを略してPDとも呼ばれています。がんの手術は取り残しがないように行わなければなりません。がんの周りを広く切除することで取り残さない確実性が向上します。

膵頭十二指腸切除で切除する臓器は?

十二指腸乳頭部がんを広く切除するには隣接する臓器を同時に切除する必要があります。

膵頭十二指腸切除術で切除する臓器は以下のものです。

  • 膵頭部(十二指腸に接する膵臓の右側)
  • 胃の下半分(幽門側)
  • 十二指腸
  • 空腸の一部
  • 胆管
  • 胆のう

さらに、胆道の周囲のリンパ節を切除するリンパ節郭清(かくせい)も同時に行います。リンパ節は血管の近くにあります。リンパ節郭清は血管の近くにあるリンパ節を全部まとめて切除することです。

膵頭十二指腸切除後の再建とは?

膵頭十二指腸切除術の後には、再建という作業が必要となります。再建とは臓器の機能を作り直すことです。膵頭十二指腸切除術では3つの機能を再建する必要があります。

  • 膵液の流れ
  • 胆汁の流れ
  • 消化された食べ物の流れ

再建の方法はいくつかありますが、目的は同じです。膵液・胆汁・食べ物の通り道となる臓器をつないでうまく流れるようにします。つなぎ合わせることを吻合(ふんごう)と言います。

最も重要な縫合部位は小腸(空腸)と膵臓(膵管)を繋いだ部分(膵管-空腸吻合)です。膵管-空腸吻合が上手くいかないと膵液(すいえきろう)という合併症を起こすからです。膵液瘻は腹腔内出血を起こす膵仮性動脈瘤の原因になることもある危険な合併症です。また膵管が狭くなり過ぎてしまうことも問題になります。

膵管には手術の後も管を入れておくことがあります。管は体の外から出す場合(外瘻化)と短い管を入れておく場合(内瘻)があります。

手術の後に栄養価の高い液体を直接腸に流し込めるように経腸栄養チューブという細い管を体の外に出しておくこともあります。

9. 十二指腸乳頭部がんの手術の合併症は?

指腸乳頭部がんに対しては膵頭十二指腸切除術という手術の方法で治療します。膵頭十二指腸切除術による主な合併症を説明します。合併症とは手術によって引き起こされる問題のことです。合併症は手術ミスのことではありません。手術がうまくいっていても起こってしまう合併症もあります。

膵液瘻(すいえきろう)

膵頭十二指腸切除術では膵頭部という膵臓の一部と十二指腸を切除します。

膵臓は膵液という消化液を作り分泌します。膵液は食べ物の消化吸収を助ける役割を果たします。膵臓を取り除いた後には、膵液がちゃんと食べ物に混ざるように、膵管と小腸(空腸)をつなぎ合わせる必要があります。このため膵管と小腸を糸で縫い合わせます。

手術の後で、膵管と小腸を縫い合わせた部分のくっつきが悪く膵液が漏れ出ることがあります。これを膵液瘻(すいえきろう)と言います。膵液は体を溶かすことがあります。血管の壁を溶かして出血の原因にもなります。膵液瘻が発生した場合は、膵液を体に溜まり続けたままにしておくことは危険です。このために膵液を体の外に抜くための管を挿入します。

膵液瘻は程度によりますが、治るまでに時間がかかることがあります。十分に治るまで管は体の中に入れて起き徐々に短くするなどの方法をとります。

腹腔内膿瘍(ふくくうないのうよう)

腹腔とはお腹の臓器の隙間にあるスペースのことです。腹腔に感染が起きてうみ)の溜まりができることを腹腔内膿瘍といいます。

腹腔内膿瘍が起きた場合には膿瘍に針を刺して膿を体の外にだす治療が大事です。ドレナージといいます。ドレナージとともに抗菌薬(抗生剤)を使って治療します。

術後腹腔内出血(じゅつごふくくうないしゅっけつ)

膵液瘻(すいえきろう)や腹腔内に感染を起こした後に炎症の影響で血管が破れて出血することがあります。手術の後に数本管が入っているのはこのような出血を見逃さないためです。出血が激しい場合は緊急でカテーテル治療による止血術を行ったり、場合によっては開腹手術を行う必要があります。

創部感染(そうぶかんせん)

創部(そうぶ)とは手術で切った傷のことです。手術ではお腹を切開します。手術中から抗菌薬(抗生物質)を使用して感染の予防に努めていますが、創部についた細菌が増殖して感染を起こすことがあります。

