たんせきしょう(たんのうけっせき)
胆石症(胆のう結石)
胆のうの中に、砂つぶのようなかたまり(胆石)ができた状態。突然の痛みが起こることがある
12人の医師がチェック 143回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 胆石症(胆のう結石)のQ&A

    胆石症(胆のう結石)の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    胆石は主に胆汁に含まれる成分のひとつであるコレステロールが、胆のうのなかで結晶として析出し、徐々に大きなかたまりとなることで形成されます。特に脂質異常症や非アルコール性脂肪肝(NAFLD/NASH)を有する方はコレステロールが結晶として析出しやすく、胆石症になりやすいとされています1)

    また急激なダイエット2)では胆のうの収縮機能が低下するため胆石が生成されやすく、腸管運動の低下や食生活の習慣など、様々な因子が胆石の形成に関与します。

    胆石症(胆のう結石)は、どんな症状で発症するのですか?

    胆石を持っていることを胆石症といい、胆石に由来する腹痛を胆石発作といいます。

    胆石発作は胆のうが収縮することで起こる発作性の痛みで、みぞおちや右脇腹の腹痛として発症します。時には背中や右肩が痛くなることもあります。食後に起こることが多く、特に脂肪分の多い食事をした後に起こりやすいとされます。腹痛は1-5時間ほど続いた後に徐々に消失することが多く、吐き気を伴うこともありますが、通常高熱が出ることはありません。

    胆石症(胆のう結石)は、どのように診断するのですか?

    胆のう結石症の検査には通常腹部エコー検査を行います。

    腹痛の原因を調べるためにエコー検査を行うと、胆石が見つかって診断がつくことが多いです。ただし胆石が見つかったからといってその腹痛が胆石であるとは断定できず、胆石を持った方がほかの原因で腹痛を起こしている可能性もあります。

    検診で偶然胆石症が見つかることなども多いです。

    胆石症(胆のう結石)の治療法について教えて下さい。

    胆のう結石症の治療法の第一選択は手術療法です。胆石のみを取り除くことはできないため、胆のうごと手術で取ることになります。腹腔鏡を用いた胆のう摘出術が広く行われていますが、腹腔鏡での手術が困難なことが予測される場合は、開腹手術を行うこともあります。

    胆石症(胆のう結石)と胆石発作の違いについて教えて下さい。

    胆石症(胆のう結石)は胆のうの中に胆石を有することを指し、腹痛などの症状の有無は問いません。

    一方で胆石発作とは、胆石が胆のうの最も細い部分(胆のう管)を閉塞し、胆のうが収縮した時に胆汁を送り出せないため、結果として圧力が上がって強い腹部の痛みが発生することを指します。

    胆石症の人がかならず胆石発作を起こすとは限りません。胆石があるというだけで、何の症状もないまま何十年も過ごされる方もいます。

    胆石をもっていると、いつかかならず胆石発作を起こすのですか?

    胆石を持っている人がかならず胆石発作を起こすとは限りません。

    検診で胆石があると指摘されても、そのまま一生胆石発作を起こさない人もいます。

    胆石症(胆のう結石)の、その他の検査について教えて下さい。

    胆石症の診断には腹部エコーの他にCT、MRI、内視鏡検査があります。

    胆のう以外の場所に胆石を持つ場合は、エコー検査だけでは見つからないこともあり、腹痛の検査でCTを行った際にはじめて胆石が見つかることもあります。

    肝臓や胆のうからつながる胆管である、総胆管と呼ばれる場所にある結石を探す場合には、MRCPと呼ばれるMRIを用いた検査や、ERCPと呼ばれる内視鏡検査が有用であるとされています。

    胆石症(胆のう結石)では必ず手術が必要ですか?

    胆石を持つ人に必ず手術が必要というわけではありません。無症状の胆石症では、基本的に手術を行わず経過をみることになります。ただし年2-4%程度の割合で胆石発作などの症状が出現するとされ、その場合には手術を含めた治療を検討することになります。

    胆石症(胆のう結石)の人が他に注意すべき病気はありますか?

