未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の基礎知識
POINT 未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)とは
脳の動脈にこぶができる病気を脳動脈瘤といいます。脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血が起きます。脳動脈瘤は小さいと無症状ですが、大きくなると神経に悪影響を及ぼして「目が開けづらい」「物が二重に見える」「ふらつき」などの症状が現れることがあります。遺伝や喫煙、過度な飲酒、高血圧などが発病に関係していると考えられています。脳動脈瘤の大きさが5mmを超える場合は、破裂する可能性を見過ごせないので治療の必要性が増しますが、小さな場合は経過観察を選ぶこともできます。治療の必要性は、大きさに加えて、形やこぶができた血管の場所などを考慮して総合的に判断されます。脳動脈瘤の治療の目的は、脳動脈瘤の破裂を予防することであり、手術(クリッピング)もしくはカテーテル治療(コイリング)があります。脳動脈瘤の症状に当てはまったり、脳ドックで指摘を受けた人は、脳神経外科を受診してください。
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)について
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の症状
- 無
症状 であることが多い - 人間ドックや頭痛、めまいの原因を調べるために行った
頭部MRI 検査で、たまたま脳動脈瘤が見つかる - まれに動脈瘤が神経に触れることで以下の症状を引き起こす場合がある
- 目を開きづらくなる
- 視野が狭くなる
- 物が二重に見える
- ふらつく
- 食物の飲み込みがうまくいかなくなる
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の検査・診断
- 画像検査:脳動脈瘤の位置や大きさなどを調べる
頭部MRI 検査頭部血管造影検査 :造影 剤を用いて、動脈瘤や血管の形を詳しく調べるカテーテル検査 とCT 検査を使った方法がある
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の治療法
- 未破裂動脈瘤が見つかっても、破裂予防の治療が必要とは限らない
- 治療の必要性は、破裂のリスクや手術により起こる
合併症 のリスクから総合的に判断する - 年間破裂率は0.1%から20%程度までかなり幅があるので、どの程度の破裂リスクがあるのかを見極めることが重要である
- 次のものが治療の必要性を判断する上で重要な要素である
経過観察 する人(手術や血管内治療 を受けいない人)は次のように過ごすのが望ましい- 喫煙や大量の飲酒を避け、必要に応じて高血圧の治療をする
- 可能であれば半年から1年ごとに画像検査を行い脳動脈瘤の状態を確認する
- 増大傾向であれば治療を再検討する
- 主な治療法には、いわゆる頭をあける手術と
カテーテル治療 の2種類がある - 手術とカテーテル治療のどちらが優れているかの結論は出ておらず、十分な経験をもつ医師から
インフォームドコンセント を受けた上で治療法を選択することが望ましい(経過観察を選ぶ場合も同様) - 手術(脳動脈瘤クリッピング術)
- カテーテル治療(コイル
塞栓 術・フローダイバーター)
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の経過と病院探しのポイント
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)が心配な方
特に症状はないものの脳動脈瘤について心配があり、調べてみたい人は人間ドックや脳ドックなどを利用してみると良いです。一方で、視野の異常やめまいの症状がある人は、内科や脳神経内科、脳神経外科で相談してみるのをお勧めします。未破裂脳動脈瘤は視野の異常やめまいといった症状の原因になり得ますが、他の病気が原因となっている可能性も十分にあるからです。症状がある人はまず総合的に症状を診てもらうことをお勧めします。
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)でお困りの方
■診療科
脳動脈瘤を指摘された人は脳神経外科を受診してください。内科や脳神経内科でも診てもらえることはありますが、治療については脳神経外科が担当するので、最初から治療を見据えた対応が望ましいです。
■医療機関・医師
十分な経験を有する医師に治療を相談することが望ましいので、ウェブサイトで医療機関の症例数を調べると役立つかもしれません。あるいは脳動脈瘤を指摘された医療機関で評判のいい施設などを聞いてみるのも良いかもしれません。脳動脈瘤の治療は治療の選択が重要な事項になります。難しい意思決定をするには、複数の医師の話を聞くことが役に立つので、セカンドオピニオンを積極的に活用することもお勧めします。
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)のタグ
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)に関わるからだの部位