創部感染が起こると、傷を開放したりして膿を体の外に出す必要があります。このために早めに抜糸をして傷を開放することがあります。創部感染があっても、手術後の経過で体調が回復して栄養状態が改善されれば傷口に肉芽(にくげ)が盛り上がってきて傷が閉じます。創部感染は、患者さんから見やすい場所で起きる合併症なので心配になることもあると思いますが、一日一日、少しずつよくなっていきます。

胆管炎(たんかんえん)

胆管炎は、膵頭十二指腸切除術で特に注意するべき合併症の一つです。膵頭十二指腸切除術では、胆のうと胆管とともに膵臓を切除します。この後に小腸(空腸)と胆管を繋ぎ合わせる必要があります。細菌が多く存在する腸液が胆管に逆流して胆管に炎症が発生することがあります。

胆汁漏(たんじゅうろう)

膵頭十二指腸切除術では胆のうと胆管とともに膵臓を同時に切除します。

胆のうは胆汁を一時ためておく場所です。胆管は胆汁が流れていく管です。膵頭十二指腸切除術後は、胆汁の流れを再度作り直す必要があります。胆管と空腸をつなぎ合わせることを行います。胆管と空腸は糸で縫い合わされます。まれに胆管と空腸がしっかりとくっつかずに、胆汁がお腹の中に漏れ出ることがあります。これを胆汁漏といいます。胆汁は刺激性の強い物質なので強い腹痛の原因になります。胆汁漏が原因で起きる腹膜炎を胆汁性腹膜炎といいます。胆汁漏がわかったときにはまず胆汁を体の外に出す管を挿入し胆汁性腹膜炎を改善するようにします。

胃排泄遅延(いはいせつちえん)

十二指腸乳頭部がんの手術は膵頭十二指腸切除術という方法です。膵頭十二指腸切除術では胃の一部を同時に切除します。手術の後には、胃の動きが悪くなり、胃液や食物が胃の中に長く留まってしまうことがあります。これを胃排泄遅延と言います。

胃の内容物が留まり続けると気分が悪くなったり嘔吐の原因になります。胃排泄遅延のはっきりとした原因はまだ不明な部分がありますが、下記のようなものが原因として考えられています。

  • 十二指腸切除に伴い胃の運動を促す消化管ホルモンが減少する 
  • 手術中にいくつか血管を切離しなければならないので、胃の血流が悪くなる
  • 胃を切除する際に同時に迷走神経を切離する
  • 胃の形が変わる

胃排泄遅延の程度がひどい場合は一度食事を止めて胃を休めることが必要になります。程度によっては入院が必要になることもあります。

縫合不全(胃-空腸吻合)

縫合不全(ほうごうふぜん)とは、手術で縫い合わせたところが十分くっつかず、隙間ができてしまうことです。

膵頭十二指腸切除術で十二指腸や膵臓の一部を切除した後は小腸(空腸)と胆管、膵臓、残った胃をつなぎあわせることが必要になります。胃と空腸の縫合がうまくいかないと、食べたものや胃液などの消化液が繋ぎ合わせた場所からお腹の中に漏れ出ることがあります。

消化液などが漏れることで、腹膜炎という危険な状態に陥ることがあります。縫合不全が見つかった場合は消化液を体の外に出す(ドレナージする)ための管を挿入して自然に閉じるのを待ちます。

腸閉塞(ちょうへいそく)

腹部の手術を行うと一定の確率で腸が動かなくなる腸閉塞という合併症が発生します。腸閉塞にはいくつかの分類があります。

手術の後に起こるのは麻痺性腸閉塞が多いです。手術による影響が腸管に及び、腸が動きを止めてしまうことが原因になります。

一番危険な腸閉塞は絞扼性腸閉塞です。絞扼性腸閉塞とは腸が捻れて腸管への血流がなくなり腸が壊死(えし)する危険性のある腸閉塞です。

この2つの腸閉塞を手術後に見分けることが重要です。このために医師は術後に腹部の診察を繰り返し行い適宜レントゲン撮影などを行うのです。

腹水(ふくすい)

手術後にお腹に水が溜まることがあります。お腹に溜まる水を腹水といいます。手術後の腹水は肝臓の機能が低下していることなどを原因として起こります。肝臓を切り取ると肝臓の機能が低下します。腹水がたまるとお腹が張って苦しく感じるかもしれません。

