あれるぎーせいびえん
アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜でアレルギー反応が生じて、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが起きた状態
17人の医師がチェック 128回の改訂 最終更新: 2023.12.11

アレルギー性鼻炎に対する治療:薬や手術など

アレルギー性鼻炎の治療の中心は薬物治療ですが、多くの種類があります。薬の効果が乏しい場合は免疫療法や、手術治療を勧められるかもしれません。それぞれの治療の効果などについて説明します。

1. 内服薬・点鼻薬

アレルギー性鼻炎に対して、病院で処方される内服薬点鼻薬について説明します。アレルギー性鼻炎の治療で中心に使われるものは、抗ヒスタミン薬の内服です。その他に、内服の抗ロイコトリエン薬や、鼻噴霧用ステロイド薬などを組み合わせて使用します。

アレルギー薬を、『鼻アレルギー診療ガイドライン(2016)』を参考に分類すると、下記の通りです。

  1. ケミカルメディエーター遊離抑制剤(内服薬)
    1. インタール®︎
    2. リザベン®︎
    3. ソルファ®︎
    4. アレギサール®︎
    5. ペミラストン®︎
  2. ケミカルメディエーター遊離抑制剤(点鼻薬)
    1. ノスラン®
    2. インタール®
  3. 第1世代抗ヒスタミン薬
    1. ポララミン®︎
    2. タベジール®︎
    3. その他
  4. 第2世代抗ヒスタミン薬(内服薬)
    1. ニポラジン®︎
    2. アレジオン®︎
    3. ジルテック®︎
    4. タリオン®︎
    5. アレグラ®︎
    6. クラリチン®︎
    7. アレロック®︎
    8. ザイザル®
    9. ゼスラン®
    10. ビラノア®
    11. デザレックス®
    12. その他
  5. 第2世代抗ヒスタミン薬(点鼻薬)
    1. リボスチン®
    2. ザジテン®
  6. 抗ロイコトリエン薬
    1. オノン®︎
    2. キプレス®︎
    3. シングレア®︎
    4. その他
  7. 抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬
    1. バイナス®︎
  8. Th2サイトカイン阻害薬
    1. アイピーディ®︎
  9. ステロイド薬(内服薬)
    1. プレドニン®
    2. セレスタミン®︎
    3. その他
  10. ステロイド薬(点鼻薬)
    1. リノコート®︎
    2. フルナーゼ®︎
    3. ナゾネックス®︎
    4. アラミスト®︎
    5. エリザス®︎
  11. 血管収縮薬(点鼻薬)
    1. プリビナ®
    2. トラマゾリン
  12. その他(漢方薬など)

上に列挙した点鼻薬や内服薬のうち、よく使われるものについて説明します。

点鼻薬

アレルギー性鼻炎に対して、病院で処方される点鼻薬は主に、鼻噴霧(びふんむ)用ステロイド薬と、血管収縮薬です。その他に、抗ヒスタミン薬や、ケミカルメディエーター遊離抑制剤などを含むものもあります。

  • ステロイド薬
    • アラミスト®
    • ナゾネックス®
    • エリザス®
    • フルナーゼ®
    • リノコート®
  • 血管収縮薬
    • プリビナ®
    • トラマゾリン
  • ケミカルメディエーター遊離抑制剤
    • ノスラン®
    • インタール®
  • 抗ヒスタミン薬
    • リボスチン®
    • ザジテン®

アレルギー性鼻炎の治療で主に用いられる鼻噴霧用ステロイド薬と、血管収縮薬について説明します。

鼻噴霧用ステロイド薬はアレルギー性鼻炎の治療薬の中で、症状の改善効果が高い薬です。鼻粘膜の炎症を抑える働きで、効果を発揮します。ステロイド薬には様々な副作用がありますが、鼻噴霧では、体内に吸収されるステロイドは微量であり、全身での副作用がほとんど現れない利点があります。

使用開始から1-2日で効果がでて、鼻水、鼻づまり、くしゃみいずれにも効果を発揮します。1回の使用で症状が軽快する効果はなく、継続して使用することで、鼻粘膜の炎症を抑えます。短期間のみの使用で症状が軽快しないと言って、使用を中断するのではなく、継続使用してみると良いでしょう。

