◆ラットによる実験段階
センサーはシリコン製で大きさは米粒より小さく、頭の中に設置し、脳内温や脳圧を測定して外部に知らせ、役目を終えると身体に吸収される素材で作られています。現在、ラットによる実験段階です。
「この装置は流体の流れ、動き、pH、熱特性も測定可能で、脳の深部だけでなく腹部や四肢にも対応していて臨床医学の多くのニーズを満たす可能性がある。」と研究者達は報告しています。
◆実現までにはハードル
研究では、2種類の方法が試されました。ひとつは、完全に身体に吸収される素材でできた装置を体内に設置し、皮膚を貫くワイヤを通し、体外でデータを取得する方法です。もうひとつの方法では装置を体内に移植し、ワイヤレスでデータ通信を行ないます。ただし、ワイヤレスの装置は一部だけが吸収素材です。
動物実験の段階でも安全・有効であることを示すまでに多くのハードルがありますが、もし実現すれば、重篤な脳損傷の患者さんの診断・治療効果の判定や治療方針の決定、治療後の経過の予測に役立ちますし、さらに脳以外の臓器への応用や、薬剤を患部に送り込むなどといった治療への応用も考えられ、夢が広がります。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。