はいがん(げんぱつせいはいがん)
肺がん(原発性肺がん)
肺にできたがん。がんの中で、男性の死因の第1位。
29人の医師がチェック 227回の改訂 最終更新: 2018.07.12

肺がんのステージとは?

肺がんの進行度を評価する方法としてステージという言葉がよく使われます。ステージとは一体どんなものなのでしょうか?また何によって決まるのでしょうか?

1. 肺がんの治療法はどうやって決めている?

肺がんの治療法を決定するのに重要なものの1つに病期分類と言うものがあります。ステージというのも同じです。皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。

ステージはどういった基準で決まるのでしょうか?

肺がんにはステージがある

肺がんの進行度はステージを用いて分類します。ステージとは、がんがどれぐらいの範囲まで広がってきているのかを画一的に評価するものです。病気の進行度を評価するのには画一的な基準があることは重要です。ステージを基準としてがんの治療法が決定されます。

ステージはステージⅠからステージⅣまでに分かれます。肺がんではさらに細かくⅠA、ⅠBのように分けます。国際的にはローマ数字(Ⅲなど)で書き表すのが普通ですが、このサイトではアラビア数字(3など)で記載しているところもあります。

治療を受けるために分類の基準を覚える必要は全くありません。しかし、ステージ分類は治療方法を決定する上で非常に重要です。また、自分のがんがどのくらい進行しているのか、自分はどうして手術を受けられないのかなどが、ステージ分類に自分の状況を当てはめることで理解しやすくなります。

どうしてステージ分類が重要なのかを次に説明していきます。

ステージによって治療法が違う

肺がんに対する治療の大前提は、手術が可能であれば手術をすることです。手術が最も完治しやすいし再発しにくいからです。しかし、すべての人に手術ができるわけではありません。一方、最近は技術の進歩によって放射線療法が手術と同じくらいの治療効果を発揮することもあります。

後に詳しく説明しますが、どういったステージの人にはどういった治療をするべきかが決まっています。ステージごとに勧められる治療として、過去のデータから治療の成功率が高いものが採用されています。

2. 肺がんのステージはどうやって決めている?

肺がんのステージは国際的な基準(UICC)の中にあるTNM分類から決まっています。TNM分類とは何のことでしょうか?

TNM分類とは?

がんのステージを決めるために、TNM分類という方法が使われます。TNM分類とは、がんの大きさ(T)・リンパ節転移(N)・血行転移遠隔転移)(M)をそれぞれ段階に分けて評価する方法です。TNM分類に従ってがんのステージが決められます。

下にTNM分類とステージの対応を説明します。やや専門的になるので、自分に関係ないと思う部分は読み飛ばしてください。

【TNM分類(UICC及びAJCCのTNM分類第8版に基づく)】

T-原発腫瘍(腫瘍径はすりガラス影を含まずに充実成分で計測する)

  • TX:原発腫瘍の存在が判定できない、あるいは喀痰または気管支洗浄液細胞診でのみがん細胞は見られるが、画像診断や気管支鏡では観察できない
  • T0:原発腫瘍を認めない
  • Tis:上皮内(carcinoma in situ)充実成分径が存在せず、すりガラス影≦30mm
  • T1:腫瘍最大径≦30mmの腫瘍が臓側胸膜に覆われており、葉気管支より中枢への浸潤が気管支鏡検査をしても見えない(すなわち主気管支に及んでいない)
    また、腫瘍の大きさで以下の亜分類がある
    • T1mi:minimally invasive adenocarcinoma(MIA)充実成分≦5mmかつすりガラス影≦30mm
    • T1a:腫瘍最大径≦10mm
    • T1b:腫瘍最大径>10mmでかつ≦20mm
    • T1c:腫瘍最大径>20mmでかつ≦30mm
  • T2:腫瘍最大径>30 mmでかつ≦50 mmの腫瘍、または以下のいずれかであるもの
    • 腫瘍最大径<30mmで主気管支に腫瘍が存在する
    • 臓側胸膜に浸潤している
    • 肺門まで連続する無気肺か閉塞性肺炎があるが片側の肺全体には及んでいない
      また、腫瘍の大きさで以下の亜分類がある
    • T2a:腫瘍最大径>30mmでかつ≦40mm
    • T2b:腫瘍最大径>40mmでかつ≦50mm
  • T3:最大径>50 mmでかつ≦70mmの腫瘍、または以下の場合である
    • 横隔膜、胸壁(superior sulcus tumorを含む)、横隔神経、縦隔胸膜、壁側心膜のいずれかに直接浸潤している
    • 同一葉内の不連続な腫瘍結節(同一葉内の転移)
  • T4:最大腫瘍径>70mm、または大きさを問わないが以下の状態のあるもの
    • 縦隔、心臓、大血管、横隔膜、気管、反回神経、食道、椎体、気管分岐部への浸潤
    • 同側の異なった肺葉内の腫瘍結節(同じ側の肺の中で異なった肺葉内の転移)

