はくないしょう
白内障
眼の焦点をあわせるためのレンズ(水晶体)が濁る病気。視野が白くかすんだり、光をまぶしく感じる
7人の医師がチェック 129回の改訂 最終更新: 2018.11.14

白内障の検査について:診断はどのように行うのか

白内障を診断するために診察や検査がいくつか行われます。検査の中では特に、細隙灯顕微鏡検査が重要です。細隙灯検査では水晶体の濁りを調べることができます。

1. 白内障を診断するための診察や検査

白内障の診断のために患者さんの背景や目の状態などが詳しく調べられます。また、白内障と似た症状が現れる別の病気との区別を行うことも診察や検査の目的の1つです。

白内障が疑われる人には主に次の診察や検査が行われます。

  • 問診
  • 身体診察
  • 視力検査
  • 眼底検査
  • 眼圧検査
  • 細隙灯検査

それぞれについて以下で説明していきます。

問診

問診は対話形式の診察法です。患者さんの身体の状態や背景を確認するために行われます。

患者さんは困っている症状や心配している症状をお医者さんに伝えます。一方で、お医者さんからはかかったことのある病気や服用している薬などの質問を受けます。

問診の具体的な質問は次のようなものです。

  • どんな症状を自覚するか
  • 症状はいつからあるのか
  • 他に気になる症状はあるか
  • 持病はあるか
  • 定期的に飲んでいる薬はあるか

問診では白内障かどうかや白内障の原因について調べられます。白内障の症状はものの見えづらさや光を眩しく感じることなどが代表的です。自覚する症状は他の病気との区別に役立つので、気になる症状についてはもれなくお医者さんに伝えるようにしてください。(症状の詳しい説明は「白内障の症状」を参考にしてください。)

身体診察

お医者さんは身体診察で患者さんの身体をくまなく調べます。具体的には、身体の表面を観察したり、手で触れたりして詳しく調べます。

白内障は目の病気ですが、糖尿病アトピー性皮膚炎など全身の病気が原因となることもあるので、目以外の部分に異常がないかを見つけるのが身体診察の目的の1つです。身体診察の結果、目以外にも問題があった場合は、眼科以外の診療科が紹介されることもあります。例えば、皮膚にも異常があり、アトピー性皮膚炎が白内障の原因と疑われる場合には皮膚科と協力して治療が行われます。(全身の病気が原因となる白内障についてはこちらを参考にしてください。)

視力検査

白内障が進行すると、視力が低下します。白内障が疑われる場合には視力検査を行い、進行度の参考にされます。視力が低下する病気は他にもあるので、眼底検査や細隙灯顕微鏡検査を行い、原因がさらに詳しく調べられます。

眼底検査

眼底とは

眼底は目の一番奥の部分で眼球を支えている、お椀状の部位のことです。眼底検査では眼底に張り付いている網膜の血管や神経の様子がわかります。白内障は水晶体の病気ですので、網膜を調べなくてもよさそうなものです。しかし、白内障と同時に網膜にも問題が起こっていることがあるので、水晶体と同時に網膜も調べます。このため、白内障が疑われる人にも眼底検査はよく行われます。

具体的な例として、糖尿病を原因とする白内障が挙げられます。糖尿病は白内障の原因になりますが、網膜症(網膜の血管もろくなり出血する病気)の原因にもなります。糖尿病では網膜症にかかる人の方が多いため、白内障の症状で受診した患者さんであっても同時に網膜症が起きていないかどうかが調べられます。白内障と網膜症が同時にある人は、両方の治療を行うことで、ものの見えづらさの改善が期待できます。

眼圧検査

目には内側から一定の圧がかかっており、この圧力(眼圧)によって目は球状の形を保っています。眼圧検査では眼圧を調べることができます。一定の眼圧は必要なものですが、何らかの原因で眼圧が上昇すると、視神経(視覚を脳に伝える神経)が傷ついて、ものが見づらくなったり、視野が欠けたりといった症状が現れます。

眼圧の上昇によって視覚に影響が現れる病気を緑内障といいます。緑内障は白内障と同じようにものの見えづらさなどの症状が現れます。2つの病気は治療法が異なるので眼圧検査によって区別することが重要です。

緑内障についての詳しい説明は「緑内障の基礎情報ページ」を参考にしてください。

細隙灯顕微鏡検査

白内障の原因はレンズの役割をしている水晶体の濁りです。

水晶体の濁りは細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査で調べることができ、この検査は白内障の検査の中で重要です。検査は暗くした部屋で行います。細い線状の光を目に当てながら、専用の顕微鏡で水晶体を観察します。検査中は光をまぶしく感じることはありますが、痛みなどをともなうことはありません。

2. 白内障手術のための検査

白内障と診断後、手術が必要な人には「角膜が手術に耐えられるか」と「適切な眼内レンズの選択」の2つを調べるために検査が行われます。

具体的には次のような検査が必要になります。

  • 眼軸長検査
  • 角膜内皮検査
  • 角膜形状解析検査

それぞれの検査の目的や方法について説明します。

眼軸長検査

白内障の手術では、濁ってしまった水晶体を取り除き、その代わりとして眼内レンズを挿入します。眼内レンズにはいくつか種類があって、一人ひとりの目の形や奥行きにあったものが選ばれます。

眼軸長検査は、眼内レンズを選ぶ際に必要な目の奥行きの長さを測る検査です。眼の奥行きは眼軸長といい、超音波や光を利用した専用の装置を用いて測定されます。超音波を利用した装置で測定する場合は、装置を目に直接当てるので目の麻酔が必要になります。一方で、光を利用した装置では水晶体に光を当てて測定をします。目の麻酔は必要ありませんが、水晶体の濁りが強く光が水晶体を通りにくい人には使うことができません。それぞれの人の特徴に合った装置で眼軸長が測定されます。

角膜内皮検査

角膜内皮検査では角膜内皮細胞の量が調べられます。角膜細胞は角膜の透明さを保つ役割を担っており、その役割を果たすには一定数以上の角膜細胞が必要です。白内障の手術では角膜に切れ込みを入れるので、その影響で角膜細胞が減少します。角膜の透明さを保つ角膜内皮細胞が減少すると、角膜に濁りやむくみを生む水疱性角膜症が起こりやすくなります。手術の前には角膜内皮検査で、角膜細胞の数が手術に耐えられるかどうかの判断が行われ、あまりに少ないときには手術が見送られることもあります。

角膜形状解析検査

角膜形状解析検査は角膜のカーブの程度を調べる検査です。角膜の形状にゆがみがある場合は乱視の原因になります。乱視が見つかった場合は、乱視を矯正する眼内レンズが用意されます。