こうとうがん
喉頭がん
のどの奥の、のどぼとけのあたりの位置(喉頭)にできるがん
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最終更新: 2024.10.24
喉頭がんの基礎知識
POINT 喉頭がんとは
喉頭はのど仏(甲状軟骨)の内部にある構造で、声を出す機能を持ちます。喉頭がんは、声帯にできる声門がん、声帯より上方の声門上がん、声帯より下方の声門下がんに分類されます。原因の90%は喫煙です。がんの部位で症状が異なりますが、のどの違和感や、痛み、声がれ、血の混じった痰などです。進行すると呼吸が苦しくなります。診断は鼻から細いカメラ(ファイバースコープ)を入れて腫瘍を観察し、腫瘍を一部切り取って、がんであることを確かめます。がんの広がりや転移を調べるために、CT検査、MRI検査、超音波検査、PET-CT検査などを行います。合併したがんを調べるために上部消化管内視鏡(胃カメラ)を行うことがあります。治療は手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)を組み合わせて行いますが、治療後は声がれが残ることが多いです。進行したがんの手術では、声帯を取り出す必要があります。手術後は自分の声が出なくなりますが、機械などを用いて、会話が可能となることが多いです。
喉頭がんについて
- のどの奥の、のどぼとけのあたりの位置(喉頭)にできる
がん - 主な原因
- 喫煙(喉頭がんの90%が喫煙者にできる)
- 飲酒
- 職業に関連してアスベストなど有害な物質に長期間触れること
- 胃食道逆流
- 高齢の男性に多い(女性の10倍)
- 50-80歳代までに急激に増える
- 1年間で新たに喉頭がんと診断された患者数は5,111人(2019年)
- がんの発生部位によって分類が分かれる
- 声門がん: 声帯のある場所にできるがん
- 喉頭がんの中で、最も頻度が高い
- 嗄声(声がれ)などの
症状 が出やすい
- 声門上がん:声帯より上にできるがん
- 喉の違和感や、飲み込む時にしみる感じといった症状が出やすい
- 声門下がん:声帯より下にできるがん
- 喉頭がんの中で、最も少ないがん
- がんが大きくなるまで、無症状のことが多く、発見が遅れることがある
- 声門がん: 声帯のある場所にできるがん
喉頭がんの症状
がん の発生部位によって症状 が変わる- 声門がん
- 嗄声(させい):声のかすれ、低いガラガラした声や、息が漏れるような声
- のどの違和感
- 進行すると息苦しさ、呼吸困難がでてくる
- 咳や、血液が混じった痰が出る
- 声門上がん
- のどの違和感、イガイガする感じ
- 飲み込むときに痛みがある
- 嗄声
- 首のしこり:首の
リンパ節 への転移 を、しこりとして触れる
- 声門下がん
- がんが進行するまで、無症状のことが多く、発見が遅れることがある
- のどの違和感
- 嗄声
- 首のしこり:首のリンパ節への転移を、しこりとして触れる
喉頭がんの検査・診断
喉頭がんの治療法
がん のできた場所と、進行の度合い、喉頭温存の希望に応じて治療を選択する- 喉頭温存:声を出す機能を残すこと
- 喉頭がんを治す目的で行う治療は、
放射線治療 もしくは手術治療- 進行の程度で、放射線治療と同時に
化学療法 を行う(化学放射線治療) - 声門下がんは放射線治療が効きにくく、手術を行うことが多い
- 進行の程度で、放射線治療と同時に
- 早期がんでは、喉頭温存手術や放射線治療(化学放射線治療)を行う
- 進行がんでは、喉頭温存の希望がある場合は、化学放射線治療を行う
- 喉頭温存を希望した場合でも、がんの進行度や広がりによっては、手術を行う
- 喉頭の手術とともに、首の
リンパ節 の手術も行う(頸部郭清術:けいぶかくせいじゅつ)
- がんが残存、再発した場合は手術が行われる
喉頭がんのタグ
喉頭がんに関わるからだの部位
