めまい・耳鳴り

めまいや耳鳴りに悩んでいる人のためのガイドです。どちらも長年苦しんでいる人が多く、2つの関連性も強い症状です。めまいや耳鳴りは不快なだけでなく、怖い病気が隠れていることもあります。是非このガイドを通じて、自分に合った治療法や対処法を見つけてください。

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最終更新: 2016.08.23

メニエール病の原因、症状から薬と治療までを解説

メニエール病内耳にリンパ液がたまり、激しいめまいを繰り返す病気。難聴の症状が伴うこともあるはストレスや疲労をきっかけに、激しいめまいに加えて、難聴音の刺激が外耳から入り、その情報が神経を伝わって脳へ行くその途中のどこかに障害があり、聴力が低下している状態や耳鳴りを起こします。治療は難しく、長引くことがあります。メニエール病の原因や症状、治療、薬の副作用などについて説明します。

 

 

1. メニエール病の原因は?

メニエール病の原因は内リンパ水腫という状態です。
 

内リンパ水腫とは?

 

内リンパ水腫(ないリンパすいしゅ)とは、内耳聴力と平衡感覚を担う耳の奥の部位で、蝸牛、前庭、半規管の3つからなるにあるリンパ液が増えすぎることです。

内耳には前庭耳の奥にある内耳の一部で、平衡感覚をつかさどる器官三半規管耳の奥にある内耳と呼ばれる構造の一部。体のすべての方向の動きを三次元的にとらえるための器官・蝸牛という部分が含まれます。これらの内部にはリンパ液が満たされていて、正常な機能のために役立っています。しかし、リンパ液が増えすぎると異常な症状が現れます。

 

メニエール病でめまい・耳鳴りが出る原因は?

メニエール病の症状が出る原因は、内耳の細胞に正しい刺激が伝わらなくなることです。

内耳のリンパ液は内耳の機能に関わっています。内耳にはふたつの役割があります。

  • 頭の傾きや平衡を感じる(前庭の機能)
  • 音を感じる(蝸牛の機能)

内耳の中にはリンパ液が満たされています。リンパ液が流れたり音で振動したりすることによって、内耳の細胞が刺激されます。リンパ液の流れによって内耳の細胞は傾きや音を感じます。

ところが内リンパ水腫ではリンパ液が正常に流れなくなります。すると、内耳の細胞は傾きや音を間違って認識してしまいます。このためメニエール病の症状が現れます。

  • グルグル回転するようなめまい(回転性めまい)
    • 内耳が体の傾きを間違って認識することで起こります。
  • 耳鳴り
    • 鳴っていないはずの音を内耳が間違って認識することで耳鳴りが聞こえます。
  • 難聴
    • 内耳が音を認識できなくなることで難聴になります。

 

内リンパ水腫はなぜ起きる?

内リンパ水腫は以下のようなきっかけで起こります。

  • ストレス
  • 疲労
  • 睡眠不足

内リンパ水腫が起きる仕組みとして以下の説があります。

  • 血流不足
  • ウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効であるの感染
  • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患の異常

しかし、どの説もまだ確実とは言えません。症状が突然の発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いとして現れる原因も確かにはわかっていません。

 

メニエール病になりやすい人は?

メニエール病は大人に多い病気です。若い人にも高齢者にも起こります。子供のメニエール病は少数ですが、ありえます。

男性にも女性にも起こります。女性のほうがやや多いとする統計があります。別の統計では、30代で発症症状や病気が発生する、または発生し始めることする場合が最も多いとされています。

 

参照文献:Am J Otolaryngol. 2015 May-Jun.Otolaryngol Clin North Am. 2002 Jun.

 

2. めまいと耳鳴りの原因はメニエール病か?

