はいがん(げんぱつせいはいがん)
肺がん(原発性肺がん)
肺にできたがん。がんの中で、男性の死因の第1位
29人の医師がチェック 297回の改訂 最終更新: 2024.03.05

はじめに

この度は、正しい医療情報を発信する目的で肺がんのまとめサイトを作らせていただきました。

メドレー社は、インターネット上にある情報には正しい情報が少ないどころか、正しくない情報が溢れていることを常日頃から懸念しておりまして、より正しい情報を提供するべく努力しております。

とはいえ、がんという病気は非常に多様で、逆もまた真なりという状況が起こり得ることも理解しております。例えば、同じステージⅢAの肺がんの方でも、手術ができる人もいればできない人もいます。また、その人たちが本当に手術を受けるべきだったのかは、やってみないとわからないということも事実です。その状況その状況によって答えが変わっていくことの難しさがあります。

だからといって、がんの情報を正しく伝えなくても良いわけでは全くなく、私の臨床経験からも、多くの人が正しい情報を待ち望んでいることも痛感しております。この難しい命題を解決することが我々の使命と自負しながら、この情報サイトを作成いたしました。

今回、そういったがんの多様性をより詳しくより正しく伝えるために、多くの視点からがんについて説明しております。そのために、多くの職種の方に協力していただきながらこのサイトを作り上げて参りましたので、是非ご覧になっていただきたいと思っております。

がんというと「不治の病」や「死に至る病」という言葉が浮かぶことでしょう。しかし、医療者は「不治にならないよう」に「死に至らないよう」に知恵を絞っています。

「がんと戦うな」という言葉が流行っています。実際に戦わないほうが良いときがあることも事実です。その一方で、勝ち目があるのに戦うなということは、本人のためになっているとは言い難いです。医療においては、100%の勝ち戦というものは存在しないけれども、勝率を高める努力を怠ってはいけないと考えております。

医療現場の問題の1つには、自己決定権があるようでないことが挙げられます。知識がない状態で自己決定せよと言われても難しいですが、必要な知識があれば自己決定権ももっと尊重されることでしょう。そこで私たちは、このサイトの情報を見た多くの患者さんやご家族が納得して治療に臨めるようになることを願っております。

医療者が医学を語ると、どうしても医学書のような難しい内容になってしまいます。しかし、あまりに難しい表現になると肝心な患者さんやご家族にうまく伝わりません。そこで、このサイトでは患者さんの疑問をベースに、出来るだけわかりやすく表現することに苦心致しましたので、皆様のお役に立てればと思っております。

最後になりますが、このサイトを作るにあたってご協力頂きました多くの方に感謝すると同時に、良いものを作り上げることができたことを嬉しく思っております。

肺がんに苦しむ患者さんやご家族の方の力になれることを心より願っております。

株式会社メドレー 医師  園田 唯