胆石症の原因、症状、生活との関係について

この記事のポイント
2. 胆石症の治療
胆石症は、胆嚢(たんのう)や胆管という、肝臓と十二指腸の間にあって胆汁が通る道のどこかに結石ができる病気です。なぜ、そのような結石ができ、症状を起こすのでしょうか?
◆胆石とは
胆石は、体内の胆嚢や
胆石は、見つかった場所によって、胆嚢結石、総胆管結石、肝内結石などに分けられます。胆嚢結石が最も多く、胆嚢でできた胆石が移動して総胆管結石として見つかる場合もあると考えられています。総胆管でできる胆石、肝内でできる胆石では、ビリルビンカルシウム石が多いとされます。
胆石があるだけでは症状を起こさないことも多いですが、症状が出る場合は、脂肪の多い食べ物を食べたあとなどに右の脇腹(季肋部)やみぞおち(心窩部)が痛むことがあります。ほかに発熱、
胆石ができるしくみは構成成分によっても違い、いずれも多くの要因が関わっていると考えられています。
古くから、胆石症は次のような人に多いと言われてきました。
- 40代から50代
- 女性
- 肥満
- 白人
- 出産経験がある
実際には調査ごとに違いもあるものの、統計的にこうした特徴との関連が確かめられています。また以下の点も統計的に関連が見つかっています。
- 胆嚢の収縮機能の低下
- 腸管の機能低下
- 脂質異常症
- 急激な体重減少
- 食習慣
食習慣については、様々な研究が行われています。炭水化物(または糖質)、動物性脂肪を多く食べる人などで胆石ができることが多く、果物、野菜、ナッツなどは、当てはまる人で胆石ができることが少ないといった報告があります。
◆胆石症の治療
胆石症の治療法には、お腹を切り開く手術のほか、
手術は、胆嚢結石に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術や開腹下胆嚢摘出術、総胆管結石に対して内視鏡的総胆管結石除去術や外科的総胆管結石手術などの方法があります。
ほかにウルソデオキシコール酸やケノデオキシコール酸といった薬を使うこともあります。
胆嚢結石は悪化した状態につながる場合もありますが、無症状で見つかってその後何年も問題を起こさないこともよくあります。そのため
医師によく相談し、患者自身の価値観とも照らし合わせて治療法を決定していく過程が大事です。
注:この記事は2016年2月17日に公開しましたが、2018年2月20日に編集部(大脇)が更新しました。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。