[医師監修・作成]緊張型頭痛の症状には何がある?:後頭部の痛み、めまい、肩こり | MEDLEY(メドレー)
きんちょうがたずつう
緊張型頭痛
頭や後頭部から首にかけての筋肉が緊張していることによる頭痛
15人の医師がチェック 105回の改訂 最終更新: 2021.05.25

緊張型頭痛の症状には何がある?:後頭部の痛み、めまい、肩こり

緊張型頭痛の症状は後頭部や頭全体の痛み、ふわふわするめまい、肩こりなどです。気持ち悪さを軽く感じることはありますが、激しく吐くことはありません。光を眩しく感じたり、音がうるさく聞こえたりすることがあります。ズキズキする痛みや片方のこめかみの痛み、おでこの痛みなどは起こりにくいです。ここでは緊張型頭痛の症状と、痛みの続く期間や痛みが起こりやすい時期などとともに、症状が似ている片頭痛群発頭痛との違いを説明します。

1. 緊張型頭痛に起こりやすい症状には何がある?

緊張型頭痛で主に起こる症状は頭痛で、痛みの場所は後頭部や頭全体のことがほとんどです。頭痛にあわせて、ふわふわするめまい、肩こりなども起こります。吐き気は軽くて実際に嘔吐することはありません。光や音に過敏になる症状は、一般的には片頭痛でよく起こる症状ですが、緊張型頭痛でも起こることがあります。ここでは緊張型頭痛に起こりやすい症状について説明していきます。

頭全体が痛い、後頭部が痛い

緊張型頭痛は締め付けられるように持続する痛みが特徴的です。ズキズキするような拍動性の痛みではなく重い痛みです。頭が全体的に重くなる痛みや、ぎゅーと締め付けられるような痛みが起こります。

痛みの強さは、頭痛があっても日常生活を問題なく送れる程度の軽い痛みや、痛み止めを服用すれば生活できる中等度の強さです。

痛みが広がる場所としては、頭の後ろの方(後頭部)から、頭のてっぺん(頭頂部)に向かって広がります。おでこから後頭部まで頭をひとまわりハチマキで絞められたような痛みになることもあります。痛みは多くの場合は頭全体に起こり、左右どちらかのみの痛みは少ないです。

上の特徴のいくつかに当てはまる痛みがあったとしても、ほかの病気でないかは考える必要があります。たとえば、こめかみや目の奥の痛みは緊張型頭痛よりも片頭痛群発頭痛などで起こりやすく、おでこの痛みは片頭痛の他、慢性副鼻腔炎三叉神経痛などで起こります。しかし、痛みの場所だけで頭痛の原因を推定することは難しいです。そのため、ほかの症状など多くの面と合わせて総合的に見分ける必要があります。

ふわふわする:めまい、ふらつき

緊張型頭痛ではふわふわしためまいを伴うことがあります。めまいはぐるぐるする回転性のめまいや、意識が遠のくようなめまいではなく、ふわふわして立っていられないようなめまいです。

肩がこる:肩こり

緊張型頭痛は首や肩、頭のまわりの筋肉の緊張から起こるため、頭痛に伴って肩こりなどを感じている人も多いです。首の筋肉の緊張から頭の後ろまで筋肉の緊張が広がることで頭痛が起こります。肩こりは緊張型頭痛で良く見られる症状ですが、肩こりがあっても他の頭痛のこともあります。たとえば片頭痛でも55-65%に肩こりがあることから、肩こりだけでは頭痛の原因を診断することはできません。

参考:Headache. 2004 Jan;44(1):8-19.

