めまい・耳鳴り
最終更新: 2018.03.19

めまいは何科を受診すればよいのか:医療機関や専門医の探し方、受診のコツ

めまいで病院に行きたいときの診療科の選び方や、診察を受けるときに知っておくと役に立つことを説明します。

1. めまいを診てもらいときには何科を受診すればいいのか

めまいを担当する主な診療科は、耳鼻咽喉科や脳神経外科、精神科、心療内科です。この中から、自分が何科に行けばいいか分からないという人も少なくないと思います。そこで、ここでは受診科の選び方のヒントについて説明します。

回転性めまいを診ている診療科:目の前がぐるぐる回るめまい

めまいは医学用語で言うと「回転性めまい」と「浮動性めまい」に分けられます。

回転性めまいは、目の前がグルグルと回るようなめまいです。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。回転性めまいの原因としては、耳の異常であるメニエール病良性発作性頭位めまい症BPPV)、前庭神経炎が多いです。これらの病気を専門的に診ている診療科は耳鼻咽喉科です。
 

浮動性めまいを診ている診療科:ふわふわするめまい

回転性めまいのほかにも、ふわふわ、くらくらとする「浮動性めまい」も「めまい」と呼ばれます。また、前失神や失神と呼ばれる状態を「めまい」と表現する人もいます。前失神は失神の一歩手前の状態で、「立ちくらみ」のように気が遠くなりそうな感じのことです。ほんの一瞬気を失ってしまっていても「めまい」と感じることがあります。

前失神/失神や浮動性めまいの原因は、迷走神経反射や状況失神、起立性低血圧などが多いですが、ほかにもいろいろな病気が考えられます。主なものについては幅広く病気を診ている一般内科が適しています。

また、浮動性めまいは心臓の病気が原因で現れることもあります。動悸や胸の痛み、脈が飛ぶような感じがあれば心臓の病気が考えられるので、循環器内科が診療に向いています。

また、ろれつが回らない、手足や顔が動かしづらい、身体の感覚がないなどの症状が出ている場合は脳出血脳梗塞の可能性もあり、一刻も早い検査と治療が必要とされます。脳神経外科や、神経内、救急科に相談してください。

ほかに精神科や心療内科が専門にしている病気でもめまいが起こるので、最初に行った病院・クリニックから精神科や心療内科に紹介されることがあります。

めまい外来

数が限られているのですが、「めまい外来」が設けている病院もあります。耳鼻咽喉科の中でもめまいを専門としている医師が外来を担当していることが多いです。耳鼻咽喉科や脳神経外科で調べてもらっても原因が分からなかった人や、末梢性めまいと言われて薬を出されたけれどもなかなか治らない人は、最初に行った病院からめまい外来を紹介してもらう方法もあります。

2. めまいの診察を受けるときに知っておくとよいこと:受診のコツ

めまいで病院やクリニックに行くと問診でよく聞かれることを説明します。あらかじめ答えを用意しておくと、診察がスムーズになります。

どんなめまいか

回転性めまいと浮動性めまいの区別を聞こうとしている質問です。「めまいはめまいです」と答えると医師は迷ってしまうので、「気が遠くなる感じ」「グルグル回る感じ」「ふわふわする感じ」など、ほかの言葉で補って伝えてください。

ほかの症状はあるのか

めまいにともないやすい症状として、吐き気や、嘔吐、難聴、耳鳴り、ふらつき、頭痛、手足の動かしづらさ、複視(ものが二重に見えること)などがあります。当てはまるものがあれば、あるいはこれ以外の症状があれば伝えてください。

めまいはどれぐらい続いているか

めまいの持続時間も原因を見分けるヒントになります。数秒なのか数時間なのか、何日も続いているのかを思い出してください。何時何分から何時何分までとはっきりわからなくても、「朝起きたときに気が付いて、今までずっと続いています」という程度にわかれば十分役に立ちます。

めまいのきっかけはあったか

どんな状況でめまいに気付いたかを伝えてください。たとえば、頭を動かしたとき、立ち上がったときにめまいが始まる病気があります。めまいが始まったときに何をしていたのか、あるいはいつのまにかめまいが始まっていてずっと続いているのか、思い出して答えてください。

薬を飲んでいますか

薬が原因でめまいが起こることもあります。飲んでいる薬があれば、病院で処方された薬でも、薬局・ドラッグストアなどで買った薬でもすべて伝えてください。ビタミン剤やサプリメント、健康食品なども飲んだり食べたりしていれば伝えてください。