めまい、難聴、耳鳴りの原因として以下の病気が考えられます。

  • メニエール病
    • めまいの発作を繰り返します。
  • 突発性難聴原因不明に突然片方の耳が聞こえなくなる病気。約2/3の人は回復するが、1/3の人は耳が聴こえないままになってしまう
    • 症状はメニエール病と似ています。繰り返す発作はありません。ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているなどで治療できます。
  • 自律神経失調症自律神経のバランスが崩れた際に起こる症状の総称。めまいや耳鳴り、頭痛など様々な症状が出現する
    • 全身に多様な症状があります。肩こり、頭痛、動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる、生理不順、だるさなどを伴うこともあります。
  • ラムゼイ・ハント症候群水痘帯状疱疹ウイルス感染によって、顔面神経麻痺に加えて耳周囲の水ぶくれや難聴、めまいを引き起こす病気耳性帯状疱疹水痘帯状疱疹ウイルス感染によって、顔面神経麻痺に加えて耳周囲の水ぶくれや難聴、めまいを引き起こす病気
    • 顔から耳の痛み・水ぶくれが特徴です。顔の左右片側をうまく動かせなくなる症状(顔面神経麻痺病気やけがなどによって顔面神経に障害が生じ、表情筋を動かせなくなった状態 )が出ることもあります。後遺症を残しやすく、早期治療が大切です。
  • 脳腫瘍脳腫瘍とは、頭蓋骨の内側にできた腫瘍の総称。良性のものや悪性のものなど、色々なタイプがある
    • 症状はゆっくり進行します。治療法に手術などがあります。
  • 脳梗塞脳の血管の一部が詰まり、血流が足りなくなった脳細胞が壊死すること。運動・感覚の麻痺などを起こし、後遺症による寝たきりや死亡にもつながる
    • 体を動かしにくい、感覚がおかしいなどの症状をともないます。緊急で治療が必要です。脳の血管に詰まった血栓血管や心臓の中にできた、血のかたまりのこと。血流が悪くなることが原因で、生じることが多いを除くなどの治療ができる場合があります。

すべて男性にも女性にも起こる病気です。

めまいだけがある場合には以下の原因も考えられます。

  • 起立性低血圧座っていたり寝ている状態から立ち上がった時に、血圧が急に下がりめまいや失神を起こす状態。糖尿病や脱水などが原因となる
    • いわゆる「立ちくらみ」です。グルグル回転する感じではなく、ふらついて倒れそうになる「めまい」があります。
  • 自律神経失調症
  • 良性発作性頭位めまい症頭の位置や傾きが変わることをきっかけに、ぐるぐるとした数十秒間のめまいが生じる病気BPPV頭の位置や傾きが変わることをきっかけに、ぐるぐるとした数十秒間のめまいが生じる病気
    • 三半規管の中に入っている耳石耳の奥の内耳にあり、体の垂直方向や水平方向の傾きを感知することに関わっている構造物(じせき)というものが原因で起こるめまいです。頭を特定の向きにしたときや、頭を動かそうとしたときにグルグル回転する感じがします。頭を動かす治療法があります。
  • 月経前症候群生理の前の数日間、精神・身体的症状が見られ、生理が始まるとともに症状が軽くなったり、消えたりする周期的な症候群PMS生理の前の数日間、精神・身体的症状が見られ、生理が始まるとともに症状が軽くなったり、消えたりする周期的な症候群
    • 生理前の時期にめまいやだるさなどの症状が現れます。
  • 貧血血液中で酸素を運ぶヘモグロビンが不足すること。酸欠によりふらつき、疲れやすさ、動悸を起こす。原因は出血、鉄やビタミンの不足、白血病、自己免疫など
    • 立ちくらみのようにふらつく感じがします。グルグル回転する感じはありません。
  • 緊張型頭痛過度の緊張やストレスなど関連していると考えられている頭痛
    • 肩こりが原因の頭痛です。ふわふわする感じのめまい(浮動性めまい)を伴うことがあります。
  • 心房細動高齢者では最も多く見られる不整脈である。血流が滞ることで心臓内に血栓を作ることがあり、脳梗塞などの原因となるなどの心臓病
    • 心臓の病気で脳に血流が足りなくなるとふらつきが現れます。グルグル回転する感じはありません。
  • ラムゼイ・ハント症候群(耳性帯状疱疹)
  • 脳梗塞
  • 脱水

