胆石症の治療について
胆石症とは、胆のうの中に石のような塊ができてしまう病気のことです。胆石による症状があるかないかで治療方針は大きく異なってきます。このページでは、胆石症の治療や治療後の生活について知っておきたいさまざまな知識を説明しています。
目次
1. 胆石症の治療方針について

胆石症の治療方針は、症状があるかないかで大きく異なります。
胆石症のよくある症状に、右脇腹やみぞおちの痛み、吐き気などがあります。症状がある人のほとんどは、手術を含めた何らかの治療をすすめられることになります。
一方で、胆石があっても自覚症状が全くない人もいます。身体の中に胆石があることを知らずに生活していて、健康診断などで偶然みつかる人も多くいます。胆石症でも日常生活で特に困っていることがなければ、ほとんどの人は1年に一度くらいの間隔で定期検査を受けながら様子をみることになります。
はじめに症状がない人への治療について、以下で詳しく説明していきます。
2. 症状がない人への治療について
胆石の症状として腹痛や吐き気などが出ることがありますが、これらの症状が全くないことを無症状胆石といいます。無症状胆石の人は、特に生活に困っていることがなければ治療をせずに様子見になることが多いです。
無症状胆石の人が何も治療を行わずに放置した時に懸念されるのは「新たに症状が出る可能性」と「胆のうがんが
無症状胆石によって新たに症状が出る可能性について
無症状胆石がある人のうち、新たに症状が出るようになった人は年に2-4%といわれています。また、無症状胆石が初めてみつかってから、最初の1-3年の間に最も症状を自覚しやすいことが報告されています。
多くの調査報告の結果をまとめると、無症状胆石の9割以上の人は無症状のまま長期的に経過するという見解です。
胆のうがんが発症する可能性について
胆石症の人が胆のうがんを発症しやすいかについては、今のところはっきりしていません。胆のうがんは比較的まれな病気のため、まだ詳しく分かっていないことが多くあります。無症状胆石の人を5年以上観察した調査では、胆のうがんが発生した人は全患者の0.3%程度でした。よって、すべての無症状胆石の人に胆のうがんを予防するための治療がすすめられることはありません。しかし、胆のうがんの人を調べると、胆のうがんとあわせて胆石がある割合が高いことが知られています。そこで胆石症の検査をする際には、胆のうがんが隠れていないかも同時に調べられます。
胆石症を疑われた人は
また、これまで報告された研究の中には、胆のうがんとの関連が高い可能性を指摘されているタイプの胆石症の人もいます。具体的には以下のようになります。
- 3㎝以上の大きな胆石がある人
- 磁器様胆のう(胆のう壁が全周にわたり石灰化している胆のう)がある人
- 胆のうの中に胆石が充満している人
上記に当てはまる人は、症状がなくてもお医者さんから治療をすすめられることがあります。
報告によりますと、検査した時点では胆のうがんが見つからなかった無症状胆石の人が、将来的に腹痛が出たり、
胆石症で症状がある人や、胆のうがんが疑われる人に対する治療の
3. 胆石による症状を和らげる治療
胆石による症状の中で最も多いのは腹痛です。胆石症の人の中には、胆石
胆石に対する治療の第一選択は手術で胆のうを丸ごと取り除くことですが、受診してから検査中や治療方針が決まるまでの間も痛みが続くことがあります。その時は根本的な治療にはなりませんが、痛みを和らげるために、まずできることがあります。
胆石発作の痛みが比較的軽い人は、胆のうや
市販薬の痛み止めで一時的に痛みをしのげることもありますが、
4. 胆のうを取り除く手術(胆のう摘出術):開腹手術と腹腔鏡手術との違い
胆石症による何らかの症状がある人は胆のうの摘出手術を第一に勧められます。胆のうがなくなってしまっても大丈夫なのかと心配になる人が多いと思いますが、後述のように、ほとんどの人で日常生活に困ることはありません。
