ベーチェット病になるとどんな症状が出る?
ベーチェット病は赤い
目次
1. ベーチェット病の症状とは?
ベーチェット病は以下のような症状があらわれます。
- 発疹(赤い痛みを伴うもの、にきび)
- 繰り返す口内炎、口の中の潰瘍
- ものの見えにくさ、目の痛み、目が充血する
- 陰部の潰瘍
- 腹痛、血便
- 頭痛
- 物忘れが激しくなった
- 最近まわりから性格が変わったと言われる
- 片足だけむくむようになった
- 関節の痛み、腫れ
- だるさ
- 38℃を超えるような熱が続く
この中には、にきび、口内炎など健康な人でもよく経験するものが含まれており、ご心配される方もいるかもしれません。ベーチェット病では「もともと口内炎を繰り返していたが、最近ものの見えにくさを感じたり、陰部潰瘍ができたりするようにもなった」といったように複数の症状があらわれるのが特徴です。
2. よくある皮膚の症状:紅斑、にきびなど
ベーチェット病は様々な皮膚症状を来たします。具体的には以下のとおりです。
以下でそれぞれの特徴について説明します。なお、これらの症状は他の人にうつることはありません。
赤い痛みを伴う発疹(結節性紅斑)
ベーチェット病で赤い数cm大の発疹ができることがあります。痛みや熱を伴うのも特徴です。この発疹を医学用語で結節性紅斑と呼びます。結節性紅斑は特に足の前面(伸側部)や前腕にできることが多いです。
にきびに似た発疹(毛のう炎様皮疹・痤瘡様皮疹)
ベーチェット病では毛のう炎様皮疹・痤瘡様皮疹と呼ばれる、にきびと似た発疹ができることがあります。にきびは健康な人でも顔などによく見られる症状ですが、ベーチェット病のにきびは、顔だけでなく背中、胸、手足など全身の様々なところにあらわれることがあります。
皮膚表面の血管に沿って出る赤い発疹(表在性血栓性静脈炎)
皮膚表面の血管にそって赤い発疹が出ることがあります。この発疹は血管に
3. よくある口の症状:口内炎、潰瘍など
口内炎や口の中の潰瘍はベーチェット病によく見られる症状です。口の症状はベーチェット病の90%以上にあらわれます。口内炎は健康な人でも一度は経験があるかと思いますが、ベーチェット病の口内炎は、何度も繰り返すのが特徴です。
4. よくある目の症状:視力低下、視野異常、失明など
ベーチェット病で見られる目の症状には以下のようなものがあります。
- 視力が落ちてきた
- ものが見えにくい
- 目が痛い
- 目の充血がひどい
目の症状はベーチェット病で注意が必要な症状の1つです。ベーチェット病の目の症状は重症化すると
ベーチェット病の目の障害は、「
5. 相談しにくい陰部の症状:潰瘍など
陰部にあらわれる潰瘍もベーチェットで見られる症状の1つです。ベーチェット病の陰部の症状には以下のようなものがあります。
- 陰部(陰茎、陰唇、睾丸など)がただれて痛い
- 陰部が痛くて排尿ができない
これらの症状は性
そのような覚えがなく、皮膚の症状や目の症状など他の場所にも症状がある場合、ベーチェット病がより疑わしくなります。なかなか医師にも相談しにくい症状かと思いますが、もし陰部の症状がある場合はぜひ症状を話してみてください。
6. 起こりうる消化器症状:腹痛、血便など
ベーチェット病の消化器症状には以下のようなものがあります。
- お腹が痛い(特にお腹の右下の辺りにあらわれることが多い)
- 便が赤い(血便)
これらの症状は腸の中に潰瘍ができることで起こります。また重症な場合、腸に穴があくこともあり、お腹のの症状は注意が必要です。
ベーチェット病で腸が傷つけられているものを医学用語で「腸管ベーチェット病」と呼びます。医師からの説明では「腸管ベーチェット病」という病名で説明されることもあります。
7. 起こりうる神経症状:麻痺、頭痛、記憶力の低下など