月経前症候群以外は、男性にも女性にもありえます。

突然始まる難聴または耳鳴りの原因としては以下が考えられます。

  • 急性中耳炎耳の奥の中耳という場所に細菌が感染し炎症を起こす病気。特に子どもに起こることが多い
    • 発熱や耳だれ(細菌などに感染すると、免疫を担当する細胞(白血球)が細菌と戦うが、その結果として死んだ細胞や細菌が集まったものが膿である)が出ることがあります。
  • 鼓膜損傷鼓膜が傷ついた状態。耳に異物が入って起こることもあれば、気圧や水圧の変化で鼓膜に圧力がかかり損傷することもある
    • 耳かき、耳をぶつけたなどで鼓膜が傷付きます。
  • 外耳道異物外耳道(耳の穴)に異物が入った状態
    • 耳に物が詰まっています。耳垢が詰まっていることもあります。
  • 外耳道炎外耳道(耳の穴)に炎症が起きた状態の総称。多くの場合、細菌感染が原因となる
    • 耳だれやかゆみが出ることがあります。
  • 外耳道損傷外耳道(耳の鼓膜より外側の部分)に傷が生じた状態
    • 耳に傷がついています。
  • 外リンパ瘻中耳と内耳の間にある内耳窓に、何らかの原因により小さな穴が空いてめまいが生じる病気
    • 鼻をかむなどで内耳に穴が開きます。
  • 流行性耳下腺炎唾液をつくる耳下腺(耳の前〜下)、顎下腺(あごの下)が腫れて痛み、熱がでる感染症。特に小児に多い
    • 耳の下が腫れる「おたふくかぜ唾液をつくる耳下腺(耳の前〜下)、顎下腺(あごの下)が腫れて痛み、熱がでる感染症。特に小児に多い」のあとで聞こえにくくなります。
  • ラムゼイ・ハント症候群
  • 薬剤性薬が原因となって病気が引き起こされたり症状が現れたりすること難聴
    • 薬を飲んだり注射したあとで聞こえにくくなります。
  • 髄膜炎脳と脊髄を包んでいる髄膜が、炎症を起こしている状態。場合によっては神経の重い後遺症が残ったり死に至ったりすることもある
    • 頭痛、嘔吐、首が曲がらないなどの症状があります。
  • 脳梗塞

いずれも男性にも女性にも起こりえる事態です。

 

3. メニエール病の症状

メニエール病の主な症状を挙げます。

  • 激しいめまい
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 耳が詰まった感じ(耳閉感)

メニエール病の特徴は、以上の症状を何回も繰り返すことです。仕事や家庭環境でストレスが多いとき、疲れがたまっているときに発作の回数が増えます。

 

メニエール病のめまいの特徴

メニエール病で起こるめまいには以下の特徴があります。

  • 突然始まる
  • 10分から数時間で治まる
  • 目の前がぐるぐると回るような感じ(回転性めまい)

めまいが起こると、立つときや歩くときにふらつく人も多いです。

 

メニエール病で起こる難聴、耳鳴り、耳が詰まった感じ(耳閉感)

耳の症状は、メニエール病では左右片側の耳に起こります。耳の症状はめまいの発作に伴ってあらわれます。普通はめまいと一緒に耳鳴りなども治まっていきます。

しかし、難聴や耳鳴りは、めまいの発作が収まった後も数ヶ月や数年にわたって残ることがあります。

メニエール病による難聴では低音が聴こえにくくなります。耳鳴りはザー、ゴーといった低音のものが多いです。

耳が詰まった感じは、耳に水が入ったように感じられることもあります。耳閉感(じへいかん)と呼ばれています。

 

メニエール病による吐き気、嘔吐

ほかの症状としては、めまいと同時にあらわれる吐き気や嘔吐もあります。吐き気はめまいの症状とともに治まっていきます。

 

めまいがないメニエール病とは?

