くも膜下出血の原因について:生活習慣や脳血管の病気(脳動脈瘤、脳動静脈奇形)など
くも膜下出血の発生には、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣や、高血圧が関係していることがわかっています。また、くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂が原因であることがほとんどで、他には脳動静脈奇形や頭の怪我(頭部外傷)も原因になります。
1.くも膜下出血の原因になる持病や生活習慣

くも膜下出血の原因になる持病や生活習慣は次のものが知られています。
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 高血圧症
これらについて次でもう少し詳しく説明します。
喫煙
喫煙習慣がある人は、ない人に比べると2.8倍くも膜下出血を起こしやすいという研究報告があります。また、喫煙はくも膜下出血のみならず、「喉の
とはいえ、禁煙は難しいものです。禁煙を上手に行うには禁煙外来を利用するのも1つの方法です。禁煙外来は「こちらの医療機関」で受けることができるのでぜひ利用してみてください。
参考:
Subarachnoid haemorrhage: diagnosis, causes and management.Brain. 2001 Feb;124(Pt 2):249-78.
過度の飲酒
過度な飲酒をする人は、くも膜下出血を起こしやすいことがわかっています。
具体的には純エタノールで毎日20g以上飲む人は、1日20g未満の人と比べて4.7倍くも膜下出血を起こしやすいという研究報告があります。
お酒ごとの純エタノールの量は次のようになります。
【純エタノール10gに相当するお酒の量の目安】
| お酒の種類(アルコール成分:%) | 量(目安) |
| ビール(約5%) | 250mL(中瓶・ロング缶の半分) |
| 清酒(約15%) | 0.5合 |
| ウイスキー・ブランデーなど(約40%) | 30mL(シングル1杯) |
| 焼酎(約35%) | 50mL |
| ワイン(約12%) | 100mL(ワイングラス1杯弱) |
くも膜下出血が心配な人は、上の表を目安に飲酒の量を調整してみてください。
過度な飲酒は、くも膜下出血だけではなく、肝臓の病気(脂肪肝・肝硬変・肝性脳症)などの原因にもなります。また、アルコールに依存をする状態にまでなると日常生活や社会生活のトラブルの原因にもなってしまいます。
飲酒が習慣化している人は簡単にはやめられませんし、仕事上の付き合いが多い人はお酒を飲みがちになります。外でお酒を飲む機会が多い場合には、家で飲まないようにするなどの自分なりのルールを決めて、メリハリをつけることをお薦めします。さらに、家で飲まないようにするには、アルコールを家において置かないなどの工夫も有効です。
とはいえ、飲酒量が減らせない場合もあると思います。
やめたい気持ちがあるのにやめられないときには精神科や心療内科を受診してサポートしてもらうのも1つの方法です。アルコールは依存性の強い物質です。どうしても節酒や禁酒ができないときには、医師とともに取り組むことも検討してみてください。
参考:
厚生労働省HP
Subarachnoid haemorrhage: diagnosis, causes and management. Brain. 2001 Feb;124(Pt 2):249-78.
高血圧症
高血圧症の人はくも膜下出血を起こしやすいことが知られています。
高血圧症は次の基準が持続する人のことです。
- 病院や健診などで測定した血圧(診察室血圧)の場合
収縮期血圧 140mmHg以上または拡張期血圧 90mmHg以上を満たす
- 自宅で測定した血圧(家庭血圧)の場合
- 収縮期血圧135mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上を満たす
収縮期血圧は
高血圧症の人では、血圧が高い状態が続きます。血圧が高いと血管の壁に負担がかかり、それが長い間続くと血管が脆くなります。正常な血管に比べて、脆くなった血管は破裂などの危険性が高まります。
ある研究報告によると、高血圧症の人は血圧が正常な人に比べて1.9倍くも膜下出血が起きやすいされています。高血圧症には主に生活習慣の改善(食事療法や運動療法など)や血圧を下げる薬(降圧薬)で治療が行われます。高血圧症の詳しい治療については「高血圧症の治療のページ」を参考にしてください。
参考文献
・Subarachnoid haemorrhage: diagnosis, causes and management. Brain. 2001 Feb;124(Pt 2):249-78.
2.くも膜下出血の原因になる脳の病気や頭の怪我
くも膜下出血は「病気が原因の場合(非外傷性)」と「頭を強く打つことが原因の場合(外傷性)」の2つに大別されます。
【くも膜下出血の主な原因】
非外傷性くも膜下出血の場合には、再出血を予防するために原因を治療することが重要です。
ここでは非外傷性くも膜下出血のほとんどを占める脳動脈瘤破裂と脳動静脈奇形、そして外傷性くも膜下出血について説明します。
脳動脈瘤
脳の動脈にこぶができる病気を脳動脈瘤といいます。くも膜下出血の約80%は脳動脈瘤の破裂が原因です。血管は土管のような形をしていますが、壁の一部が弱くなると膨らみが生じてこぶ状になります。脳動脈瘤が形成される原因はさまざまですが、遺伝や喫煙、過度な飲酒、高血圧症などが関係していると考えられています。
脳動脈瘤は小さなうちは無症状で、治療しなくても問題を起こさないと考えられています。大きくなると神経に悪影響を及ぼして「目が開けづらい」「物が二重に見える」「ふらつく」などの症状が現れることがあります。
脳動脈瘤は5mmを超える場合は破裂する可能性があるので治療が必要です。こぶの形やこぶができた血管の場所などを考慮して総合的に治療をするかどうかが判断されます。また、大きくなくて治療しなくてもよい、と判断された場合は、その後定期的に
脳動脈瘤の治療は手術(クリッピング)もしくは
脳動脈瘤のさらに詳しい情報は「脳動脈瘤の基礎情報ページ」で、手術やカテーテル治療については「くも膜下出血の治療」で説明しているので参考にしてください。
参考文献
・Subarachnoid haemorrhage: diagnosis, causes and management. Brain. 2001 Feb;124(Pt 2):249-78.
脳動静脈奇形
脳動静脈奇形は脳の動脈と静脈が
正常な血管に比べるともろいので、破裂しやすい特徴があり、破裂すると脳出血やくも膜下出血が起こります。
脳動静脈奇形は、破裂しなければ多くの人は無症状です。一方で、脳動静脈奇形が大きくなった人にはけいれんや頭痛が現れることもあります。
脳動静脈奇形のさらに詳しい情報は「脳動静脈奇形の基礎情報ページ」で説明しているので参考にしてください。
頭部外傷
頭を強くぶつけて脳の血管がダメージを受けると、頭の中で出血することがあり、出血が脳を覆う
頭部外傷が原因でくも膜下出血を起こした場合、多くは脳挫傷(脳に傷や出血がある状態)も同時に起きています。症状は脳挫傷の程度によって異なります。軽い症状ですむ人もいれば身体の
治療法は状態に合わせて選ばれます。脳の
詳しい情報は「外傷性くも膜下出血の基礎情報ページ」で説明しているので参考にしてください。