胆石症の症状は、いったん改善しても再発することが多いです。症状が出た人が手術をうけずに様子をみた場合、10年以内に再び症状が起こる確率は90%以上だったとの報告があります。また、高齢者では、高齢者でない人(ここでは70歳未満)と比べて重篤な症状が出る確率が高いとの報告があります。胆のう摘出術は
手術で胆のうを摘出する理由
手術では胆石だけを取り除くのではなく、胆石を含む胆のう自体を取り除く「胆のう摘出術」を行います。胆石を取り除いても、胆のうが残っていると再び胆石が作られてしまう可能性があります。(胆石のできるメカニズムについてもっと知りたい人は「胆石症ができる原因について」を参照してください。)
また、同じ場所に対して行う手術は回数を追うごとに難易度が高くなり、身体の負担も大きくなっていきます。そのため、1回の手術で原因を断つ方法がある場合にはその手術が選択されることがほとんどです。現在日本で行われている胆石症の手術は、これらの理由から胆のう摘出術が主流となっています。
胆のう摘出術では、主に次の操作が行われます。
- 胆のうと総胆管をつないでいる胆のう管を切断する
- 胆のうを栄養している胆のう動脈を切断する
- 胆のうの壁の一部が肝臓にくっついているため、肝臓の表面から胆のうを剥がす
上記の操作で、胆のうを丸ごと取り出すことができます。胆のうを摘出する手術法は、次に説明する開腹手術と
開腹手術と腹腔鏡下手術の違い
胆のうを摘出する手術には、開腹手術と腹腔鏡下手術の2種類があります。開腹手術とは、お腹を大きく切って直接手で触って行う手術です。腹腔鏡下手術とはお腹に小さな穴をあけ、
手術を受けるときには、手術で合併症が起きてしまわないか、命に関わる可能性がないかということが一番心配になるものです。開腹手術と腹腔鏡下手術を比べた報告では、手術による死亡率や合併症のおこる確率は同等でありながら、腹腔鏡下手術の方が入院期間は短くすむ人が多いことがわかっています。よって胆のう摘出術においては腹腔鏡下手術が第一選択の方法として一般的に広く行われています。
腹腔鏡下手術は、全身麻酔だけで行われることが多いです。一方、開腹手術はお腹の傷が大きくなるため、全身麻酔に加えて
腹腔鏡下手術と開腹手術について、次に詳しく説明します。
腹腔鏡下手術(腹腔鏡下胆のう摘出術)について

腹腔鏡を使って胆のうを摘出する手術は1990年代から広まってきた方法です。腹腔鏡という、先端にカメラが付いた直径1㎝程度の細長い
お腹の中で臓器を触るのは人の手ではありません。「マジックハンド」のような形の、細長い棒の先端に小さいハサミやピンセット状のものがついた「鉗子」と呼ばれる器械を使います。お腹に小さな穴を開けて鉗子の先端を挿入して手術が行われます。
腹腔鏡と鉗子を入れるために、お腹に5-20㎜程度の幅の穴を合計4か所ほどあけます。お腹の傷が小さく済むため、開腹手術に比べて身体の負担は少ないです。また、術後の痛みも少ないので一般的に回復が早いとされ、入院期間が短くすむことも多いです。
腹腔鏡を使うと高性能なカメラを臓器に近づけて撮影できるので、人が直接目で見るよりもお腹の中を詳細に、鮮明に観察することができます。ただし、カメラではごく狭い範囲しかモニターに映し出せないので、カメラが向いていない方向で起きていることを把握するのは難しくなります。非常にまれですが、カメラで見えていない場所の臓器に鉗子が当たって傷がつき、合併症がおこってしまうことがあります。
腹腔鏡下手術では臓器に人の手で直接触ることができないので、炎症が強かったり複雑な
なお、妊娠中に胆石症の手術を受けられるか心配な人もいるかもしれません。妊娠中の女性に関しては、腹腔鏡下手術は比較的安全で、胎児への影響も少ないと考えられています。
開腹手術について
開腹手術とは昔から行われてきた術式で、人の手が入るほどの長さの切開をお腹に加えて、臓器を直接手で触って手術をする方法です。人の手が入らないと手術はできませんので、少なくとも10-15㎝ほどの傷がお腹に残ることになります。傷の大きさに比例して身体の負担も大きくなり、術後の傷の痛みも強くなります。傷が完全に閉じるまでの時間もかかりますので、入院期間は腹腔鏡下手術より長くなることが多いです。
