じりつしんけいしっちょうしょう

自律神経失調症

自律神経のバランスが崩れた際に起こる症状の総称。めまいや耳鳴り、頭痛など様々な症状が出現する

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18人の医師がチェック 90回の改訂 最終更新: 2017.06.15

自律神経失調症の基礎知識

自律神経失調症について

  • 自律神経内臓の活動を調整している神経。交感神経と副交感神経を併せた総称のバランスが崩れた際に起こる症状の総称
    • 自律神経は交感神経自律神経の一種で、興奮や緊張しているときに働くもの。交感神経が働くと、血管は細くなり心臓は活発に動くようになる副交感神経自律神経の一種で、安静時や夜に活発になるもの。副交感神経が活発になると、筋肉や血管が緩み、脈は遅くなる。また消化などの内蔵の活動が活発になるの2つから成り、内臓や血管の働きをコントロールしている
    • この2つの神経のバランスが乱れることで様々な症状が生じる
  • 交感神経と副交感神経のバランスによって以下の機能が調整されている
    • 瞳孔を開く/閉じる
    • 涙を増やす/減らす
    • 房水を生産し眼圧を維持する
    • 唾液を増やす/減らす
    • 皮膚の血管を収縮/弛緩させる
    • 立毛筋を収縮/弛緩させる(収縮すると鳥肌が立つ)
    • 汗を増やす/減らす
    • 心臓の収縮力と心拍数を増やす/減らす
    • 呼吸数を増やす/減らす
    • 胃腸の蠕動運動(食べ物を送り出す運動)と消化液の分泌を増やす/減らす
    • 胆嚢を収縮させ胆汁を排出させる
    • 膵臓からの消化液とホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるの分泌を増やす/減らす
    • 副腎髄質からのアドレナリン副腎から分泌されるホルモンの1つ。交感神経の作用が高まると分泌され、血糖値の上昇や心拍数の増加などを起こす分泌を増やす/減らす(交感神経のみ)
    • 膀胱を収縮/弛緩させる
    • 排尿・排便のために働く筋肉を収縮/弛緩させる
    • 勃起、射精
  • 主な原因
    • 過度なストレス
    • 生活リズムの乱れ
    • 環境の変化
  • 1つの「病気」として国際的に認識されている概念ではない
  • 内臓などに明確な病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことがあるわけではないため、病院で検査を受けても「異常なし」と診断を受けやすい

自律神経失調症の症状

  • 複数の症状が長く続く
  • 症状には個人差が大きい
  • 身体的な症状
    • 慢性疲労、疲れやすい、だるい、倦怠感だるさのこと
    • 微熱
    • 顔のほてり
    • 汗が多い、汗が少ない
    • めまい、ふらつき、立ちくらみ
      ・ふわふわ・くらくらする感じの「めまい」(浮動性めまい)が多い
      ・目の前がグルグル回転する感じの「めまい」(回転性めまい)は少ない
    • 頭痛
      片頭痛偏頭痛)、緊張型頭痛と関連性が高い
    • 耳鳴り
    • 涙が多い、涙が少ない、疲れ目
    • 唾液が多い、口が渇く、口臭
    • 喉の違和感
    • 肩こり、首こり、肩から首の痛み
    • 腰痛、背中の痛み、こり
    • 関節の痛み
    • 動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる、胸の痛み
    • 息切れ、息苦しさ
    • 吐き気、食欲不振
    • 便秘、下痢
    • 手足のしびれ、手足の冷え、手足の震え、力が入りにくい
    • 生理不順、生理痛、勃起障害
    • 頻尿排尿のため、トイレに何度も行かなければならない状態。原因は様々であるが、膀胱や尿道、神経に何らかの異常があることで起こる、尿が出にくい、残尿
  • 精神的な症状
    • イライラ
    • 不安感
    • 不眠
    • 意欲低下
    • 集中力の低下
    • 気分の落ち込み
    • 感情の起伏が激しくなる

