みはれつのうどうみゃくりゅう(のうどうみゃくりゅう)
未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)
脳の動脈にできたこぶ(異常な膨らみ)のこと。動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血になる
11人の医師がチェック 205回の改訂 最終更新: 2023.02.27

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の基礎知識

POINT 未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)とは

脳の動脈にこぶができる病気を脳動脈瘤といいます。脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血が起きます。小さな脳動脈瘤は無症状ですが、一方で大きくなると神経に悪影響を及ぼして「目が開けづらい」「物が二重に見える」「ふらつき」などの症状が現れることがあります。また、遺伝や喫煙、過度な飲酒、高血圧などが発病に関係していると考えられています。脳動脈瘤は5mmを超える場合は破裂する可能性があるので治療が必要ですが、小さな場合は治療はしなくても問題を起こさないと考えられています。形やこぶができた血管の場所などを考慮して総合的に治療をするかどうかが判断されます。 脳動脈瘤の治療は手術(クリッピング)もしくはカテーテル治療(コイリング)があり、破裂を予防する効果があります。脳動脈瘤の症状に当てはまり詳しく調べて欲しい人は脳神経外科や神経内科を受診して調べてもらってください。

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)について

  • 脳の動脈にできたこぶ(異常な膨らみ)のこと
  • 原因は明らかではないが、遺伝や高血圧と関係性があると考えられている
  • 脳動脈瘤の血管の壁が破れると(破裂をしてしまうと)、くも膜下出血を起こす
    • 動脈瘤が大きければ大きいほど破れやすい
    • 形がいびつだと破れやすい
    • 動脈瘤ができる血管の場所によっても、破れやすさが異なる
    • 5mm未満のサイズの動脈瘤が出血を起こす危険性は、1年間で0.5%程度
  • 頻度
    • 実は動脈瘤がある人は多く、小さいものも含めれば、成人の2-6%程度の人に見つかると考えられている

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の症状

  • 基本的に、症状はない
  • 人間ドックや頭痛、めまいの原因を調べるために行った頭部MRI検査で、たまたま脳動脈瘤が見つかる場合がある
  • まれに動脈瘤が神経に当たることで以下の症状を引き起こす場合がある
    • 目が開きづらくなる
    • 視野が狭くなる
    • 物が二重に見える
    • ふらつく
    • 食物の飲み込みがうまくいかなくなる

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の検査・診断

  • 画像検査:脳動脈瘤の位置や大きさなどを調べる
    • 頭部MRI検査
    • 頭部血管造影検査造影剤を用いて、動脈瘤や血管の形を詳しく調べる

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)の治療法

  • 未破裂動脈瘤が見つかっても、予防の治療が必要とは限らない
  • くも膜下出血が起きるリスクや手術により起こる合併症のリスクから総合的に判断して治療をするかどうかを決める
    • 脳動脈瘤の状態
    • 大きさ(5mmを超えるものでは治療を検討する)
    • 位置(破裂しやすい位置だと治療を行う)
    • 形(ぼこぼこしていたり、くびれていると破裂しやすい)
    • 患者の全身状態
    • 年齢
    • 他の病気の有無や状態
    • 精神状態(未破裂脳動脈瘤が頭の中にあるということで、抑うつ気分に悩まされる場合など)
  • 手術や血管内治療を受けいない人は喫煙や大量の飲酒を避け、高血圧の治療をする
  • 主な治療法は、いわゆる頭をあける手術である「脳動脈瘤クリッピング術」とカテーテル治療である「コイル塞栓術」の2種類がある
  • 脳動脈瘤クリッピング術
    • 頭蓋骨に穴を開けて脳動脈瘤を見える状態にして、その根元をクリップと呼ばれる金属で挟む
    • 動脈瘤への血流をなくすことで脳動脈瘤が破裂しなくなる
  • コイル塞栓術
    • 太ももの付け根の血管からカテーテルという細い管を動脈瘤まで進めて、動脈瘤の中を細く柔らかいコイルで満たし動脈瘤の中身を詰める
    • 動脈瘤への血流をなくすことで脳動脈瘤が破裂しなくなる

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)のタグ

未破裂脳動脈瘤(脳動脈瘤)に関わるからだの部位