きんちょうがたずつう
緊張型頭痛
頭や、後頭部、首の筋肉が緊張することによって起こる頭痛
15人の医師がチェック 106回の改訂 最終更新: 2022.02.24

緊張型頭痛の治療には何がある?:痛みを治す治療と予防する治療

緊張型頭痛の治療には発作時の痛みを抑える治療と、発作が起こらないように予防する方法があります。頭痛が起こる回数が少ない場合には、市販薬や病院で処方してもらう痛み止めで対処します。頭痛の回数が多く日常生活で困る場合には薬を使って予防を行います。筋肉の緊張が原因になるため、首をほぐすために温めたり体操をしたり、リラックスしたりすることは簡単に行えて効果的な治療方法です。ここではそれぞれの治療について説明します。

1. 緊張型頭痛で困ったら何科の病院を受診すればよいか?

緊張型頭痛に日常的に悩まされている時には脳神経外科や神経内科に受診して調べてもらってください。最近では頭痛を専門に診察を行う「頭痛外来」もあり、頭痛の原因などについてよく調べてもらうことができます。

日本頭痛学会が認定している「頭痛専門医」という資格もあります。頭痛専門医は、頭痛診療に関する研修を受けて、一定の能力を持っていることが学会によって保証されています。主に脳神経外科や神経内科の医師がこの資格を取得して、頭痛専門医を標榜(ひょうぼう)していることが多いです。日本頭痛学会のウェブサイトでは約780名の頭痛専門医の名前が公開されています。専門医でなくても頭痛の診察をすることは可能です。通院しやすい場所に専門医がいる場合は受診する医療機関の選択肢の一つにしても良いと思います。

参考サイト:日本頭痛学会の認定頭痛専門医一覧

どんな頭痛の時は病院に受診した方がいいか?

緊張性頭痛と以前から診断されている人でいつもと同じような頭痛が起きた時、自分で対処できる場合には病院に受診しなくても構いません。しかし、いつもと違う頭痛の症状がおきた場合や、頭痛がひどくて困っている場合には病院に受診して適切な治療を受けてください。

いつもと違う頭痛とはどんな頭痛でしょうか。次のような特徴がある頭痛は、くも膜下出血脳出血髄膜炎などの命に関わる病気が原因である頭痛の可能性も考えられます。急いで救急科や脳神経外科、神経内科がある医療機関を受診してください。

  • ある瞬間に突然始まった
  • 今まで経験したことがないほど激しい
  • いつもと症状の様子が異なる
  • 回数がだんだん増えている
  • だんだん強くなっている
  • 50歳以降で初めて起きた
  • 手足が動きにくい
  • しゃべりにくい
  • 意識がもうろうとしている
  • 変なことを言う
  • がん免疫不全(薬や病気が原因で免疫力が低下していること)の状態である
  • 発熱とともに、首が硬くて前屈しても顎が胸につかない症状がある

突然始まった頭痛ではくも膜下出血、脳動脈解離、脳出血などが考えられます。今まで経験したことのない痛みはくも膜下出血を考える症状です。頭痛がはじまってだんだん痛みが強くなっている場合や、短時間で頭痛の回数が増えている場合にはくも膜下出血脳出血の可能性があるので早めに医療機関を受診してください。

毎日徐々に強くなっている場合や、回数が増えている場合には脳腫瘍なども考えられます。手足が動かしにくい、しゃべりにくい、意識がもうろうとしている、変なことを言うなどの症状は脳に何か異常が起きている可能性もあります。発熱とともに吐き気があり、首の後ろが硬くてうつむけないなどの症状がある場合には髄膜炎などの可能性もあります。

これらの症状はいずれも、緊張型頭痛や片頭痛などの頭痛以外にも、命に関わるような重大な病気を原因として起きている可能性があるので、夜間や休日であっても医療機関に受診してください。

緊張型頭痛が治らない時には病院を受診した方がいいか?

緊張型頭痛の症状が続く期間は長いと1週間です。はじめて頭痛が起きた場合には医療機関に受診して原因を調べてもらって適切な治療方法を聞いてください。

その後の緊張型頭痛による発作が1ヶ月に1回未満の割合でしか起きない場合や、市販の痛み止めで症状が改善している場合には必ずしも病院に受診する必要はありません。

しかし、薬を服用しても症状が改善しない場合や、いつもと異なる症状の場合には一度医療機関に受診してください。なぜなら、緊張型頭痛以外が原因となる頭痛の可能性があるからです。

その他にも、頭痛によって日常生活に支障がある場合や、頭痛の回数が増えた場合、頭痛の強さが悪化している場合には医療機関に受診して原因について調べてもらう必要があります。