1日1回のみの使用で効果を発揮する鼻噴霧用ステロイドの特徴を下記にあげます。どれでも効果は同等なので、自分にあったものを使用しましょう。

処方薬 剤形 対象年齢 薬価 特徴
アラミスト 液剤 2歳以上 2017.1円 においがない
眼の症状に対する効果が報告されている
ナゾネックス 液剤 3歳以上 1912.3円(56噴霧用) においがない
1か月用のサイズがある(112噴霧用で薬価3832.5円)
エリザス 粉末剤 15歳以上 1779.5円 液だれしない
使用感が少ない

(薬価は2017年時点)

内服薬:アレルギー薬

アレルギー性鼻炎のしくみは「どうしてアレルギーで鼻炎が起こるのか?」に記載してあります。アレルギーの症状を引き起こす様々な部分をブロックする内服薬が色々と開発されています。薬の作用のしくみで分類すると「アレルギー性鼻炎に対する治療薬」のようになりますが、ここでは広く使われている、抗ヒスタミン薬と、抗ロイコトリエン薬について説明します。

・抗ヒスタミン薬

アレルギー性鼻炎の治療で、最もよく使用されるのは、抗ヒスタミン薬です。ヒスタミン薬には第1世代と第2世代があります。現在は第2世代抗ヒスタミン薬が主に用いられます。

第1世代の代表的な薬はd-クロルフェニラミンマレイン酸塩(商品名:ポララミン®など)です。第1世代の抗ヒスタミン薬は、眠気、胃腸障害、口の渇き、めまい、便秘、尿がでにくいなどの副作用が強いため、現在は第2世代抗ヒスタミン薬が主に使われます。第1世代抗ヒスタミン薬は、緑内障前立腺肥大、気管支喘息の人には特に注意が必要です。ポララミンが処方される場面としては妊娠中があります。ポララミンは昔から使用されている薬で安全性が確立されているため、妊娠中にも内服可能です。

第2世代抗ヒスタミン薬は第1世代の改良版で、眠気などの副作用が軽減されています。内服開始後、十分な効果がでるのに、2週間程度かかりますが、1回内服での効果の持続時間は長いという利点があります。

様々な種類があり、1日1回の内服ですむもの、眠気が少なく運転など機械類の制限がないものなどありますので、個々にあった薬を使用すると良いでしょう。一般的に眠気が強い薬が効果が高いと思われがちですが、人によって眠気が強くでる薬は異なりますので、担当医と相談して、自分にあう薬を見つけられると良いと思います。

・抗ロイコトリエン薬

抗ヒスタミン薬の次に良く用いられているものが、抗ロイコトリエン薬です。抗ロイコトリエン薬は気管支喘息の治療薬としても用いられます。抗ヒスタミン薬に比較して、鼻づまりに効果があります。内服開始後、約1週間で効果がでます。副作用として、下痢、腹痛、白血球減少や血小板減少などがみられることがあります。

内服薬:ステロイド

ステロイドは体の副腎という臓器でもともと作られているホルモンを元に作られた薬です。副腎皮質ステロイドとも呼ばれます。もともとステロイドは、免疫を抑えたり、炎症を抑えたり、体の血糖値をあげたり、血圧をあげたりする多様な作用があります。アレルギー性鼻炎は免疫が鼻で働きすぎている状態なので、ステロイドの作用を利用して、免疫を押さえて、アレルギー性鼻炎の治療を行います。

通年性アレルギー性鼻炎でステロイドを使用する場合は、点鼻薬として使用することが多く、内服する機会はあまりありません。季節性アレルギー性鼻炎で急激な症状の悪化がある場合には、短期間のみ内服のステロイドを使用することがあります。