メニエール病の典型的な症状のうち、一部だけが現れる場合があります。

前庭症状(めまい)がない場合を蝸牛型メニエール病とも呼びます。蝸牛症状(難聴)がない場合を前庭型メニエール病と呼ぶこともあります。

 

4. メニエール病の治療薬:イソソルビド製剤

イソソルビド製剤は、内耳にたまりすぎている水分を移動させて尿にする作用があります。めまい・耳鳴りの改善が期待できます。

イソバイド®は代表的なイソソルビド製剤です。液体の飲み薬(シロップ剤)となっています。

 

イソバイドシロップ70%の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

イソバイドがまずいと思ったら?

 

イソソルビド製剤はまずいと言われます。確かにお世辞にも美味しいとは言えません。甘味と酸味の後に苦味があらわれます。

飲みやすくするには、冷たい水で2倍くらいに薄めて飲むと多少は味が紛れるかもしれません。薄めすぎないようにしてください。薄めすぎると薬の吸収が低下する可能性もあります。

薄めても味が気になるときは、柑橘系の果汁などを少し加えるとよいでしょう。たとえばレモン汁はお勧めできます。ただし、何でも混ぜるのはやめてください。牛乳などの乳製品とイソソルビド製剤を一緒に飲むと吸収が低下する可能性もあります。

 

イソバイド以外のイソソルビド製剤はある?

メニレット®ゼリーは、ゼリー状になったイソソルビド製剤です。イソバイド®などシロップの薬を飲みにくいと感じた人は、ゼリーに変えられるか医師や薬剤師に相談してみるのもいいでしょう。

 

メニレット70%ゼリー20gの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

5. メニエール病の治療薬:ベタヒスチンメシル酸塩

ベタヒスチンメシル酸塩はめまいに効果のある薬です。抗めまい薬とも呼ばれます。主な商品名はメリスロン®などです。内耳や脳の血流を改善することで効果をあらわします。

 

メリスロン錠6mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

ベタヒスチンメシル酸塩の副作用は?

ベタヒスチンメシル酸塩の副作用として、吐き気などの消化器症状がありえます。胃潰瘍胃液によって胃や十二指腸の粘膜がダメージを受けた結果、壁がえぐれてしまった状態などを持病で持っている人は特に、ベタヒスチンメシル酸塩を使っていて吐き気が出たら医師や薬剤師に相談してください。

ただし、ベタヒスチンメシル酸塩の副作用が出ることは非常にまれです。実際に広く使われていますが、副作用の頻度は有効成分を含まない偽薬と同程度だったというデータもあります。

 

参照文献:Cochrane Database Syst Rev. 2016 Jun 21.

 

6. メニエール病の治療薬:ジフェニドール塩酸塩

ジフェニドール塩酸塩は、めまいや耳鳴りに効果がある薬です。抗めまい薬とも呼ばれます。主な商品名はセファドール®などです。2種類の作用により効果を現します。

  • 前庭神経の血流を改善する作用
  • 脳や神経の異常な信号を抑える作用

 

セファドール錠25mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

ジフェニドール塩酸塩の副作用は?

ジフェニドール塩酸塩の副作用として以下がありえます。

  • 口が渇く
  • 食欲不振
  • 排尿障害排尿に様々な異常がある状態。尿が出にくい、尿がもれる、頻尿、排尿時痛などの症状の総称(非常にまれ)
  • 眼圧の変化(非常にまれ)

緑内障眼球内部の圧力が上がることで、眼の視神経に障害が生じ、眼が見えづらくなる病気前立腺男性の尿道の奥の部分を取り囲むようにある臓器。前立腺液と呼ばれる液体を分泌したり、尿の排泄をコントロールしたりしている肥大などの持病がある人は、ジフェニドール塩酸塩の副作用により悪化する恐れがあるので注意が必要です。

 