頭痛の回数が多くなると、ついつい痛み止めを使用しすぎてしまうことがあります。痛み止めを使用しすぎると薬物乱用頭痛を起こすことがあります。薬物乱用頭痛を考える症状は、頭痛が起きている時に痛み止めを飲んでも効果がない、むしろ悪化するなどの場合です。このような症状がある場合には一度医療機関に受診してみてください。

2. 急性期の痛みに対処する治療

痛みが急激におこった場合には、まず痛みを抑える治療を行います。軽度の痛みであれば、医療機関に受診しなくとも市販薬などで対応ができます。通常の頭痛の中にはくも膜下出血脳出血による頭痛がごくまれですが含まれます。いつもと違う頭痛だと感じた場合には医療機関に受診して調べてもらってください。

即効性のある治し方はある?

痛みに対しての即効性のある治し方は鎮痛薬を内服するしかありません。市販薬でも処方薬と同成分のものもあります。頭痛が起きそうなときに早めに内服することが重要ですので、いつも持ち歩いていると安心です。しょっちゅう鎮痛薬を使用していると薬物乱用頭痛になることがありますので、市販薬であれば決められた量や回数(用法用量)を守って内服してください。処方薬の場合には医師や薬剤師の指示にしたがって内服してください。

市販薬の薬物治療

慢性的な頭痛の場合には医療機関への受診が勧められますが、軽度の頭痛の場合には医療用医薬品(処方薬)ではなく一般用医薬品(市販薬)の痛み止めでも治療を行うことができます。ここでは市販薬の痛み止めには下記のようなものがあります。(なお、本記事に登場する薬剤に関して、株式会社メドレーは特定の製薬企業やその関係団体との利害関係はありません)

  • ロキソニン
  • バファリン
  • ノーシン
  • イブ
  • セデス®︎
  • リングル®アイビー
  • ナロンエース

◎ロキソニン

処方薬として広く使われているNSAIDsのロキソプロフェンナトリウムを主成分とした製剤です。NSAIDsの中でも比較的、高い消炎鎮痛効果が期待でき、頭痛以外にも生理痛、関節痛、発熱時の解熱など多くの用途で使われていて、市販薬としては「ロキソニン®S」の名称で関連製剤が発売されています。

ロキソニン®S」はロキソプロフェン単独成分の製剤ですが、これに胃を守る成分(胃粘膜保護成分)として酸化マグネシウムがプラスされた「ロキソニン®Sプラス」という製剤もあります。

また「ロキソニン®Sプレミアム 」はロキソプロフェンナトリウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウム(胃粘膜保護成分)に加えて、鎮痛補助成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを含むことで鎮痛効果の増強などが期待できる製剤です。

なお、ロキソプロフェンナトリウムは「ロキソニン®Sシリーズ」以外にも市販の鎮痛薬の成分として使われていて、「バファリンEX」「エキセドリンLOX」など比較的多くの製剤が販売されています。内服薬(飲み薬)としての市販のロキソプロフェンナトリウム製剤はいずれも第一類医薬品に分類される医薬品で、薬局やドラッグストアなどの店頭で購入する場合は薬剤師からの情報提供などが必要な薬になっています。

◎バファリン

現在(2018年6月時点)、10種類以上の市販薬が発売されているバファリンシリーズですが、製剤によって含まれる鎮痛成分も様々です。

バファリンA」はシリーズの中でも基本というべき製剤のひとつで、NSAIDsのアスピリン(アセチルサリチル酸)が主成分です。(ちなみに処方薬のバファリン(バファリン配合錠A330など)もアスピリンを主成分としていますが、特に低用量の規格(バファリン配合錠A81)は主に鎮痛薬ではなく抗血小板薬(血液をサラサラし血栓症などを予防する薬)として使われています)

同じバファリンの名称を持つ製剤でも主に子供用として使われる「小児用バファリンCII」などはアセトアミノフェンが鎮痛成分として配合されています。これはアスピリンが副作用などの観点から原則として15歳未満には使わない薬とされていることなどが理由です(ただし、川崎病などの治療で医療機関の受診を経てアスピリンが子供に使われるケースはあります。大人用バファリンと子供用バファリンの違いはメドレーコラム「大人用と子ども用の解熱鎮痛薬は成分が違う??」でも紹介しています)。

その他、バファリンシリーズの製剤例を配合成分と合わせてみていきます。

バファリンEX」は、NSAIDsのロキソプロフェンナトリウムと乾燥水酸化アルミニウムゲル(胃粘膜保護成分)を配合した製剤です。

バファリンルナi」は、イブプロフェンとアセトアミノフェンの2種類の鎮痛成分に加え、無水カフェイン(鎮痛補助成分)と乾燥水酸化アルミニウムゲル(胃粘膜保護成分)が配合されていて鎮痛効果の増強などが期待できます。

