がんきゅうとっしゅつ
眼球突出
さまざまな原因により、眼球が前方に押し出され、眼が大きく見える状態。腫瘍や甲状腺の病気が原因として多い
8人の医師がチェック 74回の改訂 最終更新: 2018.10.18

眼球突出の基礎知識

POINT 眼球突出とは

眼球が前方に突出している状態のことです。特に症状はない場合もありますが、物が二重に見えたり、まぶたが閉じきらずにドライアイが起こしたりします。甲状腺機能亢進症が一般的な原因で、その他には目や副鼻腔の腫瘍や感染症、血管の病気(頸動脈海綿動脈洞瘻など)も原因になります。必要に応じて血液検査や画像検査(MRI検査やCT検査)を行い、原因や目の状態を詳しく調べられます。突出した目に対して治療を行うことは少ないですが、症状が強い場合は、手術が検討されます。眼球突出が疑われる人の診療は眼科や内科、脳神経外科で行われます。

眼球突出について

  • さまざまな原因により、眼球が前方に押し出され、眼が大きく見える状態
  • 主な原因
  • 片眼か両眼かで原因が異なる
    • 片眼:腫瘍・感染症・血管の病気が影響していることが多い
    • 両眼:バセドウ病であることが多い

眼球突出の症状

  • 眼球突出
  • 視力障害や視野障害
    • 物が二重に見える
  • まぶたがうまく閉じなくなると眼球の乾燥(ドライアイ)が起こる
  • 症状が急性に起こったのかゆっくり起こったのかが重要である
    • 急性の場合:感染症や、急速に大きくなっている腫瘍、血管の病気などの可能性がある
    • 慢性の場合:(両目であれば)バセドウ病の可能性が高い

眼球突出の検査・診断

  • 目が出ているのが両側か片側かがとても重要
    • 両側:バセドウ病による眼球突出を疑う
    • 片側:腫瘍や感染を疑う
  • 血液検査:甲状腺ホルモンの量などを調べる
  • 画像検査:甲状腺や眼の周りに腫瘍がないかなどを調べる
    • 甲状腺超音波検査
    • 頭部、頚部CT検査
    • 頭部、頚部MRI検査

眼球突出の治療法

  • 原因に対する治療を行う
    • バセドウ病が原因の場合:抗甲状腺ホルモン薬による薬物治療や、眼窩減圧術(眼のまわりの骨を削る)
    • 腫瘍が原因の場合:腫瘍摘出術
      • 上顎洞がんなどの副鼻腔がんの場合は早急に診断と集学的治療ができる施設での治療が大切
    • 頚動脈海綿静脈洞瘻血管内治療
    • 感染症抗菌薬による治療など

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