ぽりーぷようせいたい
ポリープ様声帯
両側の声帯が全体的に腫れた状態で、喫煙や大声を出し続ける職業などによる声帯の酷使が原因と考えられている
4人の医師がチェック 57回の改訂 最終更新: 2018.03.06

ポリープ様声帯の基礎知識

POINT ポリープ様声帯とは

ポリープ様声帯は、のど仏の高さにある、声を出す構造物である声帯内に粘液成分がたまって腫れる病気です。症状はしゃがれ声や、だみ声、のどの違和感などがあります。原因は喫煙が最多で、その他に大声を使うことなどが原因になります。診断は小さい鏡(間接喉頭鏡)や細いカメラ(喉頭ファイバースコープ)で声帯を観察して行います。治療は禁煙ですが、改善しない場合は、手術でむくんだ声帯の部分を切除します。術後は声帯をきれいに治すために数日間〜1週間の沈黙期間(声を使わずに筆談で過ごす期間)が必要になります。ポリープ様声帯が心配な方や治療したい方は耳鼻咽喉科を受診してください。

ポリープ様声帯について

  • 両側の声帯が全体的に腫れた状態
    • 両側の声帯が全体的に腫れる病気
    • 喫煙や大声を出し続けることによる声帯の酷使が原因
  • ポリープや声帯結節のように一部が腫れるのではなく、左右の声帯が両方とも厚ぼったくむくむ

ポリープ様声帯の症状

  • 声が枯れる
    • しゃがれ声やダミ声など、低い声になることが多い
  • のどの違和感
  • 腫れがひどくなると、呼吸が苦しくなることがある

ポリープ様声帯の検査・診断

  • 間接喉頭鏡検査
    • 鏡のついた道具で声帯を観察する
  • 喉頭ファイバースコープ検査
    • 鼻から細い柔らかい内視鏡を入れて声帯を観察する
    • 声帯の動きと、声帯のむくみの程度を観察する
    • 声帯に近づいて観察できるため、腫瘤の表面をよく観察できる
  • 喉頭ストロボスコピー検査
    • 声帯の振動を観察する
  • 区別が必要な病気(同じように声が枯れたり、声帯に何かができる病気)

ポリープ様声帯の治療法

  • 保存治療
    • 声帯の一部分のみが病気の場合は効果があることがある
    • 禁煙、声の出し方の訓練などを行う
  • 薬物治療
    • ステロイド吸入薬、炎症を抑える薬を使用
  • 手術治療:顕微鏡下喉頭微細手術
    • 全身麻酔で、顕微鏡と喉頭鏡を使って手術を行う
    • 声帯のむくんだ部分の内容物を、取り除く手術
    • 手術後に喫煙を行うと再発がしやすくなるため、禁煙が重要

ポリープ様声帯の経過と病院探しのポイント

ポリープ様声帯が心配な方

ポリープ様声帯では、声のしゃがれやのどの違和感といった症状が出現します。症状はのどかぜによるものと一見紛らわしく、自己判断では区別がつきづらいものです。

喫煙をしていて声がれがあり、のど以外の症状がまったくないなどでポリープ様声帯声帯ポリープといった病気ではないかと心配になった時には、耳鼻科のクリニックの受診をお勧めします。ポリープ様声帯の診断のためには喉頭ファイバー検査(胃カメラのように細いカメラをのどに入れる検査)や間接喉頭鏡といって歯科で使用する鏡のような器具での診察が必要ですが、いずれも基本的に耳鼻科で行われる検査です。医療機関によっては耳鼻科、耳鼻咽喉科(じびいんこうか)などと呼び名が異なることもありますが、どちらであってもみる病気は同じですので心配ありません。

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ポリープ様声帯でお困りの方

ポリープ様声帯の根本治療としては、全身麻酔での手術を行い、喉頭鏡と顕微鏡を使いながら、声帯を観察して、むくんだ声帯の内容物を除去します。しかし、まずは手術の前に炎症を鎮める薬を内服や吸入したり、喫煙者の場合には禁煙の徹底、そして大声を出さずに安静にしたりして様子を見ることで改善がないかを確認します。

できる治療を行った上でも改善がない場合には、やはり手術を受けることが必要となるかもしれません。全身麻酔で寝ている間に行われる手術で、数日間から1週間ほどの入院が必要となります。手術の判断については、耳鼻科の専門の医師と相談することをお勧めします。

また、手術も治療の一部ですが、適切な声帯の安静と声の出し方の練習が、術後の回復を促すという意味で大切です。言語聴覚士(ST)という、発声を含めた口や耳周りのリハビリを専門とする資格があり、このような職種の方がいる医療機関では、医師だけでなく言語聴覚士も一緒に連携して治療に取り組んでいくことになります。

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