こうかるしうむけっしょう

高カルシウム血症

血液中のカルシウム濃度が高い状態

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7人の医師がチェック 119回の改訂 最終更新: 2017.06.15

高カルシウム血症の基礎知識

高カルシウム血症について

  • 血液中のカルシウム濃度が高い状態
  • 主な原因
    • 副甲状腺機能亢進症
      ・血中のカルシウム濃度を制御する副甲状腺ホルモン副甲状腺から出るホルモン。血液中のカルシウムの濃度を上げるように働くの働きが強まりすぎる病態病気の状態や、その病気の原因・発生機序などを指して用いられる言葉
    • ビタミンD脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの量を体内で適切に調整する働きを持つ。外部から摂取する他に、紫外線を浴びることで体内でも合成されるの摂りすぎ
      ・サプリメントなどで日々大量のビタミンDを長期間(数ヶ月以上)摂り過ぎた場合や、骨粗鬆症などの治療でビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のこと製剤を服薬している場合
    • 悪性腫瘍無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある
      腎がん肺がん卵巣がんなどは、副甲状腺ホルモンに似たタンパク質を分泌して、血液中のカルシウム濃度を高めることがある
      ・がんが骨へ転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いして骨の細胞を破壊したとき、カルシウムが血液中へ放出されることによっても起こる
    • 骨の病気
      ・骨が分解(再吸収)されたり破壊されたりしてカルシウムが血液中に放出される
    • 運動不足
      ・病気などで寝たきりとなり長期間にわたって骨に重量がかかっていないと、骨を構成しているカルシウムが血液中に放出される
  • 血中のカルシウム濃度が高くなると意識障害意識に異常が生じた状態の総称で、もうろうとした状態や、不適切な反応をする状態、一切の反応がない状態など多段階の症状が含まれる不整脈、腎障害などの原因となるため、緊急で治療が必要になることもある

高カルシウム血症の症状

  • 軽度の場合は無症状
  • 徐々にだるさ、疲労感、食欲不振、便秘が出現する
  • 悪化した場合の症状
    • 脱力感
    • のどが渇く
    • 尿量が増える
    • 吐き気
    • 嘔吐
  • 不整脈
    • 心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査の異常や、命に関わるような不整脈が起こることもある
  • 進行すると中枢神経症状を起こすことがある
    • 情緒不安定
    • 傾眠病気の影響で眠りがちになって、意識がはっきりしている時間が少ないこと
    • めまい
    • 昏睡
  • 尿路結石や消化性潰瘍臓器や粘膜が部分的にえぐれてしまっている状態。何らかの理由で壁の防御機構が壊れてしまっていることが原因となりやすい、膵炎などをきたすこともある

高カルシウム血症の検査・診断

  • 血液検査、尿検査:血液中や尿中のカルシウムの量、副甲状腺ホルモン副甲状腺から出るホルモン。血液中のカルシウムの濃度を上げるように働くの値などを調べる
  • 原因となる病気について調べるために、心電図心臓から出ている弱い電気を感知して、心臓の状態を調べる検査頸部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、首の前方にある甲状腺の形状や状態を調べる検査CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査などの追加の検査を行う

高カルシウム血症の治療法

  • 疑わしい薬剤を使用していれば内服を中断する
    • ビタミンD脂溶性ビタミンの一種で、カルシウムやリンの量を体内で適切に調整する働きを持つ。外部から摂取する他に、紫外線を浴びることで体内でも合成される骨粗しょう症の治療薬)投与中に高Ca血症となった場合はまずこれを中止する
  • 軽症の場合、腎機能腎臓の機能。腎臓がどれだけ血液をろ過してきれいにできるかを示す。血液検査でクレアチニンの値を元に判断されるが正常であれば、水分を十分とるようにする
    • 水分は腎臓を刺激しカルシウムを排出させる
  • 症状が強い場合や重症の場合は生理食塩水の点滴を行う
  • 腎機能が正常ならば、利尿薬を使用することもある
    • 利尿薬に加えてビスホスホネート、カルシトニン、ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている、プリカマイシンなどを使用する
      ・これらの薬剤は骨からカルシウムが流出するのを抑える
  • 重度の高カルシウム血症の場合で他の治療を用いても効果がない場合、透析血液の中から不要な物質を取り除く治療のこと。腎不全の場合が主だが、その他の病気でも、血液中に異常に溜まった物質を取り除く必要があるときに行われるを行う
  • がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるが原因の高カルシウム血症は、特に治療が困難である
    • がんをコントロールできないと、最善の治療を行っても再発してしまう
    • ビスホスホネートという薬を用いて治療することがあるが、重症の高カルシウム血症の場合は効果に乏しいことが多い

高カルシウム血症に関連する治療薬

ビスホスホネート製剤(悪性腫瘍による高カルシウム血症などの治療薬)

  • 骨吸収を抑える作用などにより、悪性腫瘍(がん)による高カルシウム血症やがんの骨転移による痛みなどを改善する薬
    • がんがあると骨吸収(骨が壊れる過程)が増加し骨からカルシウムが血液中に放出されることで高カルシウム血症があらわれる場合がある
    • がんの骨転移に伴う骨転移痛はADL(日常生活動作)やQOLを著しく低下させる要因となる
    • 本剤は骨吸収抑制作用をあらわし、がんによる高カルシウム血症、骨転移痛などを改善する作用をあらわす
  • 本剤はビスホスホネート製剤(一般的に、骨粗しょう症治療薬として使われる)に分類される
ビスホスホネート製剤(悪性腫瘍による高カルシウム血症などの治療薬)についてもっと詳しく

高カルシウム血症の経過と病院探しのポイント

高カルシウム血症かなと感じている方

高カルシウム血症では、意識がもうろうとしたり、吐き気が出現したりします。通常高カルシウム血症になった背景にはその原因となる何らかの別の病気がありますので、高カルシウム血症だけが突然起きるという心配はあまりありません。

高カルシウム血症の診断そのものは、内科のクリニックや病院で行います。高カルシウム血症は、血液検査の結果で診断しますので、血液検査が行える医療機関であればどこでも診断が可能です。レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査などの画像検査で高カルシウム血症を診断することはできません。

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高カルシウム血症でお困りの方

高カルシウム血症の治療では、体内に溜まりすぎたカルシウムを薄めるために、水分を大目に摂取することになります。基本的には入院の上で、点滴で必要な量の水分をとるようにします。重症の高カルシウム血症の場合には、血液透析血液の中から不要な物質を取り除く治療のこと。腎不全の場合が主だが、その他の病気でも、血液中に異常に溜まった物質を取り除く必要があるときに行われるといって、献血のように体外に一度血液を取り出して、そこから余分なカルシウムだけをフィルターで除去し、残りの血液を体内に戻すといった処置を行います。このような特別な治療が必要になる可能性を考えると、急激な高カルシウム血症の場合は入院の上での治療が必要です。

それと同時に、高カルシウム血症の原因となった何らかの病気(副甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌するの異常や腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるなど)が隠れていることも多いですので、そちらの病気の治療も同時に行う必要があります。

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