内服のステロイドは体に入ってきた花粉に対するアレルギーを、根本から抑えることができるため、強力な効果があります。しかし長期的に使用する場合には、もともとホルモンが持つ作用が、副作用として強くでることがあります。副作用は高血圧、血糖上昇、骨粗鬆症白内障緑内障、感染にかかりやすくなる、などです。アレルギー性鼻炎では通常短期間のみの使用を行います。短期間の使用では、ほとんどの場合、大きな副作用は現れません。

古くから耳鼻咽喉科で、よく使われている内服のステロイド薬に、セレスタミン®配合錠があります。第1世代抗ヒスタミン薬のポララミン®と、ステロイドを合わせた薬です。ポララミン®の副作用で眠気がでることがあります。

セレスタミン®配合錠に含まれるステロイドは少量ではありますが、長期間に渡って使用すると、急激な中止により副腎機能不全症を起こすことがあります。ステロイドを内服し続けていると、体で合成するステロイド量が減り、急激な内服の中止で、血圧や血糖を保てなく成る病気です。命に関わることもありますので、長期間にわたって、セレスタミンを使用している場合は、自分の判断で急に中止しないでください。安全に中止するには、医師の管理下で少しずつ減らす方法があります。

内服薬:漢方薬

病院で処方されるアレルギー性鼻炎に対する漢方薬の中で、臨床試験で有用性が確認されているものは、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。小青竜湯に含まれる麻黄(まおう)という成分が、鼻づまりに効果があります。

他の漢方薬でも麻黄が含まれているものはあり、鼻づまりに一定の効果があるという報告があります。麻黄は効き目が速く、特に鼻づまりに効果があります。しかし、長期間に渡って内服する薬ではありません。

漢方を選ぶ時は、それぞれの証(しょう)にあった薬を選ぶ必要があります。証とは漢方医学で人の体質や症状を指す言葉です。麻黄は中〜実証向けであり、虚証の人には合わないことがあります。虚証の場合は、麻黄の副作用である動悸や、胃腸症状が出やすくなります。

小青竜湯は中間証の人に適するとされていますが、比較的幅広く使用可能であり、最初に使用することも多い薬です。

麻黄には覚醒作用があるので、抗ヒスタミン薬で眠気が強い場合などに、麻黄を含む漢方薬を考慮してもいいでしょう。長期的に連用する薬ではないため、実際の使用方法としては、鼻噴霧用ステロイドを基本的に使用し、鼻づまりが強い時に、漢方薬を併用する方法などが考えられます。

注射薬:抗IgE抗体

オンズリマブ(ゾレア®)は2020年から最重症の季節性アレルギー性鼻炎に使用できるようになった薬です。気管支喘息や慢性蕁麻疹の治療に用いられてきました。季節性アレルギー性鼻炎では他の治療では十分な効果が得られない人に使用が検討されます。

IgEというアレルギー反応に関係するタンパク質に結合して効果を発揮します。体重および血液中のIgE濃度に応じた量を2週間または4週間ごとに皮下注射します。すでに起きているアレルギー性鼻炎の症状を速やかに抑える効果はないため、スギ花粉の飛散初期に投与を受ける必要があります。

投与量にもよりますが、1回の注射で10万円以上の薬価になることがあります。医療保険が適応されると3割や1割の負担になり、高額医療費の対象にもなるので、負担は少し軽減されます。しかしスギ花粉の飛散時期には定期的に注射を受けるため、経済的な負担も大きいです。使用開始に際しては主治医と十分に相談してください。

2. 吸入治療(ネブライザー治療)

耳鼻咽喉科で行われる治療として、ネブライザーによる吸入治療があります。耳鼻咽喉科に受診すると、最後に霧を吸入する治療をされることがあります。これが吸入治療で、ネブライザーというのは霧を吹く機械です。ネブライザーには数種類の薬が入っており、鼻通りを良くしたり、鼻粘膜の炎症を抑える効果があります。

ネブライザー治療以外で鼻粘膜に直接投与する薬としては、鼻噴霧用ステロイドがあります。鼻噴霧用ステロイドに比べてネブライザーでは、霧状に薬が散布されるため、鼻の奥まで到達させることができます。