7. メニエール病の治療薬:ATP製剤

アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP)製剤は、めまい・耳鳴り・難聴を改善する薬です。耳鳴りやめまいの再発予防薬として長期的に飲む人も多い薬です。

ATP製剤は、血管拡張により血流を改善します。脳や内耳の代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のことを促進したり、神経伝達の効率を改善したりすることで効果を現します。

商品名としてアデホス、トリノシン®などが使われています。アデホス-Lコーワ注などの注射剤は耳鳴りと難聴に対して保険適用があります。実際に多くの人が使っているのはアデホスコーワ顆粒などの顆粒剤です。

ATP製剤は全体に飲み合わせや安全性の問題がかなりわずかです。

 

アデホス-Lコーワ注10mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

アデホスコーワ顆粒10%の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

トリノシン顆粒10%の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

8. メニエール病の治療薬:ステロイド薬

ステロイド薬は炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを和らげる作用などがあります。メニエール病に対しては主に内耳や神経の炎症を抑える目的で使われます。

ステロイド薬は、メニエール病のほかにもアレルギー免疫反応によって、体が過剰な防御反応を起こして悪影響が生じてしまう状態性疾患や自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称などに使われています。

ステロイド薬は健康な体の中で副腎(ふくじん)という臓器から自然に分泌されている、コルチゾールというホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるを元に造られたものです。メニエール病に対する内服薬飲み薬のこととしてプレドニン®プレドニゾロンなどが使われています。

一般的には最初の使用量から1~2週間程度かけて徐々に薬の量を減らします。この使い方を漸減(ぜんげん)またはテーパリングと言います。漸減しながら使っているときは用量を守ることがとても大切になります。

 

プレドニン錠5mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

プレドニゾロン錠の薬価比較(先発薬・後発薬・メーカー・剤形による違い)

 

ステロイド薬は副作用にも注意

ステロイド薬は高い有効性をもつ一方で、高血糖血糖値が高い状態。いくつ以上が高血糖という基準はないが、糖尿病にかかっている人は血糖値が高くなりがちであるなどの副作用にも注意しなくてはいけません。メニエール病でステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているの内服薬を長期間飲み続けると、太る皮膚が薄くなるなどの副作用が出ることも考えられます。ステロイド内服薬の代表的な副作用を挙げます。

  • 易感染性(感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称にかかりやすくなる)
  • 高血糖(血糖血液中のブドウ糖のこと。人が活動するためのエネルギー源。血液中の濃度を血糖値といい、糖尿病の診断に用いられる値が上がる、糖尿病血液中のブドウ糖(血糖)濃度を、正常範囲内にとどめておくことが出来なくなる病気。眼、神経、腎臓など多くの臓器にダメージを与えるが悪化する)
  • 皮膚が薄くなる
  • 筋力低下
  • 白内障眼の焦点をあわせるためのレンズ(水晶体)が濁る病気。視野が白くかすんだり、光をまぶしく感じるの進行
  • 脂質異常症悪玉コレステロールが多い、または善玉コレステロールが少ない状態。動脈硬化を速め、脳卒中や心筋梗塞を起こしやすくする
  • 動脈硬化全身に酸素と栄養を運ぶ動脈の壁が硬くなった状態。加齢の他に、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが原因となるの進行
  • 中心性肥満皮下脂肪、内臓脂肪が蓄積した状態で、BMIが25以上の場合を指す。さらに健康障害などの条件を満たすと「肥満症」に該当する(手足は変わらず主に胴体が太る)、満月様顔貌(ムーンフェイス、まん丸い顔)
  • 骨粗鬆症骨がもろくなって、骨折の危険が高くなってしまう病気。女性の高齢者に特に多く見られる、骨折
  • 消化性潰瘍臓器や粘膜が部分的にえぐれてしまっている状態。何らかの理由で壁の防御機構が壊れてしまっていることが原因となりやすい(胃潰瘍など)
  • 高血圧
  • 緑内障