N-所属リンパ節

  • NX:所属リンパ節評価不能
  • N0:所属リンパ節転移なし
  • N1:同側の気管支周囲や同側肺門、肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含める
  • N2:同側の縦隔や気管分岐部リンパ節への転移
  • N3:対側縦隔リンパ節、対側肺門リンパ節、同側あるいは対側の前斜角筋リンパ節、鎖骨上リンパ節への転移

M-遠隔転移

  • MX:遠隔転移評価不能
  • M0:遠隔転移なし
  • M1:遠隔転移がある
    • M1a:対側肺内の腫瘍結節,胸膜結節,悪性胸水,悪性心嚢水
    • M1b:他臓器へ単発の遠隔転移がある
    • M1c:多臓器へ多発の遠隔転移がある

【病期分類(ステージ)】

肺がんの状態

腫瘍や転移の状態

N0

N1

N2

N3

充実成分5mm以下、すりガラス影30mm以下

T1mi

ⅠA1

 ー

 ー

 ー

充実成分が10mm以下

T1a

ⅠA1

ⅡB

ⅢA

ⅢB

充実成分がが10-20mm

T1b

ⅠA2

ⅡB

ⅢA

ⅢB

充実成分が20-30mm

T1c

ⅠA3

ⅡB

ⅢA

ⅢB

腫瘍の大きさが30-40mm T2a ⅠB ⅡB ⅢA ⅢB

腫瘍の大きさが40-50mm

T2b

ⅡA

ⅡB

ⅢA

ⅢB

腫瘍の大きさが50-70mm

T3

ⅡB

ⅢA

ⅢB

ⅢC

胸壁、胸膜、心嚢などに浸潤

T3

ⅡB

ⅢA

ⅢB

ⅢC

同一の肺葉内に転移がある

T3

ⅡB

ⅢA

ⅢB

ⅢC

腫瘍の充実成分が70mmより大きい

T4

ⅢA

ⅢA

ⅢB

ⅢC

周囲臓器への直接浸潤

T4

ⅢA

ⅢA

ⅢB

ⅢC

肺葉内を超えているが同側肺内の転移

T4

ⅢA

ⅢA

ⅢB

ⅢC

肺がんによる胸水や心嚢水

M1a

ⅣA

ⅣA

ⅣA

ⅣA

反対側の肺内に転移がある

M1a ⅣA ⅣA ⅣA ⅣA

単発の遠隔転移がある

M1b ⅣA ⅣA ⅣA ⅣA

多発の遠隔転移がある

M1c ⅣB ⅣB ⅣB ⅣB

例えば、TNM分類でT3N1M0であればステージⅢAですし、TNM分類でT2aN0M1bであればステージⅣになります。

肺がんの初期とは?

肺がんの初期を明確に定義するものはありません。例えば胃がんには早期胃がんという定義があります。早期胃がんは粘膜や粘膜下層にがんが収まっている状態を指します。しかし、「早期肺がん」という言葉は定義されておらず、医師の間ではあまり一般的な言い方ではありません。

早期がん=治癒できるという一般的なイメージに従えば、手術することで治療効果が非常に高いステージⅠAが早期肺がんとなるかもしれません。

リンパ節転移とは?

肺がんが転移しやすいリンパ節

リンパ節転移は、がん細胞がリンパ液の流れに乗って到達したリンパ節で増殖することを指します。対して、血流にがん細胞が乗っかって臓器に転移するのが遠隔転移です。リンパ節転移には遠隔転移と違った性質があります。

リンパ液の流れには、血液を送りだす心臓のようなポンプがありません。リンパ液は臓器の間をゆっくりと流れています。このため、がん細胞がリンパ液に乗ったときは、いきなり遠いリンパ節に転移することがなく、隣のリンパ節へと順々に広がっていきます。

肺がんのある部位からだいぶ離れたところのリンパ節にがん細胞が見つかった場合は、がん細胞が広範囲に転移していると判断します。つまり、肺がんの周りから遠くの場所までの間にあるリンパ節のすべてを順々に転移してきたと考えます。

遠隔転移とは?

肺がんに限らずがんは遠隔転移を起こします。遠隔転移とは、その名の通りがん細胞が離れた臓器に転移することを指します。

全ての臓器は血流から栄養をもらっているため、がん細胞が血液中に侵入すると、理論上すべての臓器にがん細胞が到達します。しかし、がん細胞が臓器に到達したからと言って必ず転移が起こるわけではありません。どういったことでしょうか?