これら4種類(イブプロフェン、アセトアミノフェン、無水カフェイン、乾燥水酸化アルミニウムゲル)にアリルイソプロピルアセチル尿素(鎮痛補助成分)を加え計5種類の成分を配合した製剤が「バファリンプレミアム 」になります。

◎ノーシン

「頭痛にノーシン」というフレーズもあるように、市販薬の中でも頭痛によく使われている痛み止めのひとつです。ノーシンシリーズで多く使われているのはアセトアミノフェンという鎮痛成分です。

アセトアミノフェンはNSAIDsとは少し異なる仕組みで痛みや熱などを和らげる薬であり、比較的安全性の高い解熱鎮痛成分とされています。

ノーシン 」や「ノーシン錠」などの製剤にはアセトアミノフェンに加えてカフェイン水和物とエテンザミドという鎮痛効果の増強が期待できる成分が配合されています。

ノーシンをあらわす言葉として「ACE処方」という言葉が使われていますが、この場合の「ACE」とは「A:アセトアミノフェン、C:カフェイン、E:エテンザミド」の頭文字を合わせたものです。ちなみに高血圧治療や片頭痛予防などで使われる薬剤(処方薬)としてACE阻害薬と呼ばれるものがありますが、こちらの「ACE」は「アンジオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme)」を略した言葉を由来とし、ノーシンなどに使われている「鎮痛薬のACE処方」とは関係ありません。

なお、ノーシンシリーズにはイブプロフェンを主成分とする製剤もあります。「ノーシンエフ200 」は1カプセル中にイブプロフェンを200mg含む製剤であり、「ノーシンアイ頭痛薬」はイブプロフェンとアセトアミノフェンの配合剤になっています。

◎イブ

「イブ®」はNSAIDsのひとつイブプロフェン(処方薬としての主な商品名:ブルフェン®)を主な鎮痛成分とする製剤です。

イブ® 」はイブプロフェン単独成分の製剤ですが、「イブ®A錠 」や「イブ®A錠EX」はイブプロフェンに鎮痛補助成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインを含み鎮痛効果の増強などが期待できる製剤になっています。

イブクイック®頭痛薬 」や「イブクイック®頭痛薬DX 」はその名前からわかるように頭痛の速やかな緩和を主な目的として造られた製剤で、イブ®Aシリーズの成分にさらに酸化マグネシウムを配合し、鎮痛成分の吸収を速めると共に胃粘膜保護作用をあらわすように工夫された製剤になっています。

イブメルト®」はイブプロフェン単独成分の製品ですが、レモンライム味の口腔内崩壊錠(唾液または少量の水分で溶けるように造られた錠剤)で、なんらかの理由により飲み込み(嚥下)に対して懸念がある場合などに対するメリットなどが考えられます。

ここで挙げた以外の市販の鎮痛薬としてはセデス®、ナロンエース、リングル®アイビーなどがあり、これらの多くはイブプロフェンなどのNSAIDsかアセトアミノフェンを含む製剤です。

配合されている鎮痛成分(及び鎮痛補助成分)が複数ある場合は鎮痛効果の増強などが期待できますが、その分注意することも追加されます。特にカフェイン(無水カフェインなど)が含まれている製剤は、カフェインがもつ依存性などにより制限を超えて過度に使ってしまう懸念が少なからずあり、薬物乱用頭痛などの原因になる可能性もあります。

市販の鎮痛薬は一時的な症状や軽度な症状には有用ですが、規定回数使っても症状が治まらなかったり、慢性的に症状が続くような場合には医療機関の受診が推奨されます。

病院での薬物治療:鎮痛薬

病院で処方される薬物には次のようなものがあります。いずれも頭痛が起きた時に内服する頓服薬として使用します。

  1. アセトアミノフェン(主な商品名:カロナール®)
  2. NSAIDs
    • ロキソプロフェンナトリウム(主な商品名:ロキソニン®)
    • アスピリン(アセチルサリチル酸)(主な商品名:バファリン配合錠A330)
    • イブプロフェン(主な商品名:ブルフェン®)
    • ジクロフェナクナトリウム(主な商品名:ボルタレン®)
    • ナプロキセン(主な商品名:ナイキサン®)

いずれの薬も内服する場合には、医師や薬剤師に指導された量や回数を守って使用することが重要です。薬剤を使いすぎることで薬物乱用頭痛を引き起こす可能性があります。はじめは内服すると頭痛が収まっていたにもかかわらず、これらの薬剤を飲んでも効果が徐々になくなってきている場合には薬物乱用頭痛の可能性があります。この場合には医療機関で相談してみてください。

