2017.07.13 | ニュース

血糖値を下げる注射「GLP-1受容体作動薬」で胆石症に?

文献の調査から

from Diabetes, obesity & metabolism

血糖値を下げる注射「GLP-1受容体作動薬」で胆石症に?の写真

糖尿病の治療にはいろいろな薬が使えますが、それぞれに副作用もあります。GLP-1受容体作動薬を使った人のデータの解析で、膵炎・膵臓がん・胆石症への影響が検討されました。

イタリアの研究班が、文献の調査をもとに糖尿病治療薬の影響について検討し、結果を専門誌『Diabetes, Obesity and Metabolism』に報告しました。

この研究は、糖尿病治療薬のうちGLP-1受容体作動薬に分類される以下の薬剤を調査対象としました。

  • エキセナチド
  • リラグルチド
  • リキシセナチド
  • アルビグルチド
  • デュラグルチド
  • セマグルチド

過去の研究で、GLP-1受容体作動薬と膵炎などの関連を疑うものがありました。ここでは以前の研究報告のデータを集めて解析する方法で、GLP-1受容体作動薬と膵炎・膵臓がん・胆石症に関連があるかを検討しています。最近報告されたデータも調査範囲に含められました。

研究班は文献の調査により、2型糖尿病に対してGLP-1受容体作動薬とその他(治療薬または偽薬)を比較した研究のデータを集めました。

 

見つかった研究のデータを解析したところ、GLP-1受容体作動薬を使った人と使わなかった人で、膵炎と膵臓がんの発生率には統計的に差が確かめられませんでした。しかし、胆石症はGLP-1受容体作動薬を使った人のほうがやや多く発生していると見られました。

 

GLP-1受容体作動薬と胆石症に関連があったとする報告を紹介しました。

GLP-1受容体作動薬の主な副作用として、ほかの糖尿病治療薬と同様、血糖値が下がりすぎる低血糖には注意が必要とされます。また便秘や吐き気などの消化器症状が現れる場合もあります。

どんな薬にも副作用はあります。薬が広く使われるようになった結果、まれな副作用が遅れて発見されることもあります。すでに使われている薬についても影響の検討が重ねられることで、使用にあたってより確かな見通しを立てた上で判断するための役に立ちます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Safety issues with glucagon-like peptide-1 receptor agonists (pancreatitis, pancreatic cancer and cholelithiasis): Data from randomized controlled trials.

Diabetes Obes Metab. 2017 Feb 28. [Epub ahead of print]

[PMID: 28244632]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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