きんちょうがたずつう
緊張型頭痛
頭や、後頭部、首の筋肉が緊張することによって起こる頭痛
15人の医師がチェック 109回の改訂 最終更新: 2025.06.02

知っておくべき緊張型頭痛の注意点:日常生活や食事など

緊張型頭痛の様々な疑問、食事や飲み物と症状の関連、日常生活の注意点などについて説明します。様々な疑問では緊張型頭痛が治るのか、効果のあるツボはあるのかなどについて説明します。食事や飲み物に関しては飲酒や食べ物との関連について説明します。日常生活に関しては、頭痛の原因になる姿勢、頭痛を改善させる運動、入浴との関連などについて説明します。

1. 緊張型頭痛の疑問

緊張型頭痛に関してのいろいろな疑問についてここでは説明します。

緊張型頭痛は子供でも起こる?

緊張型頭痛は子供でもまれではありません。

小児のうち緊張型頭痛を持っている割合(有病率)は世界各国の人口統計を基盤にした調査では17.4%、学校(学生数)を基盤にした調査では0.7%-22.6%です。日本の有病率は、東京都多摩市小児頭痛調査(2011年)では小学生で4.9%、中学生で9.4%でした。高校生では26.8%という報告もあります。

小児が頭痛を起こしやすくなる危険因子は生活習慣、学校、精神的因子です。学校のストレスや両親の高い期待などで頭痛を起こす割合が増えます。定期的な自由時間(予定がない時間)があると頭痛は減ります。子供の頃から頭痛の発作が多いと、成人になっても慢性的な頭痛が起こることが多いです。そのため大きなストレスがあるように見える場合には、臨床心理士や精神科医に相談してみることも考えてみてください。まずは頭痛が多い場合には一度小児科に相談してみてください。

参考:
平成24年度東京都医師会学校医会会誌37:69-76, 2014.
臨床神経学45(10), 717-723, 2005.

生理(月経)時期や排卵期に起こる頭痛は緊張型頭痛?

月経時期や排卵期に悪化する頭痛の多くは緊張型頭痛ではなく片頭痛です。女性ホルモンであるエストロゲンの変動によって片頭痛発作が起こります。

月経時片頭痛は通常の片頭痛より頭痛がひどく、持続時間が長いことが特徴です。月経開始2日前から月経3日目までに頭痛発作があり、月経3周期中2周期以上で頭痛が起こる場合には純粋月経時片頭痛と呼ばれます。この時期以外にも頭痛が起こる場合には月経関連片頭痛と呼ばれます。いずれも片頭痛に準じて治療が行われます。

妊婦に起こる頭痛は緊張型頭痛?

妊婦に起こる頭痛の原因は様々で緊張型頭痛だけとは限りません。妊娠中に頭痛が起きたときに考えられる原因の例として次のものがあります。

妊娠中はお腹が大きくなることで、今までとは体のバランスが変化して首や肩に過度な力が加わることで、緊張型頭痛が起こることがあります。

片頭痛は一般的には妊娠中に軽減することが多く、妊娠前に片頭痛があった人のうち60-80%の人は改善します。しかし、出産後1ヶ月以内に再発することもあります。

妊娠中は貧血になるため、程度によっては頭が痛くなったり息切れを起こしたりします。貧血は血液検査でヘモグロビンが低下することです。ヘモグロビンは酸素を運搬する働きをしているため、貧血でヘモグロビンが少なくなると酸素不足のため頭痛や息切れを引き起こします。

妊娠20週以降に新しく頭痛が起きた場合では妊娠高血圧症候群を考えます。血圧が収縮期血圧140mmHg以上あるいは、拡張期血圧90mmHg以上である場合には産婦人科を受診してください。

妊娠中に頭痛が起きた場合の薬物治療では主にアセトアミノフェン(カロナール®︎など)を内服します。妊娠4-7週は赤ちゃんの奇形を起こす危険性が特に高いため、できるだけ薬剤の使用を控えます。薬物を使わないでリラクゼーションなどを行うことも安全で効果的な治療方法です。