    無症状の胆石症の人の年間1-3%に、急性胆のう炎、急性胆管炎、急性膵炎、黄疸などの合併症が発生すると報告されています。

    ただし長期間無症状の人はそれ以降も合併症の発生頻度は低いとされます。

    胆石症(胆のう結石)で気をつけるべき症状はありますか?

    胆石発作を経験したことがあっても、とある腹痛の原因が常に胆石症であるとは限りません。胆石発作の腹痛は通常数時間で収まるため、症状が何時間も続く場合には他の原因を探す必要があるかもしれません。

    特に腹痛と同時に発熱がある場合は注意が必要で、感染を伴う胆のう炎や胆管炎になっている可能性があります。

    胆石症(胆のう結石)と診断が紛らわしい病気はありますか?

    みぞおちに同じような腹痛が起きる病気には、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、膵炎、逆流性食道炎、急性胃腸炎などがあります。また急性虫垂炎もはじめはみぞおちが痛くなることがあります。右脇腹に同様の症状を生じるものには尿路結石症があります。

    発熱や寒気を伴ったり、症状の持続時間が長い場合には、胆のう炎や胆管炎とよばれる状態になっている可能性があるため注意が必要です。

    胆石発作の治療法について教えて下さい。

    胆石発作を起こした場合の治療法としては、痛み止めを使用して発作が治まるのを待つのが第一です。一般的に数時間程度で発作は治まるため、胆石発作だというだけで、緊急手術が必要になることはありません。胆石発作が治まった後に、その後の発作や胆のう炎を予防するために、手術を行うかを相談するという流れが一般的です。

    どんな人が胆石症(胆のう結石)になりやすいのですか?また、胆石症は遺伝する病気ですか?

    以前から胆石症になりやすい因子としては、年齢が50代であること、女性、肥満症、白色人種(コーカソイド)、多産の方が言われてきました。

    最近の研究では遺伝的因子もある程度関与していると考えられています。

    胆石症(胆のう結石)の、手術以外の治療法について教えて下さい。

    胆石症の手術以外の治療法には、経口溶解療法(内服薬によって胆石を溶かしたり排出させたりする)と体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)があります。

    どちらも手術をしなくても良いというメリットは有りますが、行える結石の種類や大きさに限界があり、また再発率は低くありません。これらの理由から、基本的には手術療法が第一に勧められます。しかし、必ずこの治療でなければならない、という唯一の選択肢はありませんので、医師と十分に相談した上で治療法を考えることが重要です。

    胆石症(胆のう結石)で、胆石発作を起こした時には入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    胆石発作は通常数時間で治まるため、入院の必要はありません。

    しかし症状が落ち着いた後に、手術(胆のう摘出術)を受ける場合には3-7日前後の入院が必要になります。退院後は長期的な通院の必要はなく、術後に問題が生じていないことを確認するための外来通院が数回ある程度です。

    胆石発作の再発は予防できますか?

    胆石発作は、食後に胆のうが収縮することによって起こるとされ、特に脂肪分が多く含まれる食事が誘発因子とされています。しかし、どんな食事を摂っていても可能性をゼロにすることはできません。胆石発作を完全に無くしたい場合には、手術(胆のう摘出術)を行います。

    胆石症(胆のう結石)に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    胆石症のある人は、一定の割合で胆石に関連した他の病気を起こします。特に発熱や黄疸が出たり、腹痛が長時間続く場合には急性胆のう炎になっている場合があるため、医療機関の受診が必要です。

    胆石症(胆のう結石)は、手術をすると完治する病気ですか?

    手術(胆のう摘出術)を行うと胆石発作は起こらなくなります。ただし胆のう以外の場所(総胆管や肝内胆管)に胆石が再発する可能性は残り、それに関連する腹痛などの症状が出現する場合には、再度治療(ERCPといった内視鏡を用いた治療など)を受ける必要があります。


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