開腹手術は直接目で見て手で触りながら手術をすすめるので、炎症が強いなどの複雑な病態への対応に向いています。術前の検査では予測されなかった病態や、予期せぬ出血などにも即座に対処できるメリットがあります。
腹腔鏡下手術よりも開腹手術が第一にすすめられるのは次のような胆石症の人とされています。
以下でそれぞれについて説明します。
◎胆のうがんが合併している可能性がある人
胆のうがんを合併している可能性がある人は、がん細胞をお腹の中でひろげないようにするためにも開腹手術で行う方が良いといわれています。最終的には手術前に行った検査結果をもとに、手術を執刀するお医者さんと患者さんの間で十分に相談したうえで術式を決めていきます。
◎炎症が非常に強い人
胆のうの炎症が非常に強い人は、胆のうや胆管の壁が脆くなっていて破れやすい状態になっていることがあります。また強い炎症が長引いていると、逆に組織が硬くなったり、周りの組織と強くくっついて(
また、以下の重篤な胆のう炎を伴っている人は最初から開腹手術になる可能性が高くなります。
それぞれについて説明します。
胆のう周囲膿瘍を伴う急性胆のう炎とは、胆のうの周りに
胆のう周囲膿瘍を伴う人は、まず最初に経皮的膿瘍
胆汁性腹膜炎とは、お腹全体に炎症が広がってしまった状態です。上記のように胆のう炎がひどくなると胆のうの壁に穴があいてしまうことがあります。この穴から胆汁や胆石がお腹の中に広く散らばった状態が、胆汁性腹膜炎です。腹膜炎になると、全身性の炎症状態となって他の主要な臓器の機能も失われていく可能性がでてきます。この状態がすすむと多臓器不全となり、死に至ることもあります。
胆のうの周りに膿ができている人や腹膜炎になっている人には、お腹の広い範囲を素早く扱うことができる開腹手術が主に行われます。
◎Mirizzi症候群を伴っている人(胆石によっておこる特殊な胆管炎)
腹腔鏡下手術ではなく、開腹手術のほうがより安全とされる状態の一つに、Mirizzi症候群があげられます。胆のうの出入り口付近に胆石がはまりこみ(
Mirizzi症候群では強い炎症のために総胆管に穴があいてしまうこともあります。総胆管にも穴があいてしまうと、胆のうや胆石を取り除くだけでなく、総胆管を修復する作業や、ときに腸と胆管をつなぐ新しい通り道の作成(バイパス形成)といった難易度の高い手術が必要になります。そのため、Mirizzi症候群を伴う多くの人には開腹手術が適しています。胆石症で胆のうを取り除くだけの手術にくらべ、Mirizzi症候群に対する治療は合併症が起こる頻度も高くなることがわかっています。
5. 手術でよくある疑問
胆のうがなくなっても生活に支障はないのか、合併症には何があるのか、入院期間はどのくらいか、などさまざまな疑問や不安が浮かんでくると思います。ここで、そのようなよくある疑問について説明します。
胆のうがなくなった後の生活について
臓器を丸ごと取り除くと聞くと不安になることと思います。胆のうがなくなると胆汁が出なくなって、食べ物の消化や吸収の機能に影響が出るのではないかと心配になる人もいると思います。これまでにたくさんの人に手術が行われてきましたが、多くの人の経過から、胆のう摘出術後に消化や吸収の機能が落ちる心配はないと考えられています。また、胆汁は肝臓が作るものなので、胆のうがなくなっても胆汁がなくなることはありません。
胆のう摘出術後に軟便や下痢になる人も時々いますが、ほとんどの人は3カ月程で改善してきますので、胆のうがなくなることによって、日常生活で大きな問題が起こることはあまり多くないと考えられます。ただし、3カ月を過ぎても時々下痢になる人は全体の6%程度いるといわれているので、症状で困っている人はお医者さんに相談してください。
胆のう摘出術を受けたあとに大きな合併症なく過ごした人は、以下のようにして日常生活に戻っていくことになります。
腹腔鏡下手術ではお腹の傷が小さいため身体の回復も比較的早いです。仕事は事務職など座っての作業が中心であれば、術後1週間程度で復帰することができます。力仕事をする人は術後3週間ほどで復帰できます。激しい運動は術後3週間は控えるようにしてください。開腹手術も上記の期間で仕事や運動に復帰できる人はいますが、人によってはさらに時間がかかることもあります。
