関節リウマチとは別の「リウマチ」がある?
もともと「リウマチ」という言葉は全身の筋肉や関節にこわばりを自覚する病気を指します。関節リウマチは「リウマチ」の中で圧倒的に多い病気であるため、一般的に「リウマチ」と言うと関節リウマチのことを指して使われていることが多いです。
しかし病名に「リウマチ」とつく病気は他にもいくつかあります。ここでは関節リウマチと紛らわしい病気である回帰性リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、リウマチ熱、若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)について説明をします。いずれも関節リウマチとは別の病気です。
あわせて関節リウマチを含む
1. 回帰性リウマチとは?
回帰性リウマチとは関節の腫れ、痛み、熱感などの関節リウマチに見られる症状が周期的に現れる病気です。関節リウマチは治療を受けない限り症状が持続します。症状が持続するか、良くなったり悪くなったりを繰り返すか、という点が関節リウマチと回帰性リウマチの大きな違いです。
回帰性リウマチの一部の方でリウマチ因子や抗CCP
治療として症状が出たときに非
2. リウマチ性多発筋痛症とは?
リウマチ多発性筋痛症は首、肩、股関節の痛みや全身のこわばりを伴うお年寄りに多い病気です。特徴・症状としては以下のものがあります。
- 50歳以上の方に多い
- しばしば38度近い発熱を認める
- 全身のこわばりを自覚し、朝に症状が強い
- 両肩の痛みのため、バンザイができない
倦怠感 があり、腰回りの痛みのため、寝返りが打てない
特に原因が思い当たらず、上記の症状が週単位で続く場合は、リウマチ性多発筋痛症の可能性があります。関節リウマチと似た症状であることも多いのですが、リウマチ性多発筋痛症では関節リウマチの検査であるリウマチ因子や抗CCP抗体は陽性になりません。また関節リウマチで見られるような関節の変形も見られません。
3. リウマチ熱とは?
リウマチ熱は関節、心臓の炎症、発熱を認める病気です。現在では溶連菌(ようれんきん)と呼ばれる
原因が分からない頃は膠原病(こうげんびょう)の一つとして扱われ、名前にも「リウマチ」とついていますが、溶連菌が原因であると分かってからは膠原病には分類されないことが多いです。膠原病についてはあとの章で説明しています。
リウマチ熱の症状・特徴として以下のものがあります。
- 部位が移動する関節の腫れや痛み
- 38.5度を超える発熱
- 息切れ、
動悸 (心臓の炎症) - 丸い形をした赤い
発疹 (輪状紅斑 ) - 手足が意図しないのに勝手に動いてしまう(
不随意運動 、舞踏病) - 皮膚にできるしこり(皮下結節)
上記の症状は溶連菌に対する反応の結果起こります。そのため最初にのどが痛い・高熱が出るなど、溶連菌に感染したと思われるエピソードがあり、2-4週経ってリウマチ熱の症状が現れる場合が多いです。
リウマチ熱が適切に治療されないと、心臓の炎症の結果、心臓の弁の機能がおかしくなり、僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)という後遺症が残ります。
診断のためにはリウマチ熱を疑わせる症状がいくつ揃っているか、また血液検査で溶連菌に最近感染したかを調べます。
ただし、日本ではのどの痛みや熱がある場合に抗生物質が処方されることが多いので、結果的にリウマチ熱の発生頻度はかなり少なくなっています。
4. 若年性特発性関節炎(若年性関節リウマチ)とは?
若年性特発性関節炎は子供(16歳未満)に起こる関節の腫れや痛みを自覚する病気です。以前は若年性関節リウマチという病名で呼ばれていました。
関節リウマチと同様、全身の関節の痛み、腫れが起こり、持続することで関節の変形を来します。一方、関節リウマチと異なり、38度を超える発熱を繰り返したり、赤い発疹(リウマトイド疹)が胸やお腹に出ることがあります。
治療としては非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、メトトレキサートなどが用いられます。重症例では生物学的製剤が使われることもあります。
5. 膠原病とは?
ヒトの身体はたくさんのタンパク質が組み合わさって構成されています。その中で、皮膚、
膠原病(こうげんびょう)はコラーゲンに
これらの病気は