腹水は手術後に体の状態がよくなるしたがって減っていきます。溜まっている腹水を尿として出すために利尿剤を使用することもあります。腹水の量があまりにも多いときにはお腹に針を刺して腹水を直接抜いたりもします。

深部静脈血栓症、肺梗塞

深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)とは、足などの静脈の中に血栓ができることです。血栓は血の塊のことです。

同じ姿勢で長時間過ごすと足などの血液の流れが滞り、血栓ができやすくなることが知られています。手術中や手術後は患者さんの姿勢が変わらないことが多いので血栓ができやすいです。飛行機などで同じ姿勢を継続することで血栓ができるエコノミークラス症候群も同じ現象です。

血栓ができるだけでは大きな問題にならないこともあります。しかし血液の塊が体を流れていくと、肺の血管に詰まる肺塞栓症(はいそくせんしょう)や肺梗塞(はいこうそく)を起こし、致死的な状態に陥ることがあります。深部静脈血栓症を予防するために施設によっては血液を固まりにくくする薬を使用したり、機械を使い足を持続的にマッサージすることもあります。手術後には許可の出ている範囲内で体を動かすことが大事です。

せん妄

せん妄譫妄、せんもう)とは、軽度から中等度の意識混濁に幻覚、妄想、興奮などの様々な精神症状を伴うものとされています。例としては以下のような症状があります。

  • 話しかけても反応が通常より悪い
  • 見えないものが見えるとの発言がある
  • 妄想をしていると思われる発言が繰り返される
  • 異常に興奮している

せん妄は高齢者に起こりやすく、手術などで身体にストレスが加わったり環境が大きく変わることなども原因の一つです。血液中の電解質のバランスが崩れることなども原因の一つです。

せん妄には薬物療法に効果があります。あまりにもせん妄の状態が重度で患者さんや身の回りの人の身体に危険が及ぶと判断されたときには、やむをえず身動きができないようにすることがあります。これは手術後でドレーンなどの管が身体に入っているのを抜いたりすることを予防するためです。

せん妄は一時的なことが多く、身体の回復に伴い改善することが多いですが、頻繁にせん妄状態に陥るときには精神科の医師によって専門的な治療を開始されることがあります。

消化不良

膵頭部十二指腸切除術後は、膵臓の消化酵素を出す機能が低下したり胃の一部がなくなったりしているために手術前と同じ食事ができません。食事には体の変化を踏まえたうえで工夫が必要です。

  • 消化のよい食事を選ぶ
  • 食事の量は少なめで、回数を多くする
  • 脂肪分はできるだけ控える
  • コーヒー、紅茶などのカフェインは控えめにする
  • 唐辛子などの刺激物(香辛料など)もなるべく避ける
  • アルコールはできるだけ控えてどうしても飲みたいときには医師に相談を
  • タンパク質を多く摂取する

手術後は一度に多くの量を食べることはいい考えではありません。栄養は必要ですが、食事の量が多すぎて腸閉塞の原因になったりすることもあるので、量よりは回数を増やすことをお勧めします。

カフェインや香辛料も極力避けておいたほうが無難とも言えます。また膵臓からは脂肪を吸収しやすくするための消化酵素も分泌されます。膵臓の一部が失われることで脂肪を吸収する力が低下します。吸収されない脂肪は下痢の原因にもなります。

食事で最も大事な栄養素としてタンパク質があります。タンパク質は人間の筋肉などを作るのに重要です。手術の後には筋力が低下していることがほとんどです。良質なタンパク質の摂取は手術前の体の動きをとりもどすことにも有利に働きます。

筋力の低下

手術後には体力が落ちていることを実感されると思います。胆管がんの手術は大掛かりな手術になるので、入院期間も長期に及ぶことがあります。入院期間はどうしても体を動かす機会が少なくなります。退院後は身の周りのことをするのも大変だと思います。焦らずに地道に少しずつ体の動きを取り戻していくことが重要です。

高血糖

膵臓からはインスリンという血糖値を下げるホルモンが分泌されています。インスリンは血糖値を下げる働きを持ちます。膵臓を切除すると膵臓の機能が低下することは避けられず、血糖値が高くなることがあります。手術後にインスリンの注射が必要になる場合があります。

10. 十二指腸乳頭部がんの抗がん剤治療を使う時は?

十二指腸乳頭部がんで抗がん剤を使うのは遠隔転移がある場合やがんの広がりが大きくて手術ができない場合です。遠隔転移は領域リンパ節以外の臓器に転移がある場合です。例として以下の抗がん剤治療を説明します。

  • GC療法
  • S-1単独療法
  • GS療法

GC療法とは?

