あれるぎーせいびえん
アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜でアレルギー反応が生じて、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが起きた状態
17人の医師がチェック 151回の改訂 最終更新: 2026.03.09

アレルギー鼻炎の症状について

アレルギー性鼻炎の三大症状は鼻水、鼻づまり、くしゃみです。他にも、目のかゆみ、のどの痛みや、眠気、倦怠感など全身の症状が出ることがあります。症状の特徴や、医療機関に受診をした方がよい症状などについて説明します。

1. アレルギー性鼻炎で起こりやすい症状

アレルギー性鼻炎の主な3つの症状は、くしゃみ、水のような鼻水、鼻づまりです。鼻の粘膜の炎症が強いと、鼻血が出ることもあります。アレルギーの症状が出やすい他の場所には、目や喉(のど)があります。目のかゆみや、喉のかゆみ、痛みなどの症状がでることがあります。鼻づまりが強いと、頭痛を起こすこともあります。

それぞれの特徴を説明します。

くしゃみ

アレルギー性鼻炎のくしゃみは発作的に突然出て、なかなか止まりません。

鼻水(鼻汁)

アレルギー性鼻炎の鼻水は、サラサラして水のような性状であることが多いです。

ただしアレルギー性鼻炎の症状が出ている時に風邪を引くと、鼻水はサラサラした水のようなものから、粘り気のある黄色いものに変化することがあります。

鼻づまり

アレルギー性鼻炎では鼻づまりも起こり、鼻で呼吸がしにくくなります。鼻の中は粘膜がひだ状に存在し、アレルゲン(アレルギーの原因物質)によって、鼻の粘膜がむくんだり、鼻の粘膜の血流が多くなります。粘膜がむくと、空気の通り道が狭くなり、鼻づまりを引き起こします。

鼻血(鼻出血:びしゅっけつ)

鼻血の多くは、鼻の入口に近い鼻中隔(鼻の左右の仕切り)の前方にあるキーゼルバッハ部位から起こります。この部位は血管が集まっているため、少しの刺激でも出血しやすい一方で、圧迫で止血できることが多いのが特徴です。
止血の基本は「座って前かがみ+小鼻を圧迫」です。

▪️鼻出血が出た時の対処法

  • 圧迫の方法は、座った状態で顎を引いて
  • 小鼻(やわらかい部分)を両側から指でつまみ、10〜15分ほど連続して圧迫する
    • 途中で何度も確認せず、まずは連続して圧迫します
  • 口の中に回ってきた血は、飲み込まず、適宜吐き出します(飲み込むと気持ち悪くなることがあります)
  • 鼻の中にティッシュなどを詰めるより、まずは指での圧迫を優先します

この方法で止まらない場合や、出血が強い場合は、鼻の奥からの出血などの可能性もあるため、耳鼻咽喉科のクリニックや病院を受診してください。

▪️よくある「間違った対処鼻血の対処法」

下記の間違った治療法を行っても、鼻血は止まりづらいです。

  • 鼻の上部の骨の硬いところを圧迫する
  • 首筋をとんとんとたたく
  • 詰め込んだティッシュペーパーを何度も取り替える
  • 仰向けに寝る:出血がのどに回って危険です

鼻血は驚いてしまい焦って対処してしまうこともありますが、落ち着いてきちんとした方法で止血してください。

目のかゆみ

目のかゆみは主に季節性アレルギー性鼻炎でみられる症状です。季節性アレルギー性鼻炎とは、花粉症のように一年の中で特定の季節にだけ症状が出る場合をいいます。

一方、通年性アレルギー性鼻炎は、季節に関係なく症状が続くタイプです。通年性アレルギー性鼻炎でも、アレルゲンの多い場所に行くと、目のかゆみが出ることがあります。たとえば、掃除をしてホコリに多く触れたあとなどに、目のかゆみが出ることがあります。
目の症状はかゆみの他にも、ゴロゴロした感じ、なみだ目、目やに、充血などです。

喉の痛み

喉の痛みは、花粉症のような季節性アレルギー性鼻炎でみられることがある症状です。ただし、通年性アレルギー性鼻炎でも、ホコリなどのアレルゲンを多く吸い込んだ場合には、喉の痛みや違和感が出ることがあります。

このような症状は、喉頭アレルギーとして説明されることがあります。喉頭アレルギーは、鼻や目と同じように、喉頭でアレルギー反応が起こるものです。代表的な症状は、喉の違和感としつこい咳で、違和感が強くなると痛みとして感じることもあります。

また、アレルギー性鼻炎の症状が強くなると、鼻づまりのために口呼吸になりやすくなります。すると、喉にアレルゲンが入りやすくなり、喉の症状が出やすくなることがあります。

喉の痛みや違和感は、特にスギ花粉症の時期にみられることがあります。

頭痛

アレルギー性鼻炎では、鼻づまりが強いと頭痛を感じることがあります。鼻づまりによって鼻呼吸がしにくくなることが、頭重感や頭痛につながると考えられています。

また、アレルギー反応の際に放出されるヒスタミンなどの物質が、頭痛に関係している可能性もあります。

さらに、アレルギー性鼻炎に慢性副鼻腔炎合併すると、頭痛が起こることがあります。慢性副鼻腔炎は、顔の骨の中にある副鼻腔の粘膜が腫れ、分泌物がたまったり、粘り気のある鼻水が出たりする病気です。副鼻腔に分泌物がたまると、頭痛や頭重感が出ることがあります。