緊張型頭痛を治すツボはある?:頭痛や肩こりのツボ

ツボ押しの効果についてははっきりとはわかりませんが、人によっては頭痛や肩こりを和らげることができるかもしれません。ツボ押しで頭痛や肩こりがある人向けのツボとされるものがいくつかあります。試してみたい方は、痛くない程度の優しい強さで指圧をしてみてください。

指圧を行う時は指の腹で皮膚に垂直にツボを押します。ゆっくり押して少し響く感じがしたら、同じ強さで3-5秒間押して、その後にゆっくり離します。押してすぐ離すのではなく、同じ強さでしばらく押します。はじめはあまり強く押しすぎず、気持ちいい強さで優しく押してください。

◎頭のツボ

  • 百会(ひゃくえ)

頭頂部にあるツボで、両耳と鼻の延長線が交わるあたりです。両耳に親指を入れて両方の手のひら全体で頭をつかむようにした時に、中指があたる点です。

頭痛、不眠、自律神経失調症、肩こりなどのある人が押します。

◎首のツボ

  • 風池(ふうち)

後頭部の骨のくぼみから2-3cm外側の、髪の生え際よりも少し上のあたりです。耳の後ろに出っ張っている骨(乳様突起)と後頭部の骨のくぼみを繋いだ線のちょうど真ん中の点です。

頭痛、首や肩のこり、眼精疲労、めまいなどがある人が押します。

  • 天柱(てんちゅう)

後頭部の髪の生え際で、僧帽筋がくっついている盛り上がりの外側です。ツボに親指があたるようにして、頭を包み込むように指で外側から中心に向かって押してください。

頭痛、首のこり、眼精疲労になどがある人が押します。

  • 完骨(かんこつ)

両耳の後ろの出っ張っている骨(乳様突起)の下より内側のくぼんだ部分です。

頭痛、首のこり、顔のむくみ眼精疲労、めまいなどがある人が押します。

◎肩のツボ

  • 肩井(けんせい)

首の根元と肩先の真ん中にあるツボです。乳頭から肩に向かって引いた線が肩の一番高いところと交わる少し手前の点です。

肩こり、頭痛、腕の痛み、手のしびれなどがある人が押します。

◎顔のツボ

  • 太陽(たいよう)

目の外側の縁と眉毛の外側の中間点から指2本外側にあるくぼみです。

眼精疲労、頭痛のある人が押します。

緊張型頭痛は完治する?

緊張型頭痛のうち1ヶ月に15日以上の頭痛が起こる慢性緊張型頭痛は治りにくいと言われています。反復性緊張型頭痛では、頭痛回数が悪化することは少なくそのまま経過します。いずれの場合にも薬物治療とともに頭痛の原因にストレスや肩こりがあることを認識して、生活を改善していくと治りやすくなります。

片頭痛では年齢を重ねると症状が改善しますが、緊張型頭痛では年齢によって改善するこということはあまりありません。若年でなくとも新しく緊張型頭痛を起こすこともあります。緊張型頭痛を悪化させないようにストレスなどを認識して、薬物治療だけでなく生活環境も整えることで治すことができます。

緊張型頭痛が治らない人はどんな人?

反復性緊張型頭痛であってもほとんどの場合はそれ以上ひどくならずに経過しますが、中には慢性緊張型頭痛に移行する場合があります。治りにくい人の特徴として次のものがあります。

  • はじめから慢性緊張型頭痛であること
  • 片頭痛も合わせて持つこと
  • 未婚であること
  • 睡眠障害も合わせて持つこと

緊張型頭痛を発症した時から慢性緊張型頭痛である場合や、片頭痛と緊張型頭痛の両方を持ち合わせている場合には頭痛が治りにくいとされています。睡眠障害があるとストレスなどから緊張型頭痛を悪化させて、さらにそれが睡眠障害を引き起こすという悪循環に陥ります。しかし治りにくい要因がある場合も、必ずしも全員が治らない訳ではありません。頭痛の原因となっていることを少しずつ改善していくことで、頭痛も治っていく可能性があります。

参考:Neurology. 2005 Aug 23;65(4):580-5.