軽い気持ち悪さがある:軽度の悪心

ほとんどの緊張型頭痛は強い吐き気や嘔吐はありません。しかし、なかには軽い気持ち悪さを感じる人もいます。一方、強い吐き気や嘔吐を伴う頭痛では片頭痛や他の病気が考えられます。頭痛と強い吐き気に加えて、意識がぼんやりしている場合や、手足のしびれや動かしにくさがある場合には脳梗塞脳出血くも膜下出血などの可能性があります。発熱を伴う頭痛で強い吐き気がある場合には髄膜炎などの可能性もあります。頭痛と軽い吐き気だけでなく、他の症状も伴う場合には早めに医療機関に受診してください。

光や音がいつもより気になる:光過敏、音過敏

頭痛がしている時に光や音に過敏になることがあります。光をいつもより眩しく感じたり、音をいつもよりうるさく感じたりします。光過敏や音過敏はほとんどの緊張型頭痛では起こりませんが、中には起こる人もいます。その場合でも光過敏と音過敏が両方起こることはなく、どちらか一方のみが起こります。光過敏や音過敏はむしろ片頭痛で良く起こる症状です。そのため、この症状のみでは頭痛の原因を診断することは難しく、他の症状と合わせて頭痛の原因の診断が行われます。

2. 緊張型頭痛では起こりにくい症状には何がある?

緊張型頭痛ではズキズキするような頭痛、激しい嘔吐、発熱、鼻水や咳などの症状が起こることはほとんどありません。片頭痛の特殊なタイプで起こる耳鳴り(耳鳴)、難聴複視(ものが二重に見える)などの症状も緊張型頭痛では普通は起こりません。

緊張型頭痛は他の頭痛を除外しながら診断が行われます。これらの症状がある場合には緊張型頭痛以外の病気が考えられます。ここでは緊張型頭痛に起こりにくい症状について説明します。

ズキズキする頭痛:拍動性頭痛

拍動性頭痛とは脈拍に合わせてズキズキするような頭痛のことです。自分の心臓の鼓動や脈拍と同時に波打つような頭痛が起こります。緊張型頭痛ではぎゅーと頭が締め付けられるような症状が多く、拍動性の頭痛はまれです。ズキズキする脈打つ頭痛は片頭痛でよく起こります。

左右どちらかのこめかみの痛み:側頭部痛

緊張型頭痛では後頭部を中心とした両側の頭痛が特徴的です。左右のこめかみのあたりが、どちらか一方のみ痛む場合には片頭痛群発頭痛の可能性が考えられます。しかし、両側のこめかみがぎゅーと締め付けられるような痛みがある場合には緊張型頭痛の可能性もあります。

日本の報告では片頭痛がある人の24-28%で側頭部の痛みが起こっていました。緊張型頭痛のうち、1ヶ月に半分以上頭痛がある慢性緊張型頭痛の24%、時々の頭痛を繰り返す反復型緊張型頭痛の11%に側頭部の痛みがありました。

片頭痛でこめかみの痛みが起こる割合は反復型緊張型頭痛より多いですが、慢性緊張型頭痛でも同じ程度で起こるため、こめかみの痛みのみではどの頭痛か正確に判断することは難しいです。こめかみの痛みが両側かそれとも片側なのか、他にも、あわせて起こる症状を総合的に判断して診断は行われます。

参考:Headache. 2004 Jan;44(1):8-19.

おでこの痛み:前頭部痛

おでこの痛みでは緊張型頭痛よりも、片頭痛副鼻腔炎三叉神経痛などからの頭痛が考えられます。しかし、痛みの場所のみでは頭痛の原因を決定することはできないため、他の症状もあわせて診断が行われます。

強い吐き気がある、激しく吐く:嘔気、嘔吐

緊張型頭痛では軽い気持ち悪さや吐き気がありますが、激しく吐く症状は普通はありません。強い気持ち悪さや嘔吐がある場合には、片頭痛や他の病気を原因とした頭痛の可能性があります。頭痛と嘔吐に合わせて、意識がぼんやりしている場合や、手足のしびれや動かしにくさがある場合には脳梗塞脳出血くも膜下出血などの命に関わる病気の可能性がありますので、すぐに医療機関に受診してください。

熱がでる:発熱

緊張型頭痛では発熱は起こりません。微熱に頭痛が合わせて起こる場合には、熱による頭痛の割合が多いです。

熱に伴う頭痛の多くは急性上気道炎風邪症状群)に伴う頭痛ですが、ごくまれに髄膜炎の可能性があります。ほとんどの場合には熱と頭痛のみではなく、激しい嘔吐や髄膜刺激症状(ずいまくしげきしょうじょう)が合わせて起こります。髄膜刺激症状とは髄膜炎くも膜下出血で起こる症状です。脳を包む髄膜が炎症や出血によって刺激を受けやすくなったことにより現れます。具体的には前屈して顎を胸につけようとすると、首の後ろの筋肉が突っ張った感じで顎が胸につかないような症状です。髄膜刺激症状では首は前後には動きにくくなりますが、左右の動きは正常であることが特徴です。