GC療法はゲムシタビン(Gemcitabine)とシスプラチン(Cisplatin)の2種類の抗がん剤を使う治療です。ゲムシタビンとシスプラチンの頭文字をとってGC療法と呼ばれることがあります。

GC療法の効果は?

GC療法の効果を示した研究を紹介します。

局所で進行したまたは遠隔転移のある胆道がんの人が対象とされました。GC療法とゲムシタビン単独療法が比較されました。対象者はランダムにGC療法、ゲムシタビン単独療法の2つのグループに分けて治療されました。評価の項目は生存期間、進行までの期間、治療による副作用です。結果は表のとおりでした。

  GC療法 ゲムシタビン単独療法
生存期間 11.7ヵ月 8.1ヵ月
進行までの期間 8.0ヵ月 5.0ヵ月

表の数字は中央値です。中央値とは、それぞれのグループのうち半数の人が生存した期間、または進行しないままだった期間です。

GC療法のほうがゲムシタビン単独療法より生存期間、進行までの期間が長くなりました。この結果から胆道がんに対する抗がん剤治療はGC療法が第一選択として考えられています。

参照:N Eng J Med. 2010;362:1273-81

GC療法の方法は?

GC療法のスケジュールの例を示します。

1 8 21
ゲムシタビン 1000mg/m2      
シスプラチン 25mg/m2      

投与量は体表面積というものを基準にして決められます。体表面積は身長と体重から計算されます。

上記のスケジュールを3週間(21日)を1サイクルとして繰り返していきます。

この他に副作用対策として一般的に5-HT3受容体拮抗薬(吐き気止め)副腎皮質ホルモンなどが併用されます。また治療中は抗がん剤の効果、副作用、腎臓などの機能や骨髄機能などを確認します。

S-1単独療法とは?

S-1単独療法はS-1という薬の一剤による抗がん剤治療です。

S-1は内服薬(飲み薬)です。成分名で言うとテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤です。S-1の一剤による抗がん剤治療で効果が確かめられています。S-1は胆道がんのほかにも膵臓がん大腸がんなどの治療で用いられることがあります。

S-1単独療法の効果は?

S-1単独療法の効果が確かめられた研究について紹介します。

ゲムシタビン単独療法で進行が見られた胆道がんに対してS-1療法の効果が試されました。この研究に参加した人のうち64%が手術後に再発をした人です。

治療結果は半数の人で全生存期間が13.5ヵ月以上、半数の人で病気が進行するまでの期間が5.4ヵ月以上でした。

重い副作用としては、好中球の減少(5%)、貧血(5%)が現れました。その他の副作用としては吐き気(27%)、食思不振(55%)、顔、爪などへの色素沈着(32%)が報告されました。

この研究の結果からS-1療法は胆道がんの2つ目の抗がん剤などとして使われることがあります。

参照:Invest New Drugs.2012;30:708-13

S-1単独療法の方法は?

S-1単独療法では通常「28日連日服用後、14日間休薬」を1サイクルとし、1サイクルを繰り返して使います。

1-28 29-42
S-1 80mg/m2 ◯(連日服用) 休薬

用量は通常、体表面積によって変更されます。体表面積1.25m2未満の人であれば80mg/日、1.25-1.5m2であれば100mg/日、1.5m2以上であれば120mg/日となります。全身の状態などによっても増減が考慮されます。副作用にはやや注意が必要で、下痢が多い人には特に注意するべきと考えられます。

GS療法とは?

GS療法はゲムシタビン(Gemcitabine)とS-1の2種類の抗がん剤を使う治療です。ゲムシタビンとS-1の頭文字をとってGS療法と言われることがあります。

GS療法の効果は?

局所で進行したまたは遠隔転移のある胆道がんの人に対してGS療法の効果が確かめられました。

GS療法の効果はゲムシタビン単独療法と比較されました。対象となった患者さんはランダムにそれぞれの治療法に分けられて治療されました。結果は表のとおりでした。

  GS療法 ゲムシタビン単独療法
1年生存率 52.9% 40.0%
進行までの期間(中央値) 7.1ヵ月 4.2ヵ月

1年生存率と、半分の人が進行するまでの期間はGS療法がよいという結果が得られました。入院が必要な副作用が出た人はGS療法のほうが多かったと報告されています。副作用には白血球ヘモグロビン血小板の減少などがありました。

進行した胆道がんに対してはゲムシタビンとシスプラチンを併用するGC療法が最初に用いられる治療ですが、今後はGS療法との比較などが行われる可能性があります。

参照:Cancer Sci.2013;105:1211-6

GS療法の方法は?

