2017.02.06 | ニュース

骨が溶け貧血になる「多発性骨髄腫」にダラツムマブほか2剤が有効

498人の試験から
from The New England journal of medicine
骨が溶け貧血になる「多発性骨髄腫」にダラツムマブほか2剤が有効の写真
(C) KGH - wikimedia commons (CC by 3.0)

多発性骨髄腫は血液のがんの一種です。治療薬はありますが、治療後に再発する人もいます。最近登場したダラツムマブとほかの薬を組み合わせる方法の研究が行われました。

ここで紹介する研究は、治療後再発した多発性骨髄腫の患者を対象として、既存のボルテゾミブとデキサメタゾンという薬に加えてダラツムマブ(商品名ダーザレックス)を使って治療したときの効果を調べています。

 

多発性骨髄腫では、がん細胞が骨を破壊したり、正常な血液ができる邪魔になることが問題になります。また、がん細胞が作る異常なタンパク質がさまざまな臓器にダメージを与えます。

多くの場合で、数年ほどかけてしだいに進行し死に至ります。

主な治療法は骨髄移植化学療法抗がん剤治療)です。ダラツムマブは最近登場した新薬で、日本では未承認(2016年11月時点)ですが、2015年にアメリカで承認されています。

 

この研究では、治療後再発した、または再発後にも治療をしたが効果が出にくかった(難治性)患者498人が対象となりました。

対象者はランダムに2グループに分けられ、それぞれ治療を受けました。

  • 既存薬のボルテゾミブとデキサメタゾンで治療するグループ
  • ボルテゾミブとデキサメタゾンに加えてダラツムマブで治療するグループ

治療後の経過について次の結果が得られました。

12か月の無増悪生存率はダラツムマブ群で60.7%、対照群では26.9%だった。

ダラツムマブを使わないグループでは12か月の間病気の進行がなく生存した人は26.9%でしたが、ダラツムマブを使ったグループでは12か月の間病気の進行がなく生存した人が60.7%でした。

副作用については次の結果でした。

ダラツムマブ群と対照群に生じた、グレード3または4で最も多かった有害事象3種類は、血小板減少(ダラツムマブ群45.3%、対照群32.9%)、貧血(14.4%、16.0%)、好中球減少(12.8%、4.2%)だった。

入院が必要な程度の重い症状などが起こり、副作用の可能性があるものとして、血小板減少・貧血・好中球(白血球の一種)減少などが発生しました。

 

多発性骨髄腫が再発したときに、ダラツムマブをほかの薬と組み合わせることで効果が出るというデータが示されました。

ダラツムマブは日本では未承認ですが、この報告も参考にしたうえ将来は日本でも使われるようになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Daratumumab, Bortezomib, and Dexamethasone for Multiple Myeloma.

N Engl J Med. 2016 Aug 25.

[PMID: 27557302]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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