にんしんこうけつあつしょうこうぐん
妊娠高血圧症候群
妊娠に関係して一時期に血圧が上がった状態。妊娠20週から産後12週の間に起こる
8人の医師がチェック 159回の改訂 最終更新: 2017.12.06

妊娠高血圧症候群の基礎知識

妊娠高血圧症候群について

  • 妊娠に関係して一時期に血圧が上がった状態
    • 収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期が90mmHg以上で診断
    • 収縮期血圧が160mmHg以上または拡張期が110mmHg以上で「重症」と診断
    • 高血圧にともなって蛋白尿が出ることもある
  • 妊娠20週~産後12週の間に起こる
    • 妊娠32週より前に起こると重症になる場合が多く、より注意が必要
  • 妊娠高血圧を起こしやすいと言われている妊婦の背景
    • 35歳以上
    • 15歳未満
    • 多胎(双子など)
    • 肥満
    • 高血圧、腎臓の病気、糖尿病などの病気が元からある
    • 初回妊娠
    • 前回の妊娠から5年以上経っている
    • 過去に妊娠高血圧症候群になったことがある
    • 家族歴(母親が妊娠高血圧症候群を起こしたことがある)   など
  • 妊婦の約20人に1人の確率で起こると言われている
  • かつては妊娠中毒症と呼ばれていた

妊娠高血圧症候群の症状

  • 高血圧が重症化すると、母体だけでなく胎児にも危険な状況が起こる可能性がある
  • 母体に起こる可能性のあること
    • 意識障害、けいれん発作(子癇(しかん)発作)
    • 脳出血
    • 肝臓の機能の低下(HELLP症候群)
    • 腎機能の低下
    • 常位胎盤早期剥離(分娩が終わる前に胎盤が剥がれてしまう病気)
  • 胎児に起こる可能性のあること
    • 胎児の発育が悪くなる
    • 胎児の発育不全や胎児の死亡
  • 子癇発作には、前触れがあることがある
    • 両眼の腫れ、手足のむくみ、頭痛などが主な症状
  • 眼がチカチカする、胃が痛い、頭が痛いなどの症状を呈することがある

妊娠高血圧症候群の検査・診断

  • 血液検査、尿検査:血液や尿の中の、タンパク質の量などを調べる
  • 腹部超音波検査NSTノンストレステスト):胎児の状態、元気さを調べる
  • 必要に応じて合併症に対する検査を追加する
    • 頭部MRI検査:脳出血が無いかなどを調べる

妊娠高血圧症候群の治療法

  • 症状の重さと、起こる時期(週数)、胎児の状態などを総合的に判断して治療を行う
  • 根本的な治療法はないため、血圧が上がり過ぎないように気をつけ、異常が起きた場合に早期に対応できるようにする
    • 妊娠週数が進むほど悪化するため、母体の状態と、胎児の発育のバランスを見ながら、妊娠満期を待たずに分娩に至る形を取ることが良いとされる
  • 軽症の場合
    • 入院せずに外来で治療を行うことが多い
    • 食事の塩分制限
      ・1日7-8g程度に塩分制限を行う
      ・制限しすぎるとかえって病状を悪化させることもあるので注意が必要
    • 摂取カロリーを適切な範囲内に抑える
    • 激しい運動は控える
    • できるだけ安静に過ごし、自宅で血圧を測りながら、定期的に医師の診察を受けるようにする
  • 重症の場合
    • 入院して、安静にすることが大切
    • けいれん予防や血圧を下げる薬を使うこともあるが、胎児に影響する可能性を考えて、慎重に使うことが必要
  • 胎児の発育が十分であれば早めの分娩がすすめられる
    • 帝王切開が行われる場合もある
    • 逆に胎児の発育が妊娠週数の割に良くない場合にも、週数が早くてもそれ以上胎児の状態が悪くなる前に帝王切開もしくは分娩誘発を行う


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