がんかほうかしきえん(がんかほうそうえん)
眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)
眼窩と呼ばれる眼のくぼみにある脂肪組織が細菌に感染して炎症を起こした状態
5人の医師がチェック 57回の改訂 最終更新: 2017.12.06

眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)の基礎知識

POINT 眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)とは

眼球が収まっている頭蓋骨の骨と、眼球との間にはクッション状の脂肪があります。その脂肪組織に突然細菌感染が広がってしまった状態が眼窩蜂窩織炎です。瞼が腫れて赤く痛くなり、ひどい時には眼が開かなくなることもあります。また、眼の奥のほうに炎症が広がると、急に視力が落ちたり、眼球が少し前にせり出してきたり、眼の動きが悪くなって物が二重に見えたりします。原因のほとんどは、眼の周りや鼻や喉、口の中など眼に近い部分の炎症が広がることがほとんどです。特に鼻がいつも詰まっていて、においのある膿のような鼻水が出てくる、慢性副鼻腔炎の人に起こりやすいので、注意が必要です。治療は点滴や内服の抗菌薬を使うことです。治療が遅れると、全身に感染が広がることもあるので、ひどくなるまで無理をせずに眼科や感染症内科を受診してください。

眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)について

  • 眼窩(眼が収まっている場所)の脂肪組織が細菌に感染し、炎症を起こした状態のこと
  • 主な原因
    • 鼻の奥や口の感染が原因となることが多い
    • その他にも手術やけがが原因で起こることがある
    • 副鼻腔炎から起こることがある
  • 原因となる細菌
    • 黄色ブドウ球菌
    • 肺炎球菌
    • 溶血性連鎖球菌(溶連菌)
    • インフルエンザ桿菌    など

眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)の症状

  • 発熱
  • まぶたの腫れ
  • 眼の痛み、充血
  • 物が二重に見える(複視
  • 眼が飛び出す(眼球突出
  • 眼が動かしにくい、動かすと痛い
  • 頭痛
  • 吐き気

眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)の検査・診断

  • 頭部CT検査副鼻腔炎など、眼の周りの状態を詳しく調べる
  • 細菌検査:血液などから感染の原因となっている細菌の種類を調べる

眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)の治療法

  • 抗菌薬による治療が原則
    • セフェム系抗菌薬
    • ペニシリン系抗菌薬    など
  • 重症な場合は手術を行うことがある
    • 鼻の中を一部切り、眼にかかった圧力を軽減するための手術

眼窩蜂窩織炎(眼窩蜂巣炎)のタグ

からだ

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