けっかんえんしょうこうぐん(そうろん)
血管炎症候群(総論)
免疫細胞により血管が攻撃される病気の総称。攻撃される血管のサイズや原因によってより細かく分類されている。
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最終更新: 2022.03.28
血管炎症候群(総論)の基礎知識
POINT 血管炎症候群(総論)とは
免疫細胞により血管が攻撃される病気の総称です。攻撃される血管のサイズや原因によってより細かく分類されています。発熱、体重減少、倦怠感は血管炎に共通する症状ですが、細かな症状は血管炎ごとに異なります。血液検査、尿検査、生検検査(腎臓や皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる)、画像検査を行います。治療はステロイド薬や免疫抑制薬が中心です。一部の血管炎では生物学的製剤や分子標的治療薬が使用できるものもあります。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。
血管炎症候群(総論)について
- 免疫細胞により血管が攻撃される病気の総称
- 血管炎の種類ごとに発症しやすい年齢や性別が異なる
- 攻撃される血管のサイズや原因によってより細かく分類されている
- 大型血管炎(大動脈やそこから一回枝分かれした血管を中心に攻撃される血管炎)
- 中型血管炎(各臓に向かう主要血管)
- 小型血管炎(各臓器の中で分布している細動静脈や毛細血管)
- 顕微鏡的多発血管炎
- 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
- 多発血管炎性肉芽腫症
- IgA血管炎(へノッホ・シェーンライン紫斑病)
- グッドパスチャー症候群(抗GBM抗体関連疾患)
- クリオグロブリン血管炎
- 多彩な血管をおかす血管炎
- ベーチェット病
- コーガン病
- 単一臓器での血管炎
- 全身疾患に関連した血管炎
- 原因が分かっている血管炎
血管炎症候群(総論)の症状
症状の詳細
血管炎症候群(総論)の検査・診断
- 血液検査
- 尿検査
- 腎臓に障害を早期に見つけるため
- 画像検査
- 血管造影検査
- 一部の血管炎で行うことがある。血管が攻撃されたことで形に異常がないかなどを確認する。
- 生検検査
- 皮膚、肺、腎臓の組織を一部採ってきて血管が攻撃されているか顕微鏡で確認する。
- その他
- 悪性腫瘍、薬剤でも類似の症状が出現することがあるため、注意が必要である
血管炎症候群(総論)の治療法
- はじめて治療をする時は入院が必要になる場合が多い
- 血管炎の種類や重症度により使われる治療薬は異なる
ステロイド薬を主体に免疫抑制薬や生物学的製剤を併用して治療をすることが多い
ステロイド薬
免疫抑制薬
- 血管炎で用いられる代表的な免疫抑制薬
- シクロフォスファミド(商品名:エンドキサンなど)
- メトトレキサート(商品名:リウマトレックスなど)
- アザチオプリン(商品名:イムランなど)
- タクロリムス(商品名:プログラフなど)
- シクロスポリン(商品名:ネオーラルなど)
- シクロフォスファミドは点滴薬または飲み薬を使う。それ以外の免疫抑制薬は飲み薬を使うことが多い。
- 代表的な副作用として感染症、肝障害、皮疹、血球減少などがある(薬剤ごとの副作用は異なる)
- 血管炎で用いられる代表的な免疫抑制薬
生物学的製剤・分子標的治療薬
免疫グロブリン大量療法
- 川崎病や好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対する神経障害に対して適応
血漿交換
- 血液の一部を置換し、抗体を除去する治療法
- 点滴薬や飲み薬でも改善しない重症な血管炎で用いられることがある
- 特に急性腎不全や肺胞出血を起こしている血管炎やグッドパスチャー症候群で行われる
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