お腹が痛いとき、胆石は外科の超音波検査でどれぐらい見つけられるのか?

胆嚢(たんのう)に結石ができていても症状がなく元気な人は多いですが、胆石が詰まって胆汁の流れを止めてしまうと、激しい痛みを起こし、ひどい場合は命に関わります。素早く結果が出る超音波検査でどの程度正しく診断できるかが検討されました。
◆外科医の検査は正しいか?
ここで紹介する研究では、腹痛などの
外科医と放射線科医が同じ人に同じ検査を行い、結果を比べました。放射線科医は画像検査を専門にしているので、正しい診断の基準になります。放射線科医による検査の結果と外科医による検査の結果を比べることで、外科医による超音波検査がどの程度正しいかが検討されました。
◆検査で陽性なら99%は正しい
放射線科医による検査結果を基準として、次の結果が得られました。
感度 は88%(76例中67例)、特異度 は99%(103例中102例)、陽性正診率は99%(68例中67例)、陰性正診率は92%(111例中102例)だった。
外科医による超音波検査で、結果が陽性(胆石があるという判断)のとき、実際に胆石があった割合は99%でした。結果が陰性(胆石がないという判断)のときは92%が正しい判断でした。
画像検査に特化した専門家と比べても、外科医による検査で高いレベルの結果が出ました。診断をもとに緊急の手術ができるのは外科医なので、外科医自身が専門家の助けを借りずに検査できれば、素早い治療につながるかもしれません。
執筆者
Accuracy of Surgeon-Performed Ultrasound in Detecting Gallstones: A Validation Study.
World J Surg. 2016 Mar 2. [Epub ahead of print]
[PMID: 26935564]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。