◎アセトアミノフェン

アセトアミノフェンは一般的に「中枢性解熱鎮痛薬」とも呼ばれる薬で、痛みや発熱などを引き起こすプロスタグランジン(PG)という体内物質の働きを抑えることで主に解熱鎮痛作用をあらわします。

同じくPGの働きを抑えることにより解熱・鎮痛・抗炎症作用などをあらわす薬としてロキソプロフェンナトリウム(主な商品名:ロキソニン®)やアスピリン(主な商品名:バファリン)などのNSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる薬がありますが、アセトアミノフェンはこのNSAIDsとはやや異なる作用の仕組みを持つ薬剤と考えられています。

アセトアミノフェンは解熱・鎮痛作用をあらわす一方、NSAIDsでは期待できる抗炎症効果がほとんど期待できないとされています。アセトアミノフェンは一般的に高い安全性を有し、胃腸障害や腎障害などのNSAIDsで注意すべき副作用への懸念はかなり少なく、小児から高齢者まで幅広い年齢で使えるのもメリットのひとつです(ただし、まれに起こる可能性がある肝機能障害などに注意は必要です)。

また妊婦への負担も少ないとされ「医師の診断の下で使用に対して有益性が危険性を上回る場合」などの条件はつきますが、妊婦でも使用可能な薬になっています。

医療用医薬品(処方薬)としての主なアセトアミノフェン製剤には錠剤や散剤(主な商品名:カロナール®、コカール®)の他、坐剤(主な商品名:アンヒバ®、アルピニー®、カロナール®)や注射剤(商品名:アセリオ®)といったように剤形も複数あり、用途などに合わせた選択も可能です。アセトアミノフェンは一般用医薬品(市販薬)の成分としても多くの製剤(例:小児用バファリンCⅡタイレノール®Aなど)に使われています。

◎NSAIDs

NSAIDs(エヌセイズ)とは一般的に、ステロイド(副腎皮質ホルモン)ではなく、体内で痛みや発熱などを引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の働きを抑えることで鎮痛・解熱・抗炎症作用などをあらわす薬の総称です。

主なNSAIDsにはロキソプロフェンナトリウム(主な商品名:ロキソニン®)、アスピリン(アセチルサリチル酸)(主な商品名:バファリン配合錠A330)、イブプロフェン(主な商品名:ブルフェン®)、ジクロフェナクナトリウム(主な商品名:ボルタレン®、ナボール®)、ナプロキセン(商品名:ナイキサン®)などがあり、一般的に「痛み止め」と呼ばれる薬の多くがこのNSAIDsに含まれます。

NSAIDsは痛みや発熱、炎症などを伴う多くの病態で使われる薬で、一般的に軽度から中等度の片頭痛発作に対して有用とされています。NSAIDsは、アセトアミノフェンではほとんど期待できない抗炎症作用をあらわすなど、有用性が高い薬である一方で胃腸障害、腎障害、呼吸器症状(咳や喘息発作誘発など)といった副作用に注意が必要です(NSAIDsの副作用に関しては「副作用は胃痛、胸やけだけじゃない!? ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン® など)について」でも紹介しています)

仮に緊張型頭痛(頭痛)に対して保険承認の有無を考慮しなければ 、近年では一般的なNSAIDsに比べ胃腸障害などへの懸念が少ないセレコキシブ(商品名:セレコックス®)などの薬剤も登場し、病態などに合わせた選択も広がっています。

NSAIDsはアセトアミフェン同様、一般用医薬品(市販薬)としても多くの製剤に使われていて、近年ではロキソプロフェンナトリウムの市販薬(例:ロキソニン®Sシリーズなど)も発売されています。

3. 発作を予防する治療

頭痛発作がたびたび繰り返している場合には、発作を少なくする治療が必要です。薬物治療は抗うつ薬などが中心になりますが、生活習慣の中にマッサージなどを取り入れることも効果的です。生活習慣として作業の合間に体操をする、マッサージを行う、首や肩をあたためるなどを取り入れて筋肉の緊張をほぐしてみてください。

予防治療が勧められる緊張型頭痛のタイプ

緊張型頭痛は1ヶ月の発作の回数で対応が分けられます。

  • 稀発反復性緊張型頭痛
    • 平均して1ヶ月に1日未満(年間12日未満)
  • 頻発反復性緊張型頭痛
    • 3ヶ月を超えて平均して1ヶ月に1〜14日(年間12日以上180日未満)
  • 慢性緊張型頭痛
    • 3ヶ月を超えて平均して1ヶ月に15日以上(年間180日以上)

発作の回数が多い頻発反復性緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛では日常生活に支障をきたすことも多く治療を行います。急性の発作を抑える治療での頭痛の改善が乏しい場合には、予防治療を行います。月に2回以上の発作がある場合には、今後の頭痛回数が増加する可能性が考えられます。頭痛回数が増えると予防治療の効果が出にくくなるため、早めの予防治療が開始されます。

