ばせどうびょう(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
若い女性に多く、甲状腺から過剰に甲状腺ホルモンが分泌される病気。症状は汗、動悸、手の震え、体重減少、下痢が多く、眼球突出は3割ほどの人に起こる
16人の医師がチェック 196回の改訂 最終更新: 2025.01.18

甲状腺の病院は何科?耳鼻科、内分泌内科、一般内科のメリット・デメリット

病院で甲状腺を診てほしいときは何科に行けばいいでしょうか?耳鼻科、内分泌内科、一般内科が適していますが、得意分野は少しずつ違います。甲状腺の病気かなと思っても何科に行くか決められないときの病院選びを解説します。

1. 甲状腺を見せに行くべき3パターン

甲状腺が気になったら、病院に行ったほうがいい場合は大きくわけて3パターンがあります。

  • 甲状腺の見た目や触った感じが最近変わってきた
  • 血液検査で甲状腺の異常が出た
  • 家族に甲状腺の異常を診断された人がいる

3つのパターン別にどの診療科にかかるべきか考えていきましょう。

2. 甲状腺の見た目や触った感じが最近変わってきた

甲状腺はのどの前、男性で言えばのどぼとけの下にあります。女性でも触ると軟骨があるので目印にしてください。

甲状腺の場所の画像:甲状腺は首の前側、のどぼとけの下、気管の前面で左右の頚動脈の間にある

甲状腺の病気になると、甲状腺は大きくなったり、硬くなったり、痛みを持ったりします。

甲状腺に自覚できる変化を起こす病気の例として次のものがあります。

以上の病気を主に診ている診療科は3つあります。

  1. 耳鼻科(耳鼻咽喉科、頭頸部外科)
  2. 代謝内分泌内科
  3. 一般内科

緊急の場合には耳鼻科が対応しやすいので、まずは耳鼻科がおすすめです。甲状腺に違和感が出たら、まずは近くの耳鼻科代謝内分泌内科を探してみましょう。

甲状腺がんの見た目・手触りの特徴を「甲状腺がんの症状は?プランマー病などの甲状腺腫瘍との見分け方」で説明していますので、病院に行く目安にしてください。

3. 血液検査で甲状腺の異常が出た

血液検査で甲状腺の異常を指摘された場合は、甲状腺の詳しい検査をしましょう。

甲状腺に関係が強い血液検査の項目は次のものです。

  • fT3またはT3(トリヨードサイロニン
  • fT4またはT4(サイロキシン
  • TSH(甲状腺刺激ホルモン
  • TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)
  • TRAb(抗TSHレセプター抗体
  • TSAb(TSH刺激性レセプター抗体)
  • カルシトニン
  • CEA

T3とT4をあわせて甲状腺ホルモンとも言います。お医者さんから「甲状腺ホルモンの数値が異常です」と言われたら、T3かT4のどちらかまたは両方が高いか低いという意味です。詳しくは「甲状腺ホルモンとは?甲状腺の働きと血液検査の読み方」で説明しています。

甲状腺の血液検査に異常を起こす病気として次のものが考えられます。

甲状腺を詳しく調べるには、エコー検査(超音波検査)やCT検査といった画像検査、針で組織を取り出して顕微鏡で見る検査(生検)などの方法があります。甲状腺の詳しい検査と治療に適した診療科は以下の順番になります。

  1. 代謝内分泌内科
  2. 耳鼻咽喉科
  3. 一般内科

特に甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症に詳しいのは代謝内分泌内科です。血液検査で甲状腺の異常を指摘されたら、近くの代謝内分泌内科耳鼻科を探してみましょう。

4. 家族に甲状腺の異常を診断された人がいる

家族に甲状腺の病気の人がいる場合は、自分も同じ病気になるのではないかと心配になります。確かに甲状腺の病気の一部は遺伝が関係しています。

遺伝するかもしれないと言われている甲状腺の病気には、次のものがあります。

ほかの甲状腺の病気が家族にあっても、同じ病気にかかる心配はありません。

では、遺伝する病気が心配なときはどの診療科に行けばよいのでしょうか。まずは、家族の病名を確かめてください。家族の病名ごとにおすすめの診療科を挙げます。

近くの耳鼻咽喉科代謝内分泌内科を探して相談に行きましょう。

おすすめの科が行きやすい場所にないときは、耳鼻咽喉科か代謝内分泌内科のどちらでもかまいません。一般内科でも診てくれます。

もし最初に行った病院で専門のお医者さんがいないと言われたら、「専門の先生に紹介してください」と言ってみましょう。