白内障の原因について:加齢や糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬
白内障は目のレンズの役割をしている透明な
1. 白内障の原因について
目には水晶体という
【白内障の原因】
上に示した原因について個別に説明します。
2. 加齢
白内障の原因として最も多いものが加齢です。透明な水晶体は年齢を重ねるとともに濁っていきます。年齢が上がるにしたがって白内障の人が増え、早い人では40歳位から白内障が見つかり、80歳以上ではほとんどの人に白内障が見つかります。40歳以降でものが見えづらくなったりした人は白内障が原因の可能性があるので眼科を受診してください。
症状について詳しく知りたい人は「白内障の症状」を参考にしてください。
3. 目の病気
目の病気の後に白内障が起こることがあります。白内障を起こす主な目の病気としてぶどう膜炎が知られています。
ぶどう膜に
4. 目の怪我
目の怪我の後に白内障が起こることがあり、これを外傷性白内障と呼ばれます。目に加わった衝撃(外傷)の影響を受けて水晶体が濁ります。外傷後、数年以上経ってから発生することもあるので、目の怪我の後は慎重に経過を見る必要があります。目の怪我の後に必ず外傷性白内障になるとは限りませんが、治療中や治療後にものが見えづらくなった人は眼科で詳しく調べてもらってください。
5. 全身の病気
白内障は目の病気ですが、全身の病気が水晶体の濁りの原因になることがあります。白内障の原因になる全身の病気として、糖尿病とアトピー性皮膚炎が知られています。
糖尿病
糖尿病は、
糖尿病は白内障の原因(糖尿病性白内障)にもなります。糖尿病性白内障にならないためには、食事療法や運動療法、薬物療法といった糖尿病の治療を行い血糖値を正常範囲内に保つことが有効です。
糖尿病のより詳しい情報については「糖尿病の詳細情報ページ」を参考にしてください。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は強いかゆみを伴う
かゆみのために目の辺りをひっかいたりする行為が白内障の発病と関与していると考えられていますが、詳しいことはわかってはいません。アトピー性皮膚炎の人がものが見づらさを感じた場合は、白内障を
6. 先天異常
生まれつき白内障を発症していることがあり、
妊娠を希望する女性やその周りの人が十分な抗体をもつことが、赤ちゃんの先天性風疹症候群の予防になります。妊娠を計画する前に、妊娠希望の女性と周りの人は風疹の抗体が十分備わっているかを調べて、不足している場合にはワクチンの接種をするようにしてください。
風疹やワクチンの接種についてのより詳しい説明は「風疹流行に際し感染症内科医から伝えたいこと:風疹の症状、合併症、ワクチン(予防接種)」で説明しているので参考にしてください。
7. 薬の副作用
薬の副作用で白内障を発症することがあります。特に注意が必要なのが、
関節リウマチや全身性エリテマトーデス、多発性硬化症といった
ステロイド薬を使用中に見えづらさを感じた場合には、副作用で白内障が起こっている可能性があります。ステロイド薬の調節が必要なことがありので、、薬を処方してもらっているお医者さんに相談し、眼科を受診してください。
8. 放射線・紫外線
放射線や紫外線は白内障の発症と関係があると考えられています。放射線を浴びる危険性が高い業務を行う医療従事者や、紫外線を浴びやすい外での活動が多い人は注意が必要です。
放射線
白内障は透明な水晶体が濁ることでものが見えづらくなる病気です。水晶体は放射線の影響で濁りやすいことが知られています。放射線を浴びやすい業務を行う際には、白内障の予防として放射線防御機能がついた眼鏡の使用が勧められます。
紫外線
紫外線は太陽光に含まれている光の一種でで皮膚や目にとって有害です。紫外線は、皮膚では日焼けや
紫外線を目に受けると白内障の発症や進行に悪影響を及ぼしてしまうので、紫外線が強い夏の時期(5月から7月)には対策をするとよいです。
具体的には紫外線をカットできるサングラスやコンタクトレンズ、眼鏡の使用が有効です。