28,290件の論文を調査
1980年~2014年のPubmed、Embase、Scopusから28,290件の論文を調査し、心房細動と診断された脳卒中(脳梗塞及び一過性脳虚血発作)患者を洗い出しました。
その上で、心臓モニタリングのプロセスを、以下のように一続きとなった4つの段階に分類しました。
- 段階1:救急治療室において、来院時に心電図を使用して評価
- 段階2:病院内において、常時モニタリングする
- 段階3:退院後外来時において、ホルター心電図を使用して評価
- 段階4:自宅にて、簡易心電図を使用して遠隔測定評価
この4つのそれぞれの段階において、心房細動が新たに検出できているかを調査しました。
脳梗塞患者の1/4は心房細動と診断
調査の結果、脳梗塞患者11,658例のうち、脳梗塞後に心房細動と診断された割合は段階1において7.7%、段階2は5.1%、段階3は10.7%、段階4では16.9%でした。この一連の心臓機能のモニタリングによる心房細動の検出率は23.7%(95%信頼区間は17.2%~31.0%)でした。
研究グループは「この一連の方法によって、脳梗塞または一過性脳虚血発作患者の4分の1で心房細動を新たに発見できる可能性がある。早期に発見できることによって適切な治療を行うことができ、脳梗塞の再発を減らすことができるかもしれない」と述べています。
現在、心房細動が原因の脳梗塞患者に対しては、経口抗凝固薬を使用することによって脳梗塞の再発のリスクを2/3に引き下げることができると言われています。今回の評価方法は早期に心房細動を見つけることができる有効な評価方法をとして1つの選択肢となるかもしれません。
執筆者
Diagnosis of atrial fibrillation after stroke and transient ischaemic attack: a systematic review and meta-analysis.
Lancet Neurol. 2015 Apr;14
[PMID: 25748102]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。