こうじょうせんがん

甲状腺がん

甲状腺にできるがんのこと。様々なタイプがあるが、甲状腺乳頭がんというタイプが非常に多い

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11人の医師がチェック 111回の改訂 最終更新: 2017.07.21

甲状腺がんの基礎知識

POINT甲状腺がんとは

甲状腺にできるがんのことで、90%以上が進行が遅い甲状腺乳頭がんです。その他に濾胞癌、髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫などがあります。症状は甲状腺のしこりが最も多く、頸部のリンパ節に転移した場合は、頸部のしこりを触れます。診断は甲状腺超音波を行い、腫瘍に針を刺して細胞を調べる検査で行います。その他に、血液検査、頸部CT検査、PET-CT検査などを行います。治療は原則として手術で腫瘍を切除します。進行度やがんの分類に応じて、放射線のはいった薬を内服する治療や、甲状腺ホルモンを補充することで再発を防ぐ治療を行います。甲状腺のしこりの原因は様々であり、まずは一般内科の受診で構いません。手術などの治療は耳鼻咽喉科や甲状腺外科で行います。

甲状腺がんについて

  • 甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌するにできるがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがあるのこと
    • 甲状腺:のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるを出す臓器)
  • 甲状腺がんは大きく5つの種類に分けられる
  • 甲状腺がんは全てのがんの1%ほどで、女性に多い(男性の約3倍)
    • 50代の人によく起こる
  • 甲状腺がんになりやすい人の特徴
    • 年齢が25〜65歳
    • 女性
    • 甲状腺腫になったことがある
    • 家族が、甲状腺の病気になったことがある
    • MENの患者
    • アジア人

甲状腺がんの症状

  • 主な症状
    • 甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌するのしこり(健診で医師が首を触るのは甲状腺を調べている)
    • 首のリンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れるの腫れ(痛みはない)

甲状腺がんの検査・診断

  • 血液検査:甲状腺ホルモン全身の代謝を活発にしたり、神経を興奮させたりする働きをもつホルモンの量などを調べる
  • 甲状腺超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、首の前方にある甲状腺の形状や状態を調べる検査甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌する腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるがあるかなどを調べる
  • 細胞診病気を詳しく調べるために、病変のかけらである細胞を採取して、顕微鏡で調べる検査。腫瘍が、がんかどうかを調べる時などに行われる。より詳しく調べるのが組織診:細い注射針で腫瘍の細胞を吸って、顕微鏡を使ってがん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある細胞があるかどうかを調べる
  • 組織診病気を詳しく調べるために、体や病変の一部を切除して顕微鏡で調べる検査。例えば、腫瘍ががんか否かを調べる時などに行われる:腫瘍を一部切り取り、がんかどうか調べる
  • 画像検査:甲状腺がんの広がりなどを詳しく調べる
    • 頚部CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査
    • シンチグラフィ放射線を出す物質を使って、臓器の機能や、病気の影響が体のどの部分に起こっているかを確認する検査:全身の転移がん細胞がリンパ液や血流にのって、リンパ節や他の臓器にまで広がること。転移がある場合は進行がんに分類されることが多いなどを調べる
  • がんの進行度(ステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響する)は「がんの大きさ」「リンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れるへの転移の程度」「甲状腺から離れた臓器への転移の有無」で決定される

甲状腺がんの治療法

  • 原則としては手術を行う
    • 甲状腺がんは進行がゆっくりなタイプが多いので、多くの場合は手術で治すことが可能
    • 乳頭がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある、濾胞がん、髄様がんは積極的に手術をすることが多い
      ・放射線や化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称が効きにくいため、遠隔転移がんが離れた他の臓器へ転移すること。転移の中でも、リンパ節転移と対比的に使われる用語していても手術することも多い
    • ただし、未分化がんでは進行が早く手術適応にならないことも多く、また悪性リンパ腫であれば手術は行わない
  • 手術後は薬(ヨードなど)を使って再発を抑えることがある
  • 分類ごとの治療
    • 乳頭がん
      ・甲状腺がんの中で最も多い
      ・進行が非常にゆっくりで、状態によっては未治療で経過を見ることもある
      放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法や化学療法は基本的には不要なことが多いが、ステージがん等の進行の程度を示す言葉。がんの場合、大きさや広がり、リンパ節転移の有無、他の臓器への転移の有無などで決定され、治療方法に影響するにより考慮されることもある
      ・長期的な経過
       ・10年生存率が90%以上と治療成績がよい
      ・乳頭がんは経過中に未分化がんに性質を変えることがある
    • 未分化がん
      ・進行が早く、一般に診断後の経過が非常に悪い
    • 悪性リンパ腫
      甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌する悪性リンパ腫(血液のがんの一種)ができることがあり、その場合には手術よりも悪性リンパ腫に対する化学療法をメインに治療する
    • その他、ヨードによる治療や、分子標的薬(ソラフェニブ、レンバチニブ)も用いられることがある

甲状腺がんに関連する治療薬

分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔レンバチニブメシル酸塩製剤〕)

  • がん細胞の増殖に必要な血管新生などに関わる受容体チロシンキナーゼを阻害し血管内皮細胞増殖阻害作用などにより抗腫瘍効果をあらわす薬
    • がん細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移を行うことで正常な細胞を障害し組織を壊す
    • 腫瘍細胞の血管新生などに関与する受容体チロシンキナーゼに血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)などがある
    • 本剤はVEGFRやFGFRなどの受容体チロシンキナーゼ阻害作用により抗腫瘍効果をあらわす
  • 本剤はがん細胞の増殖などに関わる特定の分子の情報伝達を阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬〔レンバチニブメシル酸塩製剤〕)についてもっと詳しく

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