目が開かないバセドウ病?CTに写ったもうひとつの病気とは

バセドウ病は目が飛び出す症状(眼球突出)で知られていますが、目に違った症状が出ることもあります。インドの研究班から、まぶたが下がる、ものが二重に見えるという症状で見つかったバセドウ病患者の例が報告されました。
◆目が開かなくなった38歳女性
ここで報告されている38歳の女性は、両目の
最近9か月以内に、月経が少ない、体重が減る、手がふるえる、
首の前には
◆重症筋無力症の薬が効いた!
診察では、目を動かす筋肉(外眼筋)の
さらに、ネオスチグミンという薬品を使う試験で、眼瞼下垂の症状が改善しました。
ネオスチグミンは重症筋無力症の検査と治療に使われる薬で、重症筋無力症に典型的に起こる眼瞼下垂などの症状を改善します。
さらに血液検査と
バセドウ病に対する抗甲状腺薬と、重症筋無力症の薬を使った治療によって、2か月のうちに症状が軽くなりました。
研究班は考察として、「バセドウ病は重症筋無力症や1型糖尿病、悪性貧血、
バセドウ病の原因は、
バセドウ病の典型的な症状は、目が飛び出す以外にも、動悸・手のふるえ・首の腫れ、さらに疲れやすさ・下痢・汗をかくなどがあります。もしいくつかに当てはまる症状が出たら、目が飛び出す症状がなくてもバセドウ病を考えて代謝・内分泌内科などで診察を受けてみるといいでしょう。
執筆者
Neurological manifestations of Graves' disease: A case report and review of the literature.
J Neurosci Rural Pract. 2016 Jan-Mar.
[PMID: 26933368]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。