3. 免疫療法:舌下免疫療法、皮下免疫療法

アレルギー性鼻炎の免疫療法は、もともとのアレルギー体質を変化させて、症状を軽くする治療です。アレルゲン免疫療法、減感作療法(げんかんさりょうほう)などともよばれます。抗ヒスタミン薬などの内服は、現在起こっている症状を抑える治療方法で、根本的な治療ではありません。免疫療法(減感作療法)は、アレルギーを根本的に治療する方法になります。

アレルギー性鼻炎は、個々のアレルゲンに対して、体の中にそれに対応した抗体特異的IgE抗体)という物質ができることで起こります。免疫療法は、アレルゲンを少しずつ投与することで、免疫を変化させて、アレルギーを起こしにくくする治療方法です。詳しくは次の節に書いてありますので、興味があれば読んでみてください。

免疫療法とは?

免疫療法(減感作療法)は、アレルギーの原因となっている、アレルゲンを少しずつ体に入れて、アレルゲンに体を慣らして、アレルギーが起こりにくくする治療方法です。 免疫療法には2種類あり、注射によるものと、舌下錠・舌下液によるものがあります。以前から注射による皮下免疫療法(ひかめんえきりょうほう)は行われていましたが、通院の頻度が多いこと、注射をしなければいけないこと、稀に副作用で強いアレルギー反応が出る欠点などがあり、あまり普及していませんでした。 現在、広く行われているのは、2014年から保険適応になった舌下免疫療法です。舌の下に薬を投与するため、痛みが少なく、通院頻度も少なく、より簡単に、安全に行うことができる治療法です。内服薬を舌の下に投与して治療を行います。 現在、舌下免疫療法を行うことができるのは、スギとダニのアレルギーのみです。

<舌下免疫療法ができない人>

  • スギ・ダニ以外のアレルゲンが主な原因でのアレルギー
  • 5歳未満の子ども
  • 重症の気管支喘息喘息発作を誘発する可能性があるため

<舌下免疫療法に注意が必要な人>

  • 気管支喘息患者
  • 悪性腫瘍がん)、免疫系に影響を及ぼす全身性疾患があるとき(自己免疫疾患、免疫複合体疾患、免疫不全症など)
  • 高齢者:65歳以上
  • 妊婦、授乳婦

ダニ、スギともに舌下錠を口の中で溶かします。

初めて薬を使用する時はアレルギーが出る可能性があるので、処方をしてもらった医療機関で使用し、その場で30分程度待ち、強いアレルギーが出ないか確認します。問題がなければその後は自宅で投与を繰り返します。

使用するアレルゲンの量を徐々に増量します。維持量といってある程度の量まで増やしたところで以後は同じ量を使い続けます。維持量で最低2年間は使用する必要があります。その間は1ヶ月に1回通院します。

スギ花粉症の舌下免疫療法は花粉が飛散している時期に開始することはできません。副作用が強くでる可能性があるからです。

副作用は、治験の報告によると、スギでは20%程度、ダニでは65%前後の人にみられています。

皮下免疫療法で起こる重いアナフィラキシーショック気管支喘息発作は舌下免疫療法では起こりませんでした。アナフィラキシーショックとは、強いアレルギー反応で血圧が低下し、命の危険が生じたような状態です。舌下錠が触れる舌や口腔(口の中)のかゆみ、痺れ、むくみ、鼻水の増加、皮膚のかゆみ、蕁麻疹じんましん)などの報告があります。舌の下の浮腫(むくみ)が強い場合は、治療を一時中止する必要があります。

厚生労働省の研究ではスギ花粉症に対する舌下免疫療法は70%以上の人に有効で、症状が軽くなった人も多くいました。

4. 手術治療:外来で行うことができるレーザー治療

アレルギー性鼻炎の内服薬や点鼻薬では、鼻水やくしゃみ、鼻づまりを抑えることはある程度可能です。しかし、薬を使用しても症状が改善しない場合には手術治療を行うこともあります。外来で行うことができる手術として、レーザーや薬などを使って、鼻粘膜を焼いて縮小させる手術があります。レーザー治療は使うレーザーによって細かい違いがあり、鼻粘膜の表面のみ焼くものと、鼻粘膜の深い部分まで焼くものがあります。