がん細胞がリンパ節を含めたあらゆる臓器に到達すると、免疫細胞がやってきて、がん細胞を排除しようと働きます。しかし、がん細胞の量や悪性度などのがんの勢いと免疫細胞の力のバランスががんの勢いの方に傾いてしまうと、がん細胞が臓器に定着して転移が起こります。

実はがん細胞と免疫細胞のバランスというのが非常に複雑な話になります。がん細胞は人間の免疫に攻撃されないように細工をします。それを起こさせないようにする薬(ニボルマブ、ペムブロリズマブなど)が最近注目されています。今までの抗がん剤は直接がん細胞を殺すものがほとんどでしたが、ニボルマブなどはがんを排除する免疫細胞を応援する薬です。

6センチの肺がんのステージは?

例えば肺がんの腫瘍が6cmあったとします。この肺がんのステージはいくつでしょうか?

この答えはステージⅡB以上になります。肺がんの大きさが6cmで胸膜を含めてどこにも影響を与えていなければT3になります。しかし、がんのステージを決めるには、がんの大きさだけじゃなくて、リンパ節への転移や遠隔転移の状況を評価する必要があります。例えば、がんの大きさは6cmのT3でも遠隔転移があれば、ステージはⅣになります。

つまり、がんの進行度を判断するには、がんの大きさだけではなくリンパや臓器への転移状況をみて総合的に判断する必要があります。

肺がんで胸の痛みが出たらステージは?

胸の痛みは様々な原因で起こります。肺がんがあるからと言って、胸痛が肺がんによるとは限らないことには注意が必要です。肋間神経痛不整脈など胸痛を起こす別の原因は多く存在します。

肺がんで胸痛を起こす場合は以下のものが考えられます。

  • 骨に転移している

    • この時点で遠隔転移を起こしているので、ステージはⅣになります。

  • 胸膜に影響を与えている(浸潤している)

    • 臓側胸膜(肺を包んでいる胸膜)までの浸潤であれば、ステージはⅠB以上になります。

  • 心膜に影響を与えている(浸潤している)

    • 心膜へ浸潤していれば、ステージはⅢA以上になります。

  • 神経に影響を与えている(浸潤している)

    • 横隔神経へ浸潤していれば、ステージはⅡB以上になります。

上に挙げた例のステージがバラバラであるように、胸の痛みが出てきたからといって肺がんのステージが分かるものではありません。

肺がんのステージで余命がわかる?

肺がんのステージによってある程度平均的な余命がわかります。とはいえ、平均的な数字が自分に当てはまるかは分かりませんし、治療法によっても数字は変わってきますので、確実なことは言えません。

肺がんの治療における余命の多くのデータが出ていますが、報告によって多少数字がばらついています。治療の内容や患者の体力などによっても当然数字は変わってくるので、平均的な余命はおおよそのものと考えたほうが良いです。

以下に平均的な数字を記します。

【非小細胞がんのステージと生存率】

病期

生存率

ステージⅠ

75%(5年生存率)

ステージⅡ

50%(5年生存率)

ステージⅢ

25%(5年生存率)

ステージⅣ

50%(1年生存率)

【小細胞がんのステージと生存率】

病期

生存率

限局型(LD)

20%(5年生存率)

進展型(ED)

50%(1年生存率)

これらはあくまでも大まかな推定です。がん患者の中には少数ですが、平均的な数字とはかけなれた期間生存できるロングサバイバーと呼ばれる人もいます。ですので、これらの数字はおおよその予想と思ってください。

実は全然違う「ステージ」と「クラス」とは?

肺がんに関する言葉の中で、ステージと混同しやすいものとして「クラス」という言葉があります。

ステージに関しては上で説明したとおり、腫瘍の大きさや周囲への直接的影響・リンパ節転移・遠隔転移から評価される進行度のことになります。ステージは治療方法を決定するために非常に重要な評価方法です。

一方、肺がんにおけるクラスというのは何でしょうか?痰や気管支内視鏡検査で採ってきた検体で細胞診断を行うときに、その細胞がどの程度がんを疑うものなのかを分類する基準がクラスになります。クラスⅠはがんを疑うものが全くない状態で、クラスⅤではがん細胞がはっきりと見えている状態になります。

【細胞診断におけるクラス分類】

クラス

細胞の状態

ClassⅠ

がん細胞はない

ClassⅡ

良性異型(形は変形しているが正常の範囲)

ClassⅢ

良性なのか悪性なのか判断し難い

ClassⅣ

悪性を強く疑う細胞がある

ClassⅤ

悪性細胞(がん細胞)がある

つまり、クラスⅣでも実はがんではない可能性が少しはあります。クラスⅤなら確実にがんであると判断されたことになりますが、ステージはⅠAかもしれませんし、もっと進行しているかもしれません。「クラスⅣ」と言われても「末期がんではないか」と思う必要はありません。

ステージやクラスといった言葉を日頃あまり聞き慣れていない場合は、どうしても混同していしまいがちです。お医者さんから病気の説明を受ける際は、聞き間違えないように一度言葉の指しているものを確認してから臨んだほうが良いかもしれません。

3. 肺がんは早く見つければ治る?

