たはつせいこつずいしゅ

多発性骨髄腫

血液のがんの一種。免疫細胞の一種が異常ながん細胞となり、骨髄の中で増殖する状態。骨や免疫が弱くなったりする。

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9人の医師がチェック 102回の改訂 最終更新: 2017.06.15

多発性骨髄腫の基礎知識

多発性骨髄腫について

  • 白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担うがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある化してしまい、さまざまな症状を引き起こす、血液の悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるの1つ
  • 病気が起こる仕組み
    • 白血球のうち「形質細胞」という抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりするを作り出すリンパ球血液中にある白血球の一種で、免疫の役割を担っている。B細胞、T細胞、NK細胞に分かれ、それぞれ働き方が異なるの一種に異常が起こり、異常に増加することにより色々な障害が起こる
    • 異常な細胞が大量に体に回ることで、正常な血球がうまく作られなくなる
    • 異常な抗体が腎臓に溜まることで、腎臓が悪くなる
    • 異常な細胞の影響で、全身の骨がもろくなってしまう
  • 悪性リンパ腫と同様に、血液悪性腫瘍の中でも比較的多く見られる

多発性骨髄腫の症状

  • 貧血(めまい、だるさ、疲れやすいなど)
  • 感染しやすくなる(風邪、発熱など)
  • 骨が溶けやすくなる
  • 腎臓の機能が悪くなる
    • むくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる
    • だるさ
  • その他の症状
    • ドロドロな血液が引き起こす頭痛、視覚障害(過粘稠症候群)
    • 異常な抗体白血球が作り出す、免疫の一部を担う物質。体内の病原体に付着して、他の免疫細胞の働きを助けたりするが臓器に沈着してしまう

多発性骨髄腫の検査・診断

  • 血液検査、尿検査
    • 血液検査と尿検査で、多発性骨髄腫を高い確率で疑うことができる
  • レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査X線X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真)検査
  • 骨髄骨の内側のすかすかとした部分。主に血球を作っている。骨髄に異常が起こると、正常な血球が作れなくなり、白血病や貧血などが起こる。検査
    • 骨に針を刺して骨髄を採取し、顕微鏡で詳しく検査することで診断が確定する

多発性骨髄腫の治療法

  • 目立った症状がない場合
    • 定期的な通院で経過を観察する
    • 運良く病状が進行しない場合もある
  • 症状がある場合
    • 化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称抗がん剤治療がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称
    • 自家末梢血幹細胞移植療法
      ・自分の血液を作る種になる細胞を保存しておき、大量の抗がん剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもあるを投与した後、体に戻す
    • 感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称にかかりやすくなるため、手洗いうがいなど、清潔を保つことが大切
    • 骨がもろく骨折しやすくなるため、転倒しないような環境づくりが必要
  • 病気が再発した場合
    • 前回、治療効果が高かった場合は、同じ薬剤が用いられやすい
    • 効果が低かった場合は、異なる作用をもつ薬剤を使って治療を行う

多発性骨髄腫に関連する治療薬

抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)

  • 細胞の増殖に必要なDNAやRNAの合成を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 細胞の増殖には遺伝情報をもつDNAやRNAの合成が必要となる
    • 本剤は細胞内のDNAに結合するなどしてDNAやRNAの合成を阻害するなどして抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤は土壌などに含まれるカビなどの微生物由来の薬剤であり抗がん性抗生物質と呼ばれる
抗がん性抗生物質(アントラサイクリン系)についてもっと詳しく

デノスマブ製剤(多発性骨髄腫、骨巨細胞腫治療薬)

  • 多発性骨髄腫や骨巨細胞腫などの骨病変を進行させるRANKLという物質を阻害する薬
    • 体内物質のRANKLは骨を壊す過程(骨吸収)を亢進させる作用をあらわす
    • 多発性骨髄腫や固形がんの骨転移における骨病変ではRANKLによって腫瘍細胞の増殖因子の放出亢進がおこり、がん細胞の増殖が進行する
    • 骨巨細胞腫の病変部位ではRANKLが巨細胞という細胞に作用し骨を溶かす作用が亢進し腫瘍が大きくなる
    • 本剤はRANKLに結合しRANKLの働きを阻害する作用をあらわす
  • 本剤の成分(デノスマブ)は多発性骨髄腫や骨巨細胞腫以外に、骨粗しょう症で使用する場合がある
デノスマブ製剤(多発性骨髄腫、骨巨細胞腫治療薬)についてもっと詳しく

ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)

  • ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)という酵素の異常な活性化を阻害し抗腫瘍効果をあらわす薬
    • 多発性骨髄腫は白血球の一つである形質細胞のがん化により、貧血、骨折、腎障害などがあらわれる
    • 多発性骨髄腫などではHDACという酵素の異常な活性化がみられ造血器の腫瘍化が促進する
    • 本剤はHDACを阻害し細胞周期停止及び細胞の自滅を誘導する作用をあらわす
ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬(パノビノスタット)についてもっと詳しく

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