ベーチェット病の神経症状は急激に悪くなるもの(急性型)とゆっくりと進行していくもの(慢性進行型)に分けられます。具体的な症状の例は以下のとおりです。
- 急激に悪くなる症状(急性型)
- 頭痛
- 発熱
- 意識が朦朧とする(重症な場合は意識を失う)
- ゆっくり進行していく症状(慢性進行型)
- もの忘れが激しい(認知症)
- 性格が変わる(人格変化)
- 立ったり歩いたりが難しくなる(小脳
失調 )
急激に悪くなる症状(急性型)は症状は一時的で、治療により後遺症なく症状が良くなることが多いです。
一方でゆっくり進行していく症状(慢性進行型)は治療が効きづらく、残念ながら徐々に進行していくことが多いです。症状が進行し寝たきりの状態になってしまうこともあります。
ベーチェット病で神経が影響を受けているものを医学用語で「神経ベーチェット病」と呼びます。
8. 起こりうる血管の症状:血栓、動脈瘤など
ベーチェット病の血管の症状には大きく分けて血栓による症状と動脈瘤(ど
血栓
血栓とは血管の中で血が固まることをいいます。血栓は足の血管などにできやすく、以下のような症状につながります。
- 皮下に塊が触れる(血管の中で血栓ができるため)
- 足の
むくみ (血栓ができて血の流れが悪くなるため、片足だけのことが多い)
動脈瘤
動脈瘤とは動脈がこぶのように拡張した状態をいいます。これはベーチェット病で血管が攻撃されることで、血管の壁が弱くなることで起こります。時に「動脈瘤破裂」といって血管が破れることもあります。動脈瘤破裂は大量出血を起こし、最悪の場合、死にもつながることがある非常に危険な状態です。
ベーチェット病の人でどくどくと拍動を触れる痛みを伴うものがお腹や足の付け根などにあらわれた場合、動脈瘤の存在を疑います。また、動脈瘤は肺の動脈など症状が自覚しにくい場所にあらわれることもあります。
ベーチェット病で血管に病気があるものを医学用語で「血管ベーチェット病」と呼びます。
9. 起こりうる関節の症状:関節の腫れ、痛みなど
ベーチェット病であらわれる関節症状には以下のものがあります。
- 関節が腫れる、痛い
- 手がこわばってにぎりにくい
- 関節に水がたまっている
上記の関節症状は膝、足首、手首、肘、肩などに出ることが多いです。
10. 副睾丸炎の症状:痛みや腫れなど
ベーチェット病では睾丸の痛みや腫れが起こることがあります。このような症状を副睾丸炎と呼びます。男性患者の10%弱に見られるとされています。
11. 全身の症状:発熱、倦怠感など
ベーチェット病の全身症状には以下のものがあります。
- 38度を超えるような熱が続く
- だるい、
倦怠感 がある
発熱や倦怠感はインフルエンザなど他の感染症でも起こることがあるため、この症状だけでベーチェット病と診断されることはまずありません。全身症状に加えて、ベーチェット病を疑う症状があるかどうかという点が大事になってきます。
12. 特殊型(特殊病型)ベーチェット病とは?
腸管ベーチェット病、神経ベーチェット病、血管ベーチェット病の3つを総称して特殊型ベーチェット病と呼びます。これらは後遺症を残しやすく、命に関わる症状があらわれやすいため、通常のベーチェット病とは区別して扱われます。
13. ベーチェット病は悪くなったり良くなったりを繰り返す?
ベーチェット病は急に症状が悪くなるのが1つの特徴とされています。症状が悪い期間を活動期と呼びます。活動期に対して、症状が治まっている期間を非活動期と呼びます。ベーチェット病は活動期と非活動期を繰り返す、つまり悪くなったり良くなったりを繰り返すことがよくあります。ただし、最近では新しい治療薬の登場もあり、非活動期の状態を維持できるようになってきています。