肺がんはステージの早い方が治療成功率が高いことが分かっています。しかし、どうしても肺がんが見つかったときには進行してしまっていることが多いです。

この原因には初期の段階では症状が出にくいことが挙げられます。つまり、症状が出てから検査をするのでは、時すでに遅しの状態になってしまっている可能性が高いのです。

この状況を回避するためにがん検診というものがあります。つまり、年齢や喫煙歴や血痰の有無などの背景から、肺がんになるリスクの高い人に胸部レントゲン検査や喀痰細胞診検査(細胞診断)を行います。

レントゲン検査で「初期」の肺がんを見つけられる?

肺がん検診では胸部レントゲン検査を行います。しかし、この検査は万能であるかと言われれば答えはノーとしか言いようがありません。もちろんこの世に完璧な検査は存在しませんが、レントゲン検査は決して精度の高い検査とも言えないのが現状です。

レントゲン検査では、X線を胸部にあててX線の吸収率を測定することで肺の中身をみています。胸部レントゲン検査をすると、60-80%の確率で肺がんを検出できる(検出感度が60-80%である)と報告されています。これが高い数字なのかは別として、肺がんが肺の頭の方(肺尖部)に存在したり周囲の正常構造に重なってしまったりすると肺がんを指摘することは非常に難しくなります。余談ですが、優れた検査と思われがちな腫瘍マーカーの検出感度はレントゲンよりも低いですし、現状の医療技術の中で簡便にできる検査の中では、レントゲンの精度が悪いとは言えません。レントゲン検査は非常に役に立つ検査です。しかし、レントゲンだけで十分とは言えないのです。

肺の中にある結節影(3cm以下の丸い影)や淡い陰影を胸部レントゲン写真で正しく検出することは非常に難しく、より詳しく調べるために胸部CT検査を行う必要が出てくることも多いです。また、いかに正確に肺がんを見つけるかは、医者の熟練度も関連してきます。

みんな胸部CT検査をすればよいのか?

胸部CT検査は肺のレントゲン写真よりも得られる情報量の多い検査です。より詳細に肺がんの大きさや形を調べることができます。

胸部CT検査の検出感度(がんがあった場合、それを正しくがんと指摘できる確率)は93.3-94.4%と言われており、肺がんを見つける検査としては非常に優れたものになります。しかし、小さながんを診断することは簡単ではなく、6mm未満の結節では検出感度は70%程度になってしまいます。

CT検査がレントゲン検査よりも精度が優れているのは事実ですが、1つ問題があります。レントゲン写真で体に当たる放射線は微量ですが、胸部CT検査による医療被曝量はレントゲン写真よりも明らかに多いことです。

放射線の人体への影響力を表す単位としてシーベルト(Sv)というものがあります。数字が高ければ高いほど人体への影響が強いことになります。胸部レントゲン検査と胸部CT検査の被曝量に関しては様々な報告がありますが、主なものは以下になります。

【胸部レントゲン検査と胸部CT検査における被曝量の比較】

検査内容

被曝量

胸部レントゲン検査

0.2mSv

胸部CT検査

7.0mSv

単純計算で言うと、胸部CT検査を行うと胸部レントゲン検査を35枚撮影したときと同じくらいの被曝をすることになり、何度も撮影すると人体への影響が一層危ぶまれます。

CT検査が原因で人体に障害が出たというはっきりとした証拠は今のところ見つかっていません。とはいえ放射線に被曝する量は最低限にするべきですので、胸部CT検査はレントゲン写真で肺がんの可能性を疑われた場合に行うことが最も理にかなっています。また、最近では被曝量を減らすために通常よりも放射線量を抑えた低線量CTを用いて肺がん検診を行っている施設もあります。まだ日本人に対する有用性は証明されていませんが、海外では55-74歳の喫煙者を対象とした研究で肺がん死亡率を約20%減少させた、との報告があります。喫煙者、喫煙していた方は検討しても良いと思います。

肺がんは「初期」なら手術するべき?

肺がんの治療の基本は手術です。がん細胞を身体から消すには手術でがんを取り去ることが一番効率的です。しかし、手術はがん細胞を取り切れる場合にしか行いません。取り切れないと、残ったがん細胞が増殖してしまいます。それどころか手術で体力を落としてしまうことが災いして、がんの状況が悪化することもしばしばです。

手術が行えるかどうかは病期分類(ステージ)を用いて厳密に精査します。初期の場合は手術できることが多く治療成績も良いため、体力が許す限り手術を行うべきと考えられています。

肺がんを完治させる方法は?

