せいたいぽりーぷ
声帯ポリープ
喉頭にある声帯の粘膜にできた腫瘤
9人の医師がチェック 90回の改訂 最終更新: 2018.03.13

声帯ポリープの基礎知識

POINT 声帯ポリープとは

声帯ポリープは、のど仏の高さにある、声を出す構造物である声帯にできた腫瘤です。症状は嗄声(しゃがれ声や、かすれ声など)、のどの違和感などがあります。原因は声の使い過ぎや咳などです。声帯の粘膜で出血と、血の吸収を繰り返すと腫瘤ができ、ポリープになります。診断は小さい鏡(間接喉頭鏡)や細いカメラ(喉頭ファイバースコープ)で声帯を観察して行います。発症早期の場合は、大声を出さないようにしたり、炎症を鎮める薬で改善することがあります。半年以上改善しない場合は、手術でポリープの切除を行います。術後は声帯をきれいに治すために数日間〜1週間の沈黙期間(声を使わずに筆談で過ごす期間)が必要になります。

声帯ポリープについて

  • 喉頭にある声帯の粘膜にできた腫瘤
    • 喉頭には左右の声帯があり、息を吸うときには声帯が開き、声を出すときには声帯が閉じて声が出るようになっている
    • 声帯にポリープなどの異常があると、声がかすれてくる
    • 通常は片側の声帯にできるが、両側にできることもある
    • 両側にできた場合には大きさが異なる
  • 主な原因
    • 声帯の粘膜で出血し、血腫が作られることを繰り返すうちにポリープが生じる
    • 声の使い過ぎ(カラオケ、怒鳴り声、演説、スポーツ観戦など)
    • 咳を頻回にする病気(かぜや、逆流性食道炎などによる咳など)

声帯ポリープの症状

  • 普段の声が出せず、ハスキーボイスになる
  • 長時間話せなくなる
  • のどの違和感
  • 発声時の違和感
  • 痰がからむ

声帯ポリープの検査・診断

  • 間接喉頭鏡検査
    • 小さい鏡のついた道具で声帯を観察する
  • 喉頭ファイバースコープ検査
    • 鼻から細くて柔らかい内視鏡を入れて、声帯を観察する 
    • ポリープの近くに寄って観察できるため、粘膜や血管の異常を詳細に観察できる
  • 喉頭ストロボスコピー検査
    • 口からカメラを入れて、声帯の振動を見ることができる
    • 声帯の振動を観察すると、がんなどの可能性があるか評価することができる
  • 区別が必要な病気
    • 喉頭がん:似ている病気だが、ポリープに比べ表面が不整なことが多い
      ・ポリープだと思って手術で切除した後、切除した腫瘤を顕微鏡でよく調べると、結果的にがんが見つかることもある
    • その他にも、ポリープ様声帯声帯結節、喉頭肉芽腫といった病気も似た症状を起こす

声帯ポリープの治療法

  • 保存療法:声の安静
    • 声を使い過ぎない
    • 禁煙する
    • ポリープが小さければ、大きな声を使わないようにすると、数か月以内に自然治癒することもある
  • 保存療法:薬物治療
    • ステロイド薬の吸入、内服
    • 炎症を抑える内服薬 など
  • 手術
    • 全身麻酔で行う場合と、局所麻酔で行う方法がある
    • 全身麻酔では、顕微鏡下喉頭微細手術によりポリープを切りとる
      ・喉頭を顕微鏡で見ながらポリープを切り取る手術
      ・首が悪い場合にはできないことがある
    • 局所麻酔では、喉頭を喉頭ファイバーで観察しながらポリープを切り取る
      ・咽頭反射(喉の奥を触るとえずく反射)が強いと行うことができない

声帯ポリープの経過と病院探しのポイント

声帯ポリープが心配な方

声帯ポリープでは、声のしゃがれやのどの違和感といった症状が出現します。かぜによるものと一見紛らわしいのですが、声帯の酷使(声の張りすぎ)以外にも、実際にかぜの影響で生じることもあるため余計に自己判断では区別がつきづらいものです。

大声を出し過ぎた自覚がある、のど以外の症状がまったくないなどで声帯ポリープではないかと心配になった時には、耳鼻科のクリニックの受診をお勧めします。声帯ポリープの診断のためには喉頭ファイバースコープ検査(胃カメラのように細いカメラをのどに入れる検査)や間接喉頭鏡といって歯科で使用する鏡のような器具での診察が必要ですが、いずれも耳鼻科で行われる基本的な検査です。医療機関によっては耳鼻科、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)などと呼び名が異なることもありますが、どちらであってもみる病気は同じですので心配ありません。

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声帯ポリープでお困りの方

声帯ポリープの根本治療としては、喉頭ファイバースコープを使ってのポリープの切除が行われます。しかし、軽度のものであればまずは炎症を鎮める薬を内服や吸入したり、大声を出さずに安静にしたりして様子を見ることで改善が見込めます。

数か月間治療を受けても改善がない場合には、やはり手術を受けることが必要となるでしょう。全身麻酔で寝ている間に顕微鏡と喉頭鏡を使って行われる手術と、局所麻酔によって喉頭ファイバースコープで切除する手術があります。前者は数日間から1週間ほどの入院が必要ですが、後者は日帰りか1泊2日で行われることの多い手術です。眠っている間に行われる手術はある意味では気が楽かもしれませんが、全身麻酔はその麻酔そのものに副作用のリスクがあることや、術後に様子を見なければならない期間が長いという注意点があります。逆に喉頭ファイバースコープによる手術は、軽度のポリープでしか行えない、また手術の難易度が高いといった点に注意が必要です。このような手術はどこでも両方受けられるというわけではありませんし、病状によってどちらが適切かも分かれますので、手術をするかどうかの判断、そしてどちらの手術を受けるかの判断については専門の医師と相談することをお勧めします。

また、手術も治療の一部ですが、適切な声の出し方の練習も同じくらい大切です。これには術後の回復を促すという意味もあれば、ポリープの再発を予防するという意味もあります。言語聴覚士(ST)という、発声を含めた口や耳周りのリハビリを専門とする資格があり、このような職種の方がいる医療機関では、医師だけでなく言語聴覚士も一緒に連携して治療に取り組んでいくことになります。

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