2. 緊張型頭痛と食事の関連

片頭痛群発頭痛では誘引となる食べ物や飲み物が知られていますが、緊張型頭痛を引き起こす食べ物はあまりありません。緊張型頭痛と食べ物や飲み物の関係についてみていきます。

飲酒(アルコール摂取)は頭痛の原因になる?

飲酒は緊張型頭痛の原因にはなりません。緊張型頭痛は筋肉の緊張が頭痛の原因になります。そのため飲酒すると筋肉が緩むので、かえって頭痛がよくなる人もいます。

頭痛の中でも片頭痛群発頭痛では飲酒が引き金となって、頭痛を引き起こすことがありますので控えた方がいい場合もあります。しかし緊張型頭痛では飲酒を控える必要はあまりありません。一般的な注意として、飲み過ぎはアルコール性肝障害などさまざまな病気につながりますので、緊張型頭痛は別としても飲酒はほどほどにしておいてください。

コーヒーなどのカフェイン飲料は頭痛を和らげる?

コーヒーなどに含まれるカフェインが一時的に頭痛を和らげるという意見もありますが、緊張型頭痛での効果ははっきりしません。

一方、片頭痛では血管が拡張することが頭痛の原因の一つになるため、血管収縮作用のあるカフェインを摂ることで一時的な頭痛の緩和が報告されています。

緊張型頭痛を緩和する食べ物や飲み物はある?

緊張型頭痛を緩和する食べ物はありません。アルコールによって筋肉の緊張が和らぐと頭痛が和らぐことがあります。しかし、頭痛を抑える目的で習慣的に飲酒するのはおすすめできません。

3. 緊張型頭痛を和らげるために日常生活でできる対策

緊張型頭痛の多くは肩こりを原因とするほかに、身体的や精神的なストレスが関係しています。日常生活では筋肉の緊張をほぐすように心がけると効果的です。同じ姿勢を取りつづけないようにすることや、筋肉をほぐすためのストレッチや運動を行うと頭痛の予防に効果的です。リラックスするために、ゆっくり食事をしたり、ゆっくりお風呂につかったり、ゆっくり休養することも心がけてください。

どんな姿勢が頭痛の原因になるの?

デスクワークや同じ姿勢をとり続けることが原因になります。頭、首、肩周りの筋肉が緊張して血行が悪くなり、頭痛の原因になります。特に首を前傾させる猫背は頭痛の原因になりやすいです。体の軸を意識して正しい姿勢で作業をすることは頭痛の予防になります。

作業中は1時間に10-15分程度の休憩を入れながら、ストレッチなどを行うと筋肉の緊張をほぐすことができます。座ったままでもできる肩や首の筋肉をほぐすストレッチがありますので行ってみてください。

緊張型頭痛を解消する運動やストレッチはある?

肩や首の筋肉をほぐすためにこまめな運動やストレッチを行うことが効果的です。

運動は水泳やウォーキングなどがおすすめです。肩周りの筋肉や背筋を全体に使うことで肩から背中にかけての緊張をほぐすことができます。

日常生活では同じ姿勢を取り続けることは避けて、パソコンなどの作業中は1時間に10-15分は休憩を入れてストレッチを行ってください。

頭痛に効果がある運動に頭痛体操があります。日本頭痛学会のホームページで詳しい方法を見ることができます。大きな副作用がなく費用がかからない治療なので、興味のある方はやってみてください。頭痛体操を行う時はしっかり1回2分間続けてください。10-30秒程度の短時間では効果があまりありません。

シャワーよりお風呂(湯船)の方が頭痛には効くの?

緊張型頭痛では筋肉の緊張が原因になるので、筋肉をほぐすために体を温めることは頭痛に効果的です。シャワーより湯船につかる入浴の方が体が温まりやすいため、症状を和らげるには効果があるかもしれません。また、緊張型頭痛は同じ姿勢や心身のストレスによる筋肉の過度な緊張が原因です。お風呂に浸かるとリラックス効果も高まるため、心身のストレスに対しても効果があります。

忙しいとついシャワーですませがちです。湯船に浸かる時間がない時は、ホットパックや蒸しタオル、温湿布などで首や肩周りを温めるだけでも効果的です。