こうじょうせんしゅよう
甲状腺腫瘍(総論)
甲状腺にできる腫瘍の総称。良性腫瘍と悪性腫瘍を両方含む
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最終更新: 2017.12.06
甲状腺腫瘍(総論)の基礎知識
POINT 甲状腺腫瘍(総論)とは
首の前にある甲状腺にできる腫瘍の総称です。良性腫瘍には単純性甲状腺腫や腺腫様甲状腺腫、プランマー病などがあります。悪性腫瘍には甲状腺癌や悪性リンパ腫があります。主な症状は甲状腺の腫れで、大きくなると飲み込みにくくなります。悪性腫瘍では声を出す神経の麻痺により、声がれがでます。無症状で人間ドックで偶然に見つかることも多いです。検査は甲状腺超音波検査を行い、必要に応じて頸部CT検査を行います。良性か悪性かを判断するために、甲状腺腫瘍に針を刺して細胞を採取して検査を行います。良性では経過観察が主で、悪性では診断に応じて手術などの治療を行います。甲状腺の腫れの原因は様々であり、まずは内科に受診しても構いません。手術は甲状腺外科や耳鼻咽喉科、外科で行います。
甲状腺腫瘍(総論)について
甲状腺 にできる腫瘍 の総称良性腫瘍 と悪性腫瘍 を両方含む
- 腫瘍の分類とその主な症状(詳細はそれぞれの疾患を参照)
- 自覚症状が現れにくく、人間ドックや
頸動脈エコー 、CT などで偶然見つかることがある - 主な検査
甲状腺超音波検査 :しこりの有無や血流の変化、周囲のリンパ節 の腫れを調べる穿刺 吸引細胞診 :甲状腺に針を刺して採取した細胞を、顕微鏡で調べて良性 ・悪性の判断を行う- CT、
MRI 検査:甲状腺やその周囲への、腫瘍の広がりの範囲を調べる
- 特殊なタイプの腫瘍が疑われた場合は、血液検査で
がん 遺伝子や腫瘍マーカー を調べることもある
甲状腺腫瘍(総論)に関連する治療薬
分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔レンバチニブメシル酸塩製剤〕)
- がん細胞の増殖に必要な血管新生などに関わる受容体チロシンキナーゼを阻害し血管内皮細胞増殖阻害作用などにより抗腫瘍効果をあらわす薬
- がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで正常な細胞を障害し組織を壊す
- 腫瘍細胞の血管新生などに関与する受容体チロシンキナーゼに血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)などがある
- 本剤はVEGFRやFGFRなどの受容体チロシンキナーゼ阻害作用により抗腫瘍効果をあらわす
- 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定の分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる