パニック障害に効果があったのは?認知行動療法、応用リラクセーション、精神力動的精神療法の比較

パニック障害は、不安障害のひとつに分類され、パニック発作という突然の症状によって生活に支障を来します。息苦しくなるなどの症状に加えて、発作が起こったときに助けが求められない状況に対する恐怖(広場恐怖)から、外出や通勤が難しくなることもあります。治療には薬物のほか、いくつかの心理療法が試みられています。アメリカの研究班がそれらのうち3種類を比較し、すべてに効果が見られたことを報告しました。
◆3種類の治療にランダム化
研究班は、パニック障害がある患者201人を対象としてランダムに3グループに分け、グループごとに応用リラクセーショントレーニング(ART)、
◆3種類とも効果あり
治療ののち、次の結果が得られました。
減少率はARTで41%、CBTで25%、PFPPで22%だった。最も
症状 の明らかだった患者は、CBTまたはPFPPよりもARTを受けた場合に、治療中止となる場合が多かった(P=0.013)。
3種類の治療とも効果が見られましたが、特に症状が重かった人がARTを受けた場合、ほかの治療に比べて治療中止の割合が多くなりました。
複数の治療法で効果が見られたことは、実際にどれかの治療法を使って十分な効果が得られず次善の策を考えるときなどの参考になるかもしれません。
執筆者
Psychotherapies for panic disorder: a tale of two sites.
J Clin Psychiatry. 2015 Jun 9 [Epub ahead of print]
[PMID: 26115481]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。