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パニック障害

突然のパニック発作を起こし、生活に支障が起こる状態。不安障害の中の一つ

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9人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2017.07.31

パニック障害の基礎知識

パニック障害について

  • 突然のパニック発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いを起こし、生活に支障が起こる状態
    • 「不安障害」の中の一つ
  • かつては心理的な状態や周囲の環境などが原因と考えられていたが、現在では、脳の情報伝達物質の異常も強く関わっているのではないかと考えられている
  • 「また発作がおこるのではないか」と不安になったり(予期不安)、「発作が起こったときに助けが求められない状態に対する恐怖」(広場恐怖)を感じる
  • 頻度
    • 国内のデータでは、生涯のうちに1.8%の人が不安障害を経験すると言われている
    • 国内のデータでは、生涯のうちに0.8%の人がパニック障害を経験すると言われている
    • 若い女性に多い(最近男性にも増えてきた)
    • 海外のデータでは近年罹患率一定期間内に発生した疾患の発症しうる母集団に対する割合。有病率と区別されるが増えてきていることが示されている

パニック障害の症状

  • パニック障害の3大症状
    • パニック発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多い
    • 予期不安
    • 広場恐怖
  • パニック発作
    • 動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
    • 汗をかく
    • 息苦しくなる、窒息するような気分になる
    • 吐き気
    • めまい
    • 自分がおかしくなってしまう、死んでしまうのではないかという恐怖
    • いきなり起こる、予期できない発作であるのが特徴
  • 予期不安
    • 「パニック発作がまた来るのではないか」と心配・不安に思い続けてしまう
    • 発作の意味を心配・不安に思ってしまう
      ・心臓発作を近いうちに自分は起こすのではないか
      ・そのうち自分の頭が変になってしまうのではないか
  • 広場恐怖
    • 発作が起こったときに助けが求められない状況に対する恐怖
    • 広場恐怖という名前であるが、状況は様々(乗り物、人混み、行列、高速道路、美容院、歯医者、会議など)
    • 外出・通勤ができず生活に支障がでる

パニック障害の検査・診断

  • 医師が症状から診断する
    • その他の病気が原因でパニック発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いに似た症状を起こす場合がある(肺塞栓症など)ので、それを除外する目的で心電図検査心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査などを行う場合がある
    • ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるバランスの異常(甲状腺機能亢進症など)や、その他のこころの病気(強迫性障害PTSD)などが原因でないことも確認する

パニック障害の治療法

  • 主な治療
    • 治療は、薬物療法と認知行動療法心理療法の一種で、自分の認識や考え方、行動を変えながら精神面での調子を整えていくための治療を組み合わせて行う
    • 薬物療法
      ・パニック発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いを抑えることが目的
      ・抗うつ薬 (SSRI) やベンゾジアゼピン系抗不安薬向精神薬の一種で、睡眠薬としても使われる。バルビツール酸系、ベンゾジゼピン系、非ベンゾジゼピン系などがあるが有効
    • 認知行動療法
      ・あえて不安症状が生じる状況に身を置き、少しずつ不安に慣れていく
       ・徐々にステップアップしながら広場恐怖を克服したり、パニック発作を心配しないように自分に言い聞かせるトレーニングをする
      ・不安への対処法も身につけることが望ましい
       ・不安をやり過ごし、通り過ぎるのを待つ
       ・不安から注意をそらす(不安への過度の注目を減らす)
       ・深呼吸などのリラクセーション法を習得する
      ・患者さんと医師でよく話し合って決める
      ・パニック発作で死ぬようなことはないという認識を持つ
      ・認知行動療法は、薬物療法と同じくらい効果が見込める
  • 長期的な経過
  • 早期治療が早期の回復へとつながる

パニック障害に関連する治療薬

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

  • 脳内の神経伝達を改善し、憂うつな気分を和らげ、意欲などを改善する薬
    • うつ病では脳内のセロトニンなどの量が少なくなっている
    • 本剤は一度放出されたセロトニンの細胞内への回収(再取り込み)を阻害することで脳内のセロトニン量を増やし抗うつ作用をあらわす
  • 強迫性障害やパニック障害などに使用する場合もある
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)についてもっと詳しく

パニック障害の経過と病院探しのポイント

パニック障害かなと感じている方

パニック障害は精神疾患の中でも頻度が高く、内科などで診断や初期治療を受けることがありますが、その中でもうつ病双極性障害を併発したり、区別がつきにくい場合などがあり、その場合は専門家による診断が有効です。パニック障害を主に診療する専門医は精神科専門医です。精神科には精神保健指定医という国家資格と精神科専門医という学会認定資格があり、そのどちらかを持っている医師であれば診療できます。

パニック障害に関連する専門科は精神科および神経科(精神神経科)、メンタルヘルス科、一部の心療内科です。神経科と神経内科は異なりますが、パニック障害を診療するのは神経科の方になります。

突然強い不安や恐怖におそわれて、息苦しさや震えといった症状が出現した状態をパニック発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いと呼びます。パニック発作では、ひとまず症状を落ち着かせることが治療の目的になることと、パニック障害ではなくその他の原因(体の病気など)が発作の原因になっていないかを調べるために、救急の外来を受診することが多いかと思います。パニック発作ではなく、その場では症状が落ち着いているパニック障害の治療のためであれば、近くの精神科クリニックの受診が適切です。

パニック障害は主に問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことにより診断される病気ですが、パニック障害と診断する前に似た症状を引き起こす身体の病気の有無を血液検査や心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査などで確認することが一般的です。血液検査であれば、総合病院内科、外科、小児科、産婦人科など主要な科が揃っている病院のこと。現在、明確な定義はないの精神科ではなく精神科専門のクリニックであっても対応できるところは多いです。

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パニック障害でお困りの方

パニック障害の治療は主に抗うつ薬や抗不安薬向精神薬の一種で、睡眠薬としても使われる。バルビツール酸系、ベンゾジゼピン系、非ベンゾジゼピン系などがあるを中心とした薬物療法と、不安階層表などを用いた心理療法(カウンセリング)を行います。パニック障害の治療に限らず精神科医療は個々の医師により治療方針や薬剤の使い方、心理療法の導入のタイミングなどが違う場合があります。古くからある薬を使う先生もいれば、最新の心理療法に取り組む先生もいて、どれが治療結果がいいということが一概に言えないので、それぞれの患者さんに最善と思われる治療をしています。ですので、医療機関が変わると同じパニック障害の診断でも薬や治療が変わる場合もあります。

大病院であるほど良い治療が受けられるということはありませんので、病院の通いやすさや主治医との相性などを考慮して医療機関を選ぶことが大切です。

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