残念ながら肺がんを絶対完治させることのできる治療法はありません。最も治療成績の良い手術でも100%ということはありません。ステージの最も早いⅠA期でも手術の治療成績(5年生存率)は90%程度と言われています。

ではどうしたら良いのかというと、できるだけ確率の高い治療法を選択するように努めることでしょう。そのために自分の肺がんの状況を把握して、主治医ときちんと治療方法について相談することが重要です。是非このサイトにある情報を活用していただけたら幸いです。

4. ステージとは別な要素:分化度とは?

肺がんの治療方法を考える上で進行度は重要です。進行すればするほど、治療の選択肢は狭まりますし、全身の状態は悪くなってしまいます。

しかし、進行度以外に重要な要素として、分化度というものがあります。分化度とは何のことでしょうか?

細胞は幹細胞という色々なものになれる細胞から、成熟した細胞に段々と変化していきます。例えば、骨髄幹細胞という細胞は様々な血球になることができます。骨髄幹細胞は、赤血球白血球血小板といったものに変化していくのですが、こうして白血球のようなより特殊な力を持った細胞に変化することを分化と言います。

がん細胞にも分化があります。なんにでも変化できるような幹細胞のようなものもある一方、特定のタイプにはっきりと分化しているものもあります。前者を低分化といい後者を高分化といいます。一般的に低分化の方が悪性度が高く、治療の効果がなかなか出ないことが分かっています。分化度は顕微鏡で、もとの正常な細胞に対してがん細胞がどの程度似ているのかで判断されます。

5. 肺がんでステージと同じくらい大事な「組織型」とは?

肺がんの組織型

肺がんの中にはいろいろな種類があります。扁平上皮がん・腺がん・小細胞がん・大細胞がんなどあり、各々が異なった性質を持っているため治療法も変わってきます。特に小細胞がんは特殊で、治療の方針も小細胞がんと小細胞がん以外のがんで変わってきます。

小細胞肺がんとは?

小細胞がんは非常に進行の早いがんです。そのため、最も治療効果の期待できる手術ができる場面は少ないです。

手術は基本的にリンパ節への転移が腫瘍のすぐ近くにしかない場合(病期分類でステージⅠ)のみ行います。また、見えない形で全身にがん細胞が散らばっている状態が想定されるので、手術後には化学療法を行います。

手術のできない場合にステージ分類を用いて考えることは少なく、限局型(LD)と進展型(ED)の2つに大別して治療方針を決定します。

LDの場合は化学療法と放射線療法を併せて治療しますが、EDの場合は化学療法だけで治療します。

【小細胞がんの治療法】

小細胞がんの進行度

行われる治療法

ステージⅠ

手術

LD(ステージⅠ以外)

化学療法+放射線療法

ED(ステージⅠ以外)

化学療法

詳しくは肺小細胞がんとは?の章を参考にしてください。

非小細胞肺がんとは?

非小細胞がんはその名の通り小細胞がん以外の肺がんのことになります。非小細胞がんの治療は小細胞がんのそれと多少異なります。非小細胞がんではステージⅢAまで手術を行うことがあります。

治療方針が違う理由のひとつは、非小細胞がんには抗がん剤や放射線療法の治療成績があまり良くないことです。もうひとつの理由として、非小細胞がんの進行が小細胞がんほど早くないことから、非小細胞がんならある程度進行していても手術で取り切れる可能性があるということも挙げられます。

それではどういった治療をしていくのか、次の章で具体的に説明していきます。

6. ステージ1の肺がんはどんな状態?

ステージⅠは、ⅠからⅣまである病期分類の中で最も早いものになります。がんはあまり進展しておらず、治療の成績も良いのが特徴になります。

詳しく説明していきましょう。

ステージⅠとは?

ステージⅠの中にはステージⅠAとⅠBがあります。ⅠBのほうが少し進行しています。

ステージⅠの条件はリンパ節転移や遠隔転移が存在しないことです。腫瘍の大きさは4cmまでで、心臓などの周囲の臓器への影響がなければステージⅠに分類されます。

ステージⅠの肺がんの治療は手術?

ステージⅠの肺がんは手術で治療することが基本です。これは手術が最も治療成績が良いからです。とはいえ手術は身体への負担が大きいのが問題になります。そこで身体の負担を軽くする目的に、肺を切る大きさを小さくする縮小手術(肺葉切除術、部分切除術)が行われることがあります。特にステージⅠAのときは肺葉切除術や部分切除術を行うことがあります。

非小細胞がんの場合はステージⅠBの場合は手術の後にUFTという抗がん薬を2年間飲み続けるケースが多くなります。(ステージⅠAでもUFTを飲むことがあります。)

また、ステージⅠの小細胞がんの場合は、ⅠAであろうとⅠBであろうと手術の後にシスプラチン+エトポシドという抗がん薬を3-4週ごとに4回を目安に点滴します。

事情があって手術ができない場合は、ステージⅠであれば放射線療法で根治を狙います。手術できない事情とは何でしょうか?