アレルギー性鼻炎で鼻の粘膜が腫れると、副鼻腔からの分泌物の流れや換気が悪くなり、慢性副鼻腔炎を合併しやすくなることがあります。

2. アレルギー性鼻炎によって起こる日常生活への影響

花粉症の主な症状は、鼻水・鼻づまり・くしゃみ・目のかゆみなどです。そのほか、のどや皮膚のかゆみがみられることもあります。さらに、眠気、頭痛、咳、熱っぽさなどを伴うこともあり、日常生活に影響する場合があります。

眠気

アレルギー性鼻炎では、眠気が出ることがあります。特に鼻づまりが強いと夜の睡眠の質が低下し、日中の眠気や集中力の低下につながることがあります。その結果、仕事、家事、学業に支障が出ることもあります。

また、治療に使う薬の種類によっては、眠気が出やすいこともあります。眠気が気になる場合は、治療内容を調整することで改善できることがあります。

精神面への影響(抑うつ気分・不安・易刺激性)

アレルギー性鼻炎の症状が強いと、睡眠の質が下がったり、日中の不快感が続いたりすることで、集中力の低下や全身倦怠感に加えて、抑うつ気分、不安感、易刺激性(いわゆるイライラしやすさ)など、気分の変化がみられることがあります。症状と気分は影響し合うことがあり、つらさが続くほど負担が大きくなることがあります。
もし「毎年同じ時期に気分の落ち込みや不調が強くなる」など季節性がはっきりしている場合は、花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎が関係している可能性があります。一度、かかりつけで相談してみてください。
ただし、抑うつ気分が強い、日常生活に支障が大きい、希死念慮があるなどの場合は、アレルギー性鼻炎だけで説明できないこともあります。その場合は心療内科・精神科などの受診も検討してください。

全身倦怠感

アレルギー性鼻炎では、鼻づまりなどにより睡眠の質が下がることで、日中にだるさ(全身倦怠感)を感じることがあります。

3.「 鼻炎だろう」と思いこまない方がいい症状

アレルギー性鼻炎の主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりです。これらに加えて別の症状がある場合は、他の病気が隠れていることがあります。早めの受診が役立つ場面もあるため、代表的なケースを整理します。

膿のような鼻水が続く

アレルギー性鼻炎の鼻水は、サラサラした水のような性状であることが多い一方、粘り気が強く、黄色いのような鼻水が続く場合は、かぜ急性上気道炎)や急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎の可能性も考える必要があります。かぜの初期は水のような鼻水のことも多く、症状だけで区別がつかないことも珍しくありません。

  • かぜ:鼻症状に加えて、発熱、のどの痛み、頭痛などを伴うことがある 
  • 急性副鼻腔炎かぜに続いて、粘り気のある鼻水、頬の痛み、頭痛などが出ることがある
  • 慢性副鼻腔炎:副鼻腔(顔の骨の中の空洞)の粘膜が腫れて、粘り気のある鼻水が続く

アレルギー性鼻炎の症状が強いと鼻の粘膜が腫れ、副鼻腔からの排泄が悪くなり、副鼻腔炎を合併しやすくなることがあります。

強い頭痛が続く

アレルギー性鼻炎に頭痛を伴うことはありますが、強い頭痛が続く場合は別の原因も考える必要があります。鼻水・鼻づまりに加えて頭痛がある場合、急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎が同時に存在している可能性があります。また、頭痛の原因は多岐にわたります。これまで経験したことのない強い頭痛、吐き気など他の症状を伴う頭痛は、危険な頭痛の可能性があるので、速やかに医療機関を受診してください。

高熱が出る

アレルギー性鼻炎で高熱が出ることは多くありません。高熱が出る場合は、かぜ急性上気道炎)など感染症をまず考えます。

アレルギー性鼻炎とかぜは、くしゃみ・鼻水・鼻づまりがある点で似ています。アレルギー性鼻炎では、ほこりや花粉などアレルゲンが多い環境で症状が強く出やすい一方、かぜでは発熱に加えて、のどの痛みや頭痛などを伴うことがあります。通常のかぜであれば、安静にし適切な水分・栄養補給を行えば、徐々に改善していきます。

ただし、症状が強い、悪化している、食事や水分が取れないなどの場合は、受診が必要になることがあります。目安として、38℃以上の発熱が3日程度続く場合は、重い感染症が隠れている可能性もあるため、医療機関を受診してください。

声がかすれる

鼻水・鼻づまりに加えて声のかすれがある場合、かぜ急性上気道炎)に伴う急性喉頭炎の可能性もあります。炎症が声帯周囲に限局していれば、発声を控えることや加湿などで改善が期待できます。

一方で、炎症が広がると、呼吸がしづらい、飲み込みにくい(嚥下障害)といった症状を伴うことがあります。強いのどの痛み、声のかすれ、嚥下障害などがそろう場合は、早急な対応が必要になることがあるので、受診を検討してください。

また、声のかすれが長引く場合、かぜ以外にも原因があり得ます。声帯ポリープ声帯結節ポリープ様声帯などのほか、喉頭がんなども鑑別に挙がるため、1か月以上続く声のかすれは耳鼻咽喉科での評価が望まれます。