予防治療の有用性はまだはっきりとわかっていないので、3-6ヶ月間予防治療を行なって、効果がない場合にはやめることもあります。

頻発反復性緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛では痛みのメカニズムが異なると考えられて、それぞれ治療方法が異なります。

頻発反復性緊張型頭痛には末梢性の痛みのメカニズムが関与して痛みを起こしていると考えられています。末梢性の痛みのメカニズムとは、主に筋肉のこわばりが原因となる痛みです。治療はリラクゼーション、理学療法などが行われます。

慢性緊張型頭痛には中枢性の痛みのメカニズムが関与して痛みを起こしていると考えられています。中枢性の痛みのメカニズムとは、ストレス、抑うつ気分などが関与して、脳が頭痛を感じやすくなる仕組みです。脳が痛みに敏感になることで、通常は痛みを感じないはずの筋肉の緊張でも、頭痛を感じてしまう状態です。治療は抗うつ薬、ストレスマネジメント、リラクゼーション、鍼灸などが行われます。

ストレスや精神的な緊張は緊張型頭痛を引き起こす原因であり、うつや不安神経症は慢性的な頭痛へ以降しやすい要因です。頭痛がある人は頭痛がない人に比較してうつや不安神経症をもつ人の割合が2-5倍で、頭痛の治療のみではなく、精神的な病気の治療も重要です。運動不足やうつむくような悪い姿勢を長期間とることは、筋肉がこわばる原因になります。

病院での薬物治療:抗うつ薬、筋弛緩薬など

反復性緊張型頭痛では頭や肩や首の筋肉の緊張からの痛みにくわえて、心理的ストレスになどによって痛みを感じやすくなっていると考えられています。そのため、抗うつ薬の使用に加えて、筋弛緩薬の併用などで治療が行われます。

慢性緊張型頭痛ではまずは、痛み止めを繰り返し使用したことによる薬物乱用頭痛でないかを確認したうえで、抗うつ薬や筋弛緩薬での治療が行われます。薬物乱用頭痛とは鎮痛薬の使いすぎによって起こる頭痛です。慢性緊張型頭痛では頭痛自体がストレスの原因となってうつや不安障害を起こしやすく、この心理的な負担がさらに頭痛を引き起こす悪循環になり、難治性になることがあります。難治性頭痛になってしまった場合には、抗うつ薬の変更を行うことや、抗不安薬を使うことがあります。

慢性緊張型頭痛では身体表現性障害、うつ病パニック障害全般性不安障害などの精神科の病気などが合併していることがあり、これらの治療によって頭痛が改善することもあります。そのため症状によっては心療内科や精神科と協力して治療が行われることがあります。『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』で紹介されている予防治療薬は次の通りです。

  1. 三環系抗うつ薬
    1. アミトリプチリン(主な商品名:トリプタノール®︎)
    2. クロミプラミン(主な商品名:アナフラニール®︎)
  2. 四環系抗うつ薬
    1. マプロチリン(主な商品名:ルジオミール®︎)
    2. ミアンセリン(主な商品名:テトラミド®︎)
  3. ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬
    1. ミルタザピン(主な商品名:リフレックス®、レメロン®︎)
  4. てんかん
    1. トピラマート(主な商品名:トピナ®)
  5. 抗不安薬
    1. アルプラゾラム(主な商品名:コンスタン®、ソラナックス®など)
    2. エチゾラム(主な商品名:デパス®など)
  6. 筋弛緩薬
    1. チザニジン(主な商品名:テルネリン®など)
    2. エペリゾン(主な商品名:ミオナール®など)

主な薬の特徴などを以下で説明します。

◎抗うつ薬

抗うつ薬は一般的には「うつ」の治療を目的として開発された薬ですが、抗うつ薬に分類される薬剤の中には緊張型頭痛の予防薬として使われるものもあります。

アミトリプチン(主な商品名:トリプタノール®︎)は抗うつ薬としては初期に開発された三環系抗うつ薬に分類される薬の一つで、現在ではの治療よりも「痛みを改善する治療」で使われることが多くなっています。アミトリプチンの他にはクロミプラミン(商品名:アナフラニール®︎)なども予防薬として使われます。

抗うつ薬は主に脳へ作用する薬剤であることもあり、眠気やふらつきなどの精神神経系症状には注意が必要です。三環系抗うつ薬などの比較的初期に開発された薬では眠気の他にも、抗コリン作用といって、神経伝達アセチルコリンの働きを抑える作用により口渇、便秘排尿障害などの症状があらわれる場合があります。