手術に伴う合併症について
手術では非常に少ないながら合併症が起こることがあります。合併症とは手術によって引き起こされるさまざまな問題のことです。胆のう摘出術においては腹腔鏡下手術と開腹手術とで合併症の起こる頻度はほぼ同等といわれています。ただし、傷の大きい開腹手術の方が、手術の後に傷の周りで感染が起こること(創感染)は多くなります。
胆のう摘出術で起こる主な合併症として以下のものがあります。
- 胆管損傷、胆汁漏(たんじゅうろう)
- 術後出血
- 創感染(創部感染)
- 発熱
それぞれについて説明します。
◎胆管損傷、胆汁漏(たんじゅうろう)
胆のう摘出術では、手術の時に誤って総胆管を傷つけたり(胆管損傷)、胆のうを剥がすときに肝臓の壁が深く傷ついたりすると、胆汁がお腹の中に漏れ出ることがまれにあります。これを胆汁漏といいます。胆汁は刺激性の強い物質なので強い腹痛の原因になります。胆汁漏がわかったときにはお腹に溜まった胆汁を体の外に出す管を挿入したり、ときには再手術を行って胆汁漏が改善するようにします。
◎術後出血
手術が終わった後に、胆のうを剥がした部分の肝臓の壁や、胆のうから切り離した血管から出血し、お腹の中に血液が溜まることがまれにあります。出血が激しい場合は緊急で
◎創感染(創部感染)
感染により手術後の創(きず)が腫れたり、痛んだりすることがあります。手術創感染ともいいます。命に関わるほどの重症になることは少ないですが、回復を遅らせる要素になります。ときに膿ができて傷口が開いたままになってしまうこともあります。 創感染が起きた場合には、感染した傷口を解放してシャワーなどで洗浄して治療します。
◎発熱
胆のう摘出術後に熱が出ることはしばしばあります。手術後に熱が出たからといって必ずしも緊急事態ではありません。まずはどうして発熱しているのかを考えることが解決への道筋です。
胆のう摘出術後に起こる発熱の原因となるものは以下が多いです。
| 手術熱(サージカルフィーバー) | 手術で身体に負担(侵襲)が加わったことが原因で熱が出る |
| 脱水 | 脱水になると発熱することがある。手術後は腸の機能が落ちてしまうことで、吸収ができなかったり下痢を起こしたりして、気付かないうちに脱水になることがある |
| 胆汁漏 | 総胆管や肝臓に傷がつくことで、胆汁がお腹の中に漏れて炎症が起こることがある |
| 胆管炎 | 手術中に胆のうを触ることで胆石が胆のうから総胆管に移動してしまい、術後に胆管炎が起こることがある |
| 他臓器損傷 | 手術中に誤って胆のう以外の臓器に傷がつくことで炎症が起こることがある。腸に傷がつくと腸 |
| 創部 |
胆のう摘出術によって創部感染症が起こることがあるが、他にも尿路感染症、肺炎、カテーテル関連血流感染症などが起こることもある |
| 手術中に長い時間同じ体位でいることや脱水になることで血管内に |
手術熱は明らかな異常ではなく単なる生体反応です。つまり、手術による侵襲(しんしゅう、傷付けること)が身体にかかると、特に異常がなくても発熱することがあります。しかし、明らかに何日も発熱が続いたり、発熱以外にも症状を伴ったりする場合は異常が起きている可能性が高いので、我慢せずに主治医や看護師に相談してください。
入院期間について
手術を受けることが決まった人は、全身の状態を把握するために必要ないくつかの検査を受けることになります。胆のう摘出術の手術前の入院期間は、手術前の検査の進み具合によって異なります。外来ですべての術前検査が終わっている場合には、手術の前日や当日の朝に入院することがあります。また、胆石症に急性胆のう炎が伴っているような人は、救急外来を受診してそのまま緊急手術となることもあります。
腹腔鏡下手術をうけて、とくに合併症なく経過した人は、手術日を含めて3-4日ほどで退院できることが多いです。大半の人は、手術の翌日から食事ができます。傷の痛みが飲み薬で対応できるほどにおさまって、身体を不自由なく動かせるようになれば退院の目途が立ちます。
