こうじょうせんえこーけんさ(こうじょうせんちょうおんぱけんさ)
甲状腺エコー検査(甲状腺超音波検査)
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

検査部位

甲状腺(頸部リンパ節、唾液腺、副甲状腺を観察することもある)

対象疾患

など

概要

甲状腺エコー検査甲状腺超音波検査)とは、身体の表面から甲状腺に向かって超音波を当て、反射してきた情報をもとに映像を構築し、甲状腺を調べる検査です。甲状腺超音波検査は甲状腺の構造の異常を見つけることができ、甲状腺疾患の診断や治療の経過を見る際に使われます。甲状腺エコー検査は安全な検査であり、被ばくの心配もありません。妊婦や子どもに対しても行うことができます。病院や一部のクリニックで受けることができます。

メリット

  • 非侵襲的検査(体内に器具を入れない検査)であるため、安全である。そのため妊婦や子どもに対しても行うことができる
  • 繰り返し実施できるため、診断のみならず、治療の経過を見る際にも使うことができる
  • 検査時間は15-30分と短く、簡便な検査である
  • X線を使わないため被ばくしない
  • CT検査やMRI検査に比べて、費用が安く済む

デメリット

  • 検査を行う人の技量によって結果が左右される

詳細

甲状腺エコー検査(甲状腺超音波検査)とは、身体の表面から甲状腺に向かって超音波を当て、反射してきた情報をもとに映像を構築し、甲状腺を調べる超音波検査です。超音波とは人には聞こえない高い振動数の音のことです。液体や柔らかい組織は超音波が伝わりやすいので、画像では黒っぽくなります。一方、骨自体や石灰化といって骨のようなものが甲状腺にできると、その場所は超音波が伝わりにくいので画像では白っぽくなります。

検査の流れ

  1. 超音波検査は室内で行う。首の前面にある甲状腺の観察ができるように、首を露出する。体の向きは仰向けになる
  2. 甲状腺を観察しやすいように、首や肩の下に枕を入れて首を伸ばす。首の前面にゼリーが塗られ、そこにプローブ(超音波の送受信を行う機械)が当てられる
  3. 甲状腺の構造、血流などの観察を行う(観察項目は後述)
  4. 検査時間は15-30分である

観察項目

  • 甲状腺の大きさ、形
  • 甲状腺に腫瘤(こぶ)はないか
  • 頸部リンパ節の有無、大きさ
  • 甲状腺や腫瘤の血流(カラードプラという測定方法による)
  • 副甲状腺の大きさ、形
  • 唾液腺の大きさ、形

など

検査でわかること

臓器の大きさや形、高エコー(反射が多く白っぽく映る)・低エコー(反射が少なく黒っぽく映る)の違いから、病気ごとの特徴的な所見を捉えることができます。ここでは、一部の甲状腺の病気について説明します。

  • 甲状腺非腫瘍性疾患
    • 橋本病慢性甲状腺炎):甲状腺が腫れて、エコーでは不均一に黒っぽくなります。慢性甲状腺炎が進行すると甲状腺の機能が低下し、腫れていた甲状腺は縮んできます。
    • 亜急性甲状腺炎:痛みを感じている甲状腺の部分がエコーでは黒っぽくなります。
    • バセドウ病:甲状腺の機能が亢進する代表的な病気です。全体的に甲状腺が腫れて、ドプラモードでは血流は多くなっているのが観察されます。
  • 甲状腺良性腫瘍
    • 腺腫様甲状腺腫:甲状腺の良性のしこりです。大小さまざまで、内部が固形のもの、液体の入った嚢胞状のもの、石灰化しているものなど、さまざまなものがあります。
    • プランマー病甲状腺ホルモンを過剰に産生する良性のしこり)です。ドプラモードではしこりの箇所に一致して血流が多くなっているのが観察されます
  • 甲状腺悪性腫瘍
    • 甲状腺がん:甲状腺のがんです。甲状腺良性腫瘍と異なり、正常な部分との境目が不明瞭で、形の整っていない腫瘤(こぶ)が見られます。
    • 悪性リンパ腫白血球の一つであるリンパ球に由来するがんです。橋本病がもとになって起こることが多いです。エコーでは均一に黒っぽく見えます。
  • 副甲状腺機能亢進症
    • 原発性副甲状腺機能亢進症:副甲状腺自体の異常で機能が亢進してしまう病気です。副甲状腺は甲状腺の背側に合計4つありますが、そのうちの1つのみが腫れていることが多いです。
    • 続発性副甲状腺機能亢進症:副甲状腺自体の異常ではなく、慢性腎不全などに伴って副甲状腺の機能が過剰になってしまう病気です。副甲状腺が腫れているのが見られます。

測定方法

Bモード(断層法)

プローブ(超音波の送受信を行う機械)を当てる位置により、臓器の様々な断面図を得て、構造を知ることができます。

ドプラモード

断層法の画像上に、血液の流速と向きを色で表します(プローブに向かってくる血液は赤、離れる血液は青)。例えば、バセドウ病では血流が速くなるのを確認することができます。