そのため、副作用の少ない四環系抗うつ薬や、異なる作用機序で効果を発揮するミルタザピンなどが使われる場合もあります。しかしこれらの薬剤でも個々の副作用には注意が必要です。これは抗うつ薬に限ったわけではありませんが、副作用を含め薬剤に関しての注意事項を医師や薬剤師からしっかり聞いておくことが大切です。

◎抗不安薬

抗不安薬は筋肉を緩める効果もあるため、抗不安作用と筋弛緩作用の両方の効果を期待して使われることもあります。ストレスによる精神的な緊張とともに、筋肉の緊張もやわらげる効果があります。

抗不安薬も抗うつ薬と同様に主に脳へ作用する薬剤であることもあり、眠気やふらつき、注意力や集中力の低下などの精神神経系症状には注意が必要です。

エチゾラム(主な商品名:デパス®など)は長期間の使用で薬をたくさん飲みたい、薬がないといられない気持ちになるなどの薬物依存の症状があらわれることがあり注意が必要です。アルプラゾラム(主な商品名:コンスタン®、ソラナックス®など)でも起こることがありますが、エチゾラムの方が薬の特性上起こりやすくなっています。しかし、急激に内服する量を減らすことや中止することは、以前よりひどい不安や不眠、焦り、イライラする、汗をかく、震えるなどの離脱症状が起こることがあるため、徐々に減量する必要があります。

しかし副作用を必要以上に怖がることはありません。医師や薬剤師に言われた量や回数を守って使用すれば、きちんと効果が期待できる薬です。抗不安薬に限ったことではありませんが、どんな薬でも副作用を含めて薬剤に関しての注意事項を医師や薬剤師にしっかり聞いておいてください。

◎筋弛緩薬

筋弛緩薬であるチザニジン(主な商品名:テルネリン®など)やエペゾリン(主な商品名:ミオナール®など)は筋肉をやわらげる効果があります。単独で内服することや、抗うつ薬などとともに使われることがあります。

緩やかな効果であるため副作用は少ないのですが、主な副作用で脱力感、めまい・ふらつき、全身倦怠感などがあります。ふらつきや眠気が強く起こることがあるため、そのような症状がある場合には運転などは控えてください。

◎薬物乱用頭痛とは

痛み止めの鎮痛薬をたくさん使用することで、かえって頭痛を引き起こすことがあります。強い頭痛を経験すると、不安から薬を飲む回数や量が増えていきます。すると次第に脳が痛みに敏感になり、頭痛がかえってひどくなるという悪循環になります。

薬物乱用頭痛の定義は「1ヶ月に15日以上頭痛があり、3ヶ月を超えて1種類以上の急性期または対症的な頭痛の治療薬を定期的に乱用している状態で、頭痛は薬を飲んでいる間にもあらわれ、場合によっては悪化する」ことと言われています。

薬物乱用頭痛を防ぐ方法は頭痛治療薬を飲みすぎないようにすることです。そのために次のことに注意します。

  • 処方された頭痛治療薬は医師や薬剤師の話をよく聞いて、指示された回数を守って内服してください。
  • 一般用医薬品(市販薬)では定められた内服の回数や量を超えての使用は避けてください。
  • カフェインが含まれている鎮痛薬は効果が高い反面、依存性があり特に注意が必要です。市販薬の鎮痛薬にはACE処方(エーシーイー処方)と呼ばれるアセトアミノフェン、カフェイン、エテンザミドが含まれた薬があります。このようなカフェインが含まれている場合には注意が必要です。

以前は痛み止めを内服すれば改善していた頭痛が、内服しても効果がなくなってきたと感じる場合や、内服すると頭痛がむしろ悪化する場合などは薬物乱用頭痛の可能性があります。薬物乱用頭痛では専門的な治療が必要ですので、医療機関に受診して相談してください。

漢方薬での治療

頭痛に対して次のような漢方薬が使われることがあります。頭痛の予防薬などの副作用がでた場合や、アレルギー体質があって使える薬が制限される場合などに、漢方薬が有用となる場合があります。

  • 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
  • 桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)
  • 釣藤散(チョウトウサン)
  • 五苓散(ゴレイサン)
  • 川芎茶調散(センキュウチャチョウサン)
  • 葛根湯(カッコントウ)
  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  • 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
  • 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
  • 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

漢方薬の多くは処方薬と同じ生薬を含むものを市販薬として処方箋なしで購入できます。漢方医学では個々の症状や体質などを「証(しょう)」という言葉であらわし、一般的にこの証に合わせて適切な漢方薬が選択されます。「慢性頭痛の診療ガイドライン」にも載っている漢方について次に説明します。

  • 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)