自律神経失調症の検査・診断

  • 問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すこと、他の病気の除外、自律神経内臓の活動を調整している神経。交感神経と副交感神経を併せた総称機能検査などから総合的に判断される
  • 除外診断ではそれぞれの症状に応じた検査が行われる
    • 例としては、動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こるがする場合には、心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査など心臓の病気の検査が行われる など

自律神経失調症の治療法

  • 基本的な治療方針
    • 薬物療法と心理療法が一般的だが、原因も症状も人により様々なため、個々の症状に応じた治療を選択していくこととなる
  • 主な治療
    • 薬物療法
      自律神経内臓の活動を調整している神経。交感神経と副交感神経を併せた総称調整薬:自律神経の中枢に直接作用して、自律神経の安定を図る
      抗不安薬向精神薬の一種で、睡眠薬としても使われる。バルビツール酸系、ベンゾジゼピン系、非ベンゾジゼピン系などがある:自律神経の緊張をやわらげて、不安や緊張を取り除く
      ビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のこと剤:自律神経のバランスを整えるため
      ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれる剤:ホルモンバランスが崩れている女性に処方
    • その他
      ・抗うつ薬、睡眠薬など
    • 心理療法
      ・カウンセリングなどを通して原因となっていることがらや心の中を整理し、解決へと導いていく
      認知行動療法心理療法の一種で、自分の認識や考え方、行動を変えながら精神面での調子を整えていくための治療やグループカウンセリング、バイオフィードバックなども有効とされている
    • 自律訓練法
      ・体をリラックスさせて、心を安定させるよう暗示をかけていく
      ・自己暗示により交感神経自律神経の一種で、興奮や緊張しているときに働くもの。交感神経が働くと、血管は細くなり心臓は活発に動くようになるの働きを弱め、副交感神経自律神経の一種で、安静時や夜に活発になるもの。副交感神経が活発になると、筋肉や血管が緩み、脈は遅くなる。また消化などの内蔵の活動が活発になるの働きを強化する

自律神経失調症に関連する治療薬

セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)

  • 脳内で感情などに関わるセロトニンに関わり、抗不安作用などによって心身症などの不安、抑うつ、睡眠障害などを和らげる薬
    • 心身症はストレスなどの心理的刺激により脳の視床下部の機能が乱れ、不安、抑うつ、睡眠障害など様々な症状を引き起こす
    • 脳で神経伝達物質のセロトニンが過剰に放出されると不安などを感じるようになる
    • 本剤は脳内のセロトニンが関わる過剰な神経活動などを改善し、抗不安作用をあらわす
  • 神経過敏状態での抑うつや恐怖なども和らげるとされる
セロトニン作動性抗不安薬(タンドスピロン)についてもっと詳しく

自律神経調整薬

  • 脳(中枢)に作用し自律神経系の乱れを調整することで、頭痛、めまい、不安、意欲低下などの症状を改善する薬
    • 自律神経失調症は自律神経系のバランスの崩れや過度な興奮などによりめまい、不安、意欲の低下など様々な症状があらわれる
    • 自律神経のバランスが崩れると内臓や血管の働きが乱れ、頭痛、動悸、発汗などの症状があらわれる場合もある
    • 本剤は脳の視床下部という部位に作用し自律神経系のバランスや過度な興奮を調整する作用をあらわす
  • 頭部などの損傷や更年期障害などによる自律神経症状に使用する場合もある
自律神経調整薬についてもっと詳しく

ベンゾジアゼピン系抗不安薬

  • 脳の興奮などを抑えることで不安、緊張、不眠などを改善する薬
    • 脳内のベンゾジアゼピン(BZD)受容体などが抗不安、催眠・鎮静などに関与する
    • BZD受容体が刺激を受けると脳の興奮が抑えられ抗不安作用などがあらわれる
    • 本剤はBZD受容体に結合しこの受容体を刺激する作用をあらわす
  • 筋肉の緊張を緩和する筋弛緩作用により腰痛症や緊張型頭痛などに使用する薬剤もある
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