また、ステロイド内服薬を飲むときは授乳ができません

副作用が心配でも、自己判断で中止したり量を変えて飲んだりすることは絶対にしないでください。非常に危険です。これはメニエール病の治療に限ったことではなく、他の病気でも同様です。かえって病気が悪化したり、症状がぶり返したり、治りが遅くなる場合もあります。

使用期間や使用中の注意点、副作用が出たときの対処など、処方医や薬剤師からよく話を聞いておき、適切に使って治療していくことが大切です。

 

9. メニエール病の治療薬:ストミンA®配合錠

ストミンA®配合錠にはメニエール病にも効果が期待できる2種類の有効成分が配合されています。

  • ニコチン酸アミド
    • 内耳の細胞の機能を改善します。
  • パパベリン塩酸塩
    • 内耳の血流を改善します。

 

ストミンA配合錠の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

ストミンA配合錠の副作用は?

ニコチン酸アミド、パパベリン塩酸塩によって副作用が起こることはまれとされますが、眠気や頭痛などの精神神経系症状や、便秘一般的に排便が週に3回以下と少ないことを指す。排便時痛、便に血液が付くなどの症状を伴う場合もある、口の渇きなどの消化器症状には注意が必要です。

 

10. メニエール病の治療薬:吐き気を止める薬

メニエール病では、めまいに伴って吐き気・嘔吐の症状が出ることが多く、吐き気を止める薬も使われます。

ドンペリドン(商品名:ナウゼリン®など)やメトクロプラミド(商品名:プリンペラン®など)は吐き気止めとしてよく使われている薬です。飲み薬がよく使われていますが、注射剤もあります。

ほかにトラベルミン®やドラマミン®などの鎮暈薬(ちんうんやく)も使われます。

注意する点として、ナウゼリンは妊娠中には使うことができません。また、プリンペラン、トラベルミンを使うときは授乳ができません

 

ナウゼリン錠5の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

プリンペラン錠5の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

プリンペラン注射液10mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

トラベルミン配合錠の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

ドラマミン錠50mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

11. 抗不安薬

抗不安薬向精神薬の一種で、睡眠薬としても使われる。バルビツール酸系、ベンゾジゼピン系、非ベンゾジゼピン系などがあるによって不安や緊張を和らげることで、メニエール病による耳鳴りやめまいなどの改善効果が期待できます。

 

ロフラゼプ酸エチル

ロフラゼプ酸エチルは、作用の持続時間が比較的長めの抗不安薬です。商品名にメイラックス®などがあります。

 

メイラックス錠1mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

アルプラゾラム

アルプラゾラムは、ロフラゼプ酸エチルに比べると作用の持続時間が短いタイプの抗不安薬です。商品名にコンスタン®ソラナックス®などがあります。比較的速やかに効果があらわれる特徴もあり、耳鳴りやめまいの症状が出たときに飲む頓服薬(とんぷくやく)としても使われています。

 

コンスタン0.4mg錠の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

ソラナックス0.4mg錠の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

クロチアゼパム

クロチアゼパムは、抗不安薬の中でも比較的速やかに効果があらわれ、体内で分解されるのも速く、あとに残りにくい特徴があります。商品名としてリーゼ®があります。

 

リーゼ錠5mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

その他の抗不安薬

その他、肩こりや筋肉の緊張を伴う場合にはエチゾラム(商品名:デパス®など)などの抗不安薬が治療に使われることもあります。

 

デパス錠0.25mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

抗不安薬の副作用は?