頭痛や熱とともに、強い気持ち悪さや嘔吐や首の動かしにくさがある場合は、早めに医療期間に受診してください。

咳や鼻水などの風邪症状:感冒症状

緊張型頭痛には咳や鼻水などの風邪症状は起こりません。

数日前からの咳や鼻水に頭痛が伴っている場合には、まずは急性上気道炎風邪症候群)と考えられ、ほとんど心配はいりません。インフルエンザなどでも発熱に伴って頭痛が起こることがあります。ごくまれですが、激しい吐き気や嘔吐がある場合には、通常の風邪症候群ではなく髄膜炎などの可能性があります。

激しい吐き気や嘔吐がなく、咳や鼻水がある頭痛の場合には、急性上気道炎と考えられるため、栄養と水分をよくとって自宅でゆっくり休むことが早くよくなる秘訣です。のどが痛い場合などでは市販の痛み止めを使用しても良いです。のどが痛くて水が飲めない、食事がとれない場合には耳鼻咽喉科や内科などに受診してください。

3週間以上の粘っこい鼻水や黄色い鼻水、咳が続いていて、頭痛がある場合には慢性副鼻腔炎による頭痛の可能性があります。症状が強い場合には耳鼻咽喉科に受診してみてください。

3. 緊張型頭痛の症状が続く期間はどのくらい?

緊張型頭痛は頭が締め付けられるような痛みの症状が短い場合には30分程度、長い場合には1週間続きます。緊張型頭痛は頭痛が毎日のように起こるか、時々起こるかで分類されます。症状によって厳密にどの緊張型頭痛か分類できない場合もありますが、頭痛の日数や持続期間によって次のように分類されますので、参考にしてください。

  • 稀発反復性緊張型頭痛
    • 頭痛日数:平均して1ヶ月に1日未満(1年間で12日未満)の頭痛発作が今までに10回以上ある
    • 持続期間:30分〜7日間持続する頭痛
  • 頻発反復性緊張型頭痛
    • 頭痛日数:頭痛発作は3ヶ月を超えて繰り返し、頭痛発作の日数は平均して1ヶ月に1-14日(1年間に12日以上180日未満)で、今までに合計で10回以上ある
    • 持続期間:30分〜7日間持続する頭痛
  • 慢性緊張型頭痛
    • 頭痛日数:3ヶ月を超えて、平均して1ヶ月のうち15日以上(1年間で180日以上)の頭痛がある
    • 持続期間:数時間〜数日間または、絶え間なく持続する頭痛

頭痛発作を今までに10回以上繰り返している場合は反復性緊張型頭痛とよばれます。反復性緊張型頭痛は頭痛が起こる日数で、さらに稀発反復性緊張型頭痛と頻発反復性緊張型頭痛に分けられます。より頭痛発作が多く、1か月あたり15日以上の頭痛があれば慢性緊張型頭痛とよばれます。

この頭痛の分類は頭痛が起きた時のみに治療を行うか、頭痛が起こらないように予防するための治療を行うかなどの治療を決める時に参考にします。

4. 緊張型頭痛は朝の寝起きから夜までのいつ起こりやすい?

緊張型頭痛の多くは起きてから数時間後や、夕方に多く起こります。典型的には1日中仕事でデスクワークなどをして、徐々に肩周りの筋肉がこわばり夕方頃から痛みが起こります。頭痛で夜中に目が覚めることや、寝起きですぐに痛みが出ることはあまりありません。

寝ている姿勢が悪い場合には起きてから数時間後に徐々に頭が痛くなります。枕が高くて合わないことは緊張型頭痛の原因になります。枕はバスタオルを2-3回折ったものを使用するか低めのものが良いとされています。

早朝や寝起きすぐの頭痛が日に日に悪化している時は、緊張型頭痛以外の可能性としては脳腫瘍からの頭痛も考えられます。群発頭痛では夜寝ている時に症状が現れることがあります。

5. 緊張型頭痛の症状に似ている頭痛には何がある?

