2015.07.24 | ニュース

カルシウムは死亡率を下げるか、それとも?総摂取量、食事、サプリメントとの関連

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from Nutrition, metabolism, and cardiovascular diseases : NMCD
カルシウムは死亡率を下げるか、それとも?総摂取量、食事、サプリメントとの関連の写真
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カルシウムを多く摂るべきかは明らかではありません。食事やサプリメントから摂取したカルシウム量と死亡率について、これまでの研究を検証すると、調査期間が10年以下の研究では死亡率減少と、10年を超える研究では死亡率増加と関連が見られました。

◆総量、食事、補充を検討

研究班は、文献検索により、カルシウムの総摂取量、食事からの摂取量、補充による摂取量と、全体としての死亡率、心血管疾患心筋梗塞脳卒中など)による死亡率、がんによる死亡率との関連を調べた研究を集めて検証しました。

 

◆長期的には死亡率増加?

見つかった22件の研究から、次の結果が得られました。

フォローアップの長さによるサブグループ解析から、平均フォローアップ期間が10年を超えるコホート研究ではカルシウムの総摂取量と心血管疾患による死亡率との間に有意な正の関連が見られた(相対リスク1.35、95%信頼区間1.09-1.68)。平均フォローアップ期間が10年以下の研究については、カルシウムの食事からの摂取量と全死因死亡率(相対リスク0.84、95%信頼区間0.70-1.00)、心血管疾患による死亡率(相対リスク0.88、95%信頼区間0.78-0.99)の間に有意な負の関連が見られた。カルシウムの補充による摂取量は[...]全死因死亡率とは負の関連があった(相対リスク0.91、95%信頼区間0.88-0.94)。

平均で10年を超える、比較的長い期間にわたって対象者を追跡調査した研究だけを集めて統合すると、カルシウムの総摂取量が多い人で、心血管疾患による死亡率が高くなっていました

平均で10年以下の、比較的短い期間の調査を行った研究だけを集めて統合すると、カルシウムの食事からの摂取量が多い人、補充による摂取量が多い人で、全体としての死亡率が低くなっていました

 

研究期間によって逆方向の結果が出るという複雑な結果が示されました。

カルシウムは体にとって重要な物質で、血液中のカルシウムが多くなっても少なくなっても、不整脈など危険な状態が起こります。

普通はホルモンなどの作用により血液中の量が一定の範囲にコントロールされていますが、摂取量が極端に変化したり、ホルモンのバランスが崩れた場合などに、高カルシウム血症低カルシウム血症が起こります。

この研究の結果に対してはさまざまな解釈が考えられますが、うまく噛み合う説明ができたとしても、その検証をするには別の研究が必要です。単純に多く摂ればよいとも、必要最小限に抑えるべきとも言いにくいようです。

なお、カルシウムの補充についてはほかに紹介した研究でも触れられています。関心のある方はあわせてご覧ください。

「カルシウムサプリメントを飲んでも意味はない?」

http://medley.life/news/item/55797fc7f9d105f80026412a

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Total, dietary, and supplemental calcium intake and mortality from all-causes, cardiovascular disease, and cancer: A meta-analysis of observational studies.

Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2015 Jul

 

[PMID: 25912278]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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