回転性めまいの原因になる病気について
目の前がグルグル回転するように感じる回転性めまいは、耳に存在する体の傾き・加速を感じ取る部分の異常や、耳から感覚の情報を受け取る脳の異常などで起こります。
1. 耳の異常
耳の中の
メニエール病
メニエール病は激しい回転性めまいの
詳しくは「メニエール病の詳細情報」で説明しています。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
良性発作性頭位めまい症は、頭を動かすと回転性めまいがする、朝起き上がろうとした時にめまいがするため起き上がることができないといった症状が特徴的な病気です。1回の発作は数十秒から数分間で良くなりますが、頭を動かす度に発作が起きます。
詳しくは「良性発作性頭位めまい症の詳細情報」で説明しています。
前庭神経炎
前庭神経炎は、ある日突然、目の前がぐるぐる回るような激しいめまいが起きて数日間続く病気です。吐き気や嘔吐を伴なうことが多いのですが、難聴や耳鳴りはありません。
詳しくは「前庭神経炎の症状、治療、薬」で説明しています。
突発性難聴
突発性難聴は、あるとき突然片方の耳が聞こえづらくなってしまう病気です。耳鳴りや耳が詰まった感じを伴うことが多く、めまいを伴うこともあります。
詳しくは「突発性難聴の詳細情報」で説明しています。
中耳炎
中耳炎は
詳しくは「急性中耳炎の詳細情報」で説明しています。
外リンパ瘻
外リンパ瘻は、頭の怪我や重い荷物を持ったときの力みや、鼻を強くかんだことなどの拍子に、内耳の弱い部分に圧力がかり破裂し、内耳のリンパ液が漏れてしまう病気です。めまいや難聴が症状です。安静にして、穴が自然に塞がるのを待ちますが、手術で穴を塞ぐ方法もあります。
2. 頭(脳)の異常
脳出血・脳梗塞
脳出血や脳梗塞でめまいがあらわれることがあります。脳出血は脳の血管が破れて出血した状態で、脳梗塞は脳の血管が詰まった状態です。
特に小脳や脳幹の出血・
【中枢性めまいの特徴について】
- 年齢が60歳以上
- 頭痛がある
- 意識がぼんやりしている
- ろれつが回らない
- 手足や顔が動かしづらい、
麻痺 している - 身体の感覚がおかしい
- ものが二重に見える
- 嘔吐を繰り返している
めまいに加えて次のうち当てはまるものがひとつでもあれば、脳出血、脳梗塞の可能性を考える必要があるので、救急科や脳神経外科、神経内科を受診してください。
脳腫瘍(聴神経腫瘍など)
脳腫瘍が前庭神経や脳幹、小脳にできた場合はめまいが起こることもあります。回転性めまい(目の前がぐるぐると回るめまい)といよりは、ふわふわとする浮動性めまいや、もっと症状がはっきりとしないめまいのことが多いです。通常はゆっくりと症状が進行していきます。めまいが長引く場合には、脳神経外科で診察を受けてください。
神経変性疾患(パーキンソン病など)
パーキンソン病や多系統萎縮症、レビー小体型認知症、小脳性運動
たとえばパーキンソン病は、手足の震えや、手足の筋肉が固くなってスムーズに動かなくなるといった症状が中心ですが、立っているときや歩くときにふらつく症状や、起立性低血圧の症状もあります。つまり、回転性めまい(目の前がぐるぐると回るめまい)というよりは浮動性めまいに近い「ふらつき」、あるいは立ちくらみがあらわれます。