緊張型頭痛の症状に似ている頭痛の代表は片頭痛です。緊張型頭痛の種類によっては片頭痛との区別が難しいことや、中には両方の頭痛が合併していることもあります。その他の頭痛として群発頭痛があります。それぞれの頭痛について次にまとめます。

片頭痛

緊張型頭痛と並んで多くの人が経験する頭痛が片頭痛です。繰り返す頭痛で医療機関を受診する人の8割は片頭痛です。片頭痛は緊張型頭痛より若い人に多く、人によっては子供や思春期からはじまり60歳くらいまで繰り返し頭痛が起こります。

片頭痛では頭痛の前兆として目の前がチカチカ、キラキラするような症状が起こることがあります。その後に吐き気や嘔吐を伴うズキズキした頭痛が起こります。前兆がない場合には急に激しい痛みの発作が始まります。片頭痛の特徴は次の通りです。

  • 男女比:女性に多い
  • 頭痛の頻度:さまざま
  • 持続時間:4-72時間
  • 痛みの場所:60%が片側性、40%が両側性
  • 痛みの性状:半分が拍動性、半分が非拍動性
  • 頭痛の強度:中等度〜強い
  • 頭痛発作の誘因:ストレス、不規則な睡眠、食べ物などさまざま
  • 他の症状:気持ち悪さ、吐き気、嘔吐、光や音に敏感になる

片頭痛は多くは片側のこめかみのあたりにズキズキする痛みが起こります。痛みは片側だけでなく両側に起こる場合もあります。痛みの場所はこめかみのみではなく、おでこのあたりまで広がる場合もあります。発作の前に目の前がチカチカしたり、キラキラしたりする前兆が40%に起こります。発作が起こると吐き気が現れて実際に嘔吐し、腹痛や下痢を伴うこともあります。歩行や階段をのぼるなどの日常の動作で頭痛が悪化するため、発作中は日常生活を送ることが難しくなります。人によっては、音や光、においに過敏になります。多くの場合は2-3日発作期が続いた後に症状が改善に向かいます。

群発頭痛

群発頭痛は青年から中年の男性に多く、片側の目の周囲に起こるえぐられるような痛みが特徴的な頭痛です。夜間に発症することが多く、頭痛の長さは緊張型頭痛に比べて15分から3時間程度と短時間です。群発頭痛の特徴は次の通りです。

  • 男女比:男性に多い
  • 頭痛の頻度:1-8回/日
  • 持続時間:15分-3時間
  • 痛みの場所:片側性の目の周囲
  • 痛みの性状:拍動性、突き刺されるような痛み
  • 頭痛の強度:非常に強い
  • 頭痛発作の誘因:アルコール
  • 他の症状:目の結膜の充血、涙が出る、鼻づまり、鼻水、まぶたむくみ、痛みのある部分の周りの汗・皮膚の赤み、耳のつまった感覚、瞳孔の縮小、まぶたが下がる

群発頭痛では片方の目の周りから側頭部にかけて強い頭痛が起こります。頭痛が強いため、夜寝ている時に頭痛発作が起きた場合には目が覚めることがあります。毎日1-2回同じ時間帯に起こり、1-2ヶ月のあいだ頭痛発作が続きます。頭痛発作が起こる時期を群発期と呼びます。群発頭痛の特徴として頭痛のある側に、涙が出たり、鼻水が出たり、目の充血が起こったり、鼻が詰まったりします。その他に落ち着きがなくなる症状や、ウロウロと歩き回る症状、体をゆする症状などもおこります。歯や鼻、耳の痛みも起こるため、はじめて群発頭痛になった時は頭痛だと思わない人もいます。繰り返し同じ部分が痛くなるような症状が一定期間続く場合には、群発頭痛の可能性もありますので医療機関で相談してみてください。群発期では飲酒をすると発作が誘発されますが、治ると飲酒でも発作が起きなくなります。