のうざしょう
脳挫傷
頭部への強い衝撃により、脳に損傷や出血が発生している状態
10人の医師がチェック 66回の改訂 最終更新: 2018.02.21

脳挫傷の基礎知識

POINT 脳挫傷とは

頭部への強い衝撃によって、脳に損傷や小さな出血が起きている状態を指します。交通事故などで起こることが多いです。実際に脳の構造が一部破壊されているという点で、脳しんとうよりも深刻な状態です。症状は脳挫傷の程度によって大きく異なります。軽い脳挫傷であればほとんど症状が見られないこともありますし、重症の場合には意識消失したり嘔吐や痙攣などが見られ、後遺症を残すケースもあります。診断は主に頭部CT検査で行います。軽症であれば、治療は入院して点滴などをしつつ様子を見ることも多いですが、重症の場合には開頭手術が必要になる場合もあります。脳挫傷が心配な方や治療したい方は救急科や脳神経外科を受診してください。

脳挫傷について

  • 頭部への強い衝撃により、脳に損傷やわずかな出血が発生している状態
    • 頭部を強く打った際に、脳組織が破壊されてしまうことが原因
    • 脳の前側や横(前頭葉、側頭葉)に発生しやすい
    • 衝撃を受けた部位の直下にある脳損傷を直撃損傷(coup injury)と呼ぶが、衝撃を受けた部位と正反対側の脳も頭蓋骨に強く当たることで対側損傷(contre-coup injury)という脳挫傷ができやすい
  • 脳しんとうよりも状態は重い
    • 一度ダメージを受けた脳細胞は再生しない
    • 脳へのダメージが小さければ、ほとんど症状が見られないことも多い
  • 外傷性くも膜下出血合併することも多い

脳挫傷の症状

  • 脳挫傷があっても、程度が軽ければ症状はほとんど出現しないこともある
  • 主な症状
    • 嘔吐
    • 頭痛
  • 脳挫傷の局所の症状
    • 半身の麻痺
    • 感覚障害
    • 言語障害(言葉が出てこない、ろれつが回らない)
    • けいれん発作
    • 意識障害
  • 大量の出血や脳浮腫による症状
    • 脳が圧迫され、脳ヘルニアの状態に進行し、死に至ることがある
  • 脳挫傷の部位と範囲によっては、深刻な後遺症が残る場合もある

脳挫傷の検査・診断

脳挫傷の治療法

  • 脳挫傷そのものに対する根本的な治療はない
    • 出血や脳浮腫などに対する対症療法(手術や薬物療法)が中心となる
    • その後、リハビリテーションで徐々に脳機能の回復を目指す
      ・破壊された脳実質そのものは再生しないが、残っている脳で失われた機能を代用する
  • 血腫が小さい、もしくは脳浮腫が軽度の場合
    • 出血が引くのを待つため、治療を行わずに様子を見る
    • 薬物療法
      ・脳圧降下薬(グリセオールやマンニトール)の点滴注射
      ・血腫に対する漢方薬での対症療法
  • 出血がひどく血腫が大きい場合、もしくは脳浮腫が強い場合は手術を検討することがある
    • 手術:頭蓋骨の一部を切り取ることで、内部の圧力が高まり過ぎないようにする
  • 低体温療法
    • 効果と副作用のどちらが大きいかの判断が難しく、常に行われるような治療ではない

脳挫傷の経過と病院探しのポイント

脳挫傷が心配な方

脳挫傷は手足の動かしづらさや意識障害など様々な症状の原因となります。頭を強く打ち付けてから何らかの異常がある方は、まずは脳神経外科(脳外科)のある病院を受診されることをお勧めします。脳神経外科、脳外科が専門の診療科です。手術については、専門医、もしくはそれに準ずる経験のある医師が行うことが多いでしょう。

脳挫傷の診断はCTで行います。国内の総合病院であればほとんどのところにCTの設備がありますので、診断のために特別な病院を選択しなければならない、ということはありません。

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脳挫傷でお困りの方

脳挫傷は脳細胞が死んでしまった状態を指す言葉であり、現在の医療では脳細胞を再生させるなどの根本的な治療を行うことができません。脳挫傷の周囲に生じた出血に対応したり、骨折の治療をすることはできますが、脳挫傷そのものについては、失われた部分を周囲の脳の機能で補うためのリハビリテーションが中心となってしまいます。

出血に対する治療としては、頭蓋骨に穴を空けたり、頭蓋骨の一部を切り外したりして、内部に溜まった血液を洗い流す手術(穿頭、または開頭血腫除去術)を行います。溜まった血液をしっかりと取り除くことができれば、出血(血腫)が原因である一部の症状は改善します。ただし、ある程度以上の量の出血があるような場合でないと、この手術を行っても症状の改善は期待できません。
脳挫傷が大きなものであった場合は、手足や顔面の機能に残念ながら後遺症が残ってしまうことがあります。この場合、脳の機能回復を目指してリハビリテーションが必要となります。急性期病院から回復期病院(リハビリ病院、療養型病院)に転院して、リハビリに専念することが多いです。

急性期病院にも一般的にリハビリの施設はついていますが、回復期病院の方がリハビリに専念しやすい環境が整っています。一緒にリハビリを行うことになるのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったスタッフです。患者さん一人あたりのスタッフ数や、リハビリ設備(リハビリ室や器具)の充実度といったところが病院を選ぶ上で参考になります。リハビリの回数が1日1回なのか、それとも午前と午後で2回あるのか、1日に受けられるリハビリの総時間、土日はどうかといった点は、回復期の病院を探す上でのポイントとなります。

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