気をつける副作用としては、抗不安薬の多くが眠気を現すことがあります。眠気による転倒や車の運転などの危険を伴う作業に対して、特に高齢者などは注意が必要です。

また、上に挙げた抗不安薬を使うときは授乳ができません

 

12. メニエール病に処方されるその他の薬

メニエール病に対して、末梢の血管拡張薬であるカリジノゲナーゼ(商品名:カルナクリン®など)、めまいを伴う症状には抗めまい薬のイソプレナリン塩酸塩(商品名:イソメニール®)などの薬が使われる場合もあります。

 

イソメニールカプセル7.5mgの基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

カルナクリン錠25の基本情報(効能効果・副作用・薬価など)

 

13. メニエール病に効く漢方薬

メニエール病の治療で漢方薬が処方されることもあります。

  • 五苓散(ゴレイサン)
    • 口の渇きや尿量の減少などを伴うような体質・症状に適するとされます。
  • 柴苓湯(サイレイトウ)
    • 五苓散に類似した効果に加えステロイドのような作用をあらわすため、めまいに対しても使われています。
  • 半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)
    • めまいだけでなく耳鳴りにも効果が期待できる漢方薬です。

 

漢方薬の副作用は?

一般的に漢方薬は副作用が少ないのですが、体質や症状に合わないものを使ってしまったり、適正量を超えて飲んだ場合などでは副作用も考えられます。たとえば漢方薬の約7割に含まれる甘草(カンゾウ)は、偽アルドステロン副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種。腎臓に働きかけて、ナトリウムと水分を体内に蓄える作用がある症(偽性アルドステロン症主に薬剤の副作用で、原発性アルドステロン症と似たような症状を起こす病気。甘草という漢方薬が原因になることが多い。)による高血圧、筋力低下といった副作用に注意が必要です。

漢方薬を使うときは自分の体質・症状などをしっかりと医師や薬剤師に伝えてください。

 

14. メニエール病に効く市販薬はある?

メニエール病に対して、市販薬の効果は期待できません

ただし、メニエール病かどうかよくわからない症状が出始めのときで、一時的なめまい、軽度のめまいに対して効果が期待できる成分を含む市販薬はあります。

アリナミン®EXプラス、キューピーコーワゴールドα-プラスなどはめまいなどに対する効果が期待できるビタミン生物が生きていく上で必要な栄養素の一種。炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物のこと成分を含んでいます。

処方薬としても使われるトラベルミン®は、市販薬としても販売されています。

 

アリナミンEXプラスの効能効果・副作用・成分・禁止事項(飲み合わせなど)

キューピーコーワゴールドα-プラスの効能効果・副作用・成分・禁止事項(飲み合わせなど)

トラベルミンの効能効果・副作用・成分・禁止事項(飲み合わせなど)

 

メニエール病かもしれないと思うときは、あまり市販薬を頼りにせず、早めに耳鼻咽喉科に行ってください。

 

15. メニエール病の薬は妊娠中でも飲んでいい?

以上で紹介した薬の中で、吐き気止めのナウゼリンは妊娠中には使えません。

ほかの薬のほとんどが、妊娠中には治療上特に必要と判断された場合に限って処方されるものです。

妊娠したとわかっているときはもちろん、近い将来妊娠する計画があるときにメニエール病の治療をすることになったら、医師に伝えて妊娠中にも適した薬を選んでもらってください。

 

16. メニエール病に対する薬以外の治療

メニエール病には薬以外の治療法もあります。

  • 補聴器
  • バイオフィードバック療法
  • 認知行動療法心理療法の一種で、自分の認識や考え方、行動を変えながら精神面での調子を整えていくための治療
  • ゲンタマイシン鼓室内注入療法
  • 内リンパ嚢開放術

それぞれの特徴について詳しく説明します。

 

メニエール病に補聴器が効く?

耳鳴りが補聴器で改善する場合があります。

メニエール病の症状に難聴もあります。耳鳴りは難聴から引き起こされる部分があります。

メニエール病による難聴では、脳に音の信号が伝わりにくくなっています。すると脳は音の信号に対する感度検査がどれぐらい信頼できるかを示す指標の1つ。探したい病気がある人のうち、それが検査で見つかる人の割合を上げます。その結果、脳が関係ない信号まで音として認識してしまい、耳鳴りが発生してしまうと考えられるのです。

補聴器を使うと、正常な音の信号が脳に届きます。すると脳は関係ない信号を拾いとらないようになります。そして耳鳴りが改善します。

ほかにも、補聴器を使って多くの音が聞き取れるようになると、耳鳴りをあまり気にしないようになる効果もあります。

 

バイオフィードバック療法とは?