比較的体力の低下や冷えがある人で、反復性に起こる激しい頭痛を訴えるような証に適するとされる漢方薬です。呉茱萸湯に含まれている呉茱萸(ゴシュユ)は鎮痛、鎮静、身体を温めるなどの効果が期待できる生薬です。

片頭痛、緊張性頭痛など慢性頭痛に効果が期待できるとされています。特に頭痛発作の時に吐き気を伴ったり、首などのこり、めまい、手足の冷えを伴うような頭痛に対しての効果が期待できるとされています。

  • 桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)

比較的体力が低下していて、冷えがあり、胃腸が弱く食欲不振や吐き気があったり、疲労を伴うような証に適するとされている漢方薬です。慢性頭痛に対して効果が期待でき、一般的には呉茱萸湯の適するとされる証よりも体力が低下気味な証に適するとされます。

健胃作用などをあらわす桂皮(ケイヒ)が含まれています。桂皮はシナモンとして調味料としても使われている生薬で、食欲不振や慢性胃炎などの改善効果の他、熱や痛みなどに対しても改善効果が期待できます。桂枝人参湯は桂皮、人参(ニンジン)の他、甘草(カンゾウ)、乾姜(カンキョウ)、蒼朮(ソウジュツ)により構成されています。甘草を含むため、副作用として偽性アルドステロン症などへの注意は必要となります。

  • 釣藤散(チョウトウサン)

頭痛の中でも緊張型頭痛などに効果が期待できるとされています。特に高血圧気味であったり、耳鳴りを伴うような証に適するとされている漢方薬です。「証」(しょう)とは個々人の体質や状態を表す言葉です。詳しくはコラム「漢方薬の選択は十人十色!?」で解説しています。

血圧降下作用、脳血流保持作用(脳血流の減少を抑える作用)をあらわし、頭痛以外にもアルツハイマー型認知症脳血管性認知症などに対しても改善効果が期待できるとされています。

比較的少量ですが甘草(カンゾウ)を含むため、偽性アルドステロン症低カリウム血症浮腫などがあらわれる)、ミオパチー(脱力感などの症状があらわれる)などの副作用には注意が必要となります。これらの症状があらわれることは非常にまれとされていますが、グリチルリチン(甘草の主な成分)を含む製剤(製剤例:グリチロン®錠 など)を併用する場合は飲み合わせにいっそう注意が必要です。

  • 五苓散(ゴレイサン)

口の渇きや尿量の減少などを伴うような証に適するとされている漢方薬です。片頭痛血液透析に伴う頭痛などに効果が期待できるとされています。下痢を抑える止瀉(ししゃ)作用、身体に水が貯留している状態での利水作用、唾液分泌が減った状態の口の渇きに対する作用などをあらわします。五苓散は頭痛以外にも多くの疾患、症状に使われ、浮腫、ネフローゼ、下痢、吐き気、嘔吐、めまい、暑気あたり(夏ばて)と様々です。

他にも二日酔いの改善に有効であったり、慢性硬膜下血腫などへの改善効果も期待できるとされています。小児から高齢者まで幅広く使用される漢方薬の一つです。五苓散のさまざまな用途についてはコラム「二日酔い、頭痛、妊婦のつわりに対する漢方薬の五苓散(ゴレイサン)の作用」で紹介しています。

精神行動療法:筋電図バイオフィードバック、認知行動療法など

精神行動療法とはある事柄と頭痛の関係を自覚して、好ましくないその事柄を改善するように認識しなおす治療方法です。緊張型頭痛の精神行動療法では筋肉の緊張や、ストレスが原因となっていることを自覚して、緊張をほぐしたり、ストレスを改善したりします。

緊張型頭痛で行われる精神行動療法にはつぎのようなものがあります。

筋電図バイオフィードバック

筋電図を測定して目に見える形で記録して、それをみることで筋肉の緊張が持続していることを自覚する治療方法です。筋電図とは筋肉が収縮した時に出る活動電位を記録したものです。

緊張型頭痛では本人がなかなか自覚しにくい筋肉の緊張を記録して、実際に目で見ることで筋肉の緊張を自覚することができます。自覚ができたら、緊張をほぐしてリラックスするように行動を改めていきます。効果が高い治療方法ですが全ての医療機関に筋電図がある訳ではないことと、あまり知られていない治療であるため、どこの医療機関でもできるわけではないことが難点です。

◎ストレスと頭痛の関係を自覚する認知行動療法

ストレスと頭痛の関係を自覚して、ストレスを改善することで頭痛を改善していく方法です。ストレスが直接頭痛を引き起こしていることを自覚することで、ストレスを回避するように行動することができます。