  • 体力がない(PSが2以上)

  • 肺の機能が悪い

  • 心臓の機能が悪い

(注)PS(Performance Status)とは

0:全く問題なく日常生活ができる

1:軽度の症状があり激しい活動は難しいが、歩行可能で、軽作業や座って行う作業はできる

2:歩行可能で自分の身のまわりのことは全て行えて日中の50%以上はベッド外で過ごすが、時に軽度の介助を要する

3:自分の身のまわりのことは限られた範囲しか行えず、日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす

4:自分の身のまわりのことは全くできず、完全にベッドか椅子で過ごす

これらが主な理由になります。これらに該当するかどうかを判断するために、手術の前に心電図検査心臓エコー検査呼吸機能検査を行います。

ステージⅠの肺がんの生存率は?

ステージⅠの生存率は良いとされています。とはいえ、肺がんは全てのがんの中でも比較的生存率が悪いことが分かっていますので、そこまで高い数字ではありません。

がんの生存率を考える時によく使われるのが、5年生存率と言うものです。この数字は5年後に何%の人が生存しているかを表しています。

報告されているデータによってばらつきはありますが、以下がだいたいの数字になります。

【ステージごとの5年生存率】

ステージ

5年生存率

ⅠA期

82.0%

ⅠB期

66.1%

7. ステージ2の肺がんはどんな状態?

ステージⅡの肺がんは、まだそこまで進行しておらず手術も可能です。

実際にどういった治療を行うべきかを説明していきます。

ステージⅡとは?

ステージⅡにはステージⅡAとステージⅡBがあります。ステージⅡBのほうが少し進行しています。

ステージⅡは遠隔転移がないことが必須条件です。また、リンパ節への転移が腫瘍のごく付近までで、腫瘍が周囲の肺付近の臓器に留まっている状態です。詳しくは、上にある病期分類の表を参考にしてください。

ステージⅡの肺がんの治療は手術?

ステージⅡの肺がんは手術が可能です。手術を受けられない主な理由は以下になります。

  • 体力がない(PSが2以上)

  • 肺の機能が悪い

  • 心臓の機能が悪い

ステージⅡAもⅡBも手術を行った後には化学療法を行います。シスプラチン+ビノレルビンを用いることが多いです。化学療法は3-4週ごとに4回行います。

ステージⅡの肺がんの生存率は?

ステージⅡの肺がんの生存率は手術を行った場合が最も高いです。報告によってデータのばらつきはありますが、大体の数字は以下になります。

【ステージごとの5年生存率】

ステージ

5年生存率

ⅡA期

54.5%

ⅡB期

46.1%

この生存率のデータは手術を行った場合のものになります。手術が行えない場合はこの数字よりも少し低いものになることが予想されます。

8. ステージ3の肺がんと言われたら何をする?

ステージⅢになると肺がんは進行した状態になります。Ⅲ期では手術ができない場合が多く見られます。

どうやって治療していくことになるのか説明していきます。

ステージⅢとは?

ステージⅢの絶対条件は遠隔転移をしていないことになります。ステージⅢにはⅢA、ⅢB、ⅢCがあります。このⅢAとⅢB,ⅢCの区別は非常に重要です。ⅢAは手術を検討できることもありますがⅢB,ⅢCでは手術することはできませんので、この区別は特に注意して行う必要があります。

ステージⅢの肺がんの治療は手術?

ステージⅢでも手術を行える場合には手術を検討することになります。

しかし、ステージⅢの手術は少し特殊です。手術の前に化学療法と放射線療法を行う方が治療成績が良いです。術前化学放射線療法と言われるものですが、手術をする前にがんを小さくしてから切り取ることが狙いになります。

【治療法ごとの5年生存率(リンパ節転移がN2のもの)】

治療法

5年生存率

手術のみ

30.0%

術前化学放射線療法をしてから手術

38.0%

また、術前化学放射線療法を行わなかった場合は、可能な限り手術の後に化学療法(シスプラチン+ビノレルビン)を行うことになります。

ステージⅢの肺がんで手術ができない時はどんな場面?

ステージⅢではがんはかなり進行していますので、手術の適否は慎重に判断しなくてはなりません。ともすれば手術を行うことで逆に命を縮めてしまうことがあります。

がんのある側とは反対側にあるリンパ節に転移していたり、がんが大きくなって心臓や胸膜以外の肺の周囲にある臓器へ浸潤(がん細胞が影響をおよぼすこと)している場合は、ステージⅢBとなり手術はできません。また、ステージⅠやⅡに場合と同じように以下の場合も手術を受けることができません。

  • 体力がない(PSが2以上)

  • 肺の機能が悪い

  • 心臓の機能が悪い

ステージⅢの肺がんは完治する?