GS療法は21日を1サイクルとして繰り返して行います。ゲムシタビンは1日目と8日目に点滴で投与します。

S-1は内服薬(飲み薬)です。GS療法では通常「14日連日服用後、7日間休薬」を1サイクルとし、1サイクルを繰り返して使います。

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ゲムシタビン 1000mg/m2          
S-1 60mg/m2    

投与量は体表面積というものを基準にして決められます。体表面積は身長と体重から計算されます。体表面積1.25m2未満の人であれば60mg/日、1.25-1.5m2であれば80mg/日、1.5m2以上であれば100mg/日となります。

11. 十二指腸乳頭部がんの放射線治療は?

十二指腸乳頭部がんで放射線療法を使う場面はいくつかあります。放射線治療の効果や副作用などを理解して治療にのぞむことが大事です。

転移した場所に対する放射線治療

十二指腸乳頭部がんが進行すると転移をします。十二指腸乳頭部がんが転移しやすい場所には肺、肝臓、骨、リンパ節などがあります。転移をした場所で痛みなどの症状が現れることがあります。痛みの症状がでやすいのが骨への転移です。骨転移による症状を緩和するには放射線治療に効果が期待できます。

背骨脊椎)は骨転移が起きやすい場所の一つです。背骨の真ん中には神経(脊髄)が通っています。骨転移が大きくなると神経に影響することもあります。

神経に影響すると麻痺などの症状がでることがあります。麻痺症状を防いだり緩和する目的でも放射線治療を使うことがあります。

手術ができない場合の一つの手段

十二指腸乳頭部がんを根治に導くには手術が唯一の方法だと考えられています。遠隔転移がない場合はまず手術ができるかを考えます。遠隔転移は領域リンパ節以外の臓器に転移していることです。遠隔転移がなくてもがんの広がりが大きな場合は手術ができないこともあります。

手術ができないからといって手を加えないとがんが大きくなり黄疸などの様々な症状がでることが予想されます。がんが周囲に与える影響を予防する目的で放射線を十二指腸乳頭部がんに照射して症状が出たりするのを予防します。

放射線治療以外の選択肢では抗がん剤治療があります。その時の状況で最も適した治療法を選択することが大事です。放射線治療によって期待できる効果や副作用、他の選択肢である抗がん剤治療などについてしっかりと説明を聞いた上で治療を選ぶことが大事です。

放射線治療はどうやるの?

放射線治療は、回数を分けて行われます。回数を分けることには正常な細胞への影響を抑える狙いがあります。

放射線治療の分量にはGy(グレイ)という単位が用いられます。Gyは吸収線量の単位です。吸収線量とは、放射線を照射された物質が単位質量あたりで吸収するエネルギー量を指します。2011年の原発事故以来、Sv(シーベルト)という単位がよく報道にも現れるようになりました。Svは線量当量・等価線量・実効線量などの単位です。1GyのX線は1Svに相当します。

骨への転移などに対しては1回3Gyを10回照射するなどの方法が一般的です。転移のある場所や状況を踏まえて量や回数などを調整します。

がんの広がりが大きくて手術できない場合もあります。がんの進行を防ぐ目的で十二指腸乳頭部がんに対して放射線治療が検討されます。局所コントロールを目的としています。局所コントロールを目的とした放射線治療では1回2Gyの放射線を20-25回の回数で行うことが一般的です。骨と異なり腹部に放射線を照射する場合は気をつける副作用などが多いので慎重に行われるケースが多いです。

参照:Cancer. 1985;55:1468-72

放射線治療の副作用は?

放射線治療の副作用はすぐに現れる早期障害と時間がたってから現れる晩期障害があります。

  • 早期障害
    • 吐き気
    • 食思不振
    • 胸やけ
    • 皮膚が赤くなったり、軽い痛みが出る
  • 晩期障害
    • 皮膚が固くなる
    • 胃や腸に潰瘍ができて出血する
    • 胆管炎

放射線治療にもいくつか注意が必要な副作用があります。副作用かなと思ったら医師に相談してみてください。副作用が起きてはいない場合もありますが、不安を解消する意味でも大事なことです。