脇の下のにできた「できもの」や「しこり」は粉瘤(アテローム)なのか
粉瘤は脇の下にもできます。脇の下のできものは、粉瘤以外に脂肪腫や悪性リンパ腫、乳がんの
目次
1. 脇の下のできもの原因には何が考えられるのか:粉瘤・脂肪腫・悪性リンパ腫・乳がんのリンパ節転移・副乳
脇の下にできる「できもの」や「しこり」のうち、よく見られる原因の一つが粉瘤(ふんりゅう、アテロームとも呼びます)です。粉瘤以外の代表的な病気として、脂肪腫と悪性リンパ腫が挙げられます。
「しこり」とは?
「しこり」とは身体の一部が周りより硬くなっている
粉瘤の「しこり」は1cm以下で見つかることがあります。「しこり」の硬さはさまざまで、肩こりぐらいの硬さの「しこり」もあれば、石のように硬い「しこり」もあります。粉瘤の「しこり」は触ると周りの皮下脂肪よりは硬いことがわかる程度の硬さです。
粉瘤(アテローム)とはどんなものなのか?
粉瘤は皮膚の下に
粉瘤とニキビの違いについて
粉瘤と間違えやすいのがニキビですが、粉瘤とニキビには違った特徴があります。ニキビにはない粉瘤の特徴は以下のものになります。
【粉瘤の特徴】
- 粉瘤には真ん中に黒い点(へそ)がある
- 粉瘤は臭い
膿 が出ることがある
ただしこれらの特徴がはっきりしない粉瘤があるので、特徴に当てはまらないからといって粉瘤ではないとは言い切れません。
粉瘤と脂肪腫の違いについて
脂肪腫は、皮膚のすぐ下にできる
身体のいろいろな部位にでき、背中や肩、首に多く、脇の下にもできます。特に症状はありませんが、皮膚の下の柔らかいしこり・できものとして触れることができます。良性腫瘍なので、
粉瘤より触感が柔らかく、粉瘤とは違って悪臭の原因になることはありません。
粉瘤と悪性リンパ腫の違いについて
悪性リンパ腫とは
粉瘤と乳がんのリンパ節転移の違いについて
乳がんの細胞が腋窩リンパ節(脇にあるリンパ節)に
粉瘤と副乳の違いについて
副乳とは、通常の乳頭以外の場所にある乳房のことを指します。脇の近くできることもあります。男性・女性ともに数%の人が気付かないほどの大きさの副乳を持っています。副乳の大きさや形によってはしこり・できもののように見えます。妊娠中や産後・授乳中に副乳に気付く女性もいます。副乳は治療の必要がありません。
2. 脇の下の粉瘤は痛いのか痛くないのか
痛みがあるかないかで粉瘤とほかの病気を見分けることはできません。
感染して炎症を起こすと、粉瘤が赤くなって痛みが生じますが、粉瘤なら通常は痛みはありません。一方で、悪性リンパ腫や乳がんのリンパ節転移などでも通常は痛みがないので、痛くないから悪い病気ではないとは言えません。
脇の下に痛み・かゆみがあるときは、粉瘤のほかに毛嚢炎や帯状疱疹も考えられます。
3. 脇の下のしこり・できものが粉瘤だった場合の治療法について
脇の下のできものがもし粉瘤であり、かつ症状が重い場合の治療法は以下になります。
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切開:腫れて膿(
うみ )が溜まっている場合に粉瘤を切って、中の膿を出す
詳しくは「においや痛みがある感染性(炎症性/化膿性)粉瘤の治療」をご覧ください -
手術:粉瘤を切除する
詳しい手術法は「潰すな危険!粉瘤は手術時間5分・痛みなしの「へそ抜き法」で完治!」をご覧ください
上記に記したものは、粉瘤の標準的な治療法になります。脇の下にできたからと言って、特別な治療が行われるわけではありません。
脇の下のしこり・できものが粉瘤ではなかったときの治療法について
脂肪腫では前述したように治療の必要性は少ないのですが、他の病気の可能性が否定できない場合や、外見上の問題が発生している場合には手術によって取り除くこともあります。悪性リンパ腫の場合では、重症度にもよりますが、
4. 脇の下のしこり・できものは何科を受診すればいいのか
脇の下のしこり・できものに気付いたときにはどうすればよいのか悩ましい問題かと思います。結論から述べると、まず皮膚科に行くことをおすすめします。検査や診察を受けずに原因を正確に見分けるのは難しいためです。
粉瘤が疑わしくても、他の病気である可能性は否定できません。ですので、他の病気と見分けて正確に診断する必要があり、そのためには皮膚科が適しています。
粉瘤と診断されたあとで手術する病院を選びたい人は、手術の内容や費用が病院によって違うので、自分の希望をはっきりとさせたうえで、自分に合った病院を探してください。
病院の選び方について詳しくは「粉瘤は何科に行けばいいの?皮膚科?形成外科?美容外科?」で説明しています。