ステージⅢの肺がんが完治する可能性が低いですが、手術を行うことで完治することがあります。ただ、5年間生存する確率でも3-4割ですので、完治する確率は低いです。とはいえ、確率が低くても、ステージⅢの肺がんが完治する可能性はまだありますので、正しい情報を元に確率の高い治療選択を行っていきましょう。

ステージⅢの肺がんの生存率は?

手術を行った場合の生存率は上で書きましたが、化学放射線療法を行った際の生存率もおおよそのものが分かっています。

【ステージⅢで化学療法と放射線療法を行った場合】

治療法

5年生存率

手術

30-40%

化学療法+放射線療法

15-20%

この表にある数字はおおよそのものですし、今までの治療データの平均値になります。ですので、ご自身はこれよりももっと長生きするかもしれませんし、長生きできないかもしれません。一人一人の余命を正確には予測できないというのが、現代の医学の限界です。悔いの残らないように、よくよく主治医と相談して確率の高い治療法を選択しましょう。

9. ステージ4の肺がんは末期?

肺がんのステージⅣとは遠隔転移のある状態のことを指しますが、ステージⅣだから必ずしも肺がんの末期というわけではありません。転移があっても健常に生活して人生を謳歌している人は大勢います。

ステージⅣの重要な特徴は手術ができないということになりますが、化学療法や放射線療法を用いて治療していきます。

肺がんの末期にはどんな症状が出る?

肺がんになるとせきやたん、胸の痛みなどが現れますが、末期になったときの症状は基本的にそれらが非常に強くなったものになります。例えば、それまでは軽い息苦しさ程度で済んでいたのに、酸素吸入をしていても息苦しくなるようなことが起こります。

また、以下の症状も出てくることがあります。

  • 何をしてもひどいだるさ(倦怠感)が感じられる

  • 何を食べても体重がどんどん減っていく

  • 身体がひどくむくんでくる

  • 意識が朦朧とする

これらの4つの症状は、がんが進行してきたことで身体のバランスが乱れてしまっている状態です。この状態になると体重が減ることに対して点滴で栄養をとっても、栄養を吸収できないどころか、点滴で体に入ってきた水分が血管の中に保てなくなり、むくみ浮腫)がひどくなってしまいます。

また、栄養状態が悪くなっているのでさらに食事をとる元気もなくなってしまい、全身状態はどんどん悪化してしまいます。この状態になると回復することは難しいですが、それでも苦しい思いを和らげることはできます。つらい状態を上手に和らげるために、緩和治療を行うこととなります。

肺がんの脳転移とは?

肺がんの転移は身体の多くの場所に起こります。脳や骨や肝臓、副腎に起こりやすいことが分かっています。特に脳転移は深刻な症状が出ることがあるので注意が必要です。

肺がんが脳に転移すると、以下のような症状が出てきます。

  • 頭痛

  • 手足のしびれ

  • しゃべりにくさ

  • けいれん(症候性てんかん

  • 認知機能の低下

  • 性格の変化

どんな症状が出るのかは人それぞれで分かりませんが、いずれの症状も生活に支障をきたします。脳転移に対しては状況に応じた専門的な治療を行うことになります。どういった治療を行うのでしょうか。

脳内に転移が多数ある場合の治療

脳内に多数の転移がある場合はひとつひとつを狙って放射線療法することは難しいです。そのため、全脳照射と言って、脳全体に放射線を当てることを行うことがあります。

全脳照射はどうしても正常な脳細胞にも影響が出てしまうので、極力避ける方向にありますが、転移によってしびれなどの症状が出ている場合や転移によって症状が出てきそうな場合は脳全体に放射線療法を行います。

4個以下ですべて3cm以下の転移が脳内にある場合の治療

定位照射と呼ばれる、がんのある部位のみを狙った放射線療法を行います。また、最近ではガンマナイフ治療やサイバーナイフ治療と言った、全方位から放射線を少しずつ照射することで正常脳細胞に極力影響が出ないように配慮した治療も行われています。

肺がんの骨転移とは?

骨に痛みが出ていたりしびれが出ていたりする場合や骨破壊が進んで骨折しそうな場合は、積極的に放射線療法を行います。また、骨を丈夫にする目的で、ゾレドロン酸(ゾメタ®)やデノスマブ(ランマーク®)という薬を注射します。

また、痛みが強い場合は、モルヒネやオキシコドンなどの強い鎮痛薬を用いて痛みを抑えます。

ステージⅣの肺がんの治療は抗がん剤?

