2018.01.23 | ニュース

再発/難治の多発性骨髄腫にカルフィルゾミブなど3剤で生存期間が延長

長期追跡の結果
from Journal of clinical oncology : official journal of the American Society of Clinical Oncology
再発/難治の多発性骨髄腫にカルフィルゾミブなど3剤で生存期間が延長の写真
(c) pix4U - Fotolia.com

血液の細胞に由来するがんの一種である多発性骨髄腫は、抗がん剤などを使って治療されます。レナリドミドとデキサメタゾンの治療にカルフィルゾミブを加えた研究から、生存期間の結果が報告されました。

カルフィルゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾンの試験の追跡結果

アメリカとヨーロッパなど多国間で行われた研究の結果が、専門誌『Journal of Clinical Oncology』に報告されました。

この研究は、多発性骨髄腫の患者で、以前の治療のあと再発または進行があった人を対象としています。対象者はランダムに2グループに分けられ、治療を受けました。

  • カルフィルゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾンの3剤を使って治療するグループ(396人)
  • レナリドミド・デキサメタゾンの2剤を使って治療するグループ(396人)

治療の結果、3剤を使用したグループのほうが多発性骨髄腫の進行なく生存した期間が長くなったことが以前に報告され、日本でもカルフィルゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾンの3剤による治療が「再発又は難治性の多発性骨髄腫」を効能・効果として認められています。

ここで紹介する報告は、前の報告からさらに対象者の追跡を続け、生存期間を(「多発性骨髄腫の進行なく」という条件をなくして)比較しています。

 

生存期間が延長

追跡の結果、3剤を使ったグループでは半数の人が48.3か月以上生存しました。2剤を使ったグループでは半数の人が40.4か月以上生存し、生存期間は3剤を使ったグループのほうが長いと見られました。

副作用やその他の原因による悪化など(有害事象)があり、治療中止に至った人は、3剤を使ったグループで19.9%、2剤を使ったグループで21.5%でした。重症の有害事象は3剤を使ったグループで87.0%、2剤を使ったグループで83.3%の人が経験しました。

研究班は結論として「カルフィルゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾンは、レナリドミド・デキサメタゾンに比べて生存期間を7.9か月改善し、統計的に有意かつ臨床的に有意義な死亡のリスクの減少を示した」と記しています。

 

カルフィルゾミブの効果の証拠が加わる

多発性骨髄腫に対して、以前の治療のあと再発または進行があった人で、レナリドミドとデキサメタゾンにカルフィルゾミブを加えることで生存期間が長くなったという報告を紹介しました。

従来は進行なく生存する期間を長くする効果が知られていましたが、進行の有無を基準にしなくても、生存期間を長くする効果があると見られるデータが得られました。

多発性骨髄腫に対する治療薬には最近開発されたものも加わり、時代とともに治療法が変わりつつあります。効果を示すデータが積み重ねられることで、より明確な見通しを持って治療を選ぶ助けとすることができます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Improvement in Overall Survival With Carfilzomib, Lenalidomide, and Dexamethasone in PatientsWith Relapsed or Refractory Multiple Myeloma.

J Clin Oncol. 2018 Jan 17. [Epub ahead of print]

[PMID: 29341834]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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