レーザー治療の方法は、鼻の中に麻酔薬のついたガーゼを入れて麻酔をした後に、鼻の粘膜をレーザーで焼きます。麻酔時間を含めて1時間程度で行うことができます。

処置後は、鼻出血を防ぐ目的で、血流のよくなる長時間の入浴や、飲酒、運動を避けます。合併症として、鼻血がでることがありますが、上記の点に気を付けていればごく軽度で止められます。処置後は、鼻づまりの悪化が1週間程度あります。

治療費は使うレーザーによっても異なりますが、手術費用のみでは6,000-10,000円程度の自己負担で行うことができます。医療機関に問い合わせてみて下さい。

レーザー治療の効果は1-3年です。再度症状が悪化した場合は、再度レーザー治療を行うこともできるほか、全身麻酔で鼻の粘膜を縮小させる手術や、鼻水を分泌する神経を切断する手術などを行うという選択肢もあります。

5. 手術治療:鼻の中の構造を変える手術、神経を切る手術

薬を使用しても症状が改善しない場合の治療方法として、手術で鼻の中の構造を変えたり、神経を切る方法があります。レーザー治療を行って、症状が改善しない場合や症状がぶり返す場合に、この手術を行うことを考慮します。腫れた鼻粘膜を減量したり、鼻の左右の仕切りをまっすぐにして鼻づまりを改善する手術や、鼻水を分泌する神経を切断して鼻水を減らす手術などがあります。病状に応じて行う手術を選択します。

鼻づまりを改善する手術

腫れた鼻粘膜によって鼻づまりが強い場合に行う手術です。鼻の中には下鼻甲介(かびこうかい)という飛び出した部分があります。アレルギー性鼻炎の炎症によって、下鼻甲介の粘膜が腫れると鼻の中が狭くなって鼻が詰まりやすくなります。そこで下鼻甲介の粘膜を削ったり、内部の骨を取り除いて、下鼻甲介をボリュームダウンします。下鼻甲介の粘膜を削る時に、鼻水を出す神経も少し切断されるため、鼻水の量を減らす効果も少しあります。

以前は局所麻酔で行われていた手術ですが、現在は内視鏡を使いながら、全身麻酔で行われることが多いです。内視鏡を用いない場合は、粘膜下下鼻甲介骨切除術(ねんまくかかびこうかいこつせつじょじゅつ)などと呼ばれ、内視鏡を用いて手術をした場合は、内視鏡下鼻腔手術I型(下鼻甲介手術)と呼ばれます。

左右の鼻を分ける仕切りである鼻中隔(びちゅうかく)の曲がりが強いと、鼻づまりの原因になります。鼻中隔の曲がりが強い場合は、鼻中隔をまっすぐに矯正する手術を合わせて行うこともあります。内視鏡を用いない場合は鼻中隔矯正術(びちゅうかくきょうせいじゅつ)と呼ばれ、内視鏡を用いた場合は、内視鏡下鼻中隔手術I型(骨、軟骨手術)と呼ばれます。

鼻水を減らす手術

鼻水を出す神経は後鼻神経(こうびしんけい)と呼ばれます。鼻の中全体に後鼻神経が分布してます。後鼻神経を切断することで、鼻水の量を減らすことができます。経鼻腔的翼突管神経切断術(けいびくうてきよくとつかんしんけいせつだんじゅつ)と呼ばれる手術です。後鼻神経を切断する方法として、鼻の奥から出てくる太い神経を切る方法と、下鼻甲介に分布する細い神経を切る方法があります。鼻の奥の太い神経を切る方法では効果が高いのですが、一緒に走る太い動脈を切断することがあります。後鼻神経と一緒に走る太い動脈は蝶口蓋動脈(ちょうこうがいどうみゃく)と呼ばれ、この血管を手術時に切る場合があります。太い血管を切る場合は止血するのですが、手術後に止血した場所からの出血のリスクがあります。この手術は、行うことができる施設と、できない施設がありますので、医療機関に問い合わせてみてください。