バイオフィードバック療法は、リラックスできる方法を見つけて体の緊張をほぐす方法です。緊張で耳鳴りが悪化している場合に効果が期待できます。

バイオフィードバック療法では、筋電図筋肉に針を刺し、筋肉が発する電気を感知することで、筋肉や神経の異常を調べる検査や脳波などの計測機械を使って体の状態を記録します。計測値は治療を受ける人自身が見て確かめられます。環境の変化によって体の緊張がどう変わるかを把握し、どうすればリラックスできるかを見つけます。

 

認知行動療法とは?

認知行動療法は、ものごとの受け止め方や考え方を変える心理療法です。

耳鳴りに対する受け止め方にゆがみがあると、ストレスを感じてますます耳鳴りが悪化してしまいます。認知行動療法では症状の受け止め方を変えることで悪循環の改善を図ります。

 

ゲンタマイシン鼓室内注入療法とは?

鼓室内注入療法は、鼓膜の奥にある、鼓室(こしつ)という空間に薬を注入する治療法です。

メニエール病に対しては、ゲンタマイシンという抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がない抗生物質微生物が産生する細胞の増殖や機能を阻害する物質。抗菌薬・抗ウィルス薬・抗がん薬を含む)を注入する方法があります。ゲンタマイシンは内耳の中でリンパ液を作る細胞を障害します。リンパ液がたまりすぎた状態を改善する効果を狙った治療法です。

鼓室内注入療法の注意として、内耳の細胞が障害されることにより、難聴などの症状が現れる可能性があります。

 

内リンパ嚢開放術とは?

内リンパ嚢開放術(ないリンパのうかいほうじゅつ)は、内耳のリンパ液を蓄えている部分を切り開いて、たまりすぎたリンパ液を逃がす手術です。全身麻酔局所麻酔に対して、眠って意識が完全になくなってしまう麻酔のこと。寝ている間は呼吸が止まってしまうため人工呼吸器を使用する必要があるで行います。

 

17. メニエール病の薬が効かないときはどうする?

メニエール病の治療には薬をはじめ多くの方法があります。ひとつの薬を使ってみて効果に満足できないときは、ほかの薬を試せるかもしれません。遠慮しないで最初の薬を処方したお医者さんに相談してください。

お医者さんから見ると、めまいは確かめにくい症状なので、「効いた、効かない」という情報が本人から返ってくることで、より一人一人に合った治療を選ぶ手掛かりになります。

 

18. メニエール病では食事や飲酒、喫煙、生活習慣に気を付けるべき?

生活の中で、以下のものごとはメニエール病に関係する可能性があります。

  • 塩分
  • カフェイン
  • 飲酒
  • 喫煙
  • ストレス

食事で塩分を摂取し過ぎると、塩分によって水分が体にたまっていきます。このことは内耳に水分がたまりすぎて起こるメニエール病を悪化させると考えられています。食事の塩分は1日5gから6gに制限することが推奨されています。

ただし、日本人の食事は塩分が多く、たとえばみそ汁1杯には1gから2gほどの塩分が含まれているため、1日5gというのは食事全体をしっかり見直さないと達成できない水準です。

塩分の他に気をつけることとして、カフェインを多く含むコーヒーやエナジードリンク、飲酒喫煙はメニエール病を悪化させると考えられるため、なるべく控えたほうがいいでしょう。

そのほか、耳鳴りの症状は精神的なストレスとも関係しています。ストレスを避けることも治療の一環になります。

 

19. メニエール病は完治する?

メニエール病は原因不明のため、症状がなくなっても完治したとは言いにくい病気です。治療期間が何年も続く人もいます。

しかし、治療で発作の頻度を減らしたり、症状を軽くしたりすることができます。前向きに考えて治療を続けてください。治療が効かないと感じたときは、ほかの治療法を試せないか相談してみるのもひとつの考えです。

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