はくないしょう
白内障
眼の焦点をあわせるためのレンズ(水晶体)が濁る病気。視野が白くかすんだり、光をまぶしく感じる
7人の医師がチェック 129回の改訂 最終更新: 2018.11.14

白内障の原因について:加齢や糖尿病、アトピー性皮膚炎、ステロイド薬

白内障は目のレンズの役割をしている透明な水晶体が濁る病気です。年齢を重ねるとともに水晶体は徐々に濁っていくので、年齢が上がるにつれて白内障が見つかる人も増えます。加齢以外にも水晶体の濁りを起こす原因があり、原因によっては白内障の発病を遅らせることや防ぐこともできます。

1. 白内障の原因について

目には水晶体というカメラのレンズの役割をする部分があります。水晶体はもともと透明ですが、さまざまな原因で濁ります。白内障は水晶体の濁りによってものが見えづらくなる病気です。水晶体が濁る主な原因は加齢ですが、その他にもさまざまな原因によって白内障は起こります。

【白内障の原因】

上に示した原因について個別に説明します。

2. 加齢

白内障の原因として最も多いものが加齢です。透明な水晶体は年齢を重ねるとともに濁っていきます。年齢が上がるにしたがって白内障の人が増え、早い人では40歳位から白内障が見つかり、80歳以上ではほとんどの人に白内障が見つかります。40歳以降でものが見えづらくなったりした人は白内障が原因の可能性があるので眼科を受診してください。

症状について詳しく知りたい人は「白内障の症状」を参考にしてください。

3. 目の病気

目の病気の後に白内障が起こることがあります。白内障を起こす主な目の病気としてぶどう膜炎が知られています。ぶどう膜は虹彩(瞳の周りにある円盤状の膜)と毛様体、脈絡膜の3つの部分の総称です。

ぶどう膜に炎症が起こる(ぶどう膜炎)と目全体に炎症が起こりやすくなり、その影響が水晶体にも及ぶと、白内障が起こります。ぶどう膜炎の治療後にものが見えづらくなった人は白内障が起こっている可能性があるので、眼科を受診してください。ぶどう膜炎の詳しい説明は「ぶどう膜炎の基礎情報ページ」を参考にしてください。

4. 目の怪我

目の怪我の後に白内障が起こることがあり、これを外傷性白内障と呼ばれます。目に加わった衝撃(外傷)の影響を受けて水晶体が濁ります。外傷後、数年以上経ってから発生することもあるので、目の怪我の後は慎重に経過を見る必要があります。目の怪我の後に必ず外傷性白内障になるとは限りませんが、治療中や治療後にものが見えづらくなった人は眼科で詳しく調べてもらってください。

5. 全身の病気

白内障は目の病気ですが、全身の病気が水晶体の濁りの原因になることがあります。白内障の原因になる全身の病気として、糖尿病アトピー性皮膚炎が知られています。

糖尿病

糖尿病は、インスリンというホルモンが不足するために、血糖値が正常より高い状態が続く病気です。心臓や腎臓など全身のさまざまな場所に悪影響が現れ、目でも問題が起こります。

糖尿病は白内障の原因(糖尿病性白内障)にもなります。糖尿病性白内障にならないためには、食事療法や運動療法、薬物療法といった糖尿病の治療を行い血糖値を正常範囲内に保つことが有効です。

糖尿病のより詳しい情報については「糖尿病の詳細情報ページ」を参考にしてください。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は強いかゆみを伴う発疹(ぶつぶつのできもの)が繰り返して現れる皮膚の病気です。全身に病気は現れますが、特に顔面は発疹が現れやすい部位です。顔面にアトピー性皮膚炎がある人は白内障を起こしやすいことが知られており、アトピー白内障と呼ばれることもあります。

かゆみのために目の辺りをひっかいたりする行為が白内障の発病と関与していると考えられていますが、詳しいことはわかってはいません。アトピー性皮膚炎の人がものが見づらさを感じた場合は、白内障を発症している可能性があるので、皮膚科とともに眼科も受診してください。アトピー性皮膚炎のさらに詳しい情報は「アトピー性皮膚炎の基礎情報ページ」を参考にしてください。

6. 先天異常

生まれつき白内障を発症していることがあり、先天性白内障といいます。先天性白内障の主な原因は先天性風疹症候群です。妊婦が風疹にかかるとお腹の赤ちゃんにも影響が及んで先天性風疹症候群を起こすことがあります。先天性風疹症候群は白内障以外にもさまざまな先天異常の原因になります。白内障以外の具体的な影響は、主に先天性心疾患弁膜症動脈管開存症)、聴力障害、緑内障です。風疹はワクチンの接種で予防できる病気です。ワクチンを打つと身体の中に風疹に対する抗体ができ、風疹にかかりにくくなります。

妊娠を希望する女性やその周りの人が十分な抗体をもつことが、赤ちゃんの先天性風疹症候群の予防になります。妊娠を計画する前に、妊娠希望の女性と周りの人は風疹の抗体が十分備わっているかを調べて、不足している場合にはワクチンの接種をするようにしてください。

風疹やワクチンの接種についてのより詳しい説明は「風疹流行に際し感染症内科医から伝えたいこと:風疹の症状、合併症、ワクチン(予防接種)」で説明しているので参考にしてください。

7. 薬の副作用

薬の副作用で白内障を発症することがあります。特に注意が必要なのが、ステロイド薬です。ステロイド薬を原因とする白内障はステロイド白内障と呼ばれることがあります。飲み薬や塗り薬がありますが、原因となりやすいのは飲み薬のステロイド薬です。

関節リウマチ全身性エリテマトーデス多発性硬化症といった自己免疫性疾患(免疫の異常の病気)の治療でステロイドの飲み薬がよく用いられます。

ステロイド薬を使用中に見えづらさを感じた場合には、副作用で白内障が起こっている可能性があります。ステロイド薬の調節が必要なことがありので、、薬を処方してもらっているお医者さんに相談し、眼科を受診してください。

8. 放射線・紫外線

放射線や紫外線は白内障の発症と関係があると考えられています。放射線を浴びる危険性が高い業務を行う医療従事者や、紫外線を浴びやすい外での活動が多い人は注意が必要です。

放射線

白内障は透明な水晶体が濁ることでものが見えづらくなる病気です。水晶体は放射線の影響で濁りやすいことが知られています。放射線を浴びやすい業務を行う際には、白内障の予防として放射線防御機能がついた眼鏡の使用が勧められます。

紫外線

紫外線は太陽光に含まれている光の一種でで皮膚や目にとって有害です。紫外線は、皮膚では日焼けがんの原因になることが知られていますが、目では白内障の原因となります。

紫外線を目に受けると白内障の発症や進行に悪影響を及ぼしてしまうので、紫外線が強い夏の時期(5月から7月)には対策をするとよいです。

具体的には紫外線をカットできるサングラスやコンタクトレンズ、眼鏡の使用が有効です。