2015.08.31 | ニュース

多発性骨髄腫の治療、再発後にパノビノスタットで改善あり

768人の第3相ランダム化試験
from The Lancet. Oncology
多発性骨髄腫の治療、再発後にパノビノスタットで改善ありの写真
(C) halfbottle - Fotolia.com

血液のがんの一種である多発性骨髄腫は、抗がん剤による化学療法などで治療されますが、治療後に再発することもあります。再発があった人を対象に、新薬のパノビノスタットを使う治療の研究が行われました。

◆再発または再発後難治性の患者が対象

この研究は、多発性骨髄腫に対して以前に治療を受けたあと再発があった人を対象としました。

対象者はランダムに2つのグループに分けられ、一方は偽薬を、もう一方はパノビノスタットを使うほか、両方のグループでボルテゾミブ、デキサメタゾンという薬を併用する治療を受けました。

 

◆パノビノスタットで無増悪生存期間延長

治療から次の結果が得られました。

無増悪生存期間の中央値は、偽薬群(8.08か月、95%信頼区間7.56-9.23)に比べてパノビノスタット群で有意に長かった(11.99か月、95%信頼区間10.33-12.94、ハザード比0.63、95%信頼区間0.52-0.76、P<0.0001)。

多発性骨髄腫が悪化することなく生存した期間が、パノビノスタットを使うグループで、偽薬を使うグループよりも長くなりました

安全性について以下の結果が得られました。

深刻な有害事象はパノビノスタット群の患者381人中228人(60%)と、偽薬群の患者377人中157人(42%)について報告された。多く見られたグレード3から4の検査所見異常および有害事象として(研究薬との関連の有無によらず)、血小板減少(パノビノスタット群で256人、67% vs 偽薬群で118人、31%)、リンパ球減少(202人、53% vs 150人、40%)、下痢(97人、26% vs 30人、8%)、無力または疲労(91人、24% vs 45人、12%)、末梢神経障害(67人、18% vs 55人、15%)があった。

副作用を含む、症状の悪化などの有害な出来事として、血小板減少やリンパ球(白血球の一種)減少などの深刻なものが、パノビノスタットのグループで60%、偽薬のグループで42%の人に見られました。

 

この報告ののち、パノビノスタットは日本では2015年7月に「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の治療薬として承認されました。実際の治療をよりよくするために効果を発揮できるかどうか、今後の報告に期待がかかります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Panobinostat plus bortezomib and dexamethasone versus placebo plus bortezomib and dexamethasone in patients with relapsed or relapsed and refractory multiple myeloma: a multicentre, randomised, double-blind phase 3 trial.

Lancet Oncol. 2014 Oct

[PMID: 25242045]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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