ステージⅣの肺がんに対して原則的には手術を行うことはできません。また、症状を取る目的でなく治療する目的で放射線療法をを行うこともできません。いずれも、治療することでかえって寿命を縮めてしまう事がわかっています。

ステージⅣの治療では抗がん剤を用います。

プラチナ製剤と呼ばれる薬と、第3世代抗がん薬がよく用いられます。

  • プラチナ系抗がん剤(プラチナ製剤)

    • シスプラチン(ブリプラチン®など)

    • カルボプラチン(カルボプラチン®など)

    • ネダプラチン(アクプラ®)

  • 第3世代抗がん剤

    • パクリタキセル(タキソール®など)

    • ナブパクリタキセル(アブラキサン®)

    • ドセタキセル(タキソテール®など)

    • ペメトレキセド(アリムタ®)

    • ビノレルビン(ナベルビン®)

    • ゲムシタビン(ジェムザール®など)

    • イリノテカン(カンプト®など)

    • アムルビシン(カルセド®)

    • S-1(TS-1®など)

また、最近は分子標的薬と呼ばれる治療薬が何種類も開発されています。分子標的薬は、がんに含まれる遺伝子検査を行った後に、条件が適合すれば使用可能になります。

現在発売されている分子標的薬の適合する条件は以下の2つです。どちらかに当てはまれば分子標的薬を使用することができます。

  • EGFR遺伝子の変異

    • ゲフィチニブ(イレッサ®)

    • エルロチニブ(タルセバ®)

    • アファチニブ(ジオトリフ®)

    • オシメルチニブ(タグリッソ®)

  • ALK融合遺伝子の存在

    • クリゾチニブ(ザーコリ®)

    • アレクチニブ(アレセンサ®)

    • セリチニブ(ジカディア®)

これ以外にも2015年12月から抗PD-1抗体であるニボルマブ(オプジーボ®)が、2017年2月からペムブロリズマブ(キイトルーダ®)が使用できるようになっています。これらはがんを直接攻撃するのではなく、身体の免疫細胞がきちんとがんを捕捉して倒せるようにする薬です。

ここでは非常に簡単に説明してきました、がんの種類(小細胞がん扁平上皮がん腺がん)ごとに詳しく治療方法などを説明している頁がありますので参考にしてください。

肺がんの緩和ケアとは?

肺がんは進行すればするほど症状が出てきます。肺がんに伴う症状は、痛みや息苦しさといった生活の質を著しく損なうものが多いです。そのため、ステージがどの段階であろうと、肺がんの症状が出たら緩和ケアの出番になります。

WHO(世界保健機関)は緩和ケアを「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛(suffering)を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of Lifeを改善する取り組みである」と定義しています。

つまり、緩和ケアは患者やその周囲の近しい人の苦しみを全人的に取り去ることを目標としています。全人的な苦しみとは、精神的・肉体的・社会的・スピリチュアルな苦しみのことを指します。これらを多角的に取り去っていきます。

詳しくは、「緩和医療って末期がんに対して行う治療じゃないの?」のページで説明していますので参考にしてください。

ステージⅣの肺がんは完治する?

医学に絶対はないですが、ステージⅣの肺がんが完治する可能性はほとんどありえないです。

最近は分子標的薬という抗がん剤が出てきており、分子標的薬によってがん細胞を攻撃することで、余命が格段に伸びる人が出ています。今後治療効果がさらに上がることで、ステージⅣでも完治するようになることは十分に考えられます。

しかし、現時点では、ステージⅣの肺がんは完治がほとんど期待できない、厳しい状態です。

ステージⅣの肺がんの生存率は?

ステージⅣは最も進行したステージです。とはいえ必ずしも末期ではありません。治療を行えます。しかし、一般的には余命は長いわけではありません。

余命は個人差があるのでその人その人の余命を正確には当てられませんが、平均でいうとステージⅣの肺がんに化学療法を行って1年生存する確率は50-60%と言われています。確率的な話をすると、ステージⅣの余命はⅠ年余りと予想されます。

末期肺がんで最期を迎えるときのために備えることは?

肺がんが末期の状態になると、残念ながら積極的な治療は難しくなります。しかし、末期になれば症状が強くなっていきますので、治療の必要性も増えるというジレンマがあります。つまり、がんを排除するための治療ができなくても、症状を和らげる治療(緩和治療)の出番が多くなります。

がんの症状が強くなると、患者さんもその家族も不安が強くなってくることでしょう。

実はこの不安こそが非常に重要な問題です。人間は不安が強いと苦痛を感じやすくなりますので、末期の状態では特に不安を取るように配慮する必要があります。

それでは実際にどんなことをやれば良いのでしょうか?

不安を取る方法は個人個人で違うので一概には言えませんが、いつもと同じように生活することが最も望ましいです。いつもと同じ、不安の少ない生活を送るために、患者本人と家族と医療者が協力しあって、自分らしく過ごしたい時間を作ることが大切です。

それでも不安が大きい場合も多いです。どうしても不安が強いときには、不安を取るような薬を使うことも大切になります。

薬が必要なほど不安が強い状況になると簡単にはバランスが取れません。治療が難しくなってきたときに有用なのが、医師や看護師たちで形成された緩和医療チームです。緩和医療チームをうまく利用して、症状のある中でも自分らしく過ごす時間を確保してください。