開腹手術を受けた人は、とくに合併症なく経過しても、手術の傷の痛みが落ち着くのに1週間近くかかります。また、傷が完全にふさがって、傷を閉じている糸や金具が外される(抜糸、抜鈎)タイミングも手術して1週間後くらいです。開腹手術を受けた人は手術日を含めて少なくとも約1週間は入院すると思ってください。
上記はあくまで目安ですが、胆石症に加えて炎症もあった人は、さらに身体の回復に時間を要することが多いので、入院期間が延長する可能性があります。とくに開腹手術を受ける人は、病態がより複雑な可能性も高く、入院期間は長くなりがちです。
手術の費用について
胆のう摘出術の手術費用は一人ひとりの病気の状態によって異なるので一概に言えませんが、目安として一般的な費用について示します。
腹腔鏡下手術で入院期間が3−4日程度であれば、3割の自己負担で15万から20万円ですむことが多いです。開腹手術などで入院期間が1-2週間と長くなると、3割負担で25万から30万程度が目安になります。(2024年10月)
高額な費用となった場合は、後述する高額療養費制度を利用すれば、一定金額以上の金額に対して払い戻しがあります。費用面の負担で不安がある人は、手術をうけることになった医療機関へ問い合わせてみてください。
高額療養費制度について詳しくは厚生労働省のウェブサイトやこちらの「コラム」による説明を参考にしてください。
手術後の通院について
胆のう摘出術の治療を行った人は、退院後に少なくとも一度は手術を行った医療機関に受診するように言われます。外来ではお腹の傷の様子や退院後の体調の変化などが調べられます。また、手術で取り出した胆のうに、がんなど他の病気が隠れていなかったかを調べた結果について、お医者さんから説明されることもあります。特に問題がなかった人は、その後継続して通院する必要はないことが多いです。
一方で、手術中や手術後に合併症が起こった人や、胆石症以外に病気がみつかって新たに検査や治療が必要になった人などは、その後も継続した通院が必要となる場合が多いです。
6. 胆石を薬で溶かす治療:胆石溶解療法
胆石溶解薬という飲み薬で胆石を溶かす治療を胆石溶解療法といいます。胆石溶解薬にはウルソデオキシコール酸とケノデオキシコール酸があります。さまざまな理由で手術が選択されなかった人には、胆石溶解療法がすすめられることがあります。
胆石溶解療法がすすめられるのは、症状のある胆石症の中でも、胆のうの機能が正常で、
胆石溶解療法ではすべての胆石が消えるわけではありませんが、副作用が少なく安全な治療法であり、胆石による痛みを和らげる効果も期待できます。
7. 体外から石を砕く治療:体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)
身体の外側から胆石を砕く治療方法に体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)があります。この治療がすすめられるのは、胆のう機能が正常で、胆石の種類がレントゲンにうつらないコレステロール胆石の人です。
ESWLは身体に傷がつかない方法なので、手術に比べて身体の負担は少なくなります。一方で、胆石が再発したり、完全に胆石を除去できなかったりする点では手術に比べて劣っています。よってなんらかの理由で手術を選択しなかった人で上記の条件にあてはまる時に、すすめられる治療の一つです。
【参考文献】
・胆石症診療ガイドライン2016
・「NEW外科学」(出月康夫, 古瀬彰, 杉町圭蔵/編集)、南江堂、2012
・今村直哉、七島篤志、甲斐真弘. 胆石症の外科治療 胆道 32 (1): 51-61, 2018
・日本胆道学会学術委員会 胆石症に関する2013年度全国調査結果報告. 胆道 28: 612-617, 2014
・正田純. 性差による臨床像の差異ー胆石症ー. 胆と膵 39 (6): 515-519, 2018
・山口和哉、谷村広、石本喜和男ほか 剖検例からみた最近の胆石保有率と胆嚢癌合併率. 日臨外会誌 58: 1986-1992, 1997