運動療法:頭痛体操など

緊張型頭痛は首、肩、背中の筋肉の緊張が原因になります。これらの筋肉の緊張をほぐすことが頭痛の治療および、予防になります。頭痛体操はつぎのものがありますのでやってみてください。ポイントは1つの動きを2分程度行うことです。短時間では効果を得られないことがあります。

◎頭痛体操1:首から背中の筋肉をリズミカルにストレッチする

正面を向いて、頭は動かさずに首から下を大きく左右に回転させます。腕を大きく振るように意識します。仕事の合間に行うことで、首〜背中の筋肉がストレッチされて、頭痛の予防、改善効果が期待できます。

◎頭痛体操2:肩の筋肉をストレッチする

両肘を軽くまげた状態で肩を大きく回します。前に回す、後ろに回す両方向を5回ずつ行います。手を回している時に肩まわりの筋肉がゴリゴリしていたら十分ストレッチできています。

◎首のストレッチ

  1. 両手のひらを使って、顎を上に押し上げて首の前を伸ばします。少しきついくらいのところで10秒間キープします。
  2. 片手で反対側の頭の横を抑えて首の横を伸ばします。少しきついくらいのところで10秒間キープします。
  3. 両手を組んだ状態で頭の後ろを押さえて、首の後ろを伸ばします。少しきついくらいのところで10秒間キープします。

◎肩のストレッチ

  1. 肘の辺りで、十字になるよう逆の腕を抑えこんで自分の胸に押し当てます。肩と二の腕を伸ばします。少しきついくらいのところで10秒間キープします。
  2. 片腕を上げ、肩甲骨のあたりを触るように肘を曲げます。逆の手で肘を斜め下に引いて、肩のあたりと二の腕の筋肉を伸ばします。少しきついくらいのところで10秒間キープします。

◎背中や胸のストレッチ

背中の後ろで両手を組み、その両手を上にあげ、同時に胸を張ります。少しきついくらいのところで10秒間キープします。

理学療法:首のマッサージ、指圧など

首や肩の筋肉が緊張している部分をマッサージや指圧することで筋肉がほぐれて、頭痛の改善効果があります。首の後ろや肩まわりを自分の手で押してほぐしましょう。整体院などでほぐしてもらっても構いません。

頭痛に対してツボを押すという人もいますが、触って硬い部分をマッサージする人もいます。ツボについては「知っておくべき緊張型頭痛の注意点:日常生活や食事など」に記載してあります。

温熱療法:首を温める、お風呂で温まるなど

緊張型頭痛は筋肉の緊張で起こるため、温めると筋肉がほぐれて頭痛が改善します。ぬるま湯にゆっくり浸かることで筋肉の緊張を和らげるとともに、リラックス効果もあります。入浴する時間がない場合には、蒸しタオルやホットパック、温湿布などで首の周囲を温めてください。

首を冷やすことは血流が悪くなるため、緊張型頭痛の治療としては効果的ではありません。

日常生活の改善

姿勢が悪いと肩こりの原因になるため直します。パソコンの作業中などに椅子が高いと前かがみになって肩こりの原因になるため、椅子の高さを適切に調整します。

枕が高すぎることも首や肩の緊張につながります。バスタオルを2-3回折った厚さを目安に枕の高さを調整してください。

ストレスがある場合には、ストレスを軽くできるようにできることをしてみてください。すぐできるリラックス方法などを持つことも重要です。

4. 妊娠中や授乳中の緊張型頭痛の薬物治療

妊娠中や授乳中であっても、緊張型頭痛で痛みが強くて日常生活に支障がでる場合には内服での治療ができます。

妊娠中に頭痛の発作が起きた場合にはアセトアミノフェン(商品名:カロナール®など)を主に使います。アセトアミノフェンがどうしても効かない場合にはNSAIDsの使用が考慮されます。NSAIDsの中でも比較的安全性が高いのはイブプロフェン(商品名:ブルフェン®)です。しかし、妊娠28週以降の後期ではNSAIDsは胎児の動脈管閉鎖を起こすので使用を控えます。

発作が多い場合の予防治療は基本的には薬物を使わずに、リラクゼーション、バイオフィードバックなどを行います。頭痛の回数が多い場合は妊娠に伴ううつや不安障害が起きている可能性がありますので、医師に相談してみてください。

授乳中の発作の治療薬は妊娠中と同様にアセトアミノフェン(カロナール®など)を使用します。NSAIDsは母乳中の移行があるためあまり用いられません。しかし、アセトアミノフェンで頭痛のコントロールが難しい場合にはNSAIDsを使用します。イブプロフェン(商品名:ブルフェン®)、ナプロキセン(商品名:ナイキサン®)、ジクロフェナク(商品名:ボルタレン®)は、月に数回の使用であれば危険性は